ラブライブ! 若虎と女神たちの物語   作:截流

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どうも、截流です!

今回は期末試験編の後編です。果たして穂乃果たちは無事に赤点を回避できるのか・・・!



それではどうぞお楽しみください!!


18話 一難去ってまた一難

「・・・というわけなんだ幸雄。」

 

「なるほど、俺たちが帰ったあとにそんな事があったのか。急に副会長を探してるなんて電話が来た時はびっくりしたがね。」

 

希から絵里の話を聞いて帰ったあと、志郎は幸雄に電話をかけて希から聞いた話をすべて話した。期末試験が終わった後のμ'sをラブライブ本戦に出場させるためにどうするかや、彼女たちと対立する絵里の動きを予測して、彼女の矛先を如何に穏便に躱すかを考えるためである。

 

「それで、海未はどんな反応だった?副会長の話を聞いたときのよ。」

 

幸雄は希の話を聞いた海未がどのような反応を示したのかをたずねた。いつもは海未をからかってる幸雄だったが、この時ばかりはいつもとは違って真面目な雰囲気だった。

 

「あいつなら生徒会長にダンスを教わりたいって言ってたよ。」

 

「なに?マジでか。」

 

「ああ、あいつ言ってたよ。『もし今のみんなが先輩の半分でも踊れるようになれれば本当の意味でみんなを惹きつけられるのにって思った。』ってよ。本当に強いよあいつらは。」

 

志郎の言葉を通じて海未の意思を聞いた幸雄は、

 

「ははは、あいつらしいな。実に結構!面白くなりそうじゃねえか。だが、そいつはそう簡単に事は運ばないぞ?なんせあの生徒会長なんだからな。」

 

と海未の意思を賞賛する一方で、それが難しい事である事を志郎に告げる。

 

「それならきっとあいつらなら乗り越えていけるだろう。それに生徒会長も恐らく心のどこかであいつらを意識してるはずだ。」

 

「ふふふ、やけに生徒会長を買っているな志郎。」

 

「そうか?」

 

「伊達に付き合いが古いわけじゃないからな。お前はどうもこの時代に生まれてからはあの時の自分に似た部分を少しでも持ってる奴を目にかけるようにしてるじゃないか。」

 

「悪い事ではないだろう。過去の自分と同じ過ちを犯す前にそれとなく歩む道を導こうと思ってるだけだ。…あの時の破滅をこの時代に生まれ変わってもう一度その目で見るなんてゴメンだからな。」

 

志郎は過去の自分の、武田勝頼の最期を思い出しながら忌々しげに呟く。

 

「何も悪いとは言っちゃいないさ。ただ、そういう傾向が見えるからお前の真意を聞きたかっただけさ。」

 

「ふん。まあ、ダンスを教わるだけでなく彼女をμ'sに加える事が出来ればさらに戦力が増強すると思うが、流石にそれは難しすぎるよな。そうさせるにはお互いに和解させなきゃいけないだろうし。」

 

「なんなら俺が生徒会長をそれとなく煽って奴らに仲間入りするように差し向けてやろうか?」

 

幸雄が笑いながら言うと、

 

「それはやめろ。お前の策は必ず上手くいくし、お前の知謀も買っているが女子高生であるあいつらには毒と刺激が強すぎる。下手すりゃどこかで拗れてそれこそ空中分解待った無しだ。」

 

と志郎は幸雄の提案をにべもなく却下した。

 

「流石に冗談だよ。それにしてもそこまで考えてるとは本当に生徒会長を買ってるし、μ'sの事も本当に大事に思ってるんだな。」

 

「ああ。」

 

「俺が思うに志郎からすれば一番似てると思ってるのは生徒会長だろ。あの意地っ張りっぷりは長篠までのお前さんにそっくりだからな。」

 

「長篠までの俺に触れるのはやめてくれ。あれは軽く黒歴史なんだ。いろんな意味でな・・・。似てると思うのは事実だけど。」

 

「やっぱりな。お前は挫折するのが遅すぎて、生徒会長は挫折するのが早すぎた、違いはそれだけであとはほとんどそっくりさんと言っても過言じゃないくらいだからな。」

 

「返す言葉もないな。ろくな挫折を知らずに進んだ末路があのザマだからな。生徒会長も早すぎた挫折から立ち直れてないように見える。あのまま進んで行ってしまっては間違いなく俺の二の舞を踏む羽目になる。だからそうなる前に…。」

 

「そうなる前にあいつらと和解させる、だろ?」

 

「ああ。なんとしてもだ。もちろん真っ当な手段でな。」

 

志郎の言葉には強い意志が滲んでいた。

 

「それよりも穂乃果達の方はどうだ?」

 

と志郎は話がひと段落ついたところで穂乃果たちの勉強がどうなってるかについて話を変えた。

 

「ああ、思った以上に難物だよありゃあ。まだ時間は残ってるからいいんだがこのままじゃマズいかもな。」

 

幸雄の言葉を聞く限り、万事上手くいってるとは言えないようだった。

 

「お前がそこまで言うほどか。」

 

「ああ。」

 

「よし、だったら徹底的にやってくれ、手段は問わない。何としてでもあいつらの赤点を阻止しろ。」

 

「いいのか?さっきは俺の手段はマズいみたいなこと言ってたけど。」

 

「あくまでもそれは平時での話だ。非常事態にそんな甘ったれたことは言ってられないぞ。とにかく何としてでもあいつらの実力を底上げしろ!」

 

志郎は勝頼だった頃の口調で幸雄に指示を出した。幸雄は志郎の言葉を聞いてニヤリと笑い、

 

「了解した、我が知略を以てあいつらの赤点を阻止してご覧にいれましょう・・・!」

 

と昌幸だった頃の口調で志郎の指示に応えた。

 

「期待してるぞ。また明日な。」

 

「ああ、また明日。」

 

志郎は電話を切ってベッドに寝そべった。

 

(さて、これからやる事が大幅に増えたな。だが何としてでもあいつらを支えてみせるぞ・・・。)

 

志郎はそう心に誓い、部屋の電気を消して眠りについた。

 

 

 

そしてその次の日の昼休み、音ノ木坂学院の屋上に穂乃果、凛、にこの三人が立っていた。

 

「凄い太陽だねえ。」

 

「夏、かあ・・・。」

 

「よーし、限界まで行くわよ!!」

 

どうやら気分転換をしようとしているのか、三人が大きく息を吸ったが、

 

 

 

「よお、お嬢さん方。こんなところで何やってるんだい?」

 

その直後にいつの間に現れたのか、屋上の入り口に立っていた幸雄が三人に声をかけた。

 

「うわあああ!?ってなんだ幸雄くんかあ・・・。」

 

「びっくりしたにゃあ・・・。」

 

「希が来たかと思って損したじゃない。」

 

と三人は希じゃないと分かって安堵の声を漏らす。

 

「確か昼休みは部室で勉強するって取り決めじゃなかったか?」

 

「そ、それは分かってるんだけどね・・・。」

 

「勉強ばっかりだと気が滅入っちゃうし・・・。」

 

「そうよ!だから体を動かして気分転換をしようと思ったわけで・・・!」

 

三人は幸雄に対して言い訳をするが、

 

「確かにお前らにしちゃ真っ当な意見だな。詰め込みすぎるのは非効率的でもあるから俺的には別に構わないんだが・・・。」

 

「じゃ、じゃあこのことは希先輩には内緒で・・・!」

 

穂乃果は幸雄が自分たちの言い訳を肯定してくれたと思って、見逃してもらえるように懇願するが、

 

「それはあくまでも一定の水準を超えていることが前提の話だ馬鹿ども。それにお前らの言い分はよ~~~~く分かった。あとは『先生』に何とかしてもらおうか。」

 

と幸雄はにんまりと笑いながら言った。

 

「先生?」

 

「なーんか嫌な予感しかしないんですけど・・・。」

 

「ほんじゃ『先生』、よろしくお願いしまーす!!」

 

幸雄がそう呼びかけると、

 

「はーい!みんな大好き希先生参上~~!!」

 

その呼びかけに応じて希が屋上に出てきたのだ。

 

「「「うわああああああああああああ!??」」」

 

希が出てきたことで三人は驚きのあまりにすっ転んでしまった。

 

「さっきから後ろで聞いてたけど、成績が危ないのにみんな余裕やんな~・・・。」

 

と希は両手をワキワキさせながら怯える三人に迫る。

 

「い、いやあ、まさか希先輩がいるとは思わなくて・・・。」

 

凛は怯えながらも希に弁明の言葉を語り、

 

「幸雄くんの鬼ー!卑怯者ー!!」

 

「あんたには人としての情ってのは無いの!?」

 

穂乃果とにこは幸雄に対して恨みつらみをぶつけた。

 

「ん?人間としての情ならあるし、鬼だの卑怯者だってのは俺にとっちゃ最高のほめ言葉だぜ☆」

 

そう穂乃果とにこに言葉を返す幸雄の顔はこれ以上ないほどの笑顔に満ちていた。

 

「三人とも言い残すことはそれだけやね?」

 

「「「ひい!」」」

 

「おサボりした罰に、三人まとめて特大わしわしMAXの刑や~~!!」

 

「「「いやああああああああああああ!!!」」」

 

希の処刑宣告と同時に三人の悲鳴が屋上に響き渡った。

 

「流石にこいつはきつすぎたかねえ・・・。」

 

幸雄は三人がわしわしする光景をスマホで録画しながら苦笑いで呟いた。

 

 

 

 

 

 

そして放課後・・・。

 

「今日のノルマはこれね!!」

 

希はそう言って机に大量の参考書を置いた。

 

「「「鬼・・・。」」」

 

三人は希を恨めし気な目で見ながら呟くが、

 

「あれ?まだわしわしが足りてない子がおるん?」

 

と言って希が指を動かすと、

 

「「「まっさかー♪」」」

 

と三人は一転素直になって勉強を始めた。

 

「手段は問わないと言ったが・・・マジで何したんだ?」

 

と三人の様子を見た志郎が幸雄に何をしたのかを聞いた。

 

「とりあえずあいつらの名誉のために黙秘させてもらうわ。」

 

「うちはちょーっとあの子たちに刺激を与えてあげただけやで?」

 

と苦笑いで答える幸雄と満足げな顔の希を見て、

 

(あっ・・・。これマジでろくなことやってないパターンだ。)

 

と察した。

 

「そういえば海未先輩がまだ来てないけどどうしたんですか?」

 

と真姫は海未が来てないのに気付いてことりに彼女がどこにいるかを聞くが、

 

「さあ・・・。」

 

としかことりは答えられなかった。事実、海未は今日一日心ここにあらずといった状態だったからだ。海未が思い悩んでいるであろう理由を知っている志郎は、

 

「まあ、あいつにも何か色々考え事があるんだろ。なあに、直にやってくるさ。」

 

とことりと真姫に言った。そしてその直後に、

 

「穂乃果!!」

 

と海未が駆け込んできた。その顔はどこか晴れやかな様子だった。

 

「海未ちゃん・・・。」

 

と勉強地獄でよれよれになっている穂乃果を見た海未は、

 

「今日から穂乃果の家に泊まり込みます!勉強です!!」

 

と、穂乃果からすれば追い打ちともとれる宣言を穂乃果に宣告した。

 

「どうやら吹っ切れたみたいだな海未。」

 

と志郎が海未に言うと、

 

「はい、昨日志郎の言う通りにゆっくり休んだおかげでじっくり考えることが出来ました!ありがとうございます!」

 

と笑顔で志郎にお礼を言った。

 

「あー、海未さんや。イチャイチャしてるとこ悪いんですがちょいといいですかな?」

 

と二人の間に幸雄が割り込んできた。

 

「い、イチャイチャなんてしてないです!!で、何か用ですか?」

 

と顔を赤くしながら海未は幸雄に用件を聞いた。

 

「勉強合宿するならよ、こいつを使ってくれや。」

 

と言って幸雄は四つ折りにした小さなメモ用紙を渡した。海未がそれを開いてみると、そこにはおびただしい量の数学の勉強方法が書かれていた。

 

「これは・・・!」

 

「そいつは俺が昨日徹夜で考えた対穂乃果専用の真田式・・・じゃなくて武藤式の勉強プログラムだ。お前の指導とそいつを組み合わせれば付け焼刃だがあいつの成績を伸ばすことは出来るだろう。」

 

と幸雄はドヤ顔で説明した。

 

「だから今日いつもより居眠りが多かったんだな・・・。」

 

と志郎は呆れ気味に呟いた。

 

「みんなのための徹夜だし、俺は普通に問題ないからノーカン。」

 

「あの、ここまでするなら幸雄が教えた方が早いのでは?」

 

と海未が幸雄に聞くと、

 

「ああ、俺は勉強はできるが教えるのは壊滅的に下手でな。前の学校でもよく言われてたんだわ。だからこういう形でサポートするのが俺の仕事なのよ。あ、そうだ。真姫にも『対凛専用型武藤式勉強プログラム英語バージョン』を渡しとくわ。」

 

と、真姫に渡しながら答えた。

 

「相変わらず遠回しなやり方だな。」

 

と志郎が言うと、

 

「それが俺のやり方だからな。」

 

と幸雄が答えた。

 

「よし、期末試験まであと五日だ!なんとしてでも赤点を阻止してラブライブにエントリーするぞ!!」

 

「「「「「「「「おおー!!!」」」」」」」」

 

 

 

 

 

そして時は流れ、期末試験の答案返却最終日・・・。穂乃果がやり切った顔で部室に入ると、志郎たち二人と、μ'sのメンバー全員が既に集合して穂乃果を待っていた。

 

「どうだった?」

 

「今日で全教科返ってきましたよね?」

 

「・・・!」

 

「穂乃果ちゃん!」

 

「せっかく徹夜してまで勉強方法を考えてやったんだぜ?赤点で全部おじゃんとか勘弁してくれよ?」

 

「大丈夫なのか・・・!?」

 

と、にこと凛以外のメンバーは穂乃果に結果を聞く。

 

「凛はセーフだったよ!」

 

と言って凛はピースサインをした。

 

「あんた、私たちの努力を水の泡にするんじゃないでしょうねえ!!」

 

「「「「「「どうなの!?」」」」」」

 

「「どうなんだ!!」」

 

と最後に8人で穂乃果に詰め寄った。

 

「うん、もう少しいい点が取れればよかったんだけど・・・。」

 

穂乃果はそう言って鞄をまさぐり、

 

「ジャーン!!」

 

とみんなに答案を見せた。点数は53点で何とか無事に赤点を回避してみせた。

 

 

 

 

「よーし、今日から練習だー!!!」

 

と穂乃果がそう言って部室を飛び出したのを皮切りに、他のメンバーも晴れやかな顔で部室を飛び出していった。

 

「やれやれ、まだラブライブ本戦に出れるわけじゃないってのにはしゃいじゃってまあ・・・。」

 

と幸雄が言うが、

 

「まあいいじゃないか。まずは最初の壁を乗り越えられたんだから良しとしようじゃないか。」

 

志郎はそう言って穂乃果たちに着いて行った。

 

「そうだな。」

 

と幸雄もそう呟いてから部室のドアを閉めて穂乃果たちの後を追った。

 

そして穂乃果は無事全員が赤点を回避できたことを理事長に報告するために、理事長室の前にやって来てノックをするも、中から反応は無かった。

 

「おかしいな。留守か?」

 

「ううん、そんなはずはないんだけど・・・。」

 

とことりが幸雄に応えると理事長室の中から、

 

「そんな!!説明してください!!」

 

という絵里の声が聞こえてきた。穂乃果がドアを少しだけ開けてみんなで聞き耳を立ててみると、予想だにしなかった言葉が聞こえてきた。

 

 

「ごめんなさい、でもこれは決定事項なの。」

 

「っ・・・!」

 

「音ノ木坂学院は来年より生徒募集をやめて廃校とします。」

 

 

 

その理事長の言葉に穂乃果は衝撃を隠すことは出来なかった。




いかがでしたでしょうか?

なんとか期末試験を乗り越えたら次は廃校!?

果たして穂乃果たちは廃校を阻止できるのか!そして、廃校宣言により立場的な意味で尻に火がついてしまった志郎と幸雄はこの状況をどう乗り越えるのか!?


そしていよいよ『ラブライブ!サンシャイン!!』のアニメが放送開始まであと一週間になりました。待ち遠しいですね!作者も待ち遠しいです!(純粋に放送が楽しみなのと、もう一つの作品の更新再開を解禁できるという二重の意味で。)



それでは次回もまたお楽しみください!!
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