今回はいよいよアニメ第一期の目玉である絵里加入回パート1です!!
今回は幸雄の今まで見せなかった姿が見られるかも・・・!?
それではどうぞお楽しみください!!
「今の話、本当なんですか!?」
穂乃果は、理事長の言葉を聞いていても経ってもいられなくなり、理事長室に入っていった。
「あなた・・・!」
「本当に廃校になっちゃうんですか!?」
穂乃果は制止しようとする絵里にはわき目も振らずに理事長の前に駆け寄った。
「本当よ。」
理事長はそんな穂乃果に対して、淡々と現実を突きつけた。
「お母さん、そんな話全然聞いてないよ!!」
「お願いします!もうちょっとだけ待ってください!!あと一週間、いえ、あと二日で何とかしてみせますから!!」
穂乃果はよほど動揺しているのか、絶対できないであろう約束を条件に、理事長に廃校を待つように嘆願した。理事長はそんな穂乃果を見て少し驚いたような顔をして、
「いいえ、あのね。廃校にするというのはオープンキャンパスの結果が悪かったら、という話よ。」
と困ったように笑いながら穂乃果たちに告げた。それを聞いた穂乃果はポカンとした表情で、
「お、オープンキャンパス?」
と呟いた。
「一般の人たちに見学に来てもらうってことですか。」
と幸雄が理事長にたずねた。
「ええ、見学に来た中学生にアンケートを取って結果が芳しくなかったら廃校にする。そう綾瀬さんに言っていたの。」
と理事長は答えた。それを聞いた穂乃果は安堵したように、
「なんだあ。」
と言ったが、
「お前の早とちりってわけか。」
と志郎にツッコまれ、
「安心してる場合じゃないわよ。オープンキャンパスは二週間後の日曜日、そこで結果が悪かったら本決まりってことよ。」
と絵里にくぎを刺された。
「どうしよう・・・。」
穂乃果たちは現状がいかに厳しいかを知らされ動揺していた。
「理事長。」
意を決したように絵里はそう言って穂乃果たちの前に立ち、
「オープンキャンパスのイベント内容は生徒会で提案させていただきます。」
と理事長を真っ直ぐに見据えながら、生徒会が活動することに対する許可を求めた。
「・・・止めても聞きそうにないわね。」
そう言って理事長は絵里に生徒会の活動を許可した。
(ようやく生徒会長が本格的に動き出す、か・・・。面白くなってきたねえ。)
それを見て幸雄は誰にも気づかれない程度にだが、ニヤリと笑った。
「失礼します。」
そう言って絵里は足早に理事長室から去っていった。
「なんとかしなくっちゃ!」
絵里が出て行ったあと、穂乃果は誰に言うでもなく力強く呟いた。
一方で、絵里が理事長室から出ると、目の前には彼女の親友にして、片腕でもある『副会長』の希が立っていた。
「どうするつもり?」
そう言って希が絵里にタロットカードを見せる。カードが示しているのは星の逆位置、それは未来が悲観的であることを暗示していた。
「決まってるでしょ。」
絵里は迷うことなく答えた。
穂乃果たちは理事長室から部室に戻ったあと、他のメンバーに理事長室で聞いたことをすべて話した。
「そんなあ!」
「じゃあ、凛たちはやっぱり下級生がいない高校生活!?」
花陽と凛は当然というべきか、これから下級生のいない高校生活になってしまうかもしれない可能性があることを知って、不安を隠せない様子であった。
「そうなるわね。」
「まあ、私はそっちの方が気楽でいいんだけど。」
その一方でお世辞にも人づきあいがいい方とは言えないにこと真姫は凛と花陽に比べると冷静だった。
「おいおいお二人さんよ、簡単に言ってくれてるがこっちは死活問題なんだぜ?この音ノ木坂での高校生活自体が懸かってるんだからな。」
幸雄は普段ならこのような切迫した事態になってもへらへらしていたが、今回ばかりはそうはいかないようだった。
「それってどういうことなの?」
穂乃果が質問した。
「お前らは俺たちがどういう名目でこの学校に転入したのか忘れたのか?」
志郎は穂乃果に自分たちがどんな理由で転入してきたのかを問いかけた。
「えっと・・・なんだっけ?」
「確か音ノ木坂学院はいつか合併するかもしれないということで、その時に備えた試験生のようなものでしたよね?」
海未が穂乃果の代わりに二人にそう返した。
「そう、俺たちは『研究生』であって、一応正式な生徒として扱われちゃいるが、それはあくまでも『研究生』という肩書があっての話なんだがな。」
「そ、つまり廃校が決まってしまえば研究生はお払い箱行きってわけなんだわさ。」
志郎と幸雄が自分たちの置かれてる現状を解説するが、
「でも、流石にここを出ていくことにはならないんじゃ・・・。」
とことりは反論する。しかし二人はため息をついて、
「いや、出ていく理由はないわけじゃあない。」
「そもそもここは伝統ある女子高だぜ?いくら研究生とはいえ男がいること自体おかしいんだ。その場しのぎの共学化だって相当反対されただろうし、その第一歩となる研究生を入れることもまた然り。俺たちにゃ関係ないが、俺らの事が気に食わない奴らがいるだろうぜ?例えば教育委員会とかによ。」
「幸雄の言う通りだ。つまり廃校が決まってしまえば俺たちがここにいる大義名分は無くなり、遅かれ早かれこの学校から追われて別の学校に転校する可能性が出てくるってわけだ。」
と幸雄が理由を語り、志郎が結論を述べた。
「そんな!!二人がどっかに行っちゃうなんて嫌だよ!!」
「そうだよ!せっかく仲良くなれたのに!!」
志郎たちの言葉を聞いて焦った穂乃果たちが志郎たちに詰め寄るが、
「お、落ち着けお前ら。あくまでも可能性だ!」
と志郎が穂乃果たちを宥めようとする。
「可能性?」
「そ、そうだ。大体一度転入させた以上、そんな横暴が許されるはずがない。それに俺たちがいい結果を出して廃校を阻止すればそれで済む話じゃないか!」
と志郎はそう言う一方で、
(まあ、俺はそういう横暴でこっちに来たわけなんだがな・・・。)
と心の中で呟いた。
「確かにそうだよね・・・。私たちが頑張ればそんなことにならずに済むよね!」
と穂乃果が言うと、
「ああ、そういうことだ!」
と同意した。
「とにかく、オープンキャンパスでライブをやろう!それで入学希望者を少しでも増やすしかないよ!!」
と穂乃果が言うと、
「「「「「「うん!!」」」」」」
と他のメンバーもそれに応えた。
「よし、それじゃあ早速練習・・・って幸雄くんどこ行くの?」
と穂乃果は一人どこかに歩いていく幸雄に声をかけた。
「どこって生徒会室だよ。これから会議で招集をかけられたんだ。すまんが今日は行けそうにないわ。じゃあな!」
と言って幸雄はそのまま歩いていった。その後ろ姿を見て真姫は、
「ねえ、前から思ってたんだけど幸雄先輩って生徒会とμ's、どっちの味方なのかしら。」
と前から抱いていた疑問を口に出した。
「確かに、あいつの動きってどうも読めないのよね。練習も生徒会だって言って出てないことが多いし。ひょっとしたらあいつあの生徒会長に色々入れ知恵してんじゃないの?」
「い、入れ知恵ぇ!?」
花陽はにこが何気なく出したその単語に驚きを隠せなかった。
「いや、あいつに限ってそれはない。」
と志郎が断言した。
「根拠はあるわけ?」
と真姫が聞くと、
「あいつは基本的に何事にも中立的に臨む癖があるんだ。ありとあらゆる方面に立ち、様々な視点で物事を見聞きしながら最良の選択をとる・・・。それが武藤幸雄という男だ。」
と志郎は幸雄がどういう理念を持って動いているのかをみんなに教えた。
「でも、それって童話に出てくる蝙蝠みたいじゃない。」
「確かに合理的ではありますが、あまりに節操がなさすぎるとも言えるのでは・・・。」
真面目な海未と、はっきりしないことを嫌うにこがそれを聞いて顔をしかめたが、
「確かに蝙蝠に見えるかもしれない。だが、あいつは一度胸に刻んだ信念を捨てるような真似は絶対にしない。普段はあまり人には見せないがあれで義理堅いところもあるからな。」
と、志郎は在りし日を思い出しながら言った。
「これより生徒会は独自に動きます。なんとしてでも廃校を食い止めましょう!」
一方で生徒会室でも、廃校を阻止するためにオープンキャンパスで何をやるかに関しての会議が始まっていた。
(さて、今まで生徒会長の普段の仕事での手腕は飽きるほど見てきたが、こういう一大イベントでの仕切りは初めて見るな・・・。廃校というプレッシャーが掛かっている中でどれだけ冷静に、柔軟に対応できるか、お手並み拝見と行こうか。)
会議が始まるギリギリ前に生徒会室に着いた幸雄は席に着き、絵里の方を見た。
「・・・。」
幸雄以外の二年生の生徒会役員の女子生徒たちは、絵里の顔を見た後、お互いに顔を合わせた。それを見た絵里は、
「何か?」
と聞くが、女子生徒の一人はただ、
「あ、いえ・・・。」
としか答えることが出来なかった。
「言いたいことがあったら何でも言ったほうがいいよ?」
それを見て希は助け舟を出した。
「えっと、これってどうやって入学希望者を増やすかって話ですよね。」
「ええ。」
「だったら、楽しいことをいっぱい紹介しませんか?学校の歴史や、先生がいいっていうのも大事ですけど、今までの生徒会はちょっと堅苦しい気がしていて・・・。」
と、女子生徒の一人が提案するのを聞いて、
(まあ、真っ当な意見だな。事実、中学生が高校を選ぶのは大体その手の話題が決め手になるからなあ・・・。)
と幸雄は頭の中でその意見を分析しつつ、絵里の表情が少し険しくなったのを見逃さなかった。
「例えばここの制服って、かわいいって言ってくれる人多いんですよ。」
ともう一人の女子生徒が制服のリボンを絵里に見せながら制服の良さをアピールした。
「それいい!そういうのアピールしていきましょうよ!」
「だったら、スクールアイドルとかも人気あるよね!μ'sだっけ?」
「そう言えば武藤さんってμ'sのマネージャーやってるんだよね?その子たちにライブをやってもらえるように頼めないかな?」
と、幸雄に話が振られた。
「いや、厳密にはマネージャーじゃねえんだが、こっちも一応そのつもりだから別に構わな」
「他には!?」
と、絵里が幸雄の話を遮った。絵里による遮断で、女子生徒たちは軽く意気消沈してしまった。
「「「他には・・・。」」」
そして彼女たちが考え抜いた末に生徒会のメンバーが向かったのはアルパカ小屋だった。
「これ、ですか・・・?」
絵里は怪訝そうな顔で白いアルパカを見ながら女子生徒たちに質問する。
「はい!他校の生徒にも意外と人気があるんですよ!!」
女子生徒の一人が今回の案は自信作なのか、自信満々気に説明した。
「ちょっと、これでは・・・。」
と絵里が不安げに呟くと、茶色いアルパカが絵里の前に顔を突き出し、絵里に向かって思い切り唾を吹きかけた。
凛と花陽が、餌と水を持ってアルパカ小屋に向かっていると、
「「「うわわわわわわわ・・・!」」」
と何人かがすごく動揺しているような声が聞こえたので小屋の前に行くと、
「ぶははははははは!!生徒会長、唾吹きかけられてますよ・・・!ひーーーw」
ハンカチを手に持って立ち尽くす絵里と、慌てて絵里を拭く生徒会役員の女子生徒たちに、それを見ている希と、その近くで爆笑している幸雄がいた。
「生徒会長さん?」
と花陽が呼びかけると、
「あなた達・・・。」
「お、凛に花陽か。お疲れさん!」
と絵里と幸雄が反応した。
「あ、スクールアイドルの!!」
と女子生徒の一人が反応し、
「ちょうどよかった!今度オープンキャンパスがあるんだけど、良かったらライブとか・・・!」
と花陽たちにライブのオファーを持ち掛けるが、
「待ちなさい!まだ何も決まってないでしょう!?」
と絵里が女子生徒の言葉を遮った。それを見て凛は不満げな目で絵里を見ていたが、
「ちょいと待った生徒会長。」
と、ここに来るまで自主的に発言をしなかった幸雄が遂に口を開いた。
「何かしら武藤君。」
と絵里は幸雄の方に振り向きながら答えた。
「何かしらってずいぶんとまあのんきな返事ですなあ、生徒会長。あんた、人を引っ張る立場の人間としてはずいぶんとまあダメダメですな!」
と、開口一番に絵里に対する批判をぶちまけたのだ。
「ちょっとゆっきーくん・・・!」
と希が幸雄を止めようとするが幸雄は逆に希に対して手をかざすことで彼女を制止しながら話を続ける。
「第一せっかくの提案を気に入らないからって握りつぶそうとしている時点で論外じゃ!民主主義が流行ってるこの時代でそんな独裁者の真似事なんぞ時代遅れにもほどがあるわい!全く、今までずいぶんあいつらに対してダンスが上手いからとかで上から目線で見てたようだがこっちの方面じゃからっきしじゃねえか!!だいたい、廃校が掛かってるっちゅうのに好き嫌いなんてしてる暇なんてないじゃろうがい!あんまり下品なことは言いたくないが俺たちゃ、ケツに火がつきかかってるんだよ。いや、研究生である俺と志郎のケツにはもうすでに火がついてるんだよ、崖っぷちなんだよ!!」
と、普段はあまり感情的に声を張り上げることのない幸雄が顔を怒りで歪めながら怒鳴り散らした。口調も所々が真田昌幸だった頃のものに戻っている。
「あなたならもっと上手くできるというの?」
絵里は今まで見たことない幸雄の怒声に少し怯むも、毅然として幸雄に反論してみせた。
「ああ、100点満点の出来とは言わないが少なくともあんたよりはうまく立ち回ることが出来るね!!まず俺ならさっきのそいつらの提案は全て採用してだな・・・。」
と幸雄が言うと、
「ちょっと待ちなさい。これはお遊びじゃないのよ、廃校が掛かっている一大事なのよ!」
と絵里が口を挟む。
「お遊びだ?生憎だな、こっちは常に真剣なんだよ。あんたはどうやらこの学校が如何に伝統があって素晴らしい学校であることを前面に押し出したいらしいようだが、そんなもんは今どき通用するとは思えないね!」
「どういうことかしら・・・!」
「さっきそっちの娘が言ってた通りだよ。それじゃあ堅苦しすぎるのよ。今どきの中学生からしたら伝統なんぞかび臭い飾り物だとしか思ってない奴らが大半だよ!!そりゃ進学に有利だとか伝統だとかを重視する奴が全くいないって言うわけじゃあないが、そんなもんは二の次だ。だいたい進学先をどこにするかの基準なんて『どこの学校に行ったら面白くて楽しい高校生活を送れるか。』って思ってるやつが多いだろうな。疑うならアンケートでも取ってみな?8割以上が俺と似たような意見を出すと思うぜ?」
「・・・!」
幸雄の凄まじい理詰めの話術を前に絵里はただ黙っていることしかできなかった。
「それに何よりあんたからは活気を感じない。さっきの制服の紹介やμ'sにライブをしてもらおうと提案していたあいつらみたいな生き生きとした活気をあんたからは感じられないんだ。どんな崇高な紹介をしようが、音ノ木坂学院がどれだけ素晴らしい学校であるかをアピールしてもな、心がなきゃあ人を惹きつけることなんぞ死んでもできんぞ。あんたはそれでいいのか?そんな堅苦しいことしてて息苦しくないのか、辛くないのか!?」
幸雄は、垂れ目の三白眼をギラリと光らせながら絵里に詰め寄るが、絵里は氷のように冷めた目で幸雄を見据えながら、
「・・・私はどうあっても考えを変える気は無いわ。今日の会議は一旦ここで終わりにします。」
ただそう言ってその場から去っていった。気まずくなった他の女子生徒たちもそのまま返っていった。
希が絵里を追っていこうとして走り出し、幸雄とすれ違ったとき、幸雄はすれ違いざまに、
「すまん副会長、ちと今回はやりすぎちまった。あまりに見てらんなくってな。」
と希に小声で俯きながら言った。
「ううん。絵里ちのためを思って言ってくれたことは分かってるんよ?だから気にせんといてね。」
希は幸雄にそう言ってそのまま絵里を追いかけていった。
「「幸雄先輩・・・。」」
うつむいている幸雄に凛と花陽は心配げな面持ちで声をかけた。
「ふはあーーーーーー!!!流石の俺でもダメだったかぁーーー!!」
といきなり幸雄が叫んだので二人はビクッとした。
「幸雄先輩、大丈夫なんですか?」
と花陽が聞くと、
「ああ、今のでだいぶ吹っ切れた。やっぱり気分を変えるには叫ぶのが一番だなあ。」
と幸雄が伸びをしながら言うと、凛と花陽の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「な、なにするにゃー!」
「髪がぼさぼさになっちゃいますよぉ!」
二人が幸雄に抗議するが、幸雄はそれに構わず、
「二人とも心配してくれてありがとよ。それと見苦しいところを見せてすまんかったな。さあ、練習に行くぞ!」
と笑いながら言うと、
「「はい!」」
二人も笑顔で返事して、幸雄に着いて行った。
(焦りすぎてたせいか大ドジ踏んじまったが今ので確信した。どうやら俺ではあいつの心を動かすのは無理だ。あいつの心を動かすにはやはり真っ直ぐに切り込むことが出来る志郎でなくてはな・・・。)
幸雄は凛と花陽と一緒に練習に向かいながら、この先どう動くかを考えていた・・・。
「1、2、3、4、5、6、7、8・・・!1、2、3、4、5、6、7、8・・・!」
そして屋上では、オープンキャンパスに向けての新曲の練習が行われていた。しかし、リズムをとる海未の表情は沈んでいた。
(やっぱりこの前の動画が原因だろうな。確かにあの動画を見てからだと何度やってもあいつらの動きが物足りなく見えてしまうのも無理は無いよな・・・。)
海未の表情と穂乃果たちの動きを交互に見つめながら、志郎はそう考えていた。
「カーンペキ!!」
「そうね。」
「やっとにこのレベルに皆追いついたわね!」
と、幾度となく繰り返した練習を一通り終えて穂乃果とにこと真姫は満足げに言って、他のメンバーも頷いていた。海未を除いて。
「まだ駄目です。」
「「「「「「えっ?」」」」」」
海未の言葉にみんなは意外そうな声を上げ、
「うう・・・、もうこれ以上上手くなりようがないにゃ・・・。」
と凛は力のない声を上げるも、
「それではダメです、それでは全然・・・。」
と海未は無機質な声で応える。この海未の態度に業を煮やした真姫は、
「何が気に入らないのよ!はっきり言って!!」
と真姫が詰め寄るが、
「感動できないんです・・・。今のままでは・・・。」
と海未はそう答えることしかできなかった。
「海未、とりあえずあのことをみんなに話すべきじゃないか?」
と志郎は海未に諭すように提案した。
「「「「「「あのこと?」」」」」」
「「「ええ!?生徒会長に!?」」」
「うん、海未ちゃんと志郎くんがダンスを教わろうって。」
予想だにしなかった内容に一年生三人は驚いていた。
「はい、あの人のバレエを見て思ったんです。私たちはまだまだだって。」
「話があるっていうのはそんなこと?」
海未の話を聞いて、にこは納得したように呟く。
「でも生徒会長、私たちの事・・・。」
「嫌ってるよね、絶対!」
「つうか嫉妬してるのよ嫉妬!」
凛、花陽、にこは絵里に対して不信感をあらわにしていた。
(まあ、そう思うのは無理もないか。)
(もっとも、そんな単純な話じゃないんだけどねえ・・・。)
三人の反応を見て、志郎と幸雄は心の中で今までの生徒会長との会話を思い出していた。
「私も最初はそう思っていました。でもあんなに踊れる人が私たちを見たら、素人みたいなものだという気持ちも分かるのです。」
「そんなにすごいんだ・・・。」
海未の言葉を聞いたことりは絵里の踊りに関心を示したが、
「私は反対。潰されかねないわ。」
「そうね、三年生はにこがいれば十分だし。」
と絵里を前から強く警戒していた真姫とにこが反対意見を出した。
「生徒会長、ちょっと怖い・・・。」
「凛は楽しいのがいいなあ。」
と、凛と花陽も二人に賛同した。だが、
「私はいいと思うけどな。」
と穂乃果が突然言い出し、
「「「「えええええ!?」」」」
反対派の四人は驚きの声を上げた。
「何言ってんのよ!!」
「だってダンスが上手い人が近くにいて、もっと上手くなりたいから教わりたいってことでしょ?」
と穂乃果が話をまとめた。
「穂乃果の言う通りだな。だがそれは・・・。」
と志郎が穂乃果に忠告しようとするも、
「だったら私は賛成!!頼むだけ頼んでみようよ!!」
と志郎の言葉にかぶせるようにみんなに提案した。
「ちょっと待ちなさいよ!!」
とにこが噛みつくも、
「でも・・・、絵里先輩のダンスはちょっと見てみたいかも。」
とことりが絵里のダンスに興味を示し、
「あ!それは私も・・・!」
と花陽もことりの意見に賛同した。
「よーし!じゃあ明日さっそく聞いてみよう!!」
二人の言葉を聞いて穂乃果はさっそく行動に移ろうとした。
「どうなっても知らないわよ。」
とにこは捨て台詞を吐く。
「やれやれ、本当にあいつは凄いな。」
「ああ、ついしばらくまで対立していた相手であろうが自分よりもすごいって分かったら教えを乞うために頭を下げられる、並大抵の人間じゃ出来ないぜありゃ。」
「かの織田信長が、散々苦しめられた雑賀衆の鉄砲技術を応用していたのとそっくりだ。」
「そしてお前さんが自分よりも穂乃果の方が人を率いるための力量に優れてるって早いうちに認められたのとも同じだわな。」
と志郎と幸雄はそう話しながら帰り道を歩いていた。
「それは過去の俺に対する当てつけか?」
と皮肉な笑いを浮かべながら幸雄に言うが、
「いや。単純にかつての主がさらに成長したことを喜んだだけさ。」
と幸雄がさらりと返す。
「あいつの決断がいい方向に動くといいな。」
「ああ。」
そう言って二人は分かれ道を別れていった。
志郎たちの運命が決まる、音ノ木坂学院オープンキャンパスまであと二週間。
いかがでしたでしょうか?
アニメ一期8話の話を書くのに、どこで切ればキリがよくなるのかな?なんて試行錯誤をしていたら今回は少し長めになっちゃいましたね。まあ、その大半は幸雄が絡んだシーンが大半なんですけどね・・・w
8話のクライマックスは気合を入れて書くつもりなのでご期待ください!!
それでは次回もまたお楽しみください!!