ラブライブ! 若虎と女神たちの物語   作:截流

23 / 75
どうも、截流です!

今回はオリジナル回です!今回はあるキャラの新たな一面に志郎たちが遭遇する!?そしてさらに新たな登場人物の影も・・・!?

μ'sが9人揃ったことで物語は少しづつ新しく動き始めていきます。




それではどうぞお楽しみください!!


22話 出会いはいつも突然に

「全く、せっかくの休日にお前が突然呼び出すもんだから来てみれば・・・!」

 

オープンキャンパスが終わってからしばらく経ったある日のこと、志郎と幸雄は今アキバの象徴の一つとも言えるとある場所に来ていた。それは・・・。

 

「お帰りなさいませ♡ご主人様♡」

 

そう、メイド喫茶であった。

 

「まさか1人じゃ入れないっていうアキバを満喫してるお前らしからぬ情けない理由で読んだんじゃないだろうな・・・!」

 

「まさか!入ろうと思えば入れなくも無いんだがほら、俺みたいな田舎もんが入って何か失礼なことがあっちゃいかんだろ?だから現地民と言える志郎に来てもらったってわけさ。」

 

幸雄は志郎に読んだ理由を説明するが、

 

「結局恥ずかしいんじゃねえか!だいたいメイド喫茶なんてそんな三ツ星レストランみたいな格式高いレストランと一緒にするようなもんでも無いし、それに現地民の奴らが全員メイド喫茶経験者なわけねえだろ・・・!!」

 

と納得いかない様子であった。

 

「ふむ、志郎も初めてなのか。なら呼んだ甲斐があるってもんだな。」

 

「何?それはどういうことだ?」

 

「ああ、言ってなかったな。ここは伝説のカリスマメイドのミナリンスキーさんが働いてるって噂のあるメイド喫茶なのよ!」

 

「伝説のカリスマメイド?なんだそれは。」

 

志郎が首をかしげると、

 

「ミナリンスキーさんってのはメイド喫茶業界に現れてから2、3ヶ月もしないうちに数多くのオタクの心を虜にしたというまさにメイド喫茶業界のカリスマとも呼べるお方のことさ!ほら、アイドル研究部の部室にもサインが置いてあったろ?」

 

と幸雄はミナリンスキーについて教えた。

 

「ああ、そういやあったな。で、そのカリスマメイドとやらがここで働いてるというのか。よくもまあ見つけたものだな。」

 

「ああ、何せ彼女の写真は原則的に撮影禁止、その他情報もファンの間では口外厳禁されてるらしく、頼りになる情報は基本的には噂話だけだからな。探すのはマジで大変だったんだぜ?無数に散らばる噂話を掻き集めてその中でも信憑性が高いと思われるものを吟味してだな・・・。」

 

「とりあえずお前が苦労して探し当てたのはよく分かった。とりあえず何か頼もう。・・・うわっ、何だこれ高いなぼったくりじゃないか。」

 

「それを言っちゃあおしまいだぜ志郎、メイド喫茶はあくまでもメイドさんによる接待を楽しむところなんだからさ。」

 

「キャバクラみたいなもんか。」

 

「志郎おおお!!それ以上はいけない!それ以上は言っちゃあいけねぇ!!」

 

「お、おう。とりあえず注文しよう。」

 

「そうだな、すみませーん。」

 

幸雄が注文を取るためにメイドを呼ぶと、

 

「はい、お待たせしました。ご注文は何になさいますか?」

 

志郎たちのもとにやってきたのは美しくも凛とした顔つきで、髪は混じり気の無い黒で流れるようなロングヘアの、まさに大和撫子の模範解答とも言えるようなメイドだった。

 

「あ、この日替わりランチってのを二つと、飲み物はアイスウーロンティーを二つお願いしまーす。」

 

幸雄が注文を取ると、

 

「はい、かしこまりました。少々お待ちくださいね、ご主人様。」

 

そう言って彼女はスカートをつまんでから、厨房の方へ去っていった。

 

「はえ~。ミナリンスキーさんじゃなかったのは残念だったがものすごいべっぴんさんだったな~・・・!」

 

幸雄は去っていく黒髪のメイドの後姿を見ながらため息をついた。

 

「今日はシフトじゃなかったんじゃないか?」

 

「いや、毎週この曜日のこの時間帯に目撃情報があったんだよ!だから間違いはないはずなんだが・・・!」

 

「まあ、シフトは合っていてもカリスマメイドと呼ばれるくらいなら他の客の接待で忙しいんだろう。いるのが分かってるんなら毎週根気よく通ってみたらどうだ?運が良ければ次行った時には出会えるかもしれんぞ?」

 

志郎が皮肉るように笑って言うと、

 

「財布が持たねえよそんなの・・・。そんな事よりさっきのメイドさんめちゃくちゃ美人だったよな~!大和撫子はまだ絶滅してなかったんだな!!」

 

げんなりした顔で志郎に返した後、話題を先ほど志郎たちの所に来たメイドの話に変えた。

 

「海未も十分大和撫子だとは思うが、確かにきれいなのは同意できるな。なんというか桂の事を思い出すな。」

 

志郎は武田勝頼だった頃に運命を共にした妻の桂のことを思い出しながら置いてあったお冷を飲んだ。

 

「お前さあ、いい加減に昔の奥さんを思い出すのはやめろよな。いや確かに桂林院さまは凄く美人だったけどよ。」

 

「別に俺の勝手だろう。お前だって山の手殿のことは思い出さんのか?昌幸だった頃はあんなにイチャイチャしてたくせに。」

 

「あ!?それをほじくり返すかてめー!お前なんて桂林院さまを娶ったばかりの時ゃ、『18も年下の女子の女心が分からない・・・。』っつって俺とか勝資どのとか釣閑斎どのに愚痴ってただろーが!!」

 

などと周りの迷惑にならない程度の音量で昔の恥ずかしい思いで暴露合戦をしていた二人だったが・・・、

 

「お、お客様!写真の撮影は禁止ですよ、撮らないでください〜!」

 

「せっかくお金を払ってるんだし、写真を撮るくらいいいじゃんよ〜。」

 

と、何やらただならぬ様子の会話が聞こえてきた。

 

「やれやれ、どこの店でもマナーのなってないクソみたいな客ってのはいるもんなんだなぁ…。」

 

「しかしあの絡まれてるメイドさんの声…、どこかで聞いたような…?」

 

「どうするよ志郎?またあん時みたいに突っ込むか?」

 

「流石にあの時みたいなことはしないが、悪質ならば止める必要があるだろう。」

 

そう言って志郎が立ち上がろうとした時、

 

「いくら撮るだけって言ってもどこかに流出しちゃう可能性があるのでダメなんです〜!」

 

「大丈夫だって!あくまでも個人で見る用に撮るだけだから大目に見てよミナリンスキーさん。」

 

 

「何ッ!?ミナリンスキーさんだと!!おのれミナリンスキーさんに迷惑行為をはたらいて困らせるとは不届き千万!なんてふてぇ野郎だ!!」

 

ミナリンスキーという名前が聞こえた瞬間、幸雄が志郎よりも早く立ち上がった。

 

「ちょっ、幸雄!?」

 

普段は面倒ごとを嫌う幸雄の変わりように志郎は困惑するが、騒ぎの渦中に向かおうとする幸雄を見て、

 

「ストップストップ!いつもの冷静なお前はどこに行った!」

 

と志郎は幸雄を羽交い締めにして止める。

 

「止めるな志郎!俺にはミナリンスキーさんを低俗な輩の魔手からお救いするという使命があるんだ!!」

 

「いやねえからそんなの!!だいたい転入したばかりの頃に考えなしに突っ込むなって俺に言ったのはどこのどいつだ!」

 

「それとこれとは話が別だ!それに俺には話術がある!俺の乱世と現代で磨き上げた知略と話術があれば・・・!」

 

「いやいやいや、お前のそれは確実に場を拗らせるヤツだから!お前絶対煽るだろ!?」

 

などと二人で言い合っていたら、誰かが志郎の肩を叩いた。

 

「お客様、店内ではあまり騒がないでいただけると助かります。」

 

肩を叩いたのはさっきの大和撫子なメイドだった。

 

「あ、すいません。」

 

「しかし、俺たちはあの迷惑な客を止めに行こうとしたんですが・・・!」

 

幸雄が彼女に反論すると、

 

「心遣いは嬉しいですが、当店の問題は私たちでどうにかしますので。」

 

彼女はそう言って騒ぎが起きている席に向かっていった。

 

 

 

「申し訳ありませんがお客様、当店では個人的な撮影は禁止となっておりますのでやめていただけると幸いなのですが・・・。」

 

「ええ?別にいいじゃないですか一回ぐらい。」

 

「そうそう、減るもんじゃないし。」

 

ミナリンスキーに絡んでいた二人の男が反論した。

 

「ですが規則は規則ですので、それに彼女が嫌がってます。やめないというのであれば恐喝という事で警察に通報し、然るべき処分を受けてもらうことになります。」

 

男たちの反論に臆することなく、彼女は毅然と男たちに言葉を投げかける。

 

「うるせえな!こっちは店に来てやって金を払ってるんだぞ!!別に一回ぐらい写真の一つぐらい撮らせてくれてもいいだろうが!!」

 

「そうだそうだ!店に金を落としてやってるお客様は神様なんだからお客様の要望に応えるのがお前らの仕事だろ!!」

 

男たちの反論は次第にエスカレートしていき、いまにも手を出しそうな勢いで食って掛かっていた。

 

「おい、あのメイドさんは店の問題は店で解決するって言ってたけどよ、あんなクレーマーを相手にしてるのを見てもほっとけってつもりなのかねえ。」

 

幸雄は不快感で顔をしかめながら言った。

 

「ああ、流石にこれ以上は見てられんな。多少手荒ではあるが、暴れたりしないうちに制圧する必要がありそうだ。同じ客としてあのような輩は見過ごせん。」

 

そう言って志郎と幸雄が加勢に行こうとすると、二人は突然殺気を感じて歩みを止めた。

 

 

 

「今、お客様は神様・・・と仰いましたか?」

 

とメイドが男たちに言うと、

 

「お、おう。言ったぜ?」

 

と男の一人はそう答えたが、その顔はどこか引き攣っており声も少しばかり震えていた。

 

「本来その言葉はとある歌手がステージに立つ際に客席にいる観客を神と見立て、神主が神前でお祈りをするように心から雑念を払い、混じり気の無い心でお客様に全力のパフォーマンスを見せるという心構えを分かりやすく言ったものです。残念ながら現在はその言葉を文字通り額面通りにしか受け取れてないあなた方のような方が蔓延っているのが事実です。それに、文字通りの意味だったとしても、あなた方が店に対して迷惑行為を行っているというのは事実です。ちなみに人々に災いを振りまく神は『祟り神』と言うそうですよ?つまりあなた方は『祟り神』と同じという事になりますので、私たちは手荒な手段を用いてでもその『祟り神』を鎮めなくてはならなくなりますが・・・、いかがいたしますか?『お客様』?」

 

黒髪のメイドは一言一句途切れることなく、男たちの目を真っ直ぐに見据えながらゆっくりとその言葉を諭すように、そして次第に脅すような雰囲気を醸し出しながら男たちに詰め寄る。

 

そのメイドの姿を見た志郎と幸雄はただならぬ殺気を感じて迂闊に動けず、ミナリンスキーに絡んでいた二人の男に至っては体が恐怖で震えていた。

 

「「す、すいませんでしたー!!」」

 

男たちは彼女が殺気を放ちながら詰め寄るのに耐えられなかったのか一目散に店から出ていった。そして少し間が空いたあとに、

 

「「「うおおおおお!!お鶴さんすげえええええ!!」」」

 

と、店内にいた客たちは男を追い払ったメイド、『お鶴さん』に対して喝采を贈った。

 

「凄いな、あのメイド・・・。お鶴さんと言ったか、武道を習ってるのか凄まじい殺気だったな。」

 

「殺気どころじゃねえぞ志郎。あのメイドはかなり口が立つぞ・・・。殺気による脅しと、巧みな話術を絶妙に織り交ぜて相手に反論を許さず真綿で首を締め上げるように奴らを追い詰めて物事が大事にならないうちに追い出しやがった…。相当できるぞ。」

 

幸雄がお鶴が用いていた戦術を志郎に解説した。

 

「幸雄にそこまで言わしめるとは・・・。お前もあれと同じような事は出来るのか?」

 

幸雄の解説を聞いて志郎は幸雄にたずねた。

 

「出来ないわけが無いだろう、俺を誰だと思ってやがる。人を煽ったり、口先だけで相手を自分の都合のいいように誘導する事なんざ朝飯前な真田昌幸だぞ。驚いてるのは、人々が腑抜けてるこの時代にあれだけのテクニックを用いることができる奴がいるって事に関してだぞ!」

 

幸雄曰く、彼女のように凄まじい気迫と巧みな話術を織り交ぜて自分の都合のいいように相手を誘導するという手法を用いることができる現代人は珍しいようだ。

 

「そうなのか・・・。あの人、見たところ俺たちと大して年は変わらないだろうにずいぶん気丈な人だな。」

 

「まあ、あれだけの殺気はマジギレした海未も放てるが、あいつの場合はあのお鶴さんみたいに制御して放ってるわけじゃないし、話術に優れてるわけでもないからそこまで怖くはねえわな。」

 

「マジギレさせたことあるのか・・・。」

 

志郎が幸雄の言葉を聞いて苦笑いしてると、

 

「お待たせいたしました~。日替わりランチをお二つと、アイスウーロンティーをお二つお持ちしました~。」

 

と話をしていたら注文していた品が志郎たちのところに届いた。先ほど注文を取っていたお鶴とは違って甘くとろけるような声をしていた。

 

「お、やっと来たか。」

 

「おほ、美味そ~。ありがとうございま~す!」

 

と志郎と幸雄が日替わりランチを受け取ろうと持ってきたメイドの方を見たら、

 

「あ・・・?」

 

「へ・・・?」

 

志郎たちは間の抜けた声をあげ、動きを止めた。何故なら目の前にいたのは、

 

「あれ・・・?志郎くんに、幸雄くん・・・?」

 

そう、南ことりだったのだ。

 

「ことり・・・?お前こんなとこで何やってんだ?」

 

「こ、ことり?誰のことでしょうか〜?」

 

ことりは誤魔化すつもりでいるらしい。

 

「いきなり質問してすまないが、好きな食べ物と苦手な食べ物はなんですか・・・?」

 

志郎が質問すると、

 

「チーズケーキが好きでニンニクが苦手です♡ってああ・・・!」

 

うっかり自分の好きな食べ物をそのまま答えてしまい、お盆で顔を覆った。

 

「やっぱりことりだな。ん?」

 

「マジかよ・・・ってどうしたんだ志郎?」

 

「おい、ことりの胸についてる名札見てみろ。」

 

「んん・・・?」

 

幸雄が志郎に促されてことりの名札を見てみると、

 

「なっ・・・!み、『ミナリンスキー』だと・・・ッ!?」

 

名札には『ミナリンスキー』と可愛らしい文字で書かれていた。

 

「ぴ、ぴぃー!」

 

ことりは一目散に厨房へと去って行った。

 

「・・・なあどうするよ志郎。」

 

「とりあえず食おうぜ。あと周りからの視線がやばいことになりそうだから食ったらさっさと出よう。」

 

「おう、そうだな・・・。」

 

二人が日替わりランチを食べようとすると、二人のスマホが同時にバイブを鳴らした。

 

「なんだ?」

 

二人が不思議に思って見てみると、

 

『あと一時間でシフトが終わるから店の外で待っててください!』

 

というメッセージが来ていた。

 

 

 

 

 

志郎たちは日替わりランチを食べ終わった後、会計を済ませてことりのメッセージ通りに店の外で彼女を待っていた。

 

「まさかことりがミナリンスキーさんだったとは・・・。」

 

「あー、そのなんだ・・・。今の心境はどんな感じだ幸雄?」

 

「いやー何とも言えませんわ。あれだ、一言で言うと『憧れだった変身ヒロインの正体がまさかのクラスメートだった』みたいなやつだな・・・。」

 

「ああ、なんというか分かりやすいのか、分かりにくいのかはっきりしない意見ありがとう。」

 

「でも今になってよくよく考えてみると最近ことりが練習から抜ける時間とミナリンスキーさんのシフトが微妙に被ってたし、名前だってほら、南ことり、みなみことり、ミナミコトリ・・・ミナミ、ミナリ・・・ミナリンスキーってな。」

 

「なるほど。それに写真撮影厳禁とかあからさまに正体を隠しているところなんかも辻褄が合ってくるな。」

 

「しかしいつ頃からやってるんだろうな。」

 

「確かにそこは気になるな。お金に困ってるわけにも見えんしな。」

 

ことりが来るまでの間、志郎と幸雄はことりとミナリンスキーに関して話していた。

 

「お疲れ様でした~!」

 

しばらくするとことりが店の裏側から出てきた。

 

「お、噂をすれば。」

 

「ごめんね、待たせちゃって。」

 

「いやいや、気にしてはいないさ。」

 

「それよりも、話を聞こうじゃないか。」

 

 

 

 

 

 

志郎と幸雄、そしてことりの3人はファストフード店に移動して、そこで話をすることにした。

 

「さて、伝説のカリスマメイドのミナリンスキーさんがμ'sの南ことりさんと同一人物だった件について、何か言い分はあるかな?」

 

「なんで刑事ドラマの尋問みたいになってんだよ幸雄・・・。」

 

「それに関しては本当に周りには漏らしたくないからあまり大きな声で言わないで~。」

 

ことりが目を潤ませて幸雄にそう言うと、

 

「おっと、すまんすまん。じゃあ、手短に二つ質問させてもらおうか。まず最初に、いつからメイド喫茶でバイトしてたんだ?」

 

幸雄は軽く咳払いをしてからことりに質問を投げかけた。

 

「えっとね、μ'sが結成してからすぐの頃に秋葉原の駅前で勧誘されたの。それで制服が可愛かったからそれで始めたんだ。」

 

「なるほど、始まりとしてはありきたりだな。」

 

ことりの言葉を聞いて志郎はうなずいた。

 

「それで二つ目なんだが、始めた理由は?」

 

「私ね、穂乃果ちゃんみたいに人を引っ張っていけるような性格じゃないし、海未ちゃんみたいにしっかりしてないし、あと人前に出るのが苦手で何もできないから、それを変えるために始めたんだ。」

 

「なるほど、自分に自信をつけるために始めたというわけか。」

 

「でもそこまで気にする必要はなかったんじゃねえの?もうあの時点ですでに裁縫上手かったんだし。」

 

「そういう問題じゃないんじゃないか?この手の劣等感というかコンプレックスってのはそう簡単に克服できる物じゃないからな。」

 

志郎の言葉を聞いて幸雄は、

 

(なるほど、凛が女の子らしい恰好をしたがらないのと形こそ違えど本質は近いってわけかい、こっちも根深そうだね・・・。)

 

と凛の顔を思い浮かべた。

 

「ほんとは少しの間だけやるつもりだったんだけど、お店のイベントで歌ったりしてるうちに有名になっちゃって・・・。」

 

「今に至るわけだ。」

 

志郎が言うとことりは小さくうなずいた。

 

「なるほど、じゃあセンター決定戦のチラシ配りの時にやけに早くチラシを配り終えたのも、そこで培ったテクニックと『ミナリンスキー』としてのカリスマがあったからこそ成し遂げられたってわけだな。」

 

「ふむ、なるほどねえ。」

 

志郎と幸雄が納得がいった様子でいると、

 

「あ!でもこのことはみんなやママには内緒にしてるから学校では絶対に喋らないでね!!」

 

ことりは必死に二人にくぎを刺した。

 

「心配するな。俺はそうやすやすと人の秘密を話す趣味は無いからな。」

 

「ここまで必死に頼み込まれて反故にするような真似は出来んわな。」

 

「幸雄くんは特に気を付けてね!!」

 

ことりは幸雄にさらに念を押した。

 

「ちょっと待て!なんで俺だけ2回も!?」

 

幸雄は納得いかない様子で抗議するも、

 

「普段の行いのせいだろ。」

 

と真っ先に志郎に論破された。

 

 

 

 

 

「しっかし今日は驚きの連続だったぜ~。」

 

「ああ、そうだな。」

 

ことりと別れた後、二人は一緒に帰り道を歩いていた。

 

「せっかくミナリンスキーさんに癒してもらおうと思ったらまさかことりだったし!」

 

「それにやたら強そうな大和撫子なメイドもいたしな。」

 

「それな。あ~こんどあそこに行くときはお鶴さん目当てで行こうかな~。」

 

「また行くのか?」

 

「いやまさか。時間と金に余裕があったらの話さ。」

 

二人はいつものように他愛のない話をしていた。

 

「しかしことりにあんな悩み事があったとはな。」

 

「まあ、人の悩みを聞いた後にこんな事言うのは不謹慎かもしれんが、あいつの新たな一面を拝めたのはいい収穫だったかもな。」

 

「ああ。」

 

 

仲間であることりの新たな一面を知った志郎と幸雄は夕陽をその背に浴びながら歩いていると、一人の黒髪の少女とすれ違った。志郎と幸雄は話に夢中だったため気づかなかったが、少女はすれ違ったあとに二人を見て、

 

「あの二人は確かミナリンスキーを助けようとした人たち・・・。この近くの人だったのね。」

 

と呟いて再び歩き出した。

 

 

志郎と幸雄、そしてこの黒髪の少女がまた再び会いまみえることになることはまだ誰も知らない。




いかがでしたでしょうか?


謎の黒髪の少女兼ミナリンスキーの同僚である『お鶴さん』とはいったい何者なのか・・・?

あと余談ですが穂乃果ちゃんの誕生日まであと一週間近くですね。次回の更新はまた誕生日記念の番外編の番外編になってしまいそうですw

いくら更新速度おとして戦国太平記に力を入れるったってこのままじゃだめかもしれない・・・。少なくとも8月中には合宿回に突入しておきたいですね・・・。



それでは次回もまたお楽しみください!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。