ラブライブ! 若虎と女神たちの物語   作:截流

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どうも、截流です。


最近感想が少なくて少しモチベーションが下がりつつありますが、せめて合宿編が終わるまではガンガン書き続けてます!


それではどうぞお楽しみください!!


32話 非日常は人を狂わせる 制裁編

「ずいぶん楽しそうな話をしてたみたいね・・・。」

 

「ほんと男ってどうしてこうもアホな事ばっか考えるのかしらねぇ。」

 

「そんな・・・。幸雄さんはともかく志郎さんまで・・・!」

 

「あー!かよちんを泣かせるなんて許せないにゃ!」

 

「はあ、ほんとイミワカンナイ・・・。」

 

「真姫ちゃーん、なんか縄とかお仕置き用の道具とかってないかな?」

 

「うふふ、志郎くんも幸雄くんもお仕置きしなくちゃだね。ね、海未ちゃん?」

 

「なんて破廉恥な・・・!2人とも、覚悟はいいですね?」

 

μ'sのメンバーが志郎たちを囲むように立っており、それぞれ顔を引きつらせていたり、呆れたり、泣きそうになったり、怒りを露わにしたり、黒い笑顔を浮かべていたりと、十人十色ならぬ九人九色なリアクションを浮かべていた。

 

「・・・。三十六計逃げるに如かず!!」

 

幸雄はそう言うと飛び跳ねるように立ち上がり、脱兎のような速さでその場から逃走を図る。

 

「あ!幸雄くん逃げた!!」

 

「凛ちゃん、確保や!」

 

「任せるにゃ~!」

 

穂乃果が声を上げると、希は想定通りと言わんばかりに口元に笑みを浮かべながら凛に幸雄の確保を命じた。

 

「なにっ!?ぐわっ!」

 

「幸雄くんも観念するにゃ!」

 

幸雄は何とか逃げ切ろうと全力ダッシュしたものの、運動神経のよさでは自分を軽く上回る凛では相手が悪かったのかすぐに追いつかれて組み伏せられてしまった。

 

「くそっ・・・!志郎、お前だけでも何とか逃げ延びるんだ!!」

 

幸雄は志郎にも逃げることを促したが、

 

「・・・これでどう逃げろと?」

 

志郎は既に凛以外の8人に周りを包囲されて逃げようにも逃げられない状態だった。もちろん実力行使が使えれば逃げられるのだが、志郎は女子に手を上げることを良しとしない性格であったため、降参することにした。

 

「諦めろ幸雄、俺たちはもう詰んでいる。」

 

志郎は胡坐を組み、両手を挙げながらそう言った。

 

「志郎、お前何でそんなに諦めが早すぎるんだよ・・・。」

 

幸雄はそれを見て項垂れながら言った。「そんなんだから天目山で自害するんだよ」と漏らしそうになったが、何とか堪えた。

 

 

『おい!どうしたんだ武藤!志郎!!急に画面が暗くなったぞ!どうした!!』

 

 

 

「あれ?なんか声が聞こえる・・・?」

 

「ちょっと花陽、変な事言わないでよ・・・。」

 

「ひょっとしてお化けだったりして?」

 

「希ぃ!」

 

政康の声に花陽、真姫、希、絵里は不安そうな様子だったが、

 

「いや、これはお化けじゃなくて俺のスマホだ。さっきまで通話してたんだよ。」

 

と縄で縛られた幸雄が名乗り出た。

 

「なーんだ!幸雄くんのスマホかぁ、びっくりしちゃったよ!」

 

穂乃果は幸雄の言葉を聞いて胸を撫でおろし、幸雄のスマホを拾いに行った。

 

(なぜ正直に言ったんだ?)

 

志郎は穂乃果たちに聞こえないように幸雄に質問した。

 

(発案者として計画が頓挫したことを教える義務があるからな。それにこうなった以上、共犯者である北村にも道連れになってもらう必要があるからな。)

 

幸雄はそう答えると悪そうな顔で笑った。

 

(うわぁ・・・、ゲスいな。)

 

志郎はドン引きしていた。

 

「これどうしよっか?そのまま通話切っちゃう?」

 

「それでは失礼ですよ穂乃果。一応志郎と幸雄のご友人みたいですし、事情を話してから斬るべきだと思います。」

 

穂乃果は海未の言葉を聞いてからスマホを拾い上げた。

 

『おお、画面が明るくなった。いったい何があったんだ?』

 

「あ、すいませーん。志郎くんと幸雄くんの友達の高坂穂乃果です。通話の邪魔しちゃってごめんね?」

 

そう言って穂乃果が通話先の政康に話しかけると、

 

『・・・。』

 

政康は先ほどまで話していた志郎と幸雄ではなく穂乃果が出てきたので、目を丸くして口を顎が外れそうなくらいに開けて呆然としていた。

 

「あの~もしもし?」

 

穂乃果がそれを見て心配そうに声を掛けると、

 

『みゅ、みゅ、μ'sの穂乃果さんだあああああああ!!?お、お、俺は北村政康と言います!!3人だった頃からμ'sのファンでございますうううう!!!』

 

と政康は驚きのあまり叫びながら自己紹介をしていた。

 

「な、なんかすごく熱心なファンなのね・・・。」

 

絵里が軽く引いていると、

 

「そりゃあ、どっかの誰かさんがファーストライブの動画を上げた後に俺が布教した古参のファンだからな。」

 

幸雄は誇らしげにそう言った。

 

「そうなんだ!あ、政康くんは誰が一番好きなの?」

 

『なななななな!?どこの馬の骨かも知れない俺のような男を苗字ではなく下の名前で呼んでくださるなんて、あまりに恐れ多いですが恐悦至極に存じ奉ります!!一番推してる人ですか?そ、園田海未さんです・・・!』

 

政康が穂乃果の質問に答えると、

 

「そっか!じゃあ海未ちゃんに変わるね?」

 

『ファッ!?』

 

「海未ちゃ~ん!そういうわけだからハイ!」

 

穂乃果が海未に幸雄のスマホを渡そうとすると、

 

「そ、そんな!いくら志郎たちの友人とはいえ知らない殿方と話をするなんて・・・!」

 

と海未は顔を赤くして拒んだ。

 

「ええー!大丈夫だよ!すごく紳士的そうな人だったもん!それに海未ちゃんのファンなんだよ!?きっとすごく楽しみにしてるのにここで期待を裏切っちゃかわいそうだよ!」

 

「うう・・・。わかりました、ちょっとだけですよ・・・?」

 

穂乃果の説得の甲斐あってようやく海未はスマホを受け取った。

 

「は、初めまして・・・。そ、園田海未と申します・・・。」

 

海未が恐る恐る自己紹介をすると、

 

『あ、ああ・・・!本物の園田海未さんだ・・・!本物の園田海未さんが俺に話しかけてくれてる・・・!!うう・・・!』

 

政康はなんと喜びすぎて男泣きしてしまっていた。

 

「す、すいません!大丈夫ですか!?」

 

政康の様子を心配した海未は少し慌てた様子だったが、

 

『大丈夫ですとも!!ただ海未さんと直接お話しできることがあまりにも嬉しすぎてつい・・・。』

 

「そうなんですか、なんだかそう言われると恥ずかしいですね。」

 

少しすると海未も慣れたのか、2人の微笑ましい会話が続いた。

 

「おいどういうことだ政康と海未がなんかいい雰囲気だぞ。」

 

「ふふふ案ずるな志郎、奴が俺たちと共犯であったことがバレれば全ておじゃんよ。」

 

「というか海未、今はお喋りしてる暇じゃないでしょ?この覗き未遂コンビを尋問するんだから早く切りなさいよ。」

 

「お、自分のファンですって言われなくてにこにーキレてるぅ!」

 

「うっさい!はっ倒すわよ!」

 

「手ぇ出てる!!もう手ぇ出てるって!!」

 

少しイライラしている様子のにこを煽った幸雄がにこにげんこつを頭に叩きこまれていた。

 

「そ、そうでしたね。すいません、名残惜しいのですがちょっと志郎と幸雄に少しばかりお説教しなくてはいけませんのでこの辺で失礼させていただきますね。」

 

『おお、それは大変ですな・・・。して、その馬鹿2人は一体何をしたのですかな?』

 

「オイ政康お前何しらばっくれてんだ!!」

 

「そうだテメー共犯者だろうが!!」

 

しらばっくれた様子の政康に対して志郎と幸雄が暴れもがきながら講義するが、

 

『はぁ~?共犯者だと?馬鹿め、このような状態の俺がどのようにして貴様らの犯行の片棒を担げるのだというのだ?』

 

と反論された上に、

 

『俺はμ'sのファンとして断じて海未さんたちの不利益となるような行為はしませんとも!!』

 

と声高々に宣言されてしまった。

 

「海未ー信じるな!!そいつは俺たちと同類の、いやそれ以上の獣やぞ!!」

 

「政康!お前俺たちを裏切る気か!?」

 

『裏切る?ハッ!俺と貴様はそもそも盟友であると同時に宿敵でもあるのだ。これくらい日常茶飯事であろう?あ、もちろん武藤貴様は論外だからな。それでは海未さん、μ'sの皆さん、おやすみなさい!』

 

「はい、おやすみなさい北村さん。」

 

『はい!良い夜を!!』

 

政康がそう言うと通話が切れた。そして海未は幸雄のスマホを置くと、黒いオーラを纏っていそうな笑顔をしながら志郎たちに詰め寄った。

 

「さて、2人ともこれで2回目となるわけですが、何か言い残すことはありますか?」

 

海未が笑顔でそう言うと、他のメンバーたちもそれに合わせて構え始めた。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ海未、これは幸雄が企てたことなんだ!!」

 

「あ、志郎テメー!」

 

「ですが志郎も加わった事も事実、ですよね?」

 

「うぐっ!た、確かに欲に負けて加担しそうになったのは事実だが最初は止めた方がいいって・・・あ。」

 

「ことりちゃん、今の録音できた?」

 

「はーい、志郎くんの言質貰っちゃいました~♡」

 

志郎は何とか逃れようと反論するも、逆に自分が欲望に負けて幸雄に加担していたことを自白してしまった。しかも穂乃果とことりによってご丁寧に録音までされてしまったので言い逃れが効かなくなってしまった。

 

「さっきも言ったがそれだからお前は脳筋だって言われんだよ志郎・・・。」

 

これには幸雄も苦笑いを通り越してもはや悟ったような表情であった。

 

「で、幸雄はどうなんです?」

 

「・・・・・・・・・ねえ。」

 

「はい?」

 

「俺は悪くねえ!!」」

 

『は?』

 

あまりにも予想の斜め上を行く幸雄の言葉に、思わずその場にいた幸雄以外の10人の言葉が重なった。

 

「だってそうだろ!俺はあくまでも高校生男子ならば誰もが抱く純然たる願いを実現させようとしただけだ!!その証拠に最初は反対した志郎だって結局は参戦した!これはつまり志郎のような質実剛健な男だろうと生理的な欲求には勝てないという事だ!志郎が勝てないなら世の中の男にこれを乗り越えられることは出来ない!つまり女の裸体を見ることを悪と断ずる社会こそが悪そのものなのではないか!?そういうわけで俺たちがやろうとしたことは逆説的に正しいという事になる!!はい証明完了、Q.E.D!勝った!第三部完ッ!!どうよ、俺のこの優れた理論は・・・。」

 

幸雄は開き直り、即興で考えついた理論を穂乃果たちに披露したが、

 

「ごめん、ちょっと理解できないや。」

 

「幸雄くん、それって屁理屈って言うんじゃないかなあ?」

 

「イミワカンナイ。」

 

「何が何だか全然分かんないにゃ。」

 

「凛ちゃんは分からなくていいと思うよ・・・。」

 

「論外に決まってんじゃないそんなもの!」

 

「一見理論的に見えるけどだいぶ破綻してるわね・・・。」

 

「これでうちらを論破は無理があるんやないかな~。」

 

と、こんな感じに見事に全否定され、

 

「幸雄・・・。」

 

「は、はいなんでしょう海未さん?」

 

「この期に及んで屁理屈とは・・・。あなたは最低です!」

 

「ぶべら!?」

 

海未に至っては怒りのビンタを幸雄に浴びせるほどだった。

 

「まあここまでいけしゃあしゃあと言い訳を言えるって事はクロってことでいいわよね・・・?」

 

にこが悪そうな顔で言うと、

 

「そうだね、今回は2人とも2回目だからさっきより重い罰を与えなきゃだね♡」

 

とことりが言葉とは裏腹にいい笑顔でにこの言葉に賛同した。

 

「そんな!どうかお慈悲をことり様!!」

 

幸雄がことりに縋りつくが、

 

「ダメだよ幸雄くん、エッチな事をしようとしたんだからぁ、ちゃ~~んと罰を受けなくっちゃね!」

 

返ってきたのは甘い声で囁かれた死の宣告であった。

 

「さ~て、どんなお仕置きをしちゃおっかな~?」

 

穂乃果の言葉に続くように9人が縛り上げられた幸雄たちに迫る。

 

「どうやらここまでのようだな・・・。」

 

「諦めんなよ志郎!何とか脱出するんだ・・・ってく、来るなぁ、来るなあああ!!」

 

志郎は諦め、幸雄は何とか逃げようと身をよじって後ずさりしようとするが、もちろんそんなことで逃げられるわけがなかった。

 

 

 

「―――――さあ、覚悟はいいですね?」

 

 

『ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!』

 

 

満天の星空が見える夏の夜、西木野家の別荘には2人の男の恐怖の叫びが響き渡ったという―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、ひどい目に合ったぜ・・・。」

 

「ああ、主に幸雄のせいでな。」

 

それからしばらく経った後、西木野家別荘の露天風呂に志郎と幸雄が漬かっていた。どうやら穂乃果たちによる制裁から解放されたようである。

 

「まさか俺たちが、この時代で石抱きをさせられるとはな・・・。」

 

石抱きというのは江戸時代に実在した刑罰で、三角形の木を並べた台の上に正座させられ、足の上に重りをどんどんおかれるという拷問のようなものであった。

 

「まあ、足つぼを刺激するマットだっただけ本場よりはマシじゃね?」

 

「それプラス鞭打ちだからな。」

 

「うん、ありゃ拷問ってレベルじゃねーわ。寧ろ自白すれば助かる拷問の方がまだマシってどういう事よ。」

 

2人は死んだ魚のような目で穂乃果たちから受けた制裁を思い出していた。

 

「鞭って言っても濡れタオルだけどな。」

 

「いやいや濡れタオルだぜ?ことりとか花陽とか非力な奴がやったらマシでも、穂乃果や凛みたいな加減を知らない奴や海未みたいな比較的に腕力のある奴にやられたらスゲー痛いからな。」

 

「分かる。穂乃果と凛はマジでヤバかった。加減を知らないってマジで怖いと思ったわ。」

 

「だろ?俺的には海未のが一番きつかったね。あいつ確実に殺意込めてたもん。」

 

「それは幸雄が悪いだろ・・・。」

 

「鞭打ちの刑のおかげで背中にお湯が染みるぜ・・・。」

 

「はたかれた場所が見事に真っ赤だからな。」

 

「俺もだ。これぞホントの赤備えってな・・・。」

 

「それ今言っても笑えんヤツだからな・・・。」

 

「それにしてもアレだな。多分あいつらにセクハラしたら次は確実に死ぬな。」

 

「ああ。」

 

「それにしても、やっぱ見てみたかったよな。」

 

「まだ言うか幸雄・・・。」

 

「だってあんなハイレヴェルな女子たちが9人もいたら見たくなるのは普通だって!」

 

「まあ分からんでもないが・・・。てかなんで妙に活舌がいいんだお前。」

 

「はあ、惜しかったなあ・・・。」

 

「これ以上はやめとけ。聞かれてたら間違いなく消されるぞ。」

 

「志郎的には結局どうだったんだよ。」

 

「どうだったって、何がだ?」

 

「穂乃果たちの裸が見たかったかどうか。」

 

「それは・・・まあ、見たかった。」

 

「だよな~・・・。」

 

 

『はあ~・・・。』

 

 

 

夜の露天風呂に2人の男の虚しいため息の音色が流れていた。彼らはまだ知らない、合宿の夜はまだ序の口でしかないという事に―――――――




いかがでしたでしょうか?

いよいよ次回は穂乃果たちの合宿の夜を大いに騒がせた『アレ』が発生します!




それでは次回もお楽しみください!!
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