ラブライブ! 若虎と女神たちの物語   作:截流

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どうも、截流です。

うわああああああ海未ちゃんの誕生日に出遅れたあああああ!!!

とにかく海未ちゃんおめでとう!!


さて、いよいよ今回からアニメ本編に入ります。志郎と幸雄は一体どのように立ち回るのか・・・!?


5話 若虎の決意

「いやあ・・・、今日も日本は平和だねえ・・・。」

 

「そうだな・・・。」

 

音ノ木坂学院に志郎と幸雄が転入してからかれこれ一週間近くが過ぎたころ、二人は特に何も起こらない日常を謳歌していた。

 

「平和なのはいいが、こうも何もない状態が続くと少し退屈じゃねえか?」

 

「分からんでもないが、こういうのも悪くないだろう。」

 

「でも何かしらのサプライズとかハプニングが起きてほしいものだよな!ははは・・・。」

 

そう言って幸雄は笑った。この時まで二人はそんな他愛ないことを話していたが、これから少し先に悠長なことを言っていられなくなるような現実に直面するのであった・・・。

 

 

 

 

 

 

数十分後・・・。

 

「おいおい・・・。いくらなんでも急展開すぎんだろ。なんだよ廃校決定って・・・。」

 

「まあ、廃校は早くても三年後だ。俺たちがそこまで慌てる必要は・・・。」

 

全校集会で、理事長の口より音ノ木坂学院の廃校について全校生徒に告げられていたのである。もちろん生徒たちも薄々そうなるのではと察していた者もいるし、みんながみんな知らないわけではなかったが、いざ理事長から直々に伝えられるとなると生徒たちにも不安が伝播していく。編入生であり新参者である志郎と幸雄も例外ではなかった。

 

「そもそもこうなってしまった以上、俺たちの存在意義がなくなってしまったようなもんだしな。」

 

「ああ、そういや俺たちは共学化に向けた研究生って立場だったんだっけか。確かにこうなると共学化もおじゃんで俺らは用無しか。」

 

「流石に追い出される事はないが、役目がなくなると少し寂しくなるものだな。」

 

「まあ、うだうだ言ってても仕方ねえよ。残りの二年間を謳歌するしか俺たちの役目はねえってこった。気楽に行こうぜ。」

 

二人で話しながら廊下を歩いていると掲示板の前にちょっとした人だかりが出来ていた。

 

「んだありゃ。」

 

「何が起きたんだろう。」

 

二人がその人だかりに寄ってみると、なんと彼らのクラスメートの高坂穂乃果が倒れていたのだった。

 

「どういう状況なんだ・・・。」

 

「あ、志郎くん。幸雄くん。穂乃果ちゃんが倒れちゃって・・・!」

 

「運ぶのを手伝っていただけませんか?」

 

「ああ、手伝おう。幸雄も頼む。」

 

「しゃあねえな。」

 

こうして四人で穂乃果を保健室へ連れて行ったのだった。

 

 

 

そして次の休み時間・・・。

 

「お、帰ってきたか。」

 

「穂乃果ちゃん、大丈夫・・・?」

 

穂乃果はこの世の終わりを見たかのような顔をしながら自分の席に座った。

 

「しっかしすげえ落ち込みっぷりだな。まさかあの穂乃果がここまで落ち込むとはな。」

 

「ああ、よっぽどこの学校が・・・。」

 

「違いますよ二人とも。穂乃果は多分勘違いをしています。」

 

「「勘違い?」」

 

そういって海未が幸雄と志郎に語り掛けた瞬間・・・。

 

「どおおおおおしよおおおおお!!全然勉強してないよお!!」

 

「「は?」」

 

「だって廃校になったら別の学校に入らなくちゃいけないんでしょ!?受験とか編入試験とか・・・!」

 

「たしかにこりゃ勘違いしてますわ。」

 

「だな。」

 

「志郎くんと幸雄くんはともかく海未ちゃんとことりちゃんはそこそこ成績いいじゃん!!」

 

「おい今さりげなくすごい失礼なこと言ったぞこいつ。」

 

「少なくともこいつにだきゃあ言われたくなかったな。」

 

志郎と幸雄が穂乃果の発言に対して抗議するが、それに割って入る形で海未は穂乃果を諭す。

 

「とにかく落ち着いてください。私たちが卒業するまで学校はなくなりません!」

 

「・・・え?」

 

 

 

そして時は過ぎて昼休み。五人は中庭で昼食をとっていた。

 

「いやあ、今日もパンが美味い!!」

 

「穂乃果、太りますよ。」

 

おいしそうにランチ○ックのパンを食べる穂乃果を見て志郎と幸雄は、

 

「しかし、誤解を解いてから清々しいくらいの開き直りっぷりだな。」

 

「ああ、穂乃果の手首はドリルにでもなってるんじゃないのか?」

 

幸雄は穂乃果の態度の急変っぷりを皮肉るが、

 

「え?私の手は普通だよ?」

 

「お前の皮肉も通じないとはな。」

 

「煽り耐性が低いんだか高いんだか・・・。ある意味これも才能か。」

 

皮肉にすら気づかない穂乃果の純真さ(または鈍感さ)に幸雄は苦笑するしかなかった。

 

「冗談はさておき、廃校が正式に決まるとなると一年生の募集がなくなるんだよな。」

 

「つまり来年は二年と三年だけになって、再来年は今の一年生だけになるってわけだな。」

 

「後輩が全くいないっていうのはなんだかかわいそうだな・・・。」

 

五人の雰囲気が暗くなってきたところに、二人の少女が現れた。片方は金髪をポニーテールに結った碧眼の少女で、もう片方は紫がかった髪をしている少女だった。

 

(希先輩・・・?すると隣の人は・・・。)

 

(誰・・・?)

 

(生徒会長ですよ。)

 

流石の穂乃果も大声は出さずに小声で海未に問いかけた。

 

「ちょっといい?南さん、あなた理事長の娘よね。理事長は何か言ってなかった?」

 

「いえ、私も今日知ったばかりなので・・・。」

 

「そう、ありがとう。」

 

「ほなぁ。」

 

二人が去ろうとしたところに穂乃果が二人に話しかけた。

 

「あのっ!」

 

「なにかしら。」

 

「本当に学校はなくなっちゃうんですか?」

 

「・・・あなたたちが気にする事じゃないわ。」

 

そう言って絵里と希は去っていった。

 

 

放課後・・・。

 

「かぁーっ!あん時の生徒会長の言い草、気に入らねえなぁ!厳粛そうな奴だとは思ってたが、あれじゃあただの偏屈じゃねえか!」

 

「おい、あまりそういうことは言うなよ幸雄。生徒会長だって何かしらの考えはあるんだろうし・・・。」

 

「ふん、考えるだけで解決するなら苦労せんわ。それよりもお前もお前だ!」

 

「え?俺がどうかしたのか?」

 

「俺の目は誤魔化せねえぞ志郎。さっき副会長が去り際にお前に向かってウインクしたの、あの三人組は気づかなかったみたいだがどういうことだ?」

 

「さすがは『信玄の炯眼』とよばれた男、今もその目敏さは健在ってわけか。」

 

「さあ、話してもらおうか。」

 

そう言って幸雄は志郎ににじり寄る。

 

「副会長とは始業式の日に知り合ったんだ。神田明神に行ったら出くわしたんだよ。」

 

「なぜそれを早く教えてくれなかったんだよ志郎おおお!!あんなボインボインなパイ乙でナイスバディな人と知り合ってたなんて羨ましすぎますぞ勝頼さまあああ!!」

 

「口調が戻ってるぞ昌幸。別にあれ以来これといって付き合いがあるわけじゃないからな。お前が考えてるようなことは一切してないからな。」

 

「なんだ、つまんね。」

 

「つまんねって・・・。」

 

「いや、生徒会の、それも副会長と繋がりがあるならそれなりに色々な動きが採れると思ったんだが、会長があれだしなぁ・・・。」

 

「幸雄だって生徒会に学年主任の先生に誘われてたろ。知ってるんだぜ。」

 

「なんだ知られてたか。確かに誘われたが本格的に所属してるわけじゃねえって。仮所属さ。」

 

「仮所属?」

 

「そう、仮入部みたいなもんさ。ちょっと雑用するだけの簡単なお仕事よ。正式に入るかどうかは後で決める。」

 

「なるほど、お前にしては珍しいな。お前ならどちらかというと裏で暗躍するのが得意で表舞台にはあまり立たないと思ってたのだがな。」

 

「本当の策士というのは表裏を選ぶものではありませんからな。」

 

次第に二人の口調は『志郎』と『幸雄』のものから『勝頼』と『昌幸』のものに戻ってきていた。互いに熱が入り始めているのだろう。

 

「それで、勝頼さまは如何なさるおつもりで?」

 

「お前こそどうするのだ?」

 

「わしは勝頼さまと共に動くまで・・・。」

 

「お前というやつは・・・。わしとしてもこのまま座して待つというのも性に合わんからな。わしも何かしらの手を打ちたいところだが、音ノ木坂学院に生徒を集めるための旨みがなさすぎる。」

 

「我らの時代ならば、伝統があるというだけでもそれなりに人は集まるのでしょうが・・・。伝統を重んじる者が少ない現代ではどうにもなりませんな。」

 

「うむ・・・。打つ手なしか。」

 

「まあ、わしらはただの研究生。そこまで積極的に動く必要もありますまいが・・・。」

 

「いや、わしは動くぞ。否、わしだからこそ動かねばならんのだ。」

 

「それはどういった了見で?まさか、ただ彼女らに絆されたというものではないでしょうな?」

 

幸雄は訝しげに志郎に問いかける。その眼光はもはや高校生の者ではなく、冷酷な策士のそれだった。

 

「ああ、それもある。それもあるのだが、わしは音ノ木坂学院の者たちとかつての自分が重なって見えたのだ」

 

「自分と?どういうことでございますか?」

 

「音ノ木坂学院が廃校するかもしれないという噂は前からあっただろう?しかし誰もどうすることは出来なかった。策もなくただ手をこまねくしかなかった。わしはそれは責めぬ。わしだって最期は手詰まりだったのだ。」

 

「なるほど。」

 

「それに、現代の学生には母校というのは特別なものなのだ。お主らが父上を、武田信玄を慕っていたようにな。廃校になればその特別なものは消えてなくなってしまう。先ほどの穂乃果達の表情を見れば分かるだろう。お主も父上によって取り立てられたのだ。思い当りがないわけではないだろう。」

 

「むむ・・・。分からぬわけではございませんな・・・。」

 

「家臣の者がわしを何かにつけて父上と比べていたのも父上を失って心の拠り所が無くなってしまったからであろう。故にそうやって『御屋形様ならこうした』、『御屋形様が生きていれば・・・』と言って過去に縋るしかなかった・・・。」

 

「勝頼さま・・・。」

 

「まあ、これはわしの憶測でしかないのだがな。とにかくわしはな、そのような思いを音ノ木坂の者たちにさせたくないのだ。そういう後ろ向きな思いで『音ノ木坂学院は良かった』とは言わせないようにするのがわしの願いだ。そのためなら全力を尽くすし、策がある者がいれば全力で支えよう。」

 

そう言った志郎の顔は寂しげではあったが、堂々としていた。幸雄は、そんな志郎の顔にかつて見た顔を重ねていた。

 

(勝頼さまのこの顔・・・。まるで・・・。)

 

「勝頼さま・・・。」

 

「どうした昌幸。」

 

「やはりあなたは御屋形様・・・、いいえ信玄公の跡を継ぐにふさわしい将だったのですな。」

 

「どうしたいきなり。もうわしはただの高校生の諏訪部志郎だ。お主も真田昌幸ではなく、ただの武藤幸雄だろう。」

 

「はは。そうでしたな。わしらはもう武士ではなくただの高校生でしたな。この昌幸改め幸雄、あなたのそのお考えに感服しました!わしもあなた同様に全力を尽くしましょう!」

 

「そうか、共にこの学院を救ってみせよう!」

 

「はっ!!」

 

 

 

こうして決意を新たに志郎と幸雄は音ノ木坂学院廃校を阻止するためのための策を練るが、突拍子もない策をある少女が持ってくることをまだ二人は知らない。




いかがでしたでしょうか?

アニメ本編に入りましたが、この物語はあくまで志郎が主人公なので彼を中心として進めていくためにアニメでの描写を一部カットしたり省略してしまうことがありますが、どうかご容赦ください。

志郎の決意表明回でしたが、上手く読者の皆さんに伝わるように描写できたか不安です。多分大丈夫です、うんそうに決まってる。(謎の自信)


それでは次回もお楽しみください!!
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