ラブライブ! 若虎と女神たちの物語   作:截流

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どうも、左京大夫です。

今回は二度目の希ちゃんの誕生日記念の短編です!6月9日という事でとある時事ネタを盛り込ませてもらいました!



それではどうぞお楽しみください!!


番外編 紅月の夜に

6月9日の夜、志郎と幸雄は希に呼び出されてとある公園にやって来た。

 

 

「あ、来た来た。おーい、志郎くーん幸雄くーん!」

 

希は2人の姿を見るなり手を振って呼びかけた。

 

「一体どうしたんだ希?こんな時間に呼び出すなんて。」

 

「いくら一人暮らしだからってこんな時間に女が一人歩きってのは流石にマズいんじゃねーか?」

 

「お?幸雄くんってば心配してくれてるん?」

 

希はそう言うと、ニヤニヤしながら幸雄に詰め寄った。

 

「ばっ・・・ちっちっげーし!別に俺は心配してねえけど志郎が心配してたからついて来ただけだし!?」

 

「なんだその無駄に分かりやすすぎるツンデレみたいなセリフは・・・。」

 

「ん?たまにはこういうのも悪くなかろうと思ったんだがな。」

 

「演技かよ・・・。」

 

「いやそうでもないぞ。希はμ'sのメンバーの中でも1、2を争うグラマラスっぷりだから、今みたいにずずいっと寄られると割とびっくりするんだぜ?」

 

「へえ~、幸雄くんって志郎くん以上に長生きだったって聞くから結構精神的にも落ち着いてると思ったら意外とかわいい部分もあるんやね。」

 

幸雄の言い分を聞いた希は笑いながら言った。

 

「おいおい、爺呼ばわりは聞き捨てならねえな。俺たちは中身はともかく今はピッチピチの思春期真っ盛りの男子高校生なんだ、まあそれを差し引いても男ってのは年をとってもこんなもんだけどな。」

 

幸雄はそれに対しておどけながら反論した。彼の言う通り、志郎と幸雄は戦国武将がこの世に生まれ変わった存在であり、その影響で魂、または精神の年齢は享年に17歳を足したご長寿状態であったが、17年間見た目に相応しい振る舞いを行なってきたので相対的に若返っている傾向にあると、本人たちは考えている。

 

「まあ幸雄の茶番は置いておくとして、こんな時間に呼び出した理由を聞きたい。」

 

「茶番ってなかなかひでーな志郎・・・。だがまあ俺もそこんところは気になるな。」

 

志郎は改めて希に夜中に呼び出した理由をたずねた。

 

「それはね・・・。空を見て欲しいんよ、ほら!」

 

希はそう言って夜空に指を指した。

 

『ん・・・?おお!』

 

希が空を指したのにつられて空を見上げた志郎と幸雄は驚嘆の声を上げた。

 

 

空に輝いていたのは月、輝く満月であったがこの日は『ストロベリームーン』という月が赤く輝く現象が発生していたのだった。

 

「おお、月が赤く輝いてる・・・。」

 

「そういやネットニュースで見たが今日だったか。希は俺たちにこれを見せたくて呼んだのか?」

 

「うん、月が赤くなるなんて珍しいだろうな~って思ってね!」

 

希は幸雄の言葉に屈託のない笑顔で答えた。

 

「ねえ、2人とも知ってる?このストロベリームーンって恋を叶える月って呼ばれることもあるんやって!」

 

「へえ、そうなのか。」

 

「月が赤く輝くなんて俺たちの時代だったら間違いなく凶兆として扱われるだろうが、現代人ってのはそういう意味じゃ俺たち旧時代の人間よりもはるかにロマンチストだよな。それにしても俺たちの前でそういう事言っちゃうって事は、俺たちのうちのどっちかに気があったりするんかね?」

 

幸雄は皮肉っぽく笑いながらそう言った。

 

「う~ん、別にそういうわけじゃないけど2人もμ'sのみんなと同じくらい大切に思ってるんよ?」

 

幸雄のからかいに対して希はからからと笑いながら答える。

 

「きっぱりと否定されるとちと物悲しく感じるものがあるが、あいつらと対等に見てもらえてるってのはなかなか嬉しいもんだね。」

 

「志郎くんと幸雄くんもμ'sにとって無くてはいけない存在だって穂乃果ちゃんたちを支える姿を見て感じたからね。志郎くんはファーストライブで挫けそうになった穂乃果ちゃんたちを励ましてあげたり、学園祭の後にμ'sがバラバラになっちゃいそうだった時も倒れるくらい無茶をしてでもみんなの間を取り持ってくれたし、幸雄くんも絵里ちやにこっちの事を気にかけてくれたり、みんなが知らないところでうちらがいい方向に進めるように知恵を振り絞ってくれた・・・。うちもみんなも2人にはほんとに感謝してるんよ。」

 

希は感慨深げに志郎と幸雄がμ'sのために力を尽くしてくれたことを感謝した。

 

「希がμ'sに対して特別な想いを持っているように、俺にとってもμ'sはそこまでする相応しいと思わせてくれた存在だからな!稀有な事なんだぜ?俺がここまで見限らずに忠義を尽くす相手はお屋形様こと信玄公や志郎意外にはいないと他でもない俺自身が思ってたんだからな!」

 

「μ'sは俺に夢を追いかける喜びを教えてくれたし、何よりもみんなほっとけない存在だったからな。だからこそ俺も無茶のし甲斐があったってわけだ。」

 

2人はそう言って照れ臭そうに笑った。

 

「それに俺たちだって希には感謝してもしきれない事があるんだぜ?」

 

「え、そうなん?」

 

希は幸雄の言葉に目をぱちくりさせた。

 

「ああ、『μ'sはこの9人だからこそ輝く』・・・。そう言って希が9人揃うようにみんなを導いてくれたからこそμ'sはここまで来ることができたし、みんなにとってかけがえのない存在になった。そして何より新しい時代に生まれ変わった俺たちに、かつての時代では絶対に見ることのできなかった夢を見せてくれた・・・。みんなが希の事を大切に思っているように、俺たち2人にとっても大切な存在なんだ。」

 

「志郎の言う通り!簡単に言い表せば希は俺たちにとっての大恩人ってことになるわな!」

 

「志郎くん・・・、幸雄くん・・・。」

 

2人の言葉を聞いた希の両目から涙が溢れてきた。

 

「希!?」

 

「ちょっ、どうしたんだよいきなり!俺たち泣かすような事言っちまったか!?」

 

希が泣き出したことで志郎と幸雄は狼狽えた。

 

「ううん、2人の言葉が嬉しくって・・・。前にも言ったけどうち、お父さんとお母さんが家にいないことが多かったし、転校ばっかりで友達も全然できんかったから一人ぼっちでいることが多くって・・・。それでいつか友達とみんなで何かを一緒に成し遂げたいって思ってたんよ・・・。でも、こうして奇跡のような出来事ばかり起きて、うちがこんなに幸せすぎていいのかなって思う事もあって・・・。」

 

希は、他のメンバーに明かすことができなかった自分の心情を志郎と幸雄の2人に赤裸々に話した。

 

「な~に言ってんだよ。」

 

「え?」

 

「幸せすぎて悪い事なんてあるもんかよ、なあ志郎?」

 

「ああ。人間幸せになるに越したことはないし、それに対して罪悪感を感じる必要なんて全くないと俺は思うぞ。」

 

「志郎の言う通り!それにお前さんはせっかく『希』っていう素敵な名前を授かってるんだから、望みを追い求めることに臆病になってちゃあそれこそ幸運の女神さまに失礼ってもんだぜ。まあ、俺たちにとっちゃお前さんがその他でもない幸運の女神様なんだがな。要は貰えるもんは病気と災い以外なら奇跡でも何でも貰っとけって事だ!」

 

「幸雄みたいに面の皮を分厚くする必要はないが、希はもう少し自分のためにわがままになっても罰は当たらないと思うぞ?」

 

「おいおい志郎、そいつは流石に聞き捨てならねえぞ!?」

 

「幸雄が節操無しなのは事実だろうに。」

 

「言ったなこの野郎!」

 

希を励ましているのがいつの間にか取っ組み合いになっていたが、

 

「ふふ・・・あはは!うちが女神やったら志郎くんたちはそうやねえ・・・。阿吽の仁王様かもしれへんな!」

 

それを見ていた希は可笑しくなったのか笑い出した。

 

「そうそう、それでいいんだよ。」

 

「ああ、俺たちの幸運の女神さまはそうして笑顔でいるのが一番だ。」

 

希の笑顔を見て、志郎と幸雄は優しくそう呟いた。

 

「さっ!辛気臭いのはここまでにして、中秋の名月にはちと早いが月見としゃれこもうぜ!」

 

「お、それはいいな!」

 

「だったらうちに来おへん?うちの家のベランダからならここよりもっと月がいい感じに見えるし、このまま1人で帰っても暇だから2人が来てくれたら嬉しいんやけど・・・。」

 

「ああ、もちろん!」

 

「ここは幸運の女神さまに甘えさせてもらうぜ!」

 

志郎と幸雄は希の誘いに快く乗って、3人はそのまま希の家に向かって歩き出す。

 

 

μ'sの絆を紡いだ幸運の女神と、μ'sをより良い方向へ導くために縁の下から支える仁王・・・。赤く輝く月に照らされながら歩く3人の姿はとても楽しげなものであった。




いかがでしたでしょうか?


こういう作品で同じキャラの誕生日記念の短編を二回以上書くのってどうなんだろう?と思いつつ1から全く新しい話を考えるのにも時間があまりにもかかりすぎるので、そのまま2週目という形で書かせてもらいました!今回は遅刻してしまいましたが大目に見てくださるとうれしいです!


それでは次回もまたお楽しみください!!
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