Wonder land Wars ~ドクロ船長とマッチの少女~   作:コッコリリン

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警告!
キャラ崩壊有! キャラ崩壊有! デス・フックとミクサのファンの皆さま、ご注意ください!!



ドクロ船長とマッチの少女 1

≪ドクロ船長、デス・フック≫

 その見た目は恐ろしい形相をした骸骨が、血のような禍々しいコートを羽織り、ドクロの刺繍があしらわれたキャプテンハットを被った、さらに右腕はハープーンランチャーやガトリング砲へと変形可能な機械仕掛けの巨大な武器へと変えている、まさに地獄から蘇った男。その気性は海の男の荒々しさと、敵を地獄へ落とすまで追い詰める冷酷さを併せ持っている。

 

 ≪マッチ売りの少女、ミクサ≫

 黒い帽子とポンチョといういで立ちの、どこか儚げな印象の強い幼い少女。つねに左腕にマッチの入った籠を持っている。武器は燭台をモチーフにしたロッド。性格は物静かで、自分の感情をあまり表に出そうとしない。出自が出自で、寒いのを嫌い、人見知りでもあるが、それと同時に、内心では誰かの温もりも求めている。

 

 これはそんな二人が織りなす、とある日常の風景です。

 

 

 

 

 

~私を置いていかないで……~

 

 

 

 

 

 ガラーンガラーン!

 

 戦闘開始の合図である鐘の音が響き渡る。。

 

『始まったカ……中央へ行くゾ……』

 

「私も……中央へ行くね……」

 

「わかりました!」

 

「いいだろう!」

 

 開始早々、挨拶もそこそこに、デス・フックとミクサは共に中央の道を進む。他の二人、サンドリオンと吉備津彦も左右に分かれる。

 

『ククク……今日はどういった方法で敵を甚振ってくれようカ……!』

 

 愉悦を隠そうともしないで笑い声を上げながら走るデス・フック。むき出しの歯が、表情筋がないにも関わらず、傍から見ると笑っているようにも見えた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

 そしてその後ろを、素足のままテチテチとついてくるような形で追うミクサ。あまり足は早い方ではないため、少しずつデス・フックとの距離が開いていく。

 

「あ」

 

 ふと、デスフックの耳にそんなミクサの声と柔らかい何かが叩きつけられる音が聞こえた。

 

『……何をしているんだ貴様ハ……』

 

 音に気付いて立ち止まり、振り返ると、ミクサがうつ伏せに倒れこんでいるのが見えた。どうやら、小石に気付かずに躓いてしまったようだった。

 

「……う」

 

 手を地面について起き上がり、顔を上げるミクサ。おでこと鼻の頭が赤くなっており、少し擦りむいているようだった。

 上げた顔を、デス・フックに向ける。その目は、うるうると涙で潤い、揺れている。

 

『…………』

 

 そしてデス・フックは、その瞳から感じる訴えを感じ取った。

 

 

「私を置いていかないで……」というような感じに。

 

 

『……くだらン』

 

 プイっと顔を背け、ミクサを置いて行こうとするデス・フック。

 

「…………」

 

 そして背中からジーッと感じる寂しげな視線。

 

『…………』

 

「…………」

 

 ジーッ。

 

『…………』

 

「…………」

 

 ジーッ。

 

『…………』

 

「…………」

 

 ジーッ。

 

『…………チッ』

 

 背けた顔を戻してドスドスとミクサへ歩み寄るデス・フックは、その巨躯を屈めてミクサの小さな体を持ち上げた。

 

「あ……」

 

 そして、自身の肩に担ぐような形、いわゆる肩車にしてミクサを乗せた。

 

『……これで問題ナカロウ……』

 

「……んん……」

 

 遥かに高い視点になったミクサは、デス・フックのキャプテンハットをずらさないように乗りながら、

 

「……どうも……♪」

 

 小さな声でお礼を言った。その声はどことなく、楽し気であった。

 

『……フン』

 

 不満を隠そうともしないで、デス・フックは鼻を鳴らすのであった。

 

 

 

≪中央拠点、陥落!≫

 

『ア』

 

「あ」

 

 

 

 

~代わりがないので~

 

 

 

 

『フン、ギリギリの勝利であったナ……』

 

「ん……お疲れさま……」

 

『しかし、なかなか激しい戦いだっタ……服がボロボロだナ』

 

「……あ」

 

『ナンだ』

 

「デス・フックさん……帽子……」

 

『帽子?』

 

「……帽子、ドクロとかいろんなところが煤だらけで……破れかけてる」

 

『ナンダ、そんなことカ。所詮帽子ダ。修理すればいい話ヨ……』

 

「でも……私を庇いながら戦ってたから……服だって私よりデス・フックさんの方が……」

 

『フン。お前が帰城するまでの時間稼ぎをしてやったのダ。寧ろあのタイミングで帰城したのはお前にしてはいい判断だったから助けてやったまでヨ』

 

「でも……」

 

『もういいだろウ。とっとと戻るとするゾ』

 

「……デス・フックさん」

 

『……今度はナンダ』

 

「あのね……」

 

 

 

 

 で、数分後。

 

 

 

 

「…………」

 

『…………』

 

「……なぁ、デス・フック?」

 

『……ナンダ小僧』

 

「小僧じゃねぇよ、俺はピーターだ」

 

『黙レ』

 

(うわ、相変わらず眼力すげぇなぁ……でもなぁ……)

 

「いや、さぁ……ちょっと聞きたいんだけど」

 

『答えんゾ』

 

「……じゃあ、一応でも聞いておくけどさぁ」

 

『…………』

 

「お前、その帽子、何?」

 

『知ラン』

 

「いや、それいつもの帽子じゃねぇよな?」

 

『知ラン』

 

「ていうかそれ、ひょっとしてミクサの帽子」

 

『貴様も俺と共に底のない地獄の闇に来るカ……?』

 

 そうやって凄むデス・フックの頭を、フリルのついた黒い帽子がフリフリと揺れていた。

 

 

 

 

 

 因みに。

 

 

 

 

 

「あれ? ミクサちゃんいつもと帽子違うね?」

 

「んん……借りた」

 

 アリスに言われ、サイズが違いすぎてブカブカな赤紫のボロボロキャプテンハットを被ったミクサは、目を隠すように被りなおした。

 その顔は、どことなく嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

~一人ぼっちは寂しい~

 

 

 

 

 

「ねぇ、デス・フックさん」

 

『ナンダ小娘』

 

「デス・フックさんって、一度死んじゃったんだよね?」

 

『ああ、ソウダ。俺は地獄から蘇ったからナ』

 

「……そっか……」

 

『ああ』

 

「…………」

 

『…………』

 

「…………ねぇ」

 

『ナンダ』

 

「死んじゃった時の記憶とか、あるの?」

 

『記憶?』

 

「うん」

 

『……あるには、あるガ』

 

「…………」

 

『まぁ、一言で言い表すならバ、虚無だナ』

 

「え……」

 

『俺以外誰もいない、辺り一面底のない闇の中。そこを俺は漂っていたのだけは覚えていル』

 

「…………」

 

『まぁ、本当に何も無い、つまらない場所だったナ。今となってはどうでもいい話ではあるガ』

 

 ギュッ。

 

『……何をしていル?』

 

「……ごめんなさい」

 

『何故俺にしがみつきながら謝ル』

 

「…………」

 

『しがみつきながら首を振ってもわからんだろウ』

 

「…………」

 

『……チッ。何でお前が泣くのダ……バカガ』

 

 ポンポン

 

「……デス・フックさんの手、おっきくて……あったかい」

 

『そんなわけなかろウ。死体だぞ、俺ハ』

 

 グリグリ

 

『だからしがみつきながら頭をな……チッ、もうイイ』

 

 

 

 

 

 

~呼び方を変えさせて~

 

 

「デス・フックさん」

 

『……今度はナンダ小娘。くだらないことだったら聞かんゾ』

 

「……今日からデスさんって呼んでいい?」

 

『…………』

 

「…………」

 

『…………』

 

「…………」

 

 

 ジワッ

 

 

『ガァァッ! 泣くナ泣くナ無視したくらいデ!! で!? 何デだ!!』

 

「ん……ずっとデス・フックさん、だと、ずっと他人っていう気がするから……」

 

『……他人も何も、実質そうであろウ。俺と貴様ハ』

 

「え……」

 

『……何故そこで驚愕すル……』

 

「……そう……なの……?」

 

『何度も言わせるナ……俺と貴様は単なる他人ダ』

 

「……ただの……他人……なの……?」

 

『だからそうだと言って』

 

 ジワッ

 

『ル……って、オイ』

 

 ポロッ

 

『オイ、ちょっと待テ、オイ』

 

 ポロッポロッ

 

『オイ! 何故いきなり泣き出ス!?』

 

「……っ!」ダッ

 

『マテ! オイ、マテ!? どこへ行ク!? 小娘ェェェェェェェェ!!』

 

 

 

 

 

 最終的に泣きじゃくるミクサをあやすような形でデスさん呼びを許可してしまうデス・フックなのでした。

 

 

 因みにこの光景は大勢に見られたため、デス・フックは地獄へ戻りたくなったそうです。

 

 

 

 

 

~名前で呼んでpart1~

 

 

 

 

 

「デスさん」

 

『……何ダ……』

 

「……デスさん、なんだか元気ない……大丈夫?」

 

『……問題ナイ……それで、何ダ』

(何故俺はデスさんと呼ぶのを許可したのだ、クソ……)

 

「あのね、お願いがあるの……」

 

『これ以上何を願うというのダ……まぁいい。言ってみロ』

 

「うん……デスさんって、私のこと、小娘って呼ぶよね……?」

 

『小娘は小娘だろウ。それの何の問題が』

 

「名前」

 

『……ア?』

 

「名前で呼んで欲しい……ミクサって」

 

『…………』

 

「…………」

 

『……いいだろウ』

 

「っ! ……本当?」

 

『ただシ』

 

「……?」

 

『お前が次の戦いでMVPを取れればの話だがナ』

 

「え……」

 

『この海賊王である俺に名前で呼んで欲しくば、それ相応の対価を見せてもらわなければならんからナァ? 安いものだろウ?』

 

「…………」

 

『ナンダ? 怖気づいたカ?』

 

「……頑張る」

 

『……ホゥ?』

 

「頑張って、MVP取る」グッ

 

『……グハハ、せいぜい足掻くがヨイ……』

(ククク、簡単にデスさん呼びされたのだからこれくらいは構わんだろウ……まぁ、無駄だろうがナ)

 

 

 

 

 

~名前で呼んでpart2~

 

 

 

 

 

≪戦闘終了 Win≫

 

『貴様らにくれてやる……海の底の永遠の闇ヲ……!』

 

「グ……ハァ……!」

 

『……まぁ、敵にしてはよくやった方ではあったがナ……この海賊王に立ち向かう無謀さは誉めてヤロウ……』

 

『……さて、戻るとするカ……あの小娘も別レーンで耐え抜いたようだナ』

 

 

≪帰城≫

 

 

「あ、デスさん」テテテッ

 

『小娘か……その様子だと、どうやら快調のよう』

 

「ん」ピラッ

 

『……なんだこの紙ハ』

 

「ん」

 

『……見ろ、ト?』

 

「……」コクコクッ

 

『……ドレ』

(これは、リザルト結果カ……なになに……)

 

 

 

・ミクサ

キャスト撃破数一位!

撤退数0!

兵士先導者!

Link達人

最高防衛者!

巨人キラー!

 

 

 

 

『…………』

 

「…………」

 

『…………』

 

「…………」

 

『……オイ』

 

「ん……」

 

『お前……これ……』

 

「頑張ったの」

 

『……頑張った……んだろうナ、これハ……イヤ、ダガ……』

 

「おいおい、さすがにこれは認めてやれって」

 

『小僧……!』

 

「だから小僧じゃなくてピーターだっての。アンタが知らないところでミクサの奴、めちゃくちゃ頑張ってたんだぜ?」

 

「特別な感情を抱いた男の為に努力する……女の子っていうのは、案外強いものなのよ?」

 

『メロウ……貴様もか……』

 

「ウフフ」

 

「デスさん……」

 

『グッ……』

(クソッ! 小僧はともかく、よもやメロウの奴が小娘に味方するとハ……あの魔女メ!)

 

「……私、頑張ったよ?」

 

『…………』

 

「だから……約束」

 

『…………』

 

「…………」

 

『……フン!』

 

 

 

 

『見事だったナ…………ミ、ミクサ』

 

 

 

 

「っ! ……うん!」

 

『……だからガキは嫌いなのダ……クソッ』

 

「あぁら、そっぽ向いちゃって。案外かわいいところあるのね」

 

『黙レ魔女ガ! 焼き魚にしてやろうカ!!』

 

「フフフ、怖い怖い。それじゃあ、お邪魔虫は一足先に帰らせてもらうわね?」

 

「じゃあなデスさん! ミクサをちゃんと連れて帰れよな!」

 

『貴様がその名を呼ぶな小僧オオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

 

「……♪」

 

『えぇいいつまでも腰にしがみつくナ小むす……ミクサァァッ!!』

 

 

 

 

 

 というわけで、デスさんとミクサの距離はちょっとだけ縮まりました。

 

 めでたしめでたし。

 




思い立ったが吉日。初めましてクーロン丸です。
Wonder land Warsは二次ではあまり見かけないジャンルですが、ゲームセンターで見かけるアーケードゲームで、メジャーなおとぎ話を題材にしたシミュレーションゲームです。おもしろさもさることながら、キャラが魅力的というのもこのゲームの特徴です。知ってる人は知っている。知らない人は検索だ!

で、デス・フックとミクサという異色カップリングが私の一押しです。理由? ゲーム内チャットでうまい具合にかみ合ってからハマりました文句は言わせない。

短編オンリーで行こうと思いましたが、まだネタがあるのでまだ書いていこうかなと。まぁ早いうちに尽きます。それあでお付き合いしてくだされば幸い。

では、これにてしーゆー
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