ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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書きたい事の少しはかけたなと思う仕上がりである
描き切っちゃうとネタ切れるし、分厚くなるのでこの程度で……
そして登場と書きつつ出てこないゴモラたん
しょうがないね、ドラマパートと戦闘パートで分けてんだもん
ということでよろしくお願いします
では本編どうぞ


父親の宝1-負思念体ゴモラ登場-

ある日、護と垣山は対人型宇宙人を想定しての稽古をしていた

護は相手が垣山なのを気にして殴りも蹴りもせず、垣山の蹴り、殴りを時に受け止め、時にはいなしていた

模擬戦闘の終了のブザーが鳴り終わると、二人とも荒い息を整えた

「ふぅ……、まさかここまで防がれるなんてね」

「すみません、訓練なのに、一回も攻撃しなくて……」

「いやいや、十分だよ、まだまだ訓練が足りないなと思ったよ

……だけど、信じられないな」

「何がですか?」

「君がGUYSに入る前、朱里ちゃんと試験したって聞いたけど、

その時より強くなってるんじゃないか?」

「んー……そんなことないんじゃないですか?

俺一回も垣山さんに攻撃できませんでしたし……」

「でも、判断が早かったじゃないか、避けれるものは避けて、避けれないものは防ぎきっている……

本当にこの間まで何もしていなかったのか?」

「アルバイトくらいなら……」

 

実のところ、護自身も自身の体について疑問を持っていた

よく目が見えるようになったり、力も付いてきた

ただ単に実力が良くなったのではないか?とも思ったが、そこまで訓練もこなしてはいない

では才能があったのか?とも考えた

才能があり、開花したのであれば喜ばしいのだが、才能では片づけられないものもある

と、するならば、考えたくはなかったのだが1つある

ウルトラマンと同化し闘っている事実だ

ウルトラマンとして戦ったことが、護の才能を開花させたか

……護を、人ならざるものにし始めているのかもしれない

それが、ウルトラマンであれ、怪獣であれ、人として生きられなくなるのだとしたら……

護は人を守れれば構わないと心の中で決めていた

例え、人ならざるものになり、自分で無くなろうとも……

その恐怖を、護は心の内に仕舞った、今はみんなを、人を地球を守るために

 

2人が汗を流しにシャワーを浴び、みんながいる部屋へ戻った時である

「パパ!!」

扉を開け、部屋に入ったとき、可愛らしい女の子が垣山に駆け寄ってきた

護は何事だ?と思ったが、それよりも驚くことに気付いた

少し前、公園で俯いていた少女の声だ

顔は見えなかったが、確かにあの時聞いた少女の声であることに気づいた

そして少女は垣山の足にしがみ付いた、垣山も驚いているようで

「玲奈(れな)!?どうしてここに……」

垣山が周囲を見ると紙袋をもった女性がいることもわかった

「お前……」

そこに、笑顔のヒロが垣山に言った

「垣山さん!!幸せですね、お嫁さんの真礼(まれい)さんと娘の怜奈ちゃんが垣山さんに届け物を……」

そこまで言って、垣山が声を上げた

「何で来たんだッ!!」

それはここにいる中でヒロと護だけが知らない垣山の声だった

「いつも言っているだろう、なにかあるかもしれない場所なんだ!!危ないからここに来るんじゃない!!」

「でも、貴方にこれを渡したくて……それに、怜奈も……私も、貴方に会いたいから……」

「だめだ、今すぐ帰りなさい!!」

いつもならほかの隊員が何かを言うであろう状況だが、誰も口を開けずにいた

あの熱血漢の篠崎でも、ばつの悪い顔をしているだけだった

「玲奈……おいで……」

怜奈は何度も垣山と真礼を見て、さびしそうな顔と足取りで母親の手を握った

真礼は、持っていた紙袋を机の上にそっと置き、頭を下げ、部屋から出て行った

「ごめんな……みんな、いつもこんなになってしまって」

「いつもでしょ?もうわかってるから良いのよ」

「わかってますから……」

「お父さんだしな……」

隊長の橘とヒロ、護は何も言わなかった

垣山は、机に置かれた紙袋を手に、自分の部屋へ向かった

 

「あの……」

「ニワトリ、お父さんにはお父さんなりの考えがある

気にすんなって言ってもあれだが……気にすんな」

「垣山さんなりの考え……ですか?」

「ここにはGUYSクルーの親族で理由がちゃんとあればGUYSクルーじゃなくても入れはするが、

ここは侵略者の宇宙人からすれば潰したい拠点だ、そこに家族が来てみろ?」

「あぁ……なるほど」

「でも!!家族にあの言い方はだめだと思います!!」

「それはお父さんが一番分かっていることよ

たぶん今頃、来てくれたことを嬉しがってると思うわ」

「え?どういうことですか?」

 

 

 

自室に戻った垣山は紙袋の中を見て、涙を流していた

紙袋の中には、怜奈と真礼の記念写真、垣山宛の手紙、私服……

そして、おそらく怜奈が描いたであろう絵が入っていた

「玲奈……大きくなったな……分かってる、わかってるんだ俺も会いたかったよ」

「そんなに会いたかったなら、目の前で喜んであげたらどうですか?」

本来聞こえないはずの声が自室に聞こえていた

垣山がその声のほうに振り向くと、そこにはヒロの姿があった

垣山は急いで顔に流れていた涙を拭いて聞いた

「の、ノックした?」

「いえ、してませんでした」

「いや、ノックしてよ」

「どうしてるか気になったので、次はちゃんとします」

「あ……いや、そうじゃない、ごめんな、気にしないでくれ」

ヒロは垣山が座っているベッドに向き合うように、垣山のデスクチェアを借り、座った

「垣山さんは、今をどう思っていますか?」

「今?……悪いって思っているよ、父親としてちゃんと家族と居られないなんて、父親としてはだめだとね」

「……不思議ですよね、人って……」

「どうして?」

「悪いものだと、やってはいけないものだと分かってても、やらなきゃならないことがある

僕には、できないものです」

「一応でも親だからね、守らなきゃならないものがあるんだ」

「ごめんなさい、少し僕は怒りますね」

ヒロの言った一言に垣山が拍子ぬけた声を出す

「垣山さんは家族を守りたいからGUYSに入ったんじゃないんですか?

貴方は家族じゃなくて、人を守るために戦ってます」

「何か……違うのかい?」

「違います!!あなたが愛する家族遠ざけてでも、家族を想い、守りたいと願うのなら!!

どんなことからも守り切ってみせる努力をしてください!!

父親というのはそういうものです!!」

「分かってる……!!だから僕は父親として失格だと……」

「言わないでください!!冗談でも、父親になったんならそんな言葉を言わないでください!!

それに、分かってる?分かってないです!!あの人たちが、何を望んでいるのか……分かってあげてください!!」

しばらくの沈黙が流れ、垣山が口を開く

「……説教なんて、されたのは久しぶりだ……

大人になっても、わからないことだらけなのに、自分で考えなきゃならない……

たまに思うよ、みんなと過ごしていると、家族って簡単なものじゃない……だけど、幸せなことなんだ」

「垣山さん……」

「うん、ありがとう……まだまだだけど、説教されて吹っ切れたよ

……今は、ただ家族に会いたい」

垣山が手を差し出し、ヒロに握手を求めてきた

ヒロはその手に応え、握手をした

その時、アラートが鳴り響いた

「怪獣が……行くよ!!ヒロ君!!」

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

とあるマンションの一室で男性が膝をついていた

「あはは、ははは……どうして、どうしてなんだ?愛していた家族が僕を見捨てるなんて……」

ビジネススーツを着ている男性の顔には黒い靄のようなものが掛かっていた

彼の手には家族で遊園地に遊びに行った時の家族の写真

幸せそうな彼と、彼の妻、そして娘の写真だった

黒い靄は彼の顔から写真に零れ落ち、写真についた

靄は彼だけを残し、彼の家族を消した……




細かいことを書くとあれですが……、
お父さんは最初のシーンで護を自身の子供のように扱ってます
まぁ、ほかの隊員たちもそうなのですが、家族にしてやりたいことを隊員に対してやることで満足しようとしてたりね?
まぁ、どう見るかはお任せします
さて、次回は同じ境遇な人の話です
あぁ、ゴモラたん、擬人化計画が凄い
なにがすごいってまずあの恰好だよね、あと足のゴモラの部分があのかわゆさをひきだしてr

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