翌日になっても、クルーの表情は暗いままだった
今の彼らには、誰が敵で誰が味方か……誰を信じて良いのかも分からなかった
そんな彼らのもとに怪獣出現の一方が入る
橘はメモリーディスプレイで格納庫にいるヒロと坂牧に通信を取った
「2機の調子はどうだ?」
『調整は完了してます、それと、設計図上で確認されていない受信機を取り外しました。
たぶんこれが計器異常の原因だと思います』
『武装もチェックは終わっています』
「分かった」
橘は通信を切り、クルーを見る……その顔は戸惑いだった
護は静かに立ち上がると、格納庫に先に向かっていった
護はGUYSがどうあろうと人々を守ることに変わりはないと決めていたからだ
橘は護を見送った後、クルーに向かい、頭を下げた
「信じてくれ」
ただその一言を言った
「今、戦えるのは君たちだけだ。
その中で、君たちが誰かを信じられないことがあっても……
人々を守りたいという……君たちの気持ちを……」
橘がもう一度、深く頭を下げた
「GIGッ!!」
一際大きな声が指令室に響いた
篠崎が、橘に微笑みながら少しふざけながら敬礼していた
「考えてみたら誰が敵ってわからねぇってだけで、何も変わってねぇじゃねぇか。
敵だってわかったらぶん殴るだけじゃねぇか、あぁあ、凹んでたの馬鹿みたいじゃねぇか!!」
「……ありがとう」
篠崎をはじめに、他のメンバーも微笑み、言った
「はぁ、単純……馬鹿にはなりたくはないから私も行かなきゃ」
屋久島が篠崎を軽く見た後にそう言った
「朱里は放っておけないからね、それに愛ちゃんが入隊したときに先輩できないからね」
三原は屋久島とハイタッチを交わし、そう言った
「みんながそう言うならお父さんも家族を守るために頑張るとしますか」
「お、お父さんが自分でお父さんって言ったぞ!!」
「話の流れから僕の家族のお父さんってことだってわかってよ……」
橘は笑いながら、また頭を下げた
「本当にありがとう」
「おいおい隊長、言葉が違うんじゃないか?」
「護君は勝手に行っちゃったけど、みんな橘隊長の号令を待ってるんですよ?」
橘はそうだなと言うと、大きく息を吸って号令をかけた
「GUYS!!sally go!!」
『GIG!!』
指令室にはこれから人々を守る決意を再びしたクルーの笑顔だけがあった
「じゃ、今度焼き肉おごりな隊長」
「え?」
「私も」
「え?」
「じゃあ橘隊長、お願いします」
「えぇッ!?」
「家族同伴はよろしいでしょうか?」
「えぇえええええッ!?」
そんなにおいしい話ではなかったとさ
なんとGUYSには焼き肉をおごるという制度があったのか(驚愕)
てな訳でもなく、何かあったら焼き肉というのがGUYSの決まり
30年間で何があったのやら……
ではまた次回
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