ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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書き終わりました!!
なんとか次の映画が公開される前に話を進めておきたいです
では本編をどうぞ


炎に忍ぶ者達3-負思念体ジェロニモン・宇宙忍者バルタン星人登場-

怪獣が現れる少し前、味のある一軒家で、一人の男性の老人が仏壇の前で手を合わせていた

仏壇には和菓子が置かれていた

「お前が居なくなってから、もう10年か……」

老人はお供えされている和菓子の中から大福餅を一つ取り、頬張った

食べ終わると、軋む木製の椅子に座り、外を見つめていた

そんな老人の耳に、床の軋む音が聞こえてきた

 

「誰か居るのか……?」

老人は廊下の方に声をかけた

そこに姿を見せたのは女性だった

「子供かと思ったら……こんな家に何の用で?」

老人は少しだけ警戒しながら何か困っているのかと思い、女性に聞いた

「……源だ」

「源さん?ここでは聞かない名字だ、ここら辺に住んでいる方じゃないよ」

女性は手を老人へ向けると、そこから勢いよく黒い霧が飛び出し、老人の顔にまとわりついた

悲鳴を上げる老人を目の前に、舌で唇をなめた

「上質な負の感情を……私のものに……!!」

老人は椅子から転げ落ち、微塵も動かなくなった

 

そして住宅街には突如、負思念体ジェロニモンが現れた

ジェロニモンは住宅地を進攻し建物や人々を蹂躙していく

ジェロニモンが住宅地を破壊しているその姿を、女性は見つめていた

乾いた唇を舌で舐め、何かを待つかのように

 

 

 

 

 

 

ケツァールとナンダがやってきたときには、辺りの住宅からは火の手があがっていた

ケツァールはナンダとの連結を切り離し、その後、レッドスパロウとオオルリに分離した

各機がジェロニモンに攻撃を開始しようとしたとき、篠崎がナンダに通信をした

「おい!!王子と坂牧!!武装の名前勝手に変更すんじゃねぇーよ!!」

篠崎はレッドスパロウのディスプレイに書かれている武装の名前が変更されていることに気付いた

『しょうがないですよ篠崎さん、前の武装は改変されてて名前も変えられていたんですから……

どっちかというと元に戻ったんです、こっちを使ってください』

「この名前叫ぶと結構恥ずかしいんだがなぁ……なぁお父さん?」

「じゃあ僕が叫んだら君も叫ぶ?」

「お父さんの熱い姿を見してくれるのかっ!?」

篠崎は笑いながら、操縦桿を深く倒した

「しゃッ!!行くぜお父さん!!」

「ウイングレットブラスター!!」

いつもの光粒子エネルギー砲ではなく、使用されるエネルギー量が増えたウイングレットブラスターが、

レッドスパロウから発射された

「朱里!!お願い!!」

「バリアブルパルサー!!」

オオルリからも威力の高い粒子ビームが発射される

2機から発射された攻撃はジェロニモンに命中し爆ぜた

「使えるぜこの新装備!!」

『別に新装備じゃないですけど……』

 

地上に着陸したナンダはジェロニモンの左側面に着いた

坂牧がナンダを降り、ポインタスコープでジェロニモンの弱点部分を指定していく

指定されたポイントにレッドスパロウとオオルリが的確に攻撃をする

「なぁ、ヒロ……今回俺たちいらないんじゃ……」

「そんなこと言ったらいけませんよ、僕たちも攻撃を開始しましょう」

護たちはポイントを指定し終わった坂牧を乗せ、後退しながらスペシウム反応砲を放った

 

四方から放たれる攻撃に思うように動けないジェロニモンだったが……

ジェロニモンの体から黒い霧が噴出し、ジェロニモンの隣に別の怪獣が現れた

その怪獣はGUYSのクルーたちは見たことがある

「ボガールッ!?」

怪獣が一体から二体に増えたことによって、篠崎たちが取っていた先方が通じにくくなった

さらに、護が坂牧にボガールの弱点を指定するように言ったが、坂牧にはボガールが見えていなかった

「見えない!?」

「はい……あれは怪獣でもダークエフェクトの怪獣でもありません!!」

「てことはあのボガールは一体……!!」

その時、ジェロニモンが念力を使い、自身の尾にある羽根を飛ばし、3機に放った

ボガールに気を取られていた護たちはジェロニモンが放った羽根の攻撃を食らい、機体のバランスを崩した

3機とも調整をされ機動力も高くなっているはずだが、

ジェロニモンの追尾してくる羽根の攻撃に機体性能ではなく、操縦が追いつかなかった

 

その時、橘から通信が入り、メテオールのしようが解禁された

「行くぜレッドスパロウ!!マニューバモード!!オンッ!!」

レッドスパロウの翼が開き、そこから金色の粒子があふれ出ていた、

その粒子量は今までのものとは比べモノのにならない量だった

「オオルリ!!マニューバモード!!オンッ!!」

オオルリも両翼が開き、そこから金色の粒子を放出させた

2機は物理学を無視した飛行で羽根の追跡を撒きつつ、ジェロニモンとボガールに攻撃を仕掛ける

 

ナンダについてきていた羽根がレッドスパロウとオオルリに回った隙を突き、ナンダは地上に着陸した

ナンダからヒロが飛び降り、体から光を放ち、ウルトラマンへと姿を変えた

ヒロが変身した青いウルトラマンヒーロー、モードスタンダートである

護も、ナンダの操縦をオートに変更し坂牧を気にしながらもナンダから降りた

護はポケットからフュージョミッションを素早く取り出すと、光輝き、

光球となってヒーローのカラータイマーに入ろうとした

 

しかし、護はカラータイマーに入ることはなく、なぜか弾き飛ばされ、地面にたたきつけられた

驚くヒロ、そして地面に叩き付けられたからか全身に激痛が走り、苦悶の声を出しもがく護

 

突如現れたウルトラマンに驚きつつも、現れてから何もしない隙の多いヒーローに、ボガールが殴りかかった

殴り飛ばされたヒーローは護の居る場所の近くに倒れた

ヒロは近くにいる護に被害を出さないために、すぐにその場から飛び、移動した

レッドスパロウとオオルリはヒーローの援護をしつつ、

まるで戦闘機のロールのように急上昇し、ケツァールへドッキングし、

ロールの頂点で左右に高速移動しつつジェロニモンに対し、メテオールエネルギー砲を連続で発射した

ヒーローはヒーロー自身に向かって突進してくるボガールの足元にエフェクト・ショットを放ち動きを止めた

そのままエフェクト・シールドの動きから頭部に右手を持っていき、エフェクト・スラッガーを放った

放たれた刃状のエネルギーはボガールの体を傷つけ、そのままジェロニモンの方へ向い、

ジェロニモンの生えている羽根を切った

このままなら倒せる、そういう展開なとき、黒い霧が突如集まり、黒いボガールが現れた

黒いボガールに篠崎たちとヒーローが身構えたとき……黒いボガールは高速で動き

 

 

 

 

 

 

もう一体のボガールを捕食した

 

 

 

 

 

 

ジェロニモン達に加勢するのではなく、ボガールを捕食した後、そのまま驚くジェロニモンにも飛びつき、

自身の体でジェロニモンを丸ごと食べてしまった

黒いボガールは体から黒い霧を噴出させ、自身のお腹の部分を叩いた

まるで満腹だと喜んでいるようにも見える

ヒロは黒いボガールに向かい素早く走り、殴りかかったが、黒いボガールは殴りかかってくる腕を片腕で打ち払い、

同じ腕でヒロの胴体を殴り飛ばした

その隙に、メテオールエネルギー砲を発射したケツァールだったが、

黒いボガールはクロスアームガードで耐えきってしまった

同時に、使用制限の1分30秒を超え、マニューバモードが強制解除されてしまう

完全にこの場を黒いボガールに持っていかれてしまった

黒いボガールはまるで笑い声のようなものをその場に残し、消えていった

 

ヒーローの姿も消え、元の人間体へと戻ったヒロ……急いで護のもとに向かうが……

そこには格納庫に現れたバルタン星人が化けた男が現れた

「すみません!!僕、ちょっと急いでるんです!!」

ヒロはその男が何者であるかを知らなかったため、その横を通り過ぎようとするが、

男はそんなヒロに怒鳴り声をあげた

「愚かな宇宙人めッ!!」

「え?」

ヒロは思わず足を止めた

「貴様がやっていることも知らないのか……?本当に愚かな宇宙人だ。

ははははは……、貴様らウルトラ族の手によって人を殺めた時、

貴様らはヒーローからただの侵略者になるだろう……その時は我々バルタン星人が人類を導く……正しき道へと」

「バルタン星人だと!?」

ヒロは構えるが、男は待ったと手を向け、制止を促した

「ふん、復讐の捕食者の人形か」

男が顔を向けた先には、一人の女性が立っていた

 

「三つ巴か……ここで戦っては我々の願いが叶わぬ、ここは引かせてもらおう」

バルタン星人はその特徴である笑い声のようなものを出しながら姿を消した

ヒロは、今度は女性に構え動きを見つつ言った

「お前がボガールヒューマンか!?」

ヒロは光の国にいるとき、ウルトラマンメビウス、そして……ウルトラマンヒカリから、

ボガールのことを聞いていたのだ

もし、この女性がボガールヒューマンであるのなら、今ここで倒せれば……そうかんがえていた

「ウルトラマン、次は……お前を、食べる。

その時は暴れろ、食べてやる……!!」

ボガールヒューマンも、顔に笑みを作り、唇を舐め、消えていった

 

新たなる敵、バルタン星人の思惑とは……

そして黒いボガールにヒロとGUYSは勝てるのか

護に起きた異変とは……!!

 

……物語は加速する

 





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