ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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遅くなりました……
これもネットカフェでしかアイディアが浮かばないのが悪いんだと思いつつ投稿


決断と別れ1-ラビオル星人・再生同化怪獣ボガール登場-

医務室のベットの上に護は寝ていた

その様子をヒロは医務室のドア越しに見ていた

 

 

 

 

 

 

少し前、ヒロと橘は護を精密検査した担当医と話しをしていた

「率直に申し上げますが……彼はもう戦わせてはいけないと判断いたします」

困惑するヒロに、担当医はカルテを手に状況を説明した

「彼が入隊した時にも精密検査はしましたが、その時よりも免疫力の低下が認められます。

……ここだけの話ですが、このままだと彼は近い内に死んでしまうかもしれません」

「そんな……」

「今のうちに本格的な治療ができる機関に彼を移すべきだと……」

 

 

 

 

 

 

「護さん……こうしてしまった僕自身なのが本当だとしたら……」

ヒロは拳を固く握り、その場を後にした

 

その日の夜、護は目を覚ました

なぜ自分がGUYSの医務室にいるのかも分からなかった

「なんで俺、ここにいるんだ……?ジェロニモンは……?」

護はベットから抜け出し、医務室の扉を開けた

扉を開けると、そこには一人の男性がいた

「!?……お前はバルタン星人!!」

「ふふふ……随分と自分の体を酷使しているな、日野護君」

バルタン星人の男は警棒のようなものを取り出し、護の腹目掛け、思いっきり振った

護は避けるどころか、防ぐこともできず、腹を押さえその場に崩れる

「ただの人間如きが対策もせず光になることがどう言う事か考えもしなかったのか?

お前の体と心は度重なる光化に耐えられずもう限界だ」

「だから……どうした!!俺は……」

「強がるのもいい加減にしろ、私が見たところお前がこれから先ウルトラマンに変身せずとも、

後……持って1カ月と言ったところか」

護は驚愕した顔でバルタン星人の顔を見上げた

「なんだって……?」

「ウルトラマンに変身するのならば気を付けることだな。

変身するたびに体と心は朽ちていくことだろう……」

護は右手の拳を強く床に叩き付け、悔しみの声を漏らした

 

その時、バルタン星人の男が何かに気づき、顔を上げた

「悔しがるのも自由だが……決断の時が来たようだ」

GUYSの基地内に警報が鳴り響き、護は怪獣が出現したことが分かった……が

「さぁ、人間……どうするんだ?」

護は目から涙を流していた

 

 

 

 

 

 

宇宙人が現れた場所にすでにケツァールとナンダは到着していた

耳の大きい宇宙人は両腕に装着してある光線銃のようなもので空を飛ぶ2機を攻撃していた

「くそ!!ダークエフェクトがあっても向こうから宇宙人たちは来れるのかよ!!」

篠崎は悪態を付きながら必死に回避運動をとっていた

クルーズモードで戦っていては埒が明かないと考えた篠崎はケツァールのドッキングを解除し、

橘にメテオール使用の許可を求めた

その時、ナンダに乗っていたヒロは、建物の陰でナンダから降り、宇宙人を見上げていた

同時にバルタン星人に言われたことを思い出した

「護さん……この宇宙人は僕一人で倒してみせる!!」

ヒロの体が光り輝き、その場にウルトラマンヒーローが現れた

 

宇宙人はヒーローが現れた瞬間、その姿を変化させた

両腕の光線銃が消え、両腕はまるで巨大な岩のような太さに変わった

「また変わりやがった!!」

『今度は何!?』

ヒロはエフェクト・スラッガーを放つが、スラッガーは宇宙人の固い腕に弾かれてしまう

「まじぃ……隊長!!」

『メテオール解禁!!使用時間は1分30秒!!』

「GIG!!おし!!一気に叩くぞ!!」

2機がマニューバモードになり、UFO的機動で多方向から宇宙人に攻撃を与えていくが

宇宙人はその体を再び変化させ、その体を透過させた

「中途半端に透明になったってなぁ!!」

宇宙人は完全に透明になったわけではなく、うっすらとだがその姿が確認できるぐらいになっただけだった

レッドスパロウとオオルリが同時に攻撃を当てた

 

その時、放ったエネルギー砲は宇宙人の中で反射し、特徴的な耳から2機とヒーローに発射された

ヒーローはエフェクト・シールドを張り、2機は回避した

『お父さん!!M9グレネード!!』

「あいよ!!」

ビーム系統が効かないならとM9グレネードを発射し、爆発させるが、M9グレネードはそもそも効果が薄いようだ

「畜生!!あとはメテオールエネルギー砲しかねぇぞ!!」

状況が良くないと判断し、ヒーローはエフェクト・シールドを再びスラッガーに変え、放った

しかし、エフェクト・スラッガーも宇宙人の中で反射し、ヒーローに返される

「仕方ねぇ!!お父さんゼットンだ!!」

「いやゼットンは人前じゃ使っちゃ……」

「そんなこと言ってる場合かよ!!」

 

ヒーローは光線技が効かないとみると宇宙人に向かって格闘戦を仕掛け始めた

しかし、ヒロのパワーでは圧倒するどころか、逆に格闘で押しやられ始める

GUYSも宇宙人が攻撃を反射する能力のせいで手が出せず、メテオールの制限時間が過ぎていく

 

その様子を少し離れていた場所で護とバルタン星人の男が見ていた

「人間と手を組まなければ満足に人を守れない……何が宇宙警備隊だ」

「ヒロ……みんな……」

護は何回もフュージョミッションを見ては悩んでいた

その時、ヒーローが宇宙人に投げ飛ばされた

その様子を見て、護はフュージョミッションを掲げた

「戦うつもりか?」

「……あぁ」

「確実に消えるぞ、お前は」

護は少しうつむき、言った

「怖いんだ……俺は」

「当たり前だ、生物というのはいつか消えるものだ」

「そうじゃない……俺の心が怖いんだ。みんなを見捨てて、消えていくのが……

それは多分、おかしいことだと思うんだ」

「自分が消えてしまうよりか?」

「あぁ!!ヒロだって怖くても逃げないって言ったんだ!!だから俺も!!」

護の体が光り輝き、護はフュージョミッションを上に再び掲げた

「ヒーローーーッ!!」

光の球となった護は倒れているヒーローのカラータイマーに同化し、ヒーローの体が赤く輝いた

ヒーローは素早く仰向けになりその状態から宇宙人の胴体に蹴りを入れた

そして起き上がると構えた

『サァーーーッ!!』

その様子をバルタン星人の男は少しだけ嬉しそうに見ていた

「フン……上へ報告しなければならないな」

そしてバルタン星人の男は笑い声を残してその場から消えた

 

『護さん!!』

『ヒロ!!遅くなった!!とにかく早くこいつ倒すぞ!!』

すでにレッドスパロウとオオルリはメテオールの時間制限が切れ、ヒーローもカラータイマーが点滅していた

ヒーローは向かってくる宇宙人に対し拳を叩きこむが、硬い体は拳を弾いた

ヒーローは一端後ろに下がり、腕を交差させ、力の限り力んだ

ヒーローの体が赤く輝き始めたが、その様子をただ見ているだけの宇宙人ではなかった

再びヒーローに向かって攻撃をしようと近づく宇宙人だったが……

『サァーーーッ!!』

ヒーローは赤い輝きを炎に変え、渾身の右ストレートを宇宙人に炸裂させた

透過していた宇宙人の体は、拳を当てた場所からひび割れ始めた

そのまま宇宙人は元の両腕に光線銃が付いた状態に戻り、膝を付いた

「今だ!!お父さん!!朱里!!」

レッドスパロウとオオルリはすべての火器を宇宙人に集中させ、追い詰める

ヒーローは止めを刺そうとレッドパワー・シュートを放とうと溜めの動作から十字を組んだ

 

 

 

 

 

 

……が、レッドパワー・シュートは放てなかった

エネルギーが霧散し、光線にはならなかったのだ

それと同時にヒーローのカラータイマーが激しく点滅する……

もうすぐヒーローの活動できる3分が経とうとしていた

その時、ヒーローの後方から1発の光線が通り過ぎ、宇宙人の体を貫いた

宇宙人はこれまでのダメージが限界を超えたのか、その場で爆発した

光線を打った正体はナンダだった

後部に積んでいるスペシウム反応砲をヒーローが殴った場所に正確に当てたのだ

 

ここでヒーローの活動限界に達し、その姿が消える

護とヒロが人気のない場所に降り立った

護はヒロに気付かれないよう、心臓の痛みを胸を手でつかみ誤魔化した

「護さん……」

「はは、ごめんな!!ちょっと足引っ張っちまった……」

ヒロは護が持っているフュージョミッションを取った

「おい、ヒロ……」

ヒロはフュージョミッションを空中に放ると、その手で両断した

「何やってんだよヒロ!!」

護がヒロの肩を掴むとヒロ悲しげな顔をし、言った

「今まで、ありがとうございました……けどもういいんです」

「もういいってなにが!!」

「……これからは人間として、自分を大切にしてください」

ヒロは無理やり手を振り払い、深く頭を下げ、去って行った

何の事だかも分からず、護はその場に立ち尽くした

 

 

 

 

 

 

後日、護はGUYSから除隊が命じられた

 




話は終わったように見えてもまだその1です。
しかし、序盤の終わりまで残りわずかです!!

ではまた次回(多分明日)

ご感想、ご指摘お待ちしております

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