ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます

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ずいぶんと期間が開いてしまい、申し訳ありません
いろいろと事情が有るのと、話が書けなかったことが原因です

まぁ、本当は昨日の夜にはかけているはずだったのですが……
なぜか筆が進まなかったので、友人に約束していたのですが、今日になって投稿しました
出来ればすぐにもう1話書き、護のジレンマを終わらせたいですが、
こればっかりは難しいかもしれません
というより、描写とかが下手になって行っている気がしてなりません

では本編をどうぞ


護のジレンマ2-負思念体ディガルーグ登場-

ディガルーグを倒すため、丸一日の時間を掛け会議を行ったGUYSだったが、

結局、効果的な作戦や解決策が見つからず、気が付けば翌日の朝になっていた

指令室には、調べることに疲れた護たちが、机に突っ伏して眠っていた

それぞれの机の上には紙の束が乱雑に置かれ、そのすべてにペンで修正を行った跡があった

 

時刻が朝9時になり、ぐっすりと眠る彼らの耳に、朝になったことを知らせるチャイムが響いた

全員が、そのチャイム音で目が覚め、休まらないまま、再び会議を行うことになった

「結局、なにも打つ手はなしか……」

篠崎は自信が調べた資料を読み返し、そう呟いた

「移動が簡単に出来て、火力があるものだから……その逆は結構あるんだけどねぇ……」

篠崎の呟きに反応した屋久島が言った

「現在のGUYSにある兵器は、殆どが設置を行わないといけないものですから」

三原が持つ資料はシルバーシャークGの資料であった、シルバーシャークGは強力な兵器だが、

GUYS基地から移動できないという点から、今回のディガルーグ戦では不採用になった

「整備班からのメールが来てます、やっぱりレッドスパロウとオオルリの修理、時間がかかるらしいです」

垣山がそう言うと、一同がさらに暗いムードになった

「あーあ、せめてもう一機、レッドスパロウがありゃーな……」

「ないものねだったってしょうがないじゃない、あったら会議なんてやってないわよ」

「そりゃそうか、ないもんはないか」

そして、再び、各自が読んでいないドキュメントからヒントを得ようとしたとき、

先ほどの篠崎と屋久島の会話で何か引っかかる部分があった護が、過去にディガルーグと戦闘した記録を見た

 

その時、その引っかかりに気付いた

「あった……ありましたよ!!もう一機!!」

突然立ち上がり、そう言う護に篠崎が言った

「あぁ?あるわけねぇだろ、基地に配備されてる機体は……」

「レッドスパロウじゃないです!!もちろんオオルリでもありません!!」

護の言ってることにますます疑問が浮かんだ篠崎だったが、護はコンソールを叩き、

大型ディスプレイにその答えを出した

「これです!!」

そこには30年前のGUYSの機体、クゼ テッペイやイカルガ ジョージの乗っていた……

GUYSガンフェニックスが映っていた

『これだっ!!』

クルー全員が声を上げ喜ぶ、30年前の機体とはいえ、その性能は今のGUYSの機体と大きな差はない。

「なんで今まで気付かなかったんだろう?」

「レッドスパロウやオオルリしか使わなかったから……」

と、簡単なことに気付けなかったことに笑うクルーたちだったが

「ところで、30年前の機体の整備ってするんですかね?」

と三原が言った

 

凍りつくクルーたち

「いやいや、あるんだから整備ぐらいは……するよな……?」

「新人の俺に聞かないで下さいよ!!」

「お前の提案だろ」

「いやいや、元を言えば篠崎さんの発想で……」

篠崎と護との間で醜い争いが始まると、橘が間に割って入った

「まぁまぁ、とりあえず策が見つかったんだから良かったって考えようか、

確か、GUYSガンフェニックスは旧GUYS Japanの基地にあるはずだから……

ヒロ君、ちょっと一緒に付いてきてくれ」

「GIG」

GUYSガンフェニックスの仕様書を読み込んでいたヒロは立ち上がり、了解した

 

 

 

 

 

 

 

少しの時間が経ち、旧GUYS基地に着いた橘とヒロ

橘は入口の扉に近づくと、ライセンスカードを差し込み、

何回か何らかの動作を行い、扉のロックを解除した

中に入ると、清掃がされていないのか、少し汚れた空気や、埃が被った床などが二人を出迎えた

「年に1度の一般開放日以外は誰も入らないから当然汚れているか……

格納庫はこっちだよ」

橘はヒロと共にGUYSガンフェニックスが置かれている格納庫へ歩いた

 

 

 

 

 

 

格納庫に着いた橘とヒロは信じられない光景を見た

GUYSガンフェニックスに見たことのない機器が大量にコードで取り付けられていた

しかし、中央に置かれた機器は現代の地球のPCであった

ヒロは中央に置かれた機器の画面に映る、実行中のプログラムを見る

「これは……」

「ヒロ君!!これは一体!?」

「見た目は派手ですが、やってることはただのアップデートと調整です……

けど、周りにある機器は地球の物じゃないです」

「となると、宇宙人のもの……でも一体何のために?」

「僕にもわかりません……」

橘とヒロが話していると、背後から足跡が聞こえてきた

二人が振り向くとそこには何もなく、不思議に思っていると、

その背後……つまり、もともと正面を向いていたほうから誰かが2人の肩に手を触れた

触れられた途端、驚きこそしたが、振り向きつつ構えを取る2人……その目の前には……

「バルタン星人ッ!?」

前に護たちに姿を現したバルタン星人の人間体であった

「せっかく人と同じ姿で話しているのだから、

バルタン星人ではなく……末川と呼んでほしいところですが……

まぁ、いいでしょう……」

「何故GUYSガンフェニックスを?君たちには関係ないことじゃないのか?」

「関係ない?関係が有るからこうして君たちを手伝っているんじゃないか、

そもそも我が種族がわざわざ人間の体で地球で生活していたのにはわけがある」

「訳?」

橘が末川に聞くと、末川は橘に対し呆れた表情を見せた

「橘隊長?貴方はGUYSの隊長さんなんだからわかると思ったんですがね……?

数年前から計画されている、宇宙進出計画ですよ」

 

宇宙進出計画とは、GUYSが計画した大規模なプロジェクトである

火星でのスペシウム回収作業で得た技術を生かし、

ほかの星に存在する豊富な資源を回収する組織に人員、宇宙船の製造を含めた計画のことだ

「でもそれは出来たとしても何年も先で、少なくとも数千年も先の計画の話だ」

「確かにそうだ、しかし君たちにとっては数千年と大きな数字だが、われわれにとってはすぐのことだ。

宇宙に進出したからには我々やほかの宇宙人と必ず関わることになる。

そして、我が種族は君たち人類がその数千年先の未来でただの脅威で有ると判断した」

「何をもって脅威と?」

「君たち人類が生み出すダークエフェクトだ」

末川は簡潔に言った

「地球に住む人類の心というものは、まだ宇宙に進出するには完璧ではない。

我々は人類が宇宙に進出し、我々やほかの種族に敵対するのではないか?そう考えた。

そして、そうさせない為には人類の思想、技術を長期に渡り操作すればいいと」

「それが、君が言った人類を導くということか?」

ヒロが末川に聞いた

「そうだ、人類は人類同士での争いが絶えない、それで生まれる負の感情……

それがダークエフェクトとなっている今、

負の感情をどうにかできなければ、人類は宇宙には行かせるべきではない」

その時、PCから電子音が聞こえた

「どうやら、我々ができる最後の仕事が終わったようだ。

我々は今から完全に地球から去る……再び人類と出会うときどうなるか……

楽しみにさせてもらう」

そう言い、末川が去ろうとしたとき、橘は静止の声をあげた

末川は振り返ると、橘は言った

「キエテ、コシ、キレキレテ……君たちバルタン星人に昔、科学特捜隊の隊員が言いたかった言葉だ」

「……わかった、ではさようならだ」

末川の姿がゆがんだと思うと、その場から消えていなくなった

 

「ガンフェニックスを運び出そう……ヒロくん、基地に連絡を」

「GIG」

GUYSガンフェニックスが使えることになり、問題を解決したGUYSは、

ディガルーグが現れるまで、待機することになった……

 

しかし、GUYSガンフェニックスを受け入れ完了した翌日、

護は助けを呼ぶ声の聞こえた場所に内緒で来ていた

 

その場所はごく一般的な一軒家が立ち並ぶ住宅地だ

護は住宅地に入ってから、以前の城南光と同じような感覚がする一軒家の前にまで来た

護がインターフォンを鳴らすと、すぐに家の住人である女性が応答した

『はい……?』

「あ、すみませんGUYSの日野護という者ですが……」

『えッ!?あの、何か……?』

「いえ、少しお話をしたい方が……」

護は玄関に設置してあるポストに書かれた名前を確認した

「祐くん……いらっしゃいますか?」

『……すみません、祐はちょっとしゃべれる状態でなくて……』

「……そうでしたか、すみません後日再びお伺いします」

『はい、すみません……』

そう女性が言うと、音声が途切れた

護は辺りを見渡し、付近に誰もいないことを確認すると、先ほどから感じている負の感情の出所……

2階の一室、その窓に跳躍した

カーテンにより室内は見えなかったが、偶然にも鍵が開いており、窓を開ける

そこには、護の予想した通り、ダークエフェクトの黒い霧がベッドで眠る祐という男の子に取り付いていた

「助けに来たよ、祐君」

護は祐という少年の手を握り、強く念じると彼の精神世界へと移動した

そこは学校の教室だった、誰もいない教室の中、一人でポツリと座っている少年がいた

 

「祐君?」

「誰ですか?」

少年は顔だけを動かし、そう言った

護は少し困った顔をすると、少年……祐の目の前の席の椅子に腰かけた

「……君を助けに来た」

護がそう言うと、祐は表情から見てもわかる通りに怒りを露わにした

「助けに来た……?知らない人にそんなことを言われても何もうれしくないですけど?」

「はは……まぁ、知らない人ではあるけど、赤の他人ってわけでもないよ」

「あぁ、GUYSだから?」

「……君の助けてって声が聞こえたから……かな?」

「そんなヒーローみたいなこと……」

「そうだね、でも……話してくれないかな?なんで助けを呼んだのか」

祐はため息を吐き、仕方がないと話し始めた

自分が学校でいじめにあっていたこと……

それを相談できず、悩んでいたこと……

そして、不登校になり、両親に対しても申し訳が立たない

そのことを、次第に感情的になり、涙を流しながら話した祐

護はただその話に何も言わず、聞いていた

 

話が終わると、護は立ち上がり、多少乱暴に泣いている祐の頭をなでた

「ちゃんと話せた……俺にも話せたんだから、親や先生にも同じことをすれば良いだけだよ。

すぐには解決しないし、難しい問題だけど……大丈夫、きっと今までよりも良くなるはずだよ」

護は頭から手を離すと、背を向け教室を出ようとした

「どこに行くんですか……?」

祐はそんな護に涙声ながらに聞いた

「ごめんね、仕事をしなくちゃならなくてね……

大丈夫、また会えるよ」

そう言い、護は現実に戻った

そして、胸ポケットで鳴り続けるメモリーディスプレイを取り出し、

ヒロからディガルーグ出現の報告を受け、窓から飛び出した




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