短いですが本編をどうぞ。
ジー・エンドが出現した直後、スクランブル要請により、
GUYS Japan基地から緊急発進した篠崎達ケツァールだったが、発進後直ぐに、謎の飛行物体に襲われていた。
二枚貝のような形状をする機械でできた未確認飛行物体は、貝でいう殻の間から2本の砲塔が顔を覗かせ、
追跡から逃れようとしているケツァールへレーザーを発射する。
ケツァールを操縦している篠崎は悪態を吐きながら、急旋回でレーザーを回避する。
早くジー・エンドの元へ向かいたい篠崎達だったが、背後から迫る未確認飛行物体をどうにかしないとならない。
GUYSの規約である、宇宙人、宇宙船に対しての宇宙語での通信も行ったが、応答がない。
「橘隊長!!未確認飛行物体から攻撃されました!!判断を!!」
手の空いている三原が橘に判断を仰ぐと、数秒もしないうちに判断が下った。
「未確認飛行物体を攻撃対象に指定する!!メテオール解禁!!」
『GIG!!』
マニューバモードを起動し、金色の粒子を纏うとUFO的機動で未確認飛行物体に反転。
ウィングレッドブラスターを放つと未確認飛行物体は高速で回転しレーザーを弾く。
「ウィングレッドブラスターを弾きやがった!?」
篠崎は驚くが、すぐさまスペシウム弾頭弾のロックを解除、近接信管にセットし、発射した。
放たれた4発のスペシウム弾頭弾は未確認飛行物体に命中する直前で爆発する。
「やったか!?」
垣山が爆風の先を見ると、
そこにはまるでゼットンのようにバリアを張り一切傷を負っていない未確認飛行物体の姿があった。
「スペシウム弾頭弾が効かない!?」
屋久島が他の装備を試そうとするが、近接信管に変更できるスペシウム弾頭弾以外のレーザーやビームが、
先ほどのように弾かれた場合、市街地に影響が出る恐れがあるため使用できない。
唯一効果がありそうなスペシウム弾頭弾も残り4発しかなく、
スペシウム弾頭弾自体も1発ずつでは効果を期待できない。
再び未確認飛行物体の砲塔からケツァールへレーザーが発射される。
「セパレートッ!!」
篠崎が分離の合図を出し、ケツァールがレッドスパロウとオオルリに分離する。
当然まだマニューバモードの使用時間は過ぎていない。
しかし、分離と同時に使用制限時間が残り30秒を切ってしまっていた。
「攻撃が効かないなんて、どうすればいいのよ!!」
『落ち着け!!なんかあるはずだ!!隊長!!そっちで何か分かってることは!?』
屋久島の口から飛び出した言葉に篠崎が喝を入れ、状況を離れたところから見ている橘に対処法を聞く。
「こっちでもいろいろ探ってはいるが、解析班でも未確認飛行物体の正体がつかめていない!!
全員、市街地へ被害を出さぬよう、未確認飛行物体を食い止めてくれ!!
応援を要請する、それまで持ちこたえてくれ!!」
『GIG!!』
橘はさすがに分が悪いと判断し、直ぐに応援に来れるGUYSオーシャンに応援要請を出し、
解析班にも、未確認飛行物体の解析を急がせた。
すると同時に、坂牧から通信が橘に入った。
「どうした坂牧!!」
『ま……ッ!!橘隊長!!ウルトラマン達が負思念体と戦闘中、苦戦しているんです!!
篠崎さんたちの到着は!!』
「篠崎達は未確認飛行物体と戦闘中だ、しばらくそっちに応援は回せない!!」
市街地ではジー・エンドとウルトラマンヒーローが戦闘し苦戦中、
道中の空では未確認飛行物体とケツァールが戦闘し苦戦中という最悪の事態。
橘がどうしようか考えていた時、またしても橘に通信が入った。
今度はなんだと思いながら橘が通信に出ると、そこには隊服を着こんだセリザワが出た。
「セリザワさん!?」
『橘隊長、ガンフェニックスで出撃し、ウルトラマンヒーローの援護に行きます。
緊急時なので詳しい手続きは後でお願いします。』
「お願いします。」
『GIG。ガンフェニックス、バーナーオン』
セリザワの乗ったガンフェニックスが基地を飛び立ち、ウルトラマンヒーローのもとへ向かう。
セリザワはガンフェニックスを操縦しながら、冷静に事態を分析していた。
ウルトラ族は地球上ではおおよそ3分間しかその力を維持できない……。
護とヒロはすでにウルトラマンに変身してから随分と時間がたっている。
どんなに急いだとしても、セリザワがどんなに急いで向かったとしても現場に到着する頃には、
その力は維持できず、人の姿に戻っているだろう。
「私が出るしかないのか……?」
セリザワは右腕についているブレスレット……ナイトブレスを見ながらつぶやいた。