ウルトラマンヒーロー   作:ホルンでごぜーます
<< 前の話 次の話 >>

61 / 62
お待たせしました!!

活動報告より少し早めの投稿です。



全力の激闘2-負思念機械生命体ジー・エンド登場-

ジー・エンド起動まで残り1時間……。

指令室で出撃の時まで指令室で待機している篠崎たちに内線通信が届いた。
「セリザワさん達、あと少しでGUYSマシンの調整が終わるそうです。
それと、メテオール研究所からフジサワ アサミ室長がやってくるそうです」
三原が橘にそのことを伝えると、橘は再確認した。
「フジサワ室長が、ここに来ると?……いつ?」
「えっと、もうエントランスに来ているそうです」
それを聞くと橘は大きくため息を吐き、頭を抱えた。
「あー……みんなは飲まないと思うから大丈夫だと思うけど、絶対コーヒーを淹れないように」

「フジサワさんか……」
「何、お父さん知ってるの?」
資料を読んでいながらも、屋久島がため息交じりに呟いた垣山の言葉を耳にし、垣山に聞いた。
「イカルガさんにメテオールショットの訓練を受けてる時に知り合ってね。
僕の倍以上のお年だけど、色々すごい女性だよ。初めて会うんだったら衝撃受けると思うよ」
「衝撃的ねぇ……?」
作戦の資料を読んでいた屋久島は、垣山の話を軽く聞き流していた。

それから五分後、指令室に繋がるドアの向こうから、軽快な音楽が聞こえてきた。
その音量は防音ではないにしても、堅牢な造りがされている指令室内に聞こえてくるほどだった。
「なにこの音楽?」
「ああ……来てしまった」

自動ドアが開かれると、派手な衣装に身を包んだ一人の女性が音楽に合わせ、
靴の音を鳴らし、フラメンコを踊りだした。
どこからか流れてくるギターやカスタネット、手拍子の音……。
それとフラメンコを踊る女性に橘と垣山以外の一同が驚く。
女性は踊りながら徐々に指令室の奥に歩み寄り、曲はラストスパートを迎える。
曲が終わると同時に最後の決めポーズが決まった。

橘は曲が終わると席を立ちあがり、拍手を送ると、全員同じように拍手を送った。
女性は一礼すると、橘のいる席へ近寄った。
「フジサワ室長……いえ、GUYS Japanメテオール開発室室長、お待ちしておりました」
「久しぶりね橘ちゃん」
橘はやってきた女性、フジサワ アサミに歓迎の言葉を言い、頭を下げた。
「え、この人がフジサワさん!?若ッ!?」
事前に垣山からフジサワの年齢を聞いていた屋久島は、
想像していたものより若々しい見た目のフジサワに驚いていた。
「朱里、失礼だよ……」
三原が屋久島にそう言うが、フジサワは笑いながら三原を制した。
「言われ慣れてるしいいのよ、あなたもフラメンコしてみる?若々しくなるわよ?
あ、しんちゃんも久しぶりー、元気してた?」
しんちゃんと呼ばれた垣山は、苦笑いの表情をしたが、元気ですと答え、フジサワに頭を下げた。
「ところでフジサワ室長、何の御用で?」
「えー……、私がこのタイミングで来たならメテオール関連に決まってるじゃない。
ジー・エンドのバリアー用メテオールを届けに来たのよ」
そう言うと、フジサワは手を叩き、全員を注目させる。

「さて、いきなりですがここで問題です。
私が踊っていたときの音楽、あれは一体どこから流れていたでしょうか。
はい、シンキングタイムは1分、回答は全員合わせて1回ね」
全員がまじめに考え始めた中、篠崎が特に考えず答えた。
「んなもん廊下からだろ」
「ブッブー、残念……熱血くんはずれー。
正解はメテオール開発室の私の部屋からでした~」
「え、ここからメテオール開発室まで直線距離でも数キロ……ですけどどうやって?」
三原だけじゃなくクルー全員が驚いている中、フジサワは解説を始めた。
「実はジー・エンドに使う技術を使ったのよ。
もちろんメテオールではなく純粋な技術だから安心してね」

フジサワは廊下に置いておいたGUYSタフブックとアタッシュケースを持ってきてコンソールを叩くと、
空中に映像が投影された。
「今回バリアーの対策として使った技術はトンネル効果を利用したワープの技術なの。
さすがにまだまだ不安定でジー・エンドのバリアーに使うならメテオーるのエネルギーが必要よ。
それとリフレクト星人から得た誘電体多層膜の応用を、キャプチャーキューブに付与して使うことで、
対ジー・エンドバリアー用メテオールが完成したの。
メテオールショット専用メテオール、名付けてイリュージョン・コンダクター」

フジサワがアタッシュケースをあけると、
メテオールがインストールされたメモリーディスプレイが入れられていた。
「宇宙航行用に研究してたワープ技術が、戦闘で使われるなんて考えてもいなかったけどね」
そしてそのメモリーディスプレイをメテオールショットを使用する垣山に渡すと、
指令室に居る人数を数え始めた。
「あれ?1、2、3……人、少なくない?」
「今、セリザワさんとその娘の坂牧さんは格納庫で最終調整を……。
あとの二人は……」







指令室にフジサワがやってきていた頃、格納庫で調整作業をしていたセリザワと坂牧。
しかし、作業に集中しているからか、口数は少ない。

そんな時、坂牧は作業をしている手を止め、セリザワに話しかけた。
「お父さん、どうしてウルトラマンヒーローがピンチの時、
ほかのウルトラマンは助けにきてくれないんですか?
たとえば、ウルトラマンヒカリが助けに来てくれればあんなに傷付くことだって……」

坂牧はジー・エンドとの戦いで傷付いた護の姿を見たからか、自身の父親であるセリザワに……。
ウルトラマンヒカリにその訳を聞いた。
その言葉はセリザワがウルトラマンヒカリだと知っている人が居たら、間違いなく嫌味に聞こえるだろう。

しかし、言われた本人のヒカリは優しげな顔を坂牧に向け、こう言った。
「……由依はどうしてだと思う?
ウルトラマンがピンチの時、それも今にも倒れてしまいそうな時、なぜほかのウルトラマンが来ないのか」
しばらくの沈黙の後、坂牧は答えた。
「わからないです……」
「それじゃあヒントをあげよう。
ウルトラマンヒーローが強い怪獣や宇宙人と戦ったとして、由依はどっちが勝つと思う?」
「それはもちろんまも……ウルトラマンヒーローです」
「ならもう答えを由依は知っている、人々がウルトラマンヒーローの勝利を信じるように、
他のウルトラマンも勝利を信じているんだ。
どんな強敵と戦って、傷付いても……立ちあがって地球を守る、ヒーローの勝利を」

セリザワの心を見つめる坂牧は、その言葉が心の底から言っているものだと分かり、小さく頷いた。

「よし、調整は終わった。
後は作戦がうまく行くように頑張ろう」
「はい、お父さん」







ジー・エンド起動まで残り30分。

病院にいたはずの護は、またもや病室を抜け出し、
傷付いた体を引きづり、GUYSの特別病院へと足を運んでいた。
ウルトラマンとしての心が体を動かしたのか、GUYSとしての思いが動かしたのか。
なぜ、病院にやってきたのか、その理由を護自身気付かずにいた。

そこには、ダークエフェクトの影響で寝たきりとなった約30人の生徒たちが運ばれ、
その親族も病室の前で自分の子の身を案じていた。
護は病室を通り過ぎる度に、苦しい表情を強めていった。
ある病室を通り過ぎようとした時、突然男性が護の肩を掴みかかり、怒りの表情でどなり声をあげた。

「おい!!あんたGUYSなんだろッ!?
どうにかしてくれよ!!うちの息子が何やったってんだ……ッ!!」
その怒鳴り声に周りの親族も護の存在に気付き、近寄り、怒声を浴びせた。
その怒声は、GUYS隊員でもあり、ウルトラマンでもある護の胸に……心に、深く刺さって行った。
護は涙を堪え、何かを言われる度に、謝罪を返すしかできずにいた。

その時、怒声の中を一人の声が響いた。
どんな言葉を言ったか、護は聞き取れなかったが、全員がその声のした方へ顔を向けた。
そこには祐少年が居た。
「でも、その人が助けてくれたんだ。
だからその人を、悪く言わないでください……!!お願いします!!」
祐少年は深く頭を下げた、下げた頭の下には涙が零れ落ちていた。
護は祐少年に駆け寄り、顔を近付けた。
「祐君、悲しい思いをさせてごめん……。
必ずクラスのみんなと、因幡君も、君も……笑顔にして見せる」
護は祐少年の頭を撫でると、振り返った。
「大丈夫です!!皆さんのお子さんは、必ず助けます!!」
そう言い、親族たちの間を駆けて行った。

ジー・エンド起動まで……あと10分。



いつも大変お待たせして申し訳ありません。
今後ともよろしくお願いします。


ご指摘、ご感想お待ちしております。