次は、イタリア。もうそろそろ夏もやってくるのかという暑さがイタリアに降り立って感じた。
シロウが、「イタリアと言えば、スパゴテイが有名だよね」と言った。
「いやいや、スパゲッテイだよ」とマオとメイリィが言い直す。
「たまには、ゆっくりしたいよな。じゃあ。海水浴でも行くか?」
ペナルテイたちは、海岸に着いた。やっぱり欧州のリゾート。なかなか大きい人が多いもんだ。とシロウがいう。何処を見ているのやらとメイリィが思っていると、1人の男性がペナルテイたちに近づいてきた。男性は言った。
「あなたたちは、アジア人ですか?」
ナビのピアノマンが通訳する。
「はい。そうです。」
男性は、「囲碁ご存知ですか?」
「はい。」
「じゃあ、教えてくれませんか囲碁を」
仕方なく囲碁を教えることになった。ペナルテイとマオは一応、囲碁のやり方は知っていたが、自負する程度ではなかった。こういうときつくづく日本ブームを感じるのである。
その男はそれを聞くと、少しにやけていた。まだ、ペナルテイとマオは、メイリィとシロウがいなくなっていることに気がつかなかった。
「この囲碁は変わっていましてね。巨大な碁盤でやるんですよ。負けたら、あなたたちの大事なものを取らせていただきます。」
「なんだと、」
そのとき初めてメイリィとシロウがいないことに気がついた。
「はっはは。」
男の不気味な声が海岸を包んだ。
「それだけではない。俺が、石を取ったら、勝負終了後、世界の何処かで取られた個数分、爆弾が爆発するだろう。ひゃはっはー」
「なんだと、お前は何者だ。」
「まだ気づかないのか」
その男がいきなり変装をといた。
「お前は、まさか、トルコの事件や中国の事件で最後、言っていた。集団の父、フェンか」
「そうだ。さあ戦いに挑まないと全世界が大変なことになるぞ」
もうペナルテイとマオには、やるしかなかった。
フェンが言った。
「お前ら二人いても俺には勝てないだろう」
「なんだと」
マオが言い返す。
「じゃあ、始めましょう。ただ、俺の定理さえあれば、なんてことないだろがな」
仕方なくやり始めた二人だが、最初、ペナルテイたちが優勢だったので、一安心した。しかし、相手の一言で、戦況は変わった。それは、やり始めて十分後だった。
「さて、そろそろ本腰を入れなければ、だめみたいだな。さすが、中国中を料理でうならせたやつだ。囲碁もはんぱじゃない。」
そう言った後、急に戦局が怪しくなった。ペナルテイとマオの手には命がかかっている。油断はできない。その周りは、一箇所だけ雲が漂ったように暗かった。
だんだん、打つ場所も無くなってきた。そのとき、一瞬、敵の気が抜けた。
ペナルテイは昔、日本にいたとき読んだ一冊の本を思い出した。そこには、絶対勝てる魔法の手段と言うものが書いてあった。ちょうど、囲碁ブームが日本で小中学生の間で始まり、皆が強い手を求め始めたころだった。
それさえ思い出せればなーと思っていたとき、一人の老人が近づいて来た。その老人は、いきなり、
「あなたは思い出したいことが御ありでしょ、じゃああなたの記憶の奥を言い当てましょう。」
そういうとおでこに手を当て、
「平テツ火災 浦安デッズにぃーなぞ東京?」
おばあさんが呪文を唱え終わるとこう言った。
「あなたは、秘伝の方法 光の碁を思い出しだしかったのでしょう」
ペナルテイはそれだと思いだした。日本で流行ったアニメで、その影響もあって囲碁がはやったのである。それの中で出てきた手法を紹介した特集であったのだ。
「これですべて思い出したぞ。どうもありがとうございました。ところで、あなたは何者ですか。」
「いいえ紹介するほどの身分ではありません。」
これでもう僕たちのものだ。早くマオにも教えなければいけない。
その後着実に石を取り、ついに相手は負けた。
「くそ、しょうがない。おい例の物を出せ。」
そして、メイリィとシロウは解放された。ペナルテイは、これで一件落着して、まわりをみまわしたときマオたちの服装が異様に目立つことに気がついた。ペナルテイは、このことに気がかりになりながら次の目的地イギリスへ列車で移動した。さて後もう少しで世界一周というとき、この後ペナルテイは、科学というものがどのようなものか、そして、人間が開発したものでどういうことがおきるかを考えさせられるのです。