報われない男の物語   作:羽付き羊

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5話「過去の話は美化されるにしても程がある」

その名を冠するモノは誰でも愛してしまう魅惑の魔物。

 

男はそれに全てを求める。自分にはないそれを求める為に…

 

女はそれを欲する。自分の魅力を引き立てる為に…

 

そう、それは誰もが求める一つの正義(おっぱい)だから。

 

                         母なる正義 著 オパー=アイ

                         第三章~唯一の正義~一部抜粋

 

 

とにもかくにもそれはもの凄かった。

お姉さん好きな俺には堪らなかった。アレこそ正義なる存在だと思ってしまう程であった。

最強にして無敵の存在、それがそこには詰まっていた、それはおっぱい!

おっぱい!

 

ビバおっぱい!

 

…すいません自重できませんでした。

 

ジェダ君の様子を見に行くためジェダ君が運ばれた医療室に行くと案の定ザキヤさんが治療してた。

医療用の聖騎装を使いジェダ君のケガをほとんど完治状態にさせていました。

さすが女医騎士!

 

このおっぱい……基、ザキヤ=メディカールさんは現役の女王騎士さんである。スンゲー美人でありながら難関の女王騎士入団試験をクリアしてるのが凄い。

天は二物を与えてしまったのか……

 

話は逸れたが、なぜカルマ君が俺にジェダ君を頼むと言ったのは昔から医療本やら何やらを読み漁っていたから。

何としても死亡フラグを軽減させる為に頑張っていた為わりかしそちら方面の知識はある。

 

実際、ケガの手当てはしょっちゅうしてた、主に自分のだけど。

別に過去に病気で死んだ友人がいる訳でも、医者に命を助けられた訳でもない、医者が好きという訳でもないというか逆に嫌い、歯医者嫌い。

 

虫歯嫌いです。知覚過敏嫌いです。歯周病嫌いです。でも親知らずがもっと嫌いです。

逆恨みだが、嫌いです。助手さんは例外です。

 

でも女医さん大好きです。女騎士より女医の方が絶対需要ある気がしない?

いやでも「くっ、殺せ」も捨てがたいなぁ……

実際にそんな場面があるのかは分からないけど、一度は見てみたい気もする。いやそんな場面があってはいけないんだけど……

 

まぁとにかく、医療系の道に進めばあの乳……

ゴホン……基、ザキヤさんのおっぱいを毎日見れる!

 

「うん?お前は…ディファイじゃないか」

 

おっぱ……基、ザキヤさんに話しかけられた。

覚えててくれたのか!?

会うのは6年ぶりぐらいだし、最近実家のホテルにも遊びに来れないほど忙しかったみたいだしね。

 

俺の実家は貴族が経営しているホテルなんで一般のホテルより敷居が少し高い方なんだけど、女王騎士入団試験の日は予約がいっぱいになる。

理由はよく分からないけど、“願かけ”らしい。よく女王騎士の人が来るからだという理由からではないかと思ってたりする。

 

なにせ親父にもたくさん女王騎士の人が来る理由は分かってないからな……

まぁそのおかげで女王騎士の人は多少の縁があったりする。

六大公爵家の人も実家から近いのにわざわざ試験の日は家に泊まったりする人も多い。

なんでだろうね?不思議で堪らない…

試験が始まる数日前からはホテルが満室で超絶忙しい為手伝いたくなくばあちゃんの家に泊まってた。

 

……あれ?

今日の朝って俺家族団欒で朝飯食ってたよな?

まさか俺の試験の緊張をほぐす為に来てくれたのか?

……いや、確か家よりばあちゃんの家の方が近いから忙しい時はたまにばあちゃん家に泊まるからそのせいだろうな。

実際に試験日前日とかクソ忙しいから毎年ばあちゃんの家に泊まるもんね。

 

少し話はそれたが、ザキヤさんも実家のホテルに泊まる騎士さんの1人で、俺の事を多少は知ってくれて覚えててくれたみたい。

 

「ジェダ君の様子を見に来たのですが…流石ですね。もう治療終わってましたか。」

 

「まぁな、それにしてもディファイお前の“噂”は良く聞くぞ?」

 

“噂”?俺なんか噂になるような事した……してたね、ついさっきルカ君に勝ったばかりだったよ……

 

「クルタナにカリバーンを出したんだってな。シーケン=カンエーに聞いた時は驚いたぞ。」

 

そっち!?

まぁアレは偶々だから凄いとか言われてもね……

 

「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません。」

 

あんなラスト何秒かで決めるなんてね。後ろがつっかえて迷惑になるというのに……受かるんならさっさとやれよって感じだよね、本当に申し訳なかった。

 

「ははは、聞いた通りだな。今も昔もお前は変わらんな~」

 

手を口で押えながら軽く微笑みながら声を出すザキヤさんはストライク!

ミットを構えた処にすっと入ってきました。

ラーメンOPPAI、ははのんき!という感じ。

 

「ところでお前まだ医療系の本とか読んでるのか?」

 

「はい。最近は脊椎とか骨髄損傷の本とか読んでますね。中々これが難しくて…」

 

まぁ、ケガをした時の保険もあるのだが、実は医者になればナースさんとうはうは天国じゃね?とか思ってめっちゃ勉強してた時期もあった。

割と人間の身体の神秘というものに触れて意外に面白かった為読んでいる。ただ言っておくが専門書じゃない。子供用の学研の漫画だ。

しかも結構昔の本、アレ面白いんだ。いやマジで。

 

言っておくが、医者になるのは早々に諦めた、いや女王騎士の勉強と平行とか無理ゲーにも程がある、趣味の時間も潰したくないもんね。

 

「ふむ、まだあの時期からずっと勉強しているのか?」

 

「ええ…」

 

勉強はしてるにはしてるけど趣味の範囲を出ないからなぁ、後は自分の為にだし……

ただテーピングとか包帯の巻き方とかはめちゃくちゃ上手いと自負してたりする。

 

「医療系の聖騎装(エンチャント・ギア)は精密なマナコントロールが必要でな…お前が女王騎士になれば私より優秀な騎士兼医者になれるかもな。」

 

ザキヤさんは微笑みながらそう言ってくる。

まさか俺に気があるのか?

と思ったりしてみるが、左手の薬指の指輪が近寄ってくるなと俺に語りかけてくる。

人妻のジョブも手に入れてるとか……もう素晴らしいと言う他ないよね!

 

「はは、私みたいな人間がアナタみたいな立派になれますかね?」

 

というかなれませんけどね。この試験は俺の実力じゃまず受からないから。特に二次試験以降は……

 

因みに俺のマナコントロールは自慢じゃないが凄いらしい。

マナの総容量自体が少ないが、騎士学校ではマナコントロールが重要なテストで出たりするのでおこづかいの為に血反吐が出るくらい練習しまくった。

 

初回限定版は譲れないし、新作フィギアも買わなくてはいけないから……もう必死のパッチ。

そのおかげか俺はマナコントロールにおいてはルカ君、イージス君、カルマ君以上だと言われている。

まぁ、実際は容量が少なすぎるのであんまり意味がない…

ハンター×ハンタ○とかを見てくれたら想像つくだろう。相手は纏の状態でも俺はそれが練の状態みたいな感じ。これじゃ勝ちの目ないと思わない?

 

「なれるさ、お前ならきっと…な。」

 

何か悟っている感じで言われた。謎すぎる…

 

「お前が女王騎士になれたら私が直々に指導してやる。」

 

嬉しいんですが…何だろう嫌な予感がするよ?

脱落フラグじゃなくて死亡フラグを建てさせられた気がするよ?

どうなる俺?

まぁいいや、これから試験明日までないからとりあえず掲示板に書き込みしながらレンタルしてたDVDでも見ようっと。

 

 

 

 

 

あっ、ジェダ君にフォローするの忘れてた…

まぁいいや、ザキヤさんに介護されてるなら間違いないし、間違いをおこそうとしたらそりゃ俺の責任ではないだろう、うん。

 

 

バンニール家のジェダとか言う奴の治療を終えた際に久しく会っていない人間に出会った。

 

ボルト家の嫡男のディファイだ。

最近任務やら内政の仕事やらが忙しくて中々行く機会がなかったが、奴の噂を聞くたびに心が躍った。

曰く、天才カルマよりも腕が立つ。曰く、騎士学校で一番マナの扱いが長けているなど、私にとっては嬉しい知らせだった。

女王騎士をしながら医者という仕事をしている私は同期の奴に“甘い”と言われる事が多い。医者として助けられる命をみると助けたいと思ってしまい、敵に情けをかけてしまう時もあるからだ。

今は大丈夫だが、その見逃した連中が牙を向け女王様の脅威になってしまう可能性を同期の連中は懸念している。

まぁその通りだろう。私もこの“甘さ”は捨てたかったしな……

そんな時、私は休暇でボルト家のホテルに泊まった。気分転換にどうかとマキの奴に誘われたからだ。

天気が悪く空が黒かった事を覚えている。

その日に私はディファイに出会った。

まだ幼かった奴は学研の医療漫画を見ながら勉強していたのでそれが気になり何気なく私から声をかけた。

 

「医者もしているんですか?凄いな…需要が2倍…」

 

ある程度私は自分の話をするとディファイはその事に興味を持ったようでこんな事を言っていた。

言葉の意味が分からなかったが、それでも私は話を続けた。

 

「まぁ、医者は辞めたいと思う時もあるがな…」

 

「騎士より医者の方が凄いのに…」

 

ふと奴がそう言ったのが耳に聞こえて驚いた。

普通コイツのように10歳ぐらいの年では女王騎士に憧れるし、このアルシリアの国では騎士の方がはるかに待遇が良い。それなのにコイツはそう言ったのだ。

 

「何でそう思うんだ?」

 

私は不思議に思いそう言うと少し困ったようにだがしっかり答えた。

 

「え~と、だってですね……そう!だって人を壊すのは誰でもできますけど治すのは限られた人しかできませんから」

 

その言葉は私にとって衝撃だった。

いや分かっていた事を再確認させられただけなのだが、それでも私の心に深く響いたのだ。

 

忘れていたのだ。

周囲の言葉のせいで私が目指していた本質を。

女王騎士になったのは女王様や民を守る為だけではない。民だけを治療するだけではない。無用な戦いで流れる血を防ぐためだということを。

 

綺麗ごとかもしれないし、無理なのかもしれない。例え相手が敵だとしても更生させて国の役に立つかもしれない。

しかし死んでしまえば残るのは虚しさや復讐等といった負の感情になる。その根本を変える為に騎士になり医療の道に進んだのだから。

 

「ははは、確かにそうだな…そうだった。忘れていたよ。」

 

「??そうですか……」

 

私はコイツの事が気になったボルト家の嫡男であるコイツだが今、医療系の本を読んでいるという事は将来医者志望なのかもしれない。

だがコイツの父親のギルバードさんはコイツを女王騎士にさせたいと思っているのは噂で聞いていた。

 

「お前は将来何になりたいんだ?医者か?それとも女王騎士か?」

 

「僕ですか?そうですね……できるなら両方した……」

 

奴が言いかけた時、耳を塞ぎたくなる雷鳴が轟いた。

近くに落ちたようで奴の言葉が最後まで聞こえなかったが言いたい事が分かった。

 

奴は「両方したいです」と私に言ったのだ。

 

幼いながらも医者の重要性を分かりながらそれでいて女王騎士を目指す。小さいながらもしっかりとした信念を持っているコイツに私は素直に凄いと思った。

 

「なれるさ、お前ならきっと…な。」

 

あれから9年、思った通り奴はここまで来た。

しかも同僚のシ―ケンの奴や前評判を聞くかぎりあのカルマ以上の存在になっていると聞く。

だが奴は昔も今も信念は変わっていない事を今確認できた。

 

コイツが女王騎士になったら私がコイツを直々に育ててやりたい。医療の道に進ませるのも良いだろう。しかし奴も騎士になりたがっているという事は私の目指した道に足を踏み出そうとしている。

 

この道は険しいが奴なら大丈夫だろう。

 

頑張れ。お前ならできるさ。

 

まず始めに教えるならこの指輪型聖騎装がいいな。アイツが騎士になったらまずコレの使い方から教えてやるかな……

 




通りすがりのファン様、本当にありがとうございました。おかげでこんなに速く投稿する事ができました。
独占の皆様に支えられてる事が分かり大変嬉しかったです。
お礼の気持ちを込めて次回は完全新作の掲示板形式を投稿したいと思います。
……本編の方の新作は……うん
来月中に書けたら良いなぁ
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