The Echo ~Reflection of The FullMetalPanic~   作:手拭

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8.そして動き始めたこと

自分に対する蒐集から一週間後。

レナードはとある管理外世界を歩いていた。

 

可能な限り音を立てない様に歩いている。

何かあったときのためにと、AS搭乗用のブーツを捨てずに取っておいてよかった。

 

彼がいるそこは密林だった。

ぬかるんだ地面を踏みしめて進むごとに、びちゃびちゃと音がしてしまう。

 

しかし雨が降っているおかげで対象に気づかれる心配は無いだろう。

 

ふと空を見上げると、紅い服を着た少女が飛んでくるのが確認できた。

 

それを確認し、レナードも茂みで気配を消すのを止め一気に駆け出した。

 

熱帯雨林に植生しているような植物達を掻き分け一気に対象へと迫る。

瞬間、対象がこちらに気がつき吼えた。

 

ゴアァ。という咆哮が密林に響く。

それは図鑑でしか見たことが無い、地球で言うところの白亜紀に生息した爬虫類の姿をしていた。

 

それに対しレナードは片腕を振るう。

7つほどの魔力弾を生成し、その爬虫類へと放った。

 

だが、放った魔力弾は簡単に阻まれる。

 

魔力耐性を持ったこの生物に魔力弾でダメージを与えるのは容易ではなかったのだ。

見れば命中した部分の皮膚はすこし跡がついている程度で見るからに効果は薄かった。

 

「ッチ――こいつ!」

 

そういいながら4時の方向に跳ねる。

 

12m位だろうか。

その爬虫類――暫定的にティラノサウルスと呼ぶが、そいつの体格は自分達よりはるかに大きい。

 

この体格差では相手がその体の向きを変えるだけでもこちらには脅威だ。

直後に先程までいた位置に巨大な尾による一撃が鞭のように振るわれる。

 

ましてこいつは魔法耐性までも持っているときている。

 

いくらラムダドライバを発動して魔法に干渉できても、物理的にも魔法的にも堅いのでは相性が悪い。

魔法的防御を貫通したところで効かないのでは意味が無いのだ。

 

だが、自分の役割はここまでだ。

 

暫定ティラノサウルスと対峙するレナードの上空から一筋の光が迫る。

 

「ラケーテンハンマー!」

 

高速で飛来したヴィータは彼女のデバイス、グラーフアイゼンをまるで吸い込まれるかのように対象へと叩きつけた――

 

 

必倒のダメージを与えられてもその爬虫類は動く。

巨体であるが故にダメージがその脳髄へと伝わる速度も遅いのだ。

 

しかし目の前のレナードを狩るために接近したところで神経系の伝達が終わる。

ギャアァ。

そうひと鳴きした後そいつは地に倒れた。

 

 

「殺してないからいつ目を覚ますかわからねぇ。とっとと蒐集するぞ」

「Jawohl(了解)」

 

ヴィータにそうアイゼンが答えた後、闇の書が彼女の手元に現れる。

すぐに魔力蒐集が開始された。

 

「毎度毎度、とどめはささずに蒐集するんだね」

 

蒐集が行われる様子を眺めながら、思ったことをレナードは言う。

 

「当たり前だ。

 はやての騎士であるあたしが殺すとはやてがやったことになっちゃうだろ。

 しょうがないとき以外はこうするのが筋だ」

「なるほどね。よく分かった」

 

それだけ言うとレナードも周囲の警戒に当たり始める。

 

密林で雨は降り続けていた。

湿度の高い森は雨が降っていても蒸し暑く、それだけで水分が奪われていく。

 

「分かっていると思うんだが、その辺の生水は飲むなよ。なんの病原体がいるかわからないぞ」

「―ッ。分かってるよ!そんなこと」

 

ヴィータにちらりと視線をやりながらレナードは忠告した。

こいつ飲む気だったな。間違いない。

 

「帰ったら、うがいだぞ」

「うるさいな!そういうのははやてから聞くからいいんだ!」

 

そっぽを向かれてしまった。

別に、いい悪いの話をしているのではないのだが・・・

まあいいだろう。彼女であれば言っておけば実際やるだろう。

 

密林とは人間にとって恐ろしい場所だった。

水は危ない。触れる植物は皮膚にどんな影響を与えるかわからない。

さらに昆虫類の問題もある。

 

故に自分は完全武装できている。

ブーツに、中が2つ折になっている上下の野戦服にバリアジャケットを展開しその上に雨合羽だ。

手には肘ほどまであるグローブをはめている。

これだけやれば問題ないだろう。

 

後は帰る前にどこかで脱いで焼却処分するだけだ。

これで完璧だろう。

 

「お前、なんでそんな格好してるんだ」

「いや森に入るのならこれは常識的な格好だよ」

 

ふーん。とヴィータは感心した。

微妙に誤った知識が植えつけられた瞬間だ。

まあ彼女はそんなものを着る機会が無いからいいのだろうが。

 

そうしているうちに蒐集が終わる。

闇の書を手に取ったヴィータが頁をめくり確認した。

 

「今日は8頁だ」

「順調で何よりだな」

 

そういった会話を交わした後、レナードとヴィータは帰路についた。

 

 

 

「やあ戻ったよ」

「早かったな。今日はどうだ?」

「8頁だ」

 

帰宅するとシグナムが2人を出迎える。

 

レナードからの蒐集と連日で行った蒐集で60頁弱を集めてきていた。

残り40頁を切っているのだ。

 

「だがまだ油断なら無い。管理局から音沙汰が無いのも不気味だ」

「そうだな――順調すぎると思わないか?」

「私もそう思っていたところだ。少し様子を見るか?」

 

「いや、あたしは蒐集をこのまま続けたい。なるべく早いことにこしたことは無いんだ」

 

洗面所から出てきたヴィータの言葉で全員が再び考え始める。

言うとおりではある。時間は惜しい。

それにクロノからの音沙汰が無いとはいえ、管理局は何かと問題視するべき点が多い。

 

「テスタロッサ――ああ、すまない。フェイトは私より速いため逃れることはできない。

 今のところレナードから貰った情報を元にあしらっているがいずれ対等な条件で勝負をせざるを得なくなるだろう」

 

「ああ。なのはとかいったっけ。あたしの方も同じ感じだ」

 

レナードの考えていることが分かったのだろう。

2人が立て続けにそういった。

そう、蒐集にあたっての障害はやはり管理局だった。

 

なにせ5回に2回程度の割合では接触する。

 

向こうの目的がこちらの相手であるのに対して、こちらは目的が蒐集だ。

接触時には最悪、蒐集対象は潰される上にこちらの情報を取られることになる。

故にそもそも相手にしないのが一番の策だ。

しかし、シグナムのように逃げ切ることが出来ない場合にははあしらうしかない。

 

結果として戦闘を重ねることになる。

相手方のデータも溜まるからいいのだが、それは向こうにしても同じだった。

 

彼女達ヴォルケンリッターの副参謀的な立ち位置になりつつあるレナードは考えた。

 

後方高火力射撃型の魔導師が1人。

速度重視かつ高火力やや前衛よりの魔導師が1人。

その使い魔である前衛が1人。

 

他、管理局の隊員達。

 

前述の彼女達3名はよく接触するためいざという時の対策の取り方は分かっていた。

 

高町なのはにはシグナムを。

――砲撃を放たせる前に落とす。

 

フェイトにはザフィーラを。

――スピードアタッカーの最も相性の悪いザフィーラのスタイルで戦闘を行わせない。

 

そしてその使い魔――アルフにはヴィータを。

――前衛である以上、接近するためその際に強力な一撃を叩き込む。

 

他の管理局員に自分とシャマルを。

――周囲を結界で包囲、通信を妨害し結界の外からプロテクション貫通の狙撃を行い撃破する。

 

そしてイレギュラーが起きたときは戦うことなく、閃光弾を複数用いてでも全力で定めたポイントに逃走。

全員の魔力でランダムかつ連続的な転移を繰り返す――

 

考えられる限りで一番えげつないのだが、最も安全かつ効果的だ。

 

さらに相手方がそれまで戦闘した経験の少ない者をそれぞれにぶつけることで、慣れによる動きすら封じる。

これがレナードの立てたプランだった。

 

ではそれを用いるのがいつになるのか?

明確ではないのだが、そろそろその時はやってくるだろう。

彼は蒐集の範囲が狭められ活動しにくくなっていくのを感じていた。

無数にある管理外世界といえど、人がおらず生物だけ生息しているとなると数が限られてくる。

 

 

「そうだな。放っておいてもいずれぶつかるんだ。それまでは時間を有効に使うべきだな」

 

 

結局ヴィータと同じ意見に落ち着いてそう言ったレナードに2人も頷いたのだった。

 

「ところで今日の昼はどうすんだ?」

 

時計を見ながらヴィータが唐突に聞いてきた。

時刻は11時52分だ。

ちょうど正午に近かった。

 

「そうか。ハヤテはいないんだったな」

「主は今日は病院へと行っている」

 

 

これはもう作るしか無いだろう。

 

他ならぬレナードが。

 

一度他の人間につくらせようとしたのだが、家事が可能そうなのはシャマルだけだった。

しかしそのシャマルにしても料理だけは任せられないことが先日発覚した。

 

結果、はやてがいないときに料理する番が彼に回ってくるのだ。

そんなレナードも別段料理が得意な訳ではない。

レシピ通りに作っているだけだ。

そしてレシピ通りにあまりに精密に作るため家庭の味とは言いにくいのが難点だった。

 

――そして何より。

 

料理は実験ではないのだ。

 

言いはしないが、はやて含めてヴォルケンリッター達は台所に立つレナードを初めてみたとき、

完全にマッドサイエンティストのそれにしか見えなかった。

 

しかし出来上がったものを食べるとそれなりにおいしいので誰も文句は言わないのだが・・・

 

「ふむ――"エプロン"はどこへやったかな――」

 

そう彼がエプロンと呼ぶもの。

それは医者が身に纏うような白い白衣なのだ。

それを思い出して、若干引きしながらヴィータは聞く。

 

「なあ、なんで白衣なんか着て料理するんだ?」

「いや僕もよく分からないんだが、あれを着てないと調子が出ないんだ」

 

よく分からないが、そうらしい。

彼が調理している間は台所へ近づかないようにしよう。

目だけで互いの意思を確認しあったシグナムとヴィータであった。

 

 

彼が台所へ消えてからしばらくすると、昼食が食卓へと運ばれてくる。

 

レナードは冷蔵庫の中身を見て何も思いつかなかった。

こういう場合はスープにするのが一番楽だ。

だから野菜やらウィンナーやらを煮込んで野菜スープにした。

日本の米はどうしてもマッチする気がしなかったのでロールパンを付け加えれば完成だ。

 

そうしたレナードが用意した昼食を食べながら会話が再び始まる。

 

「けど、計画通りに望む相手とあたれなかったらどうするんだよ」

「ああ、それは簡単だ。望まない相手が来るたびに、仲間と合流すればいい」

 

高町なのはがヴィータのところへくれば、ザフィーラ、シグナムと合流する。

彼らがそうして身を引くと自然に、相手の3人が集まる。

それからそれぞれが相手にするべき者へ攻撃を再開すればいいのだ。

 

「それを繰り返しているうちに追いかけてくる相手は消耗するし、攻めに転じてくれば隙も生まれる」

「なるほどそこをつけば一撃で落とせるか――

 騎士として勝負を預けているが今は仕方がないだろう」

 

しぶしぶ納得した様子のシグナムの言葉に、

ああ。と頷いた後レナードは一緒に用意していた紅茶を飲んだ。

 

「うーん。珈琲に戻したほうがいいのかな?」

「お前ブレ過ぎだろ・・・」

 

どうでもいいが彼の脳内で行われている珈琲紅茶戦争は未だに解決しないのだった。

 

 

 

 

 

 

「というわけで母さん、今日からアースラも復帰するよ。リーゼ達や他の隊員とそっちに向かう」

「ええ。分かったわクロノ。道中気をつけてね」

 

そういって通信モニタをリンディは閉じた。

家の中を見回す。

 

ここは海鳴市に隣接する街にあるマンションの一室だ。

そろそろフェイトたちが帰ってくるだろう。

 

「いけないわ。買い物にいってこなくちゃ」

 

そうつぶやいた後すぐに彼女は近くの商店街へと出かけたのだった。

 

修理のためにドック入りしたアースラを待つ間、リンディはたまった休暇を取っている。

 

第97管理外世界、地球。

先にフェイトを連れて行き、今後の生活を送らせるための準備は終わっていた。

どのような感じで生活が進むのか知りたくて、アースラが動けなくなったので休暇を取ったのだった。

 

最初は不安な点もいくつかあったがこれならば問題ないだろう。

後は生活に慣れるだけだ。

買い物袋片手に慣れ始めた商店街を歩く。

まず野菜を買わなければいけないだろう。

 

そう考えて八百屋に入ったところで、それに目がいった。

 

そこには車椅子に座った少女がいた。

 

 

座ったままでは届かないのか、必死につまれた野菜に手をのばしている――

 

 

実はリンディはクロノが今回の闇の書について何かをしようとしているのは知っていたが、詳細までは知らなかった。

追求してはかえって邪魔になってしまう場合もある。

立場とは意外と面倒なもので、権限以上に行動の選択肢を狭められるものだ。

そして下手に動けば部下の手柄を潰しかねないのだ。

 

だからリンディは時期を待っている。

 

シャマルを見たときリンディも闇の書の守護騎士であることに気がついていたが黙っていたのもこのためだ。

 

故にはやてが闇の書の今の主であることも彼女はまだ知らないのだった。

 

 

はやてがつまれたキャベツの玉の山へ手を伸ばしていたとき、背後から声がかかった。

 

「こっちがお目当てかしら?」

 

そう言って取ろうとしていたキャベツを差し出して、その人はにこっと笑った。

だから、それを受け取りながらはやても笑い返してこう言う。

 

「そうです。おおきに」

 

それからしばらく、リンディとはやては話をした。

はやては通院している病院からの帰りにこの商店街に寄ったとのことだ。

 

キャベツは重いほうが良くてレタスは軽いほうがいい。

などの料理に関する話題が中心だった。

 

「うちには人も多いからちゃんと作らなあかんので。それに私も作るのが好きなんです」

「そう。あなたの年でお料理が出来るのはすごいことよ」

 

そう言いながらリンディは微笑んだ。

そうしていると17時を知らせる音楽が商店街に流れる。

 

「あらいけない。ちょっとのんびりしすぎたようね。

 ええと、お名前は――?」

「八神はやてといいます」

「そう、八神さん。私はリンディ・ハラオウンよ。またお話しましょう」

 

そう言って笑った後手を振って、リンディは立ち去って行った。

 

 

しばらくしてはやてに声がかかる。

 

「はやてちゃーん。ごめんない。やっと見つけた」

 

息を荒げながらシャマルが近づいてくる。

はやてはそんなシャマルの方を向くと苦笑した。

 

「ごめんなぁ。シャマル。夕飯のこと考えて動いてたらはぐれてしもた」

「いいえ。それはいいの。――ええと、何かあったの?」

 

穏やかな表情をしているはやてにシャマルが聞いた。

遠くに見える、歩き去っていくリンディの背中を見つめながら答える。

 

「えらい美人さんで、手が届かんかったお野菜取ってくれたええ人に会ったんや」

 

そう言って八神はやては去っていくリンディを見送ったのだった。

 

 

 

 

アースラ艦内執務室。

母との通信を切ったクロノはアリアとロッテの2人で話し合いを行っていた。

 

「それで現地に着いたらどうするのクロスケ?」

「ひとまずは情報収集だ。どうにかして奴らに接触するからバックアップを頼む」

「おびきだすの?」

「そうだ。僕が奴らに接触する」

 

クロノの言葉に首を傾げるアリアとロッテ。

 

「何かあてでもあるのかしら?」

「ああ。あらかじめ用意していた手段があるんだ」

 

まあ今回は僕に任せてくれ。

そう言って黙り込んだクロノに結局2人は同意した。

 

ロッテが別の話に切り替える。

 

「現地に仮設している対策所があるんだっけ」

「ああ。なのはとフェイトの2人がそこから対応している」

「彼女達に計画は?」

 

自分たちのやろうとしていることの詳細を彼女達は知っているのか?

そう聞いてきている。

 

「いや何も知らない。むしろ話すべきじゃない」

「そっか。分かった」

 

彼女らに話せば当然のように反対するだろう。

テコでも動かず、衝突しあうことになるのは目に見えていた。

持てる力のすべてを使ってでも反対するだろう。

 

そのとき、話し合いの場である執務室のドアがノックされた。

 

「クロノ。資料まとまったからもってきたよ」

「ああ。入ってくれユーノ」

 

外からの声に彼がこたえるとユーノが執務室に入ってくる。

 

「あれ?リーゼさん達も行くんだね」

「ああ。使い魔同士仲良くしてくれ」

「怒るよクロノ」

「あれユーノって使い魔だったの?誰の?」

「なのはのフェレットで――」

「使い魔同士仲良くしましょうユーノ君」

「クロノ。君は僕を怒らせた」

 

悪ふざけが過ぎるくらいだがこれが平常運転だ。これでいい。

クロノはそう思った。

リーゼ達含めて、"自分の思うように"事態は動いている。

 

これでいい。

そう、自分の目指すものは――

 

 

 

 

リンディが帰宅するのとほぼ同じ頃にフェイトもなのはを連れて帰宅していた。

 

「そう。なのはさんのお友達と一緒にクリスマスパーティを開くのね」

「はい。25日にすずかの"友達の家"でみんなでやることになりました」

「私も知らない子だから仲良くなれるといいねー」

 

なのはの言葉にリンディも頷いた。

 

「そうね。フェイトさん。お友達を増やすチャンスよ」

「は、はい!」

 

そんなに緊張することでもないのだが真面目に答えるフェイトに苦笑する。

だがこれなら上手くやっていけるだろう。

なのはという友達がきっかけとなって周囲と打ち解けていけそうだ。

 

「じゃ。お夕飯の支度をしてくるわ。なのはさんも食べていく?」

「ありがとうございます」

「そう。じゃあお家の方にちゃんと連絡してね」

 

はーい。

そう返事が聞こえてからリンディは台所へと向かった――

 

 

 

時に、人が現実に直面したときに取る行動とはどういったものがあるだろうか?

 

立ち向かって前へ進む者。

受け入れて前へ進む者。

逃げる者。

あきらめる者。

 

おおよそが複雑怪奇な心情がもたらす行動を取るため一概には言えない。

何が良いのかなど事が終わってみなければ誰にも分からない。

 

だがせめて、今回ばかりは誰にも後悔と悲しみが生まれることのない結末を。

 

そう願う。

 

リンディ・ハラオウンは勘だけではあるが事態が進展しつつあることを感じていた。

 

嵐の前の静けさ。

そのつかの間のひと時。

 

リンディのみならず当事者達全員がそのことには薄々気がついていたのだった。

 

 

8.そして動き始めたこと fin





2016.9.10
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