絵里提督は果たして北方棲姫率いる北太平洋艦隊を撃破できるのか!
2042年5月15日早朝、第一報が大泊司令部に舞い込んで来た。
赤城「星電、赤城一番機より入電!、敵艦隊見ゆ!
編成は戦艦4、重巡8、軽巡8、駆逐12!、加えて北方棲姫を確認!
なお敵艦隊は北方棲姫を最後尾に着け軽巡、駆逐を前衛に接近中です!」
絵里「敵の前衛も水雷戦隊ね・・・、陣形はわかる?」
赤城「対潜輪形陣と思われます!」
絵里「この距離だと・・・、敵陸上機の航続圏内ギリギリ離れているわね!」
更に第一報から数時間後の明け方、第二報が入る。
赤城「星電、赤城四番機より入電!、間も無く三水戦が目視で敵を捉えられる距離まで接近します!」
しかしこの日、千島列島沖からアリューシャン列島にかけて深い霧で覆われていた。
敵はこの霧に紛れて接近を試みるも星電搭載の電探がそれを捉える。
そして敵艦隊の前衛がカムチャツカ沖東経160度のラインに乗ったタイミングを見計らい、綾瀬艦隊前衛の軽巡・阿武隈率いる第三水雷戦隊が突撃を開始した。
絵里「午前8時・・・、作戦開始!」
カムチャツカ半島沖
ハ級1「マモナク敵陣中ダ!、ソロソロ仕掛ケテ来ルゾ!」
ばっしゅーん!、ばっしゃーん!
イ級1「グアッ!」
イ級2「イギャアーー!」
ヘ級E「雷撃!、コノ霧ノ中デ!」
阿武隈「先制魚雷命中!、でも霧の中じゃ電探とかレーダあっても命中率落ちるわね!」
この戦いは深い霧の中における雷撃戦から始まった。
ヘ級E「総員水雷戦闘用意!」
阿武隈「行くわよ!、水雷戦闘用意!」
阿武隈・ヘ級E「「撃てえーーーーー!」」
ぱんぱんぱんぱん!、ぱんぱんぱんぱん!
ぱんぱんぱんぱん!、ぱんぱんぱんぱん!
ばっしゅーん!、ばっしゃーん!、ばっしゅーん!、ばっしゃーん!
イ級3~6「「「「グアアアアッ!」」」」
ばっしゅーん!、ばっしゃーん!
如月「きゃあああっ!」
弥生「うぐっ!、痛たたたた・・・」
哨戒機妖精「敵駆逐4撃沈!、味方駆逐艦・如月、弥生が大破!」
阿武隈「第二波用意!、撃てーーーー!」
ぱんぱんぱんぱん!、ぱんぱんぱんぱん
ばっしゅーん!、ばっしゃーん!、ばっしゅーん!、ばっしゃーん!
ヘ級1「グアアアアッ!」
イ級7.8「「ギヤアーーーー!」」
ヘ級E「何ヲヤッテイル!、撃テーーーー!」
ぱんぱんぱんぱん!、ばっしゅーん!、ばっしゃーん!
卯月「痛い!、痛いぴょん!」
哨戒機妖精「敵軽巡1、駆逐2撃沈、味方駆逐艦・卯月が大破!」
戦闘が続くに連れ魚雷の発射から着弾までの間隔が短くなっていた。
そして互いに敵を目視できない霧の中での戦闘はより優秀な電探やレーダーを持つ絢瀬艦隊側が有利である。
ヘ級E「私以外全滅ダト・・・」
哨戒機妖精「敵軽巡発見!、敵前衛の生き残りと思われます!」
阿武隈「了解!、睦月に皐月!、この方角に魚雷を撃ってちょうだい!」
睦月・皐月「「了解!、撃てーーーー!」」
ぱんぱんぱんぱん!、ばっしゅーん!、ばっしゃーん!
ヘ級E「ぐほっ!、ぐううう!」
阿武隈「そこっ!」
ぱんぱんぱんぱん!、ばっしゅーん!
ヘ級E「グアーーーーー!」
哨戒機妖精「軽巡ヘ級Elite撃沈を確認!」
阿武隈「首尾は上々!、提督!、敵の前衛を撃破したわ!」
絵里「了解!、そろそろ霧も晴れて来る頃よ!、作戦の第二段階に移るわ!」
千島列島とキスカを結ぶラインのアリューシャン列島沖1000㎞洋上に敵北太平洋艦隊旗艦・北方棲姫の姿があった。
北方棲姫「前衛ノ水雷戦隊ガ全滅、アノ霧ノ中デ!、コンナ短時間デ!」
ル級E1「北方棲姫様、ドウヤラ敵ハ相当優秀ナレーダーヲ開発シタ様デス!、恐ラクハ霧ノ中デモ容易ニ捕捉デ来タノデショウ!」
北方棲姫「ウウ・・・」
この時、敵方が考えていた作戦はまず前衛の水雷戦隊が絢瀬艦隊へ挑発攻撃、その挑発に乗って打って出て来たところをキスカ沖1000㎞の地点で戦闘艦部隊と陸上機を使い殲滅するという物。
しかしその考えは絢瀬の物と全く同じであった。
絢瀬の場合は敵陸上機の航続圏外まで敵全軍を誘き出し、長門型、伊勢型、扶桑型の計6名からなる戦艦部隊で一気に畳みかけるという物。
北方棲姫「ドウシヨウ・・・」
リ級1「敵機来襲!」
北方棲姫「!、全艦対空戦闘用意!」
予想外の出来事に動揺だ矢先に赤城、加賀から発艦した新鋭攻撃機・流星60機が一斉に襲い掛かる。
北方棲姫「撃てーーーーー!」
ばばばばばばばばばば!、どーんどーんどーん!、どーんどーんどーん!
ぶーんぶーんぶーん、ぶーんぶーんぶーん
流星妖精s「「「「急降下爆撃食らえーーーーー!」」」」
ひゅーーーーー!、ひゅーーーー!、どかーーーーん!
ル級2「グアアアアッ!」
雪穂「みんな雑魚には手出し無用!、旗艦クラスの大型艦にのみ集中せよ!」
流星妖精s「「「「了解!」」」」
ひゅーーーーー!、ひゅーーーー!、どかーーーーん!、どかーーーーん!
ル級3「グアアアアッ!、北方棲姫様ーーーー!」
リ級1.2「「ギャアアアアーーーー!」」
ル級1「タッタ今、キスカカラノ護衛戦闘機隊ガコチラニ!」
隊長妖精「雷撃隊!、撃てーーーー!」
流星妖精s「「「「食らえーーーー!」」」」
ぼちゃんぼちゃんぼちゃんぼちゃん、しゅるるるるルルル
ばっしゃーん!、ばっしゃーん!、ばっしゃーん!
リ級2「グアアアアッ!」
ハ級2.3「「ギャアアアアーーーー!」」
北方棲姫「グウッ!、間ニ合ワナイヨ!」
リ級E「敵機!、引キ上ゲテイキマス!」
この赤城隊、加賀隊の攻撃で戦艦3、重巡2、軽巡2が轟沈または戦闘不能となり、北方棲姫にも通常の物より一回り大きい1.2t魚雷が一発命中、小破程度のダメージを与えた。
絢瀬艦隊の二度に渡る奇襲攻撃で敵艦隊の戦力は50%以下まで減少していた。
北方棲姫「オ、オノレーーーーー!」
哨戒機妖精「奇襲攻撃成功です!、北方棲姫は怒り心頭で我を忘れ始めた様子です!」
絵里「向こうは陸上基地からの航空支援に期待していた様だけど、敵はこっちに空母がいる事を忘れたのかしら。」ニヤリ
通信参謀「提督!、小泉艦隊が敵航空隊と接触したとの事です!」
絵里「向こうも始まったわね・・・」
ミカ「そろそろ打って出ますか!」
絵里「いえ、まだよ・・・、まだ早いわ・・・」
哨戒機妖精「敵艦隊上空に機影!、敵の陸上機です!、キスカの飛行場姫から飛び立った物と思われます!」
絵里「機種は?」
哨戒機妖精「P38(ライトニング)型です!」
絵里「P38型ね・・・」
雪穂「赤城、加賀より烈風を出しますか?」
絵里「その必要はないわ・・・、敵機が撤退するまで待ちましょう・・・」
赤城、加賀搭載の艦戦・烈風は電征にこそ劣るものの、P38型が相手であれば例え3倍以上の数でも常に優勢を取れる。
しかし絢瀬は動かない。
通信参謀「提督!、小泉艦隊は敵航空隊を例の新兵器で葬り去った様です!」
絵里「(時間的にまだ敵と相対してから2.3時間と言ったところかしら・・・、新型三八弾恐るべし!、と言ったところね・・・)」
作戦開始からおよそ6時間、そして絢瀬艦隊が攻撃の手を休めて更に2時間が経過しようとしていた時、絢瀬が待ちに待った報告が入って来た。
通信参謀「提督やりました!、小泉艦隊別動隊が鬼の居ぬ間のダッチハーバー軍港に襲い掛かり軍事施設をほとんど破壊、絶賛炎上中との事です!」
絵里「よし!、こちらも動くわよ!」
北方棲姫「ナッ!、ダッチハーバーガ、炎上!、向コウノ艦隊ハ一体何ヲシテ!」
ル級1「敵ノ航空機動艦隊ニ持テル航空戦力ノホトンドヲヤラレサンフランシスコヘ撤退中ニ追撃ヲ受ケ、残存戦力ハ10%~20%程トノ事デス!」
リ級E「北方棲姫様!、ダッチハーバーヲ襲ッタ連中ガキスカニモ攻撃ヲ開始シタトノ事デス!」
この時、小泉艦隊別動隊の各主力空母には6機の星電と12機の電征以外全て攻撃機を搭載、ダッチハーバー攻撃の際に余った軽空母3名の攻撃機はキスカに向かわせていた。
更にこの軽空母3名には星電は搭載されておらず、6機の電征以外全てが攻撃機であり、その攻撃機・流星60機ほどがキスカを攻撃、飛行場姫を撃破していた。
ともあれ後ろ盾を失った敵北太平洋艦隊は撤退か特攻かのどちらかしか残されていない。
北方棲姫「ウググ!、艦隊!、北極海マデ撤退スル!」
どかどかどかどかーん!、どかどかどかどかーん!
ひゅーーーー!、どかーーーーん!、どかーーーーん!、どかーーーーん!
敵艦隊「「「「ギャアアアアーーーー!」」」」
北方棲姫「!、今度ハ何事!」
長門「逃がしはせんぞ!」
リ級E「敵艦隊接近!、戦艦6デス!」
絢瀬の狙いはここにあった。
戦闘開始と共に第三水雷戦隊および高坂航戦の攻撃に気を取られている隙にカムチャツカ半島の先端に身を潜めていた綾瀬艦隊が誇る戦艦部隊が肉薄し、一気に敵中枢へと襲い掛かった。
長門「主砲一斉射!、撃てーーーーー!」
どかどかどかどかーん!、ひゅーーーー!、どかーーーーん!
ル級1「グアアアアッ!」
北方棲姫「ク!、来ルナ!」
扶桑「逃がさないわ!、主砲!、撃てーーーー!」
どかどかどかどかーん!、どかーーーーん!
北方棲姫「ぎゃああああーーーー!」
北方棲姫は肉薄して来た扶桑の主砲をまともに受け一気に大破した。
山城「さすがです扶桑姉さま!」キャー
北方棲姫「カエレー!」
伊勢「もう終わりよ!、覚悟しな!」
日向「随伴艦はあらかた片づけた!、残るはお前だけだ!」
陸奥「悲しいけど、これって戦争なのよね・・・」
北方棲姫「コ!、来ナイデ!、来ナイデッテ言ッテルデショ!」
長門「悪いが、沈んで貰うぞ!」
どかどかどかどかーん!、どかーーーーん!
北方棲姫「ぎゃああああーーーー!」
長門の41㎝主砲一斉射を受け、小さいながらも大艦隊を率いた北方棲姫は海の底へと沈んでいった。
こうして北太平洋、絢瀬艦隊は敵北太平洋艦隊を壊滅させ北太平洋の制海権を奪還することに成功した。
この戦いで絢瀬艦隊は駆逐艦・如月、卯月、弥生が大破、戦艦・長門、山城が小破のダメージを負い、航空機15機の損害を出したものの全体的な損害は軽微と言える。
絵里「ふー、作戦終了!、みんなよくやってくれたわ!、艦隊帰投せよ!」
絢瀬艦隊一同「「「「了解!」」」」
雪穂「それでは私の部隊は予定通りダッチハーバーへ向かいます!」
絵里「お願いね。」
作戦終了後、高坂航戦は本土から派遣された工兵隊の護衛のため、既に小泉艦隊別動隊が上陸しているタダッチハーバーを目指す。
そして絢瀬艦隊はベーリング海および北極海封鎖のため一同アリューシャン列島に移動、アッツ島に指令部を設置しキスカには航空基地を置いた。
マーシャル諸島沖
伊601「まさかいきなりマーシャル諸島の秘密基地に入港しろと言われるなんて・・・」
果南「これも作戦の内よ!」
伊601「そう言えば天元作戦の事ですが、ようやく真意が解りました!」
果南「へー、教えてよ。」
伊601「きっかけは利根さんに筑摩さん、伊吹さん、鞍馬さんが殺到する航空機群を一瞬にして葬り去ったところにあります!
前世の真珠湾奇襲攻撃の際にも大量の航空戦力を投入し攻撃しましたが、これが原因で艦隊は航空機に弱いと言う事を敵に教えてしまった様なものです!」
果南「そうね・・・」
伊601「そして航空決戦は物量作戦です!、資源の乏しい日本がこんな戦いをしては勝てません!、そこで小泉提督は殺到する航空機群を一瞬で壊滅させ、航空機もまた艦隊に弱い事を敵に教えました!
そして敵に艦隊決戦思想に帰って貰うというのが高坂総長の真の狙いだと思います!、我々の潜水艦決戦思想をよりやり易くするために!」
果南「ご名答よ!、我が幽霊艦隊は強力な戦力に変わりないけど、基本的には航空機には弱いからね。」
秘密基地とは一体何なのか、それはまた後程。
そして敵方の艦隊決戦思想への回帰が急となり、再び敵が艦隊決戦思想へと戻ったのは半年後の事であった。
かくして北、東太平洋は奪還された。
しかし、まだ南大平洋はにとてつもない大艦隊が待ち受けている。
これまでの戦いはこれから始まる激戦のまだほんの序章に過ぎなかった。
絵里「うふふ!、上手くいったわ!、このKKE提督の力!、思い知ったかしら!」ドヤチカ
雪穂「航空決戦にならなくてよかった・・・、明らかに数が足りないもん・・・」
長門「待ちに待った艦隊決戦!、胸の熱さが未だに収まらん!」
陸奥「あらあら。」
扶桑「上手くいってよかったわ・・・」
山城「大活躍でしたよ姉さま!、もう欠陥戦艦なんて言わせません!」
伊勢「最後いいとこはほとんど長門や扶桑に持っていかれたね・・・」
日向「随伴艦がまだ結構残っていたんだ・・・、まあそうなるな。」
赤城「さて、お次は幽霊さん達がまた何か奇想天外な事を企んでいるようですが・・・」
絵里・加賀「「!!」」ビクッ
阿武隈「まあ、幽霊なんだし、いつどこで何をするかなんてわからないわね。」
扶桑「私は幽霊さん達の秘密基地が気になります!、ねえ提督?」
絵里「え!、ええ・・・」ガタガタ
陸奥「私も是非行ってみたいわ!、きっと得体の知れない物が!」
絵里「やめない?、そういう話・・・」ガタガタ
加賀「そうよ、縁起でもない、第一幽霊何ているわけ・・・」ガタガタ
雪穂「二人とも震えてますよし顔色が悪いですよ・・・」
ぱちっ←電機消す
絵里「きゃあああああーーー!」ガタガタ
加賀「」チーン
陸奥「あらあらうふふ!」ニッコリ
雪穂「陸奥さん!」