サンシャインも本格的に始まったので、これからはサンシャインのメンバー達もどんどん出して行きたいと思います。
2043年1月下旬、統堂、渡辺、桜内の3艦隊がシンガポール基地に集結し、松浦が高坂と作戦会議を行った翌日、舞鶴鎮守府総司令官・高海千歌大将と同鎮守府参謀長・国木田花丸中将が軍令部を訪れていた。
穂乃果「昨日、松浦さんと話した・・・、オーストラリアの連中は幽霊達が海底に引きずり込んでくれるから矢澤艦隊が必要に攻撃される心配は無くなったしアンダマン海は統堂、渡辺、桜内の3艦隊が抑える・・・、これらに次いで心配なのが・・・」
高海「ライン諸島の各航空基地および敵北極海艦隊、敵南極海艦隊ですか?」
穂乃果「いや、南極海艦隊は英海軍が本格的な軍備を整えつつある事に些かの危機感を抱き北大西洋艦隊に合流した後、北大西洋から動く気配が無い。」
最近になって英海軍は最新鋭のキング・ジョージⅤ世級戦艦の1番艦・キング・ジョージⅤ世、同型2番艦・プリンス・オブ・ウェールズに加えネルソン級戦艦の2番艦・ロドニー、イラストリアス級装甲空母の2番艦・ドーンリアスのをはじめとする艦娘適正と記憶を持つ者達が訓練を終え新たに戦列に加わった事によりヨーロッパ戦線も次第に制海権を奪還しつつある。
これに危機感を抱いた敵南極海艦隊が敵北大西洋艦隊と合流したという情報をCICが得ていた。
穂乃果「これを、南極海の衛星写真、敵の姿が全く無い・・・」
花丸「奇妙すぎるずら・・・、本当に敵さん1隻もいないんですか?」
穂乃果「幽霊艦隊所属の呂号戦隊が確認した・・・、間違いない・・・」
千歌「それで、この私がここに呼ばれた理由をそろそろ伺いたいのですがよろしいですか?」
穂乃果「そうだね、そろそろ本題に入ろうか。」
そして高坂はこう話を切り出した。
穂乃果「高海千歌大将、国木田花丸中将、本日を持って舞鶴鎮守府総司令官および参謀長の任を解く。」
千歌・花丸「「!!」」
千歌「総長!、いきなりそれはどういう事ですか!」
花丸「確かに私達はこれまでの海戦で大した活躍をしていないし艦隊ももっていない!、だからっていきなりこんなのはあんまりです!」
普段は温厚な高海と国木田、特に高坂に対し並みならぬ尊敬の念を抱いていた高海は思わず激怒した。
穂乃果「はあ~、軍人の悪い癖なのかな~、別にクビする訳ではないんだけど・・・」
千歌「で!、ではいったい!」
穂乃果「新しく出来た鎮守府の司令官を任せたいと思ってここに呼んだんだよ今日は。」
千歌「新しい鎮守府・・・、ですか?」
穂乃果「1週間後に天照の会の幕僚達をそこへ集め、そこで完遂された黎明計画と、それらを利用した黎明作戦の容姿を話す。」
花丸「黎明計画が完遂したんですか!」
穂乃果「うん、そのおかげで本土防衛に関しては綺羅長官の本土防衛艦隊をアリューシャン方面に出しても十分過ぎる戦力が揃ったよ。」
千歌「計画書である程度はわかっているつもりでしたが・・・」
穂乃果「そこでこの黎明作戦をより効果あらしめるために作られたのが、これから高海長官達が行ってもらう新しい鎮守府だよ。
そこで高海長官には先にその鎮守府に行き作戦会議の準備をしてもらいたい。」
千歌「そういう事でしたら喜んでお引き受け致します!」
花丸「私も了解しました!、それから先ほどは訳も知らず怒鳴りつけてしまい申し訳ありませんでした!」
千歌「その事については私も!、申し訳ありませんでした!」
穂乃果「気にしないで、ちゃんと説明しなかった私が悪いんだし。」
そして新鎮守府への移動を命じられた高海、国木田はその日の夕刻には先立ってその新鎮守府へと向かった。
穂乃果「(二人は勿論、本土にいない渡辺、桜内以外の元Aquarsのメンバー達は驚くだろうね。)」
コンコン
希「東條です。」
穂乃果「どうぞ。」
希「我々はいつ頃向こうに向かいましょうか?」
穂乃果「そうだね、明々後日の朝に向かうとしよう。」
希「了解。」
同日午後22時過ぎ、新鎮守府に到着した高海と国木田は盛大に驚いた。
千歌「まさか新鎮守府が前世の浦の星女学院と全く同じ場所に作られたなんて・・・」
花丸「総長も意気な事してくれるずら!」
新鎮守府、正式名・沼津鎮守府の敷地は内陸の道路から先端は長井崎まであり前世では浦の星女学院であった建物がそのまま司令部に、また大瀬崎から長井崎を経由して内浦湾沿いに沼津港まで続く海域には広大な防衛陣地が敷かれ、内浦湾および江浦湾には港湾施設、淡島には航空基地が設けられている。
また内浦鎮守府は駿河湾の付け根の内側に位置し、広大な港湾施設と航空基地に加え天城山をはじめとする天然の要鎧が多数存在するため、鉄壁の要塞軍港と化していた。
そしてそれを見て唖然としているところにピンク色の髪をし、作業着を着た女性が出迎えに来た。
?「お待ちしておりましたよ!、沼津鎮守府総司令官さんに参謀長さん!」
千歌「明石さん!」
明石「我ながらいい出来です!」
千歌「・・・」クスッ
花丸「長官?」
千歌「いや、何でもない・・・、明石さん、会議室に案内してくれるかな?」
明石「はい!」
ワイワイ、ガヤガヤ
花丸「?(できたばかりなのにやけに人が多いずら・・・)」
それから早7日、新設された沼津鎮守府大会議室に軍令部総長・高坂を始め、園田に東條、南、綺羅、高海、東野などの海軍首脳陣を始め絢瀬、矢澤、小泉、黒澤(ダイヤ)、津島、小原や各艦隊の旗艦や秘書艦達が集結した。
穂乃果「これより会議を始めますが、まず初めに遂に完遂された黎明計画について話したいと思います。」
ヒデコ「総長、資料全員分を配り終えました。」
穂乃果「ご苦労様、それでは皆さん、手元にある機密資料を開いてください。」
高坂の指示のもと開かれた資料の最初のページには「黎明計画・新機動艦隊計画書」と書かれていた。
海未「ふふっ、いよいよですか・・・」
絵里「!!、これが!」
穂乃果「園田、綺羅両元帥の下に翔鶴型4名および大鳳型2名を一度配備したのはこの6名の新鋭空母達の訓練をするため、絢瀬艦隊の長門さん達を対空戦艦および航空戦艦に改装したのはこれらの様な娘達を守るためです。」
絵里「長門に陸奥、扶桑、山城は当時の計画通り対空戦艦になりましたが、伊勢や日向を航空戦艦にしたのは我が艦隊を航空機動艦隊にするためでしたか!
ねえ長門さん、武装、どんな風になったの?」
長門「演習の時にたっぷり見せてやる!、これはこの私自身も驚いた!」
希「進言したのはウチやけどな。」
長門型や扶桑型の改装は予定通り行われたが、計画の中盤に差し掛かった辺りで高坂の承諾の下で東條が突如として伊勢型を航空戦艦に改装せよと旅順秘密ドックの技術者達に命令を出した。
そして絢瀬が最も驚いたのが天照の会の各メンバー達の知る航空戦艦とは全く違う容姿に改装をされていたからである。
希「前世の伊勢型航空戦艦では設計上、春嵐や雷洋の様な水上機しか飛ばせ無かったから、電征を搭載出来る様に思い切って後世の旭日艦隊に配備されていた信玄型航空戦艦の設計を元に改装して貰ったんや。」
穂乃果「まあ絢瀬艦隊には赤城さんとその妹の桜城ちゃん、それから加賀さんの3名が配備されてるから問題はないと思ったけど、念のために、ね。」
絵里「総長!、ありがとうございます!、我々は参戦当時から航空支援に悩まされて着ましたが、これでどの海域でも航空支援の憂い無く戦う事が出来ます!」
絢瀬はこの艦隊改装計画にとでも満足した様子だった。
しかし、この黎明計画の本題はここからであった。
穂乃果「なお、この計画についての抽象的な内容は次のページより・・・」
ここから先、高坂の話す黎明計画の主な内容は以下の通りである。
第一に長距離任務もこなせる様に速吸型補給艦を各艦隊に十分な人数を配備する事。
第二に主力戦艦は航空機動艦隊の中核として行動できる様、高速かつ重対空武装へと改装する事。
そして最も重要なのが第三項である。
穂乃果「第三項、空母については主力空母、装甲空母、艦隊護衛空母、哨戒空母の四種に分け、新航空機動艦隊では1つの機動部隊に主力空母、装甲空母、艦隊護衛空母をそれぞれ1名ずつ配備、また周囲警戒のため哨戒空母を2名ずつ配備する。」
以前の会議の後、新たに大鳳型装甲空母・魁鳳、雲龍型空母・黒龍、九頭龍、大鷹型軽空母・翔鷹、輝鷹が着任し、空母の数はより一層増えた。
第四に秋津丸型を洋上要塞となせる様改装する事。
簡単に言えば海上のどこからでも局地戦闘機や四発爆撃機の発着を可能にするための改装を行う事。
これは現在太平洋地域では各基地に蒼莱を最低12機配備されている。
だがこれから激化するであろうインド洋地域にはまだ高高度迎撃機は存在しないためとても望ましい。
第五に本土防空隊および基地防空隊の規模拡張する事。
本土防空隊はこれまで各基地に蒼莱12機と電征40機、基地防空隊は電征1個戦隊(60機~80機)を配備していたが、以前のラバウル空襲時の反省を生かし最低でもこれらを2倍規模にする事。
穂乃果「その他にもまだ細かい内容が沢山ありますが、以前の会議から本日までに着任した艦娘達を今日ここに集結させました。
次のページをご覧ください。」
そして高坂の発言の後、国木田が一足先に次のページに目を通し書かれていた内容に納得していた。
花丸「どうりで出来たばかりの割には人が多いと思いました。」ボソッ
穂乃果「それから高海長官がをここに配属させた真の理由も、高海長官にここに集めた娘達を率いて貰うため。」
千歌「!!」
穂乃果「高海千歌!、鎮守府総司令の任に加え、新航空機動艦隊の司令長官を命ずる!」
千歌「私がですか!、私がこんな大艦隊を!」
穂乃果「この娘達をお願い!」
千歌「は!、はい!」
高海は見た事のない大艦隊に少々肝を潰したが、高坂の命令ということもあり快く承諾した。
穂乃果「この艦隊は太平洋戦略の大きな要となる艦隊、そしてこの艦隊は新八八機動艦隊と命名する!」
綺羅「まさかここまで細かいかつ具体的な計画が出来上がってたとは・・・」
海未「すごい・・・、主力空母4名に装甲空母2名、艦隊護衛空母2名、哨戒空母6名・・・、これなら敵太平洋艦隊の残党は勿論、敵インド洋艦隊や敵大西洋艦隊が援軍を出して来ても問題ありません!」
花陽「万が一この世の全敵艦隊が一度に押し寄せて来たとしても他の艦隊と連携すれば必ず勝てます!」
新八八機動艦隊の航空戦力は最大で900機以上、小泉艦隊と矢澤艦隊の航空戦力の合計数に匹敵する数であった。
これに加え規模を拡大した本土防空隊や基地防空隊なども会わせると現世日本海軍の航空戦力は機種にもよるが艦隊のみでおよそ2500機以上、防空隊も加算すると最低でも8000機を越えていた。
穂乃果「新八八機動艦隊の話はここで一度終わらせ、次に宝玉艦隊および第九航空戦隊についての計画ですが、宝玉艦隊についてはこのまま編成は変えず、引き続き訓練を進めて貰う。」
希「まだ艦隊としての正式な任務はもう少し先になると思うけど、宝玉艦隊の艦隊司令長官は黒澤ダイヤ中将に命ずる!」
ダイヤ「わたくしがですか!」
海未「はい、あなたの才覚を見込んで私が推薦しました。
これより先、艦隊の基地を旅順から舞鶴鎮守府に移し作戦時までの訓練をよろしくお願いします。」
ダイヤ「園田長官が・・・、わかりましたわ!、この黒澤ダイヤ!、必ずご期待に応えて見せますわ!」
宝玉艦隊は高坂、園田、綺羅、東條、南、高海の6名が計画中の新たな大作戦に投入されるが、それはまだ先の話である。
穂乃果「宝玉艦隊についてはもう一つ、つい先日までこの艦隊には空母が1名もいなかったが、敵の目を盗みアラスカからやって来た米空母・レキシントン、サラトガの2名を艦隊に加えたいと思う。」
ダイヤ「レキシントンにサラトガ、いずれも米軍艦ですわね・・・」
穂乃果「けど、彼女たちがやって来た事で一つの確信を得られた・・・、アメリカ合衆国内陸部はまだ生きている。」
ザワザワ
希「確かに、でなきゃアメリカで新たな艦娘の艤装を生み出すのは無理やね・・・」
穂乃果「けど、せっかく艤装の適正者見つけ訓練までしたのに向こうの諸事情?、とかで少数の練習機しか積んで来てなくて、彼女達を日本へ行くよう命じた米軍将校曰く、こちらの艦載機を貸してやって欲しいとの事・・・」
鞠莉「Oh・・・、それはそれは・・・」
ツバサ「奴らそれでこっちの技術を盗むつもりなんじゃないですか?」
穂乃果「それは深く考えすぎだと思う・・・、たぶん・・・」
ルビィ「・・・」
千歌「?、どうかした?」
ルビィ「い、いえ・・・、レキシントンさんにサラトガさん・・・」
ダイヤ「昨日、ルビィはその御二方に部屋に連れ込まれて着せ替え人形にされてましたわね・・・」
ルビィ「ひいいい!」ガタガタ
穂乃果「あははは、参ったな・・・、黒澤ルビィ司令官には第九航空戦隊を搭載したその二人の指揮を執って貰おうと思ったんだけど・・・、だめかな?」
ルビィ「た!、例え私が司令官になったとしてもまた、いえ、一日中着せ替え人形やそれ以上の事をされるかもしれません!」ガタガタ
ダイヤ「(相当トラウマになってますわね・・・)」
海未「(レキシントンにサラトガはどこかことりと似ている様ですね・・・)」チラッ
ことり「(ルビィちゃんに目を付けるとは、その二人は中々見る目があるね!、写真とかあったら後で貰おうかな。)」ニッコリ
穂乃果「空母部隊の司令官はレーガン少将でもよかったけど。」
希「レーガン少将には宝玉艦隊の副指令として着任する事が決まっとるからな・・・」
穂乃果「うむ、航空戦に詳しい人はもう黒澤司令官以外いないようだね。」
ルビィ「!!」
穂乃果「黒澤ルビィ少将に第九航空戦隊司令官を命ずる!、異論は認めません!」
ルビィ「やっぱり私がやるんですか!、無理です無理です!」
ダイヤ「この世界ではあなたももう一人の将官なのですから!、しっかりなさい!」
始めはとても否定的であったが他の者にも説得され、黒澤ルビィは最後には快く第九航空戦隊司令官を引き受けた。
そしてこの第九航空戦隊もまた宝玉艦隊の所属となる。
しかしこれから先、黒澤ルビィがレキシントン、サラトガの両人に週1で着せ替え人形にされ、半ば南も参加し殆どオモチャ状態にされているのはまた別の話し。
穂乃果「それから余談だけど高千穂さんは正式に小泉艦隊に配備する。」
花陽「了解です!」
穂乃果「それから先程も話したけど、新八八機動艦隊のメンバーはもうここに到着してるから、高海長官、後を任せるよ!」
千歌「了解!」
それからしばし時が経ち2043年2月1日早朝、敵動きに対する第一報はハワイ・パールハーバー基地の小泉の下に届けられた。
花陽「輸送船団の出入りが激しくなっている・・・、か・・・」
翔鶴「多数の物資の陸揚げも確認されています。」
花陽「そろそろ動いてくれると嬉しいですが、あの用心深い敵艦隊どうやって戦場に引きずり出しましょうか・・・」
翔鶴「幽霊さん達のサモアを奪還し敵を誘き出すという作戦にはとうとう乗ってきませんでしたね。」
花陽「それだけ彼女達が抑止力となっているんでしょう。」
瑞鶴「提督!、艦隊総員の出撃準備が整いました!」
花陽「よし、我が艦隊はこれより進路を南へ!、攻撃目標はライン諸島です!」
同日夕暮れ、空母・瑞鶴を旗艦とする小泉艦隊はパールハーバー基地を出撃、ライン諸島完全奪還を狙う。
花陽「果たして敵はこちらの作戦に乗ってくれるでしょうか・・・」
千歌「今回から私も艦隊司令長官として頑張ります!」
曜「まさか千歌ちゃんがあんな大艦隊の司令官を任されるとは・・・」
莉子「私達の完敗ね・・・」
曜「でも千歌ちゃんの艦隊の出撃はまだなんでしょ?」
千歌「そうなんだよ!、私の艦隊は来たるべき決戦に備えて作られた艦隊だけど、その前にオーストラリアの敵艦隊と敵インド洋艦隊を何とかしなきゃいけないらしくてね!」
莉子「確か次回は小泉艦隊のライン諸島奪還作戦が実施される予定よね?」
千歌「うん!、花陽さんの艦隊ならな並みの艦隊ではまず歯が立たないから!、きっとすぐに終わらせちゃうよ!」
曜「・・・」
千歌「?、曜ちゃん?」
曜「なんか、よくわかんないけど、なんか嫌な予感がするんだよね・・・」
莉子「少し考えすぎじゃないかな・・・」
曜「だといいけど・・・」