伊601「覚悟してよね!」
同日未明、ニューカレドニア島北部沖合に星空航戦所属の4名の駆逐艦娘がいた。
そしてそれらをブイン基地の星空が指揮を執る。
ボチャン、ボチャン、ボチャン
朝霧「よいしょっと!」
ボチャン、ボチャン、ボチャン
夕霧「重いなこれ!、よいしょ!」
ボチャン、ボチャン、ボチャン
天霧「設置完了!」
狭霧「こっちもOKだよ!」
朝霧「司令官!、海底設置魚雷全弾設置完了しました!」
凛「了解!、長居は無用、引き上げて!」
朝霧「了解!」
凛「(松浦さん、今度は何を企んでるのかな?)」ニヤニヤ
朝霧たち4名が設置した海底設置魚雷とは何か、それは近い内に明らかになるであろう。
同日昼すぎ、シドニー軍港にて敵艦隊が動き出した。
ル級FS「クッ!、コンナ危険極マリナイ作戦ヲ何故実行シナケレバナラナインダ!」
リ級1「シカシル級様!、B32型ヲ投入スルコノ必殺作戦ガ成功スレバ一撃デ敵艦隊ヲ!」
ル級FS「貴様ニ言ワレンデモソレグライワカル!、出撃準備ヲ急ガセナサイ!」
シドニー軍港に立て籠もる敵艦隊は小泉艦隊をフィジー沖にて殲滅せんと出撃、ただし旗艦のル級FSにとっては不承不承の出撃であった。
ル級FS「対潜警戒ヲ怠ルナ!、常ニ厳ニシナサイ!」
敵艦隊は潜水艦を警戒し陸上基地から入れ替わり立ち代わり支援機に守られ海岸に沿って北上した。
編成は戦艦1、空母2、軽空母1、重巡3、軽巡3、駆逐艦12であったが基地防衛のためシドニー軍港攻撃用に矢澤がラバウルに配備した一式陸攻改によってこれまで4度の爆撃を受け戦力の40%以上を失った状態であった。
しかし敵艦隊の警戒網は厳重で幸先よく潜り込もうとした伊号潜水艦数名が血祭に上げられ、哨戒機も敵の支援機の阻まれ撃墜されていた。
敵艦隊のX艦隊に対する警戒は尋常ではなくニューカレドニアのヌーメアに到着するまで4日も掛かっていた。
ヌ級E「哨戒機ヨリ通信!、敵機動艦隊フェニックス諸島南方マデ南下シテイルソウデス!」
ル級FS「敵ノ第一目標ハ今ハ瀕死ノフィジーデアル事ニ間違イナイワネ!」
ル級FS「(上手ク行ケバ敵ノ裏ヲカケルワネ!)」
敵艦隊は小泉艦隊の進行速度を考慮し2月8日にはニューカレドニア島北部に浮かぶリフー島まで進出、マレ島にリフー島、ウベア島の3島が並び水道になっている。
航空支援が受けやすいこの位置で敵艦隊は小泉艦隊を待ち伏せた。
更に幅150㎞程ある水道の両側およびその他の海峡にも駆逐艦を配備し重圧な対潜網を固め神経質な程にX艦隊の侵入を警戒した。
果南「残念、想定内よ!」ニヤニヤ
しかしそれを伊701から発艦した星電改が遥か遠くからレーダー波を探知しつつ敵の位置を割り出していた。
同日夜、敵艦隊にとって状況を一変させる出来事が起こった。
ル級FS「ナニ!、敵艦隊ガ姿ヲ消シタダト!」
始めは単なる韜晦かと思われたが敵は必死になって小泉艦隊を探した結果、小泉艦隊が急遽東へ向かったと判明した。
ル級FS「ナンテ事!、今スグ総本体ヘ暗号電文!」
ヲ級E1「了解!」
そして敵艦隊は作戦を中止し夜明けと共にシドニー軍港へ帰投すると暗号電文を送り撤退の準備を開始した。
某太平洋洋上にて。
瑞鶴「提督、予定通り進路をクリスマス島へ取りました。」
花陽「了解、敵のハワイ奪回の拠点となる島だからね、この機に一気に叩き潰すよ!」
瑞鶴「でも提督、園田長官からの電文では・・・」
花陽「そう神経質ならなくて大丈夫だよ、陸上基地ならともかく戦略爆撃機だから高高度からの爆撃で、ジグザグ航行で高速回避する艦隊に命中させる事なんて出来ませんから。」
瑞鶴「だといいんだけど・・・」
このとき、幸運艦娘とも言われる瑞鶴もまた不安を覚えた。
ニューカレドニア島北部、リフー島付近、敵艦隊が夜明けと共に撤退を開始した。
ル級FS「帰投スルワヨ!」
ヲ級E1「了解!」
ザザーーーー、ザザーーーー、ザザーーーー、ポチャン
伊601「敵艦隊遠目で補足、撤退を始めた様です。」
果南「よし!、G7発射!」
伊601「了解!、艦隊総員、G7発射!」
幽霊艦隊一同「「「「「発射!」」」」」
パンパンパンパン、パンパンパンパン、パンパンパンパン、しゅるるるるるルルルルルーーーーー
ボゴボゴボゴボゴ、ボゴボゴボゴボゴ、ボゴボゴボゴボゴ
ハ級FS「前方に無数の気泡発見!」
ル級FS「ナニ!」
へ級FS「軽巡、駆逐全艦爆雷投下用意!、撃てーーー!」
ばしゅーーーん、ばしゅーーーん、ばしゅーーーん、ボチャン、ボチャン、ボチャン
ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!
伊501「当たるかバーカ!」
伊702「こちらの居場所はまだバレていませんね。」
ピッ、ばしゅーーーん、ピッ、ばしゅーーーん、ピッ、ばしゅーーーん、ピッ、ばしゅーーーん
しゅるるるるるルルルルルーーーーー、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!
ハ級1・2・3・4「「「「ギャアアアアーーーー!!」」」」
へ級E1、E2「「グアアアアーーーー!!」」
ル級FS「何事!」
リ級1「X艦隊デス!、X艦隊の襲撃デス!」
ル級FS「待チナサイ!、コレハX艦隊デハ無イワ!、特殊潜ノ仕業ヨ!、爆雷デ片ヅケナサイ!」
この後も敵艦隊は爆雷を四方八方に投下するが命中している気配は全くない。
そして混乱した敵の直下から多数の海底設置魚雷が放たれその餌食となっていった。
伊601「海底設置魚雷の作動を確認!、軽空母1、重巡1、軽巡2、駆逐6を撃沈!、重巡2、軽巡1、駆逐5大破炎上!」
しゅるるるるるルルルルルーーーーー、ばっしゃーーーん!
ル級FS「グアアアアーーーー!!、オノレーーーー!!」
ヲ級E1「ギャアアアアーーーー!!」
ル級FS「(念イニハ念ヲ入レタハズ!、ナノニドウヤッテコノ対潜網ヲ!、何故ダ!)」
星電改機妖精「敵は海底設置魚雷を食らって泡を食っている!、幽霊艦隊および司令部へ連絡!」
副長「通信です!、伊701の星電改からです!、敵艦隊は大混乱に陥り艦隊行動が取れなくなっている模様です!」
参謀長「海底設置魚雷の謀計は当たりましたね!」
海底設置魚雷とは魚雷を沈底カプセルに収納し海底で敵艦隊を待ち伏せ、各種の信号によって発動すると短魚雷をを発射する機雷型魚雷である。
今回カプセルに収められていた魚雷は小型の53式酸素魚雷である。
果南「ええ、でもまだよ。」ニヤニヤ
ル級FS「(クソッ!、コノ水道カラ脱出スベキカ・・・、シカシ水平ノ向コウニハ敵潜ガ・・・)」
敵機関は判断に迷う。
そんな中、敵に幽霊艦隊の雷洋と春嵐が襲い掛かる。
ぶーんぶーんぶーん、ぶーんぶーんぶーん
ル級FS「(ン?、何ノ音ダ?、ナンダ?、朝日ノ中ニ・・・)」
隊長妖精「おう、まだまだ残ってやがる!」ニヤニヤ
ル級FS「敵機!、ガトゥーン・ロックヲ破壊シタ奴ラヨ!」
隊長妖精「突っ込むぞ!」
航空隊妖精s「「「「おおおーーー!!」」」」
ル級FS「対空戦闘開始!、撃チ落トセ!」
ばばばばばばばばばばっ!、どーんどーんどーん!
隊長妖精「62式を食らいやがれ!」
かっ!、ぼちゃん、しゅるるるるるルルルルルーーーーー、ばっしゃーーーん!
ル級FS「グアアアアーーーー!!、オノレーーーー!!」
春嵐妖精1・2「「食らえ!」」
ひゅるるるるるルルルルルーーーーー、どっかーーーん!、どっかーーーん!
ヲ級E2「グアアアアーーーー!!」
どっかーーーん!、どっかーーーん!、どっかーーーん!
春嵐妖精3「ヲ級大破!、これで敵艦載機は0に等しい!」
更なる想定外の攻撃で敵はより一層混乱に陥った。
敵戦闘機1「くそっ!、あいつら!」
敵隊長機「一機も逃がすな!」
後座妖精「隊長!、後方に敵機!、F6F型15機!」
隊長妖精「制空戦闘機か!、野郎共!、とんずらだ!」
ぶーんぶーんぶーん、ぶーんぶーんぶーん
雷洋および春嵐の速力は敵機を凌駕しているため、すぐに引き離し去っていった。
果南「確かにF6F型は優秀な機体だけど、その重量ゆえ些か速力に難がある。」
ル級FS「ナンテ事ダ・・・」ゾワッ
ヲ級E2「レーダーニ感アリ!、敵大編隊接近!」プスプス
ル級FS「何ンデスッテ!、ソンナ馬鹿ナ事ガアリ得ルカ!」
ヲ級E2「間違イアリマセン!」
ル級FS「シカシ、敵機動艦隊ノ艦載機ガ飛ンデ来レル訳ガ無イ!、アリ得ナイ!、コンナ事絶対ニアリエナイ!」
ヲ級E2「北西ニ敵機確認!、数100以上!」
星電改妖精1「柴式水上戦闘機および緑電改水上攻撃機の到着を確認!」
柴式隊長妖精「前方に敵戦闘機!、我ら柴式隊は緑電改の援護に回る!」
緑電改隊長妖精「了解!、こちらは間もなく攻撃態勢に入る!、全機弾倉、雷倉開け!」
緑電改妖精s「「「「「了解!」」」」」
一体これらの航空機がどの様にしてこの海域まで飛んで来たのか。
遡る事およそ2日前、横須賀鎮守府からこれらは発進し、水上機母艦・瑞穂による時間差リレー補給を受けながらヤルートまで飛び、そこで新たに幽霊艦隊に加わった補給潜水艦・伊1000、伊1001、伊1003、伊1004によって再び時間差補給リレーによっておよそ3000㎞の彼方から飛来したのである。
往復では6000㎞であるからB17型やB24型をも超える作戦範囲でり、補給リレーを回数繰り返す事が出来れば、理論的には哨戒時の仙空の航続距離7400㎞をも上回るのである。
ばばばばばばばばばばっ!、ばばばばばばばばばばっ!、どかーーーん!、どかーーーん!
ぶーんぶーんぶーん、、ぶーんぶーんぶーん、ぶーんぶーんぶーん、
緑電改妖精s「「「「「食らえーーーー!!」」」」」
かっ!、ボチャンボチャンボチャン、しゅるるるるるルルルルルーーーーー、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!
敵艦隊「「「「ギャアアアアーーーー!!」」」」
ヲ級E2「コレマデカ・・・」ボチャン
ル級FS「ニューカレドニアカラノ支援機ハドウナッテイルノヨ!」
リ級3「大変デス!、ニューカレドニアノ陸上基地モ敵機ノ爆撃ニ晒サレテイテ支援ドコロデハナイソウデス!」
ル級FS「ナッ!、ソンナ馬鹿ナ・・・」
リ級3「ル級様!、ゴ指示ヲ!」
ル級FS「脱出ヨ!、コノ魔ノ海域カラ一刻モ早ク脱出スルワ!」
伊601「敵艦隊が水道からの脱出を図りました!!」
果南「ふふ、さて、とどめといきますか!、潜望鏡攻撃を行う!」
伊601「了解!、総員潜望鏡深度!」
幽霊艦隊一同「「「「「了解!」」」」」
伊601「潜望鏡からの映像モニター出します!」
ピピッ!
果南「ありがとう・・・、よし、水道から出で来るわ!、魚雷全弾一斉射撃!」
幽霊艦隊一同「「「「「「撃てーーーー!!」」」」」」
パンパンパンパン、パンパンパンパン、パンパンパンパン、しゅるるるるるルルルルルーーーーー
果南「潜望鏡下げ!、急速潜航!」
幽霊艦隊一同「「「「「「急速潜航!」」」」」」
ブクブクブクブク
ばしゃばしゃばっしゃーーーん!、ばしゃばしゃばっしゃーーーん!、ばしゃばしゃばっしゃーーーん!
伊601「敵艦隊の反応・・・、全て消失しました!」
先ほどまで激戦が繰り広げられていた海原は何事も無かったかの様に再び平和な南海の楽園へと戻っていった。
果南「進路を南へ!」
伊601「了解!」
副長「司令官、オーストラリア封鎖を継続するんですか?」
果南「いいえ、もうオーストラリアは丸腰同然の状態、呂号戦隊と星空、西木野両航空隊がとどめを刺すそうだから・・・、こちらは南極を目指すわ!」
副長「ペンギンに会いにですか?」
果南「遊びに行く訳じゃ無い、偵察のためだよ。」
参謀長「偵察ですか?」
果南「ひょっとすると南極大陸はこちらの基地として使う事が出来るかもしれないわ!」
参謀長「司令官!、南極海にはまだ敵が!」
果南「敵南極海艦隊のほとんどは大西洋に移動した事は確認済、大西洋側に出るわ!」
このとき敵南極海艦隊は南大西洋に進出していた。
松浦はこの機を逃さず将来を見越した予備航海を行うようあらかじめ高坂から命を受けていたのである。
副長「と、言いますと?」
果南「インド洋のみならず大西洋も我ら幽霊艦隊の作戦圏にならないとは限らないからね。」
しかしその頃、幽霊艦隊の遥か上空を巨大な大編隊が北上していた。
B32(フライングデビル)型が秘計を抱えライン諸島を目指して飛行していた。
危うし、小泉艦隊。
絵里「ねえ扶桑さん、なんか最近私たちの出番が異常なまでに少ないと思わない?」
扶桑「仕方ありませんよ、私達の新しい艤装が完成したばかりですから、まずはこれに慣れないといけません。」
絵里「でも、暇でしょうがないわ・・・」
扶桑「それでは、次回予告をしてみませんか?」
絵里「そうね、そうしましょう!」
扶桑「小泉艦隊はハワイ奪回の拠点と成り得るライン諸島を目指して東進しています。」
絵里「え!、でもそっちにはあの超重爆の大編隊が!」
扶桑「高高度から艦隊に爆撃を浴びせるのはほぼ不可能と考えられますが・・・、私みたいな不幸な方がいたら・・・」
絵里「大丈夫よ、大丈夫!」
扶桑「翔鶴さん・・・」
絵里「・・・、大丈夫よ・・・、多分・・・」