アイドルと艦娘の因果戦線!   作:永遠のZero

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ミケちゃんを失ったシロちゃんやモカちゃん、しかし敵は容赦なく次の一手を繰り出す!

果たしてミケちゃんの旧友達は無事母港に帰れるのか!


死者と生者、新たな時代の幕開け!

2035年11月上旬、小笠原諸島沖。

現在時刻は午前3時を回ったところである。

 

ル級FS「チッ!、護衛艦一隻ニカナリ大キナ損害ヲ受ケテシマッタ!、モシ敵ニアレト同じ者ガ多数配備サレテイタラ・・・」

 

戦闘艦としての機能のほとんどを失い、黒煙を噴き上げながら海を漂うはれかぜを見つめながらル級FSもまた自身の艦隊の損害の大きさについて考える。

 

ル級FS「数デ攻メ込メバ横須賀ヲ陥落サセル事ハ出来ルダロウガ・・・、万全ヲ期スタメ、ココハ一度撤退シヨウデハナイカ。」

 

ザザーーーー、ザザーーーー、ザザーーーー、ザザーーーー

 

このまま攻め込んでも小笠原諸島を陥落させる事は可能であったが、ル級FSはあえて艦隊をマリアナ経由でハワイまで撤退させたのである。

 

ル級FS「(ダガ、コレデ済ムト思ワナイ事ネ。)」ニヤリ

 

 

同時刻、はれかぜ艦橋は地獄と化していた。

 

美波「おいタンカー急げ!、重傷者から運べ!」

 

声伝システムからは鏑木の叫び声が艦内全体に響く。

 

まゆみ「こっち!、早く!」

 

鈴「ぐううっ!」

 

医務班1「航海長!、どうやら頭を打ってしまった様ですのであまり動かないでください!、野間中尉もそのままで!」

 

マチコ「私は大丈夫だ!、それより私と誰かで副長に肩を!」

 

医務班2「ダメです!、人が足りません!」

 

美海「私が手伝うよ!、副長!、掴ってください!」

 

明乃「・・・」

 

ましろ「ううっ・・・、ぐすっ・・・」ぽろぽろ

 

美波「副長、気持ちは痛いほどわかるが・・・」

 

この時点でイージス護衛艦・はれかぜの乗員240名のうち艦長・岬明乃や機関長・柳原麻侖を始め既に150名以上が戦死、生き残った者もケガを負っていない者などおらず、船務長・納沙幸子や応急長・和住媛萌など60名以上が瀕死の重症を負っていた。

その影響で医務長・鏑木美波を始めとする医務班も完全に人手不足となっていた。

 

 

そして医務室には特に重いケガを負った者から優先されて治療を受けていた。

ケガ人が多すぎるため麻酔やモルヒネが既に底を尽き、重傷者の治療も麻酔無しで行っていた。

 

美波「・・・」グイッ

 

幸子「ぐうううっ!、ああああーーーー!」ズキズキ

 

美波「済まない!、もう麻酔どころかモルヒネさえ無いんだ!」グッ

 

痛み止めの全く無い状態で納沙は左目に突き刺さった艦の破片を引き抜かれた激痛で悲鳴をあげ気絶した。

 

美波「・・・、次!」

 

助手1「は、はい!」

 

媛萌「やあ美波さん、ドジ踏んだよ・・・」

 

美波「・・・、少しばかり痛むぞ・・・」

 

媛萌「はは・・・、こんなの百々の受けた痛みに比べたら・・・、グスッ・・・」

 

和住もまた腕や腹部に破片が突き刺さっていた。

しかし、そんな物より長年の付き合いがある相棒たる存在であった青木百々を失った悲しみの方が何倍も痛く心に突き刺さっていた。

 

美波「・・・」グイッ

 

媛萌「があああーーー!、ぐうううっ!、はあーーー、はあーーー」

 

美波「・・・、次・・・」

 

和住の治療を終えて直ぐ次の患者がやって来た。

 

美波「やっと来たか・・・」

 

ましろ「済まない・・・、世話掛けるな・・・」

 

美波「副長・・・、それは私の台詞だ・・・」

 

ましろ「もう明乃は息を引き取った・・・、だが、過ぎた事を悔やんでも仕方がない・・・」

 

美波「そうか・・・」

 

ましろ「今はまだ戦場にいる!、艦長が戦死した艦の副長である以上このくらいの切り替えができなくてはな!」

 

美波「ああ・・・」

 

 

食堂、艦内で最も広いこの場所は医務室が満員になった故に臨時のケガ人収容所や霊安室として使われていた。

 

洋美「マロン、みんな・・・」

 

黒木の目の前には柳原を始め若狭麗緒、駿河留奈、伊勢桜良、広田空が力無く横たわっていた。

機関員で唯一生き残った黒木は既に息の無い柳原の直ぐ横に座り語り掛ける様に覗いていた。

 

医務班3「黒木中尉!、腕や足などかなり火傷をしています!」

 

洋美「お願い・・・」

 

医務班3「はっ!」

 

慧「こっち!」

 

鶫「はあーーー、はあーーー」

 

まゆみ「はあーーー、はあーーー、サトちゃん!、シュウちゃんは!」

 

秀子「・・・」

 

聡子「シュウちゃんはもう!、ううっ!」

 

まゆみ「そんな・・・」どさっ

 

聡子「もう航海科ラップできないゾナ!」ぽろぽろ

 

山下は既に息を引き取った後であり、お祭りなどがあれば一緒に大騒ぎしていた内田や勝田などは膝を着き泣いていた。

 

果代子「メイちゃん落ち着いて!」

 

芽依「チックショーーー!、何で!、何でだよ!」

 

美千留「ヒカリちゃん・・・、じゅんちゃん・・・」

 

理都子「タマちゃん手伝って!」

 

志摩「メイ、落ち着いて!」

 

芽依「くっ!、ぐうううっ!」

 

志摩「メイ・・・」すすっ

 

砲術員の3人もまた長年の付き合いがある間柄でそのうち2名が戦死、ひとり生き残った武田はただただ立ち尽くし、今にも取り乱してしまいそうな西崎を立石は抱き寄せ落ち着かせる。

 

美甘「あの・・・、みなさん・・・、おにぎりなどを作ってきました・・・」

 

ほまれ「さ、流石に何も食べないのは体に毒です・・・」

 

あかね「皆さん、少しでいいので食べてください・・・」

 

給養員の伊良子、柿崎姉妹は目の前に広がる光景、そして血や硝煙の臭いで食欲など湧かない事を知っているためいつもの元気は無く力弱い声であった。

 

乗組員「「「「「「・・・」」」」」」

 

ましろ「皆!、この様な事になってしまい食欲が湧かないのわかっているが!、食わねば皆を助けられんぞ!、まだ全員が死んだ訳では無い!、我ら生き残った者が一人でも多く助けるんだ!」

 

宗谷のこの一言で皆も少しは気力を取り戻したのか、比較的軽傷の者は食事に手を付け、

またケガで自力で食べられない者の口へ運んだ。

 

美海「副長、戦死者および重傷者の集計が終わりました・・・」

 

ましろ「辛い役目を済まない・・・」

 

等松は宗谷にデータを集計したタブレットを渡す。

 

ましろ「戦死者190名・・・」

 

そして戦死者が増えていた事に気を揉まれた。

 

美波「副長、正直に言えばまだ増える可能性がある・・・」

 

ましろ「くううっ!」ギリッ

 

ピピッ!

 

鶫「!!、これは!、副長!、知名艦長から通信です!」

 

ましろ「代われ!」

 

鶫「はいっ!」

 

ましろ「はれかぜ副長・宗谷です・・・」

 

もえか「通じて良かったです!、これよりむさし、みらい、あかし、まみやが貴艦乗組員の救助に当たります!」

 

なにか焦った様子の知名は救助に来るという知らせを送った後すぐに通信を切った。

 

ましろ「(明乃の事は聞かくていいのか!)」

 

それからおよそ2時間あまり、温暖な地域と言えど夜の冬の海風を浴びながら傷ついた乗組員を載せたはれかぜは辛うじて沈まず、最も近くにいたみらいがはれかぜに接舷、それに遅れる事30分、むさしもはれかぜに接舷しそれぞれの艦の医務班や応急員が乗り移って来た。

 

?「なんて事・・・」

 

真っ先にやって来たのはイージス護衛艦・みらいの医務長・桃井佐知子大尉であった。

それに続いてやって来たみらいの医務班は桃井を始めはれかぜの食堂に広がる光景に絶句した。

 

桃井「たった一隻でよく・・・、こんなになるまで・・・」

 

美波「桃井大尉!、私はこっちの治療で手が離せない!、食堂の方は任せてもいいか?」

 

桃井「わかったわ!、こっちも全力を尽くすよ!」

 

みらい医務班「「「了解!」」」

 

それに遅れる事20分、むさしの医務班もまず食堂にやって来た。

しかしその先頭にいたのはむさしの医務長では無く、艦長の知名もえかであった。

 

もえか「ミケちゃん・・・、ミケちゃん!」ガバッ

 

ましろ「・・・」

 

そして知名は既に力尽きた岬の元へ駆け寄り叫んだ。

 

もえか「ううっ・・・、そんな・・・、なんで・・・、どうして!」

 

ましろ「艦橋に敵戦艦の主砲弾が直撃した・・・、あれでは助からん・・・」

 

もえか「ヴヴっ!、ミケちゃん!、ヴヴヴーーー!、うわーーーーーーん!、ミケちゃーーーーーーん!」ぽろぽろ

 

宗谷と同様に知名もまた声が枯れるまで泣き叫んだ。

 

その後あかしとまみやも合流し、救助作業は順調に進みはれかぜ乗員はそれぞれ僚艦に乗り移り、そして岬を始めとする戦死者も僚艦に乗り移された。

はれかぜ乗員240名の避難が終わると僚艦ははれかぜへの接舷を解除、それと同時にはれかぜは役目を終えたかの様にその姿を海底へと没した。

 

ましろ「ありがとう、はれかぜ・・・」敬礼

 

むさしに乗り移った宗谷は前部甲板から沈み行くはれかぜを見届けた。

 

 

むさし艦橋

 

もえか「(ミケちゃんはやっぱりすごい、あんな場面であれほどの事が出来るなんて、私だったら間違いなくパニック状態になってたと思う。

やっぱり敵わないや、ミケちゃんは人を使うのがすごく上手い、だから皆が着いてきてくれる。

長い間お疲れ様、ありがとう、ゆっくり休んでね。)」敬礼

 

野村「艦長、横須賀へ帰投します・・・」

 

もえか「お願い・・・」

 

むさし副長・野村中佐は救助作業が完了した事を伝える。

そしてむさし、みらい、まみや、あかしは横須賀への帰投のため北西に進度を取る。

 

ザザーーーー、ザザーーーー

 

 

みらい艦橋

 

梅津「(岬艦長、あなたは何も間違ってなどいない、私は貴官の奮闘を称え敬意を表する。)」敬礼

 

角松「(岬、お前らと過ごした学生時代はとても有意義だった・・・、今回も我々はお前1人に多大な重荷を背負わせてが、ただただ感謝するのみだ。)」敬礼

 

尾栗「おい雅行、お前は行かなくてよかったのか?」

 

菊池「どういう意味だ。」

 

尾栗「だってお前、岬さんの事が好きだったんだろ?」

 

菊池「昔の話だ・・・」

 

菊池「(岬、お前のおかげで多くの者が救われた・・・、はれかぜ乗員という大きな代償を払わされたが、お前の事は英雄として生涯忘れない、感謝する。)」

 

 

あかし艦橋、通信機で杉本と藤田が会話中である。

 

珊瑚「・・・」敬礼

 

優衣「珊瑚?」

 

珊瑚「ミケがいなかったら、一体何人の人が死んでいただろうか・・・」

 

優衣「・・・、ええ・・・、そうね・・・」

 

珊瑚「私達は生き残った・・・、なら生き残った者はその責任として、今回の事を踏まえ未来を・・・、グスっ・・・」

 

優衣「そうね・・・、生き残った私達がしっかりしなきゃね」

 

はれかぜ乗員、僚艦の乗員はそれぞれ思い思いの事をつぶやきながら、数多くの民間人の命を救ったはれかぜと岬明乃に対し大きな敬意を表して特に敬礼をしていた。

その間はとても静寂に包まれていたが、その静寂はまたも破られた。

 

ピピッ!

 

むさしレーダー員「これは・・・、!!、敵機来襲!」

 

もえか「!!、敵機!、どこから!」

 

むさしレーダー員「恐らく空母からと思われます!、数100以上!、距離10Km!、高度3000m!」

 

もえか「100以上!、てことはヲ級が2隻はいる!」

 

救助作業に夢中になっていたせいか、僚艦は敵の接近に気づかずとうとう艦載機の接近を許してしまった。

そしてむさし、みらい、まみや、あかしはいずれもはれかぜの様な対深海棲艦兵器を搭載していないため到底太刀打ちなどできない。

 

もえか「最大船速!」

 

ましろ「何事だ!」

 

もえか「敵機の接近を許してしまった・・・」

 

ましろ「!!」

 

 

ヲ級FS「ウフフ、飛ンデ火ニイル夏ノ虫ネ!」

 

ヲ級E2「ル級様ニ突然呼ビ出サレタ時ハ何事カト思ッタケド、コレナラ納得ネ!」

 

敵隊長機「敵艦隊発見!、空母1、イージス1、工作艦1、補給艦1です!」

 

ヲ級FS「日本中部太平洋艦隊ノ生キ残リカ、片ッ端カラ沈メテアゲナサイ!、1隻モ生カシテ返スナ!」

 

敵隊長機「了解!、全機突撃!」

 

ぶーんぶーんぶーん!、ぶーんぶーんぶーん!

 

 

むさし見張り員「敵機直上!、急降下!」

 

敵空母から発艦したSBD型80機、F4F型60機が猛禽の群れの如く空母・むさしに襲い掛かる。

 

もえか「!!」

 

もえか「(このままじゃ・・・、みんな死ぬ・・・)」

 

ましろ「(せっかく生き残ったのに!、全くどこまでついて無いんだ私は!、そのせいで皆が死ぬ!)」グッ

 

敵隊長機「さて、無抵抗の相手をリンチと行きますか!、デカい的だ!、絶対外すなよ!」

 

敵攻撃隊s「「「「了解!」」」」

 

ぶーんぶーんぶーん!、ぶーんぶーんぶーん!

 

もえか「(ミケちゃん・・・)」

 

ましろ「(明乃・・・)」

 

ましろ・もえか「「(もしあなたの魂がまだこの世にあるのなら!、あなたの幸運を少しでいいから私達に分けて!、海の仲間を、家族を助けて!)」」

 

ぶーんぶーんぶーん!、ぶーんぶーんぶーん!

 

敵隊長機「ははは!、終わりだ!」

 

ぶーんぶーんぶーん!

 

?s「「「させるか!」」」

 

ばばばばばばばばばば!、どかーーーん!、どかーーーん!、どかーーーん!

 

敵隊長機「ギャアアアーーー!」

 

敵攻撃機「「グアアアアーーー!」」

 

どっぼーーーん!

 

ましろ「!!」

 

もえか「なに!」

 

敵機が直上から襲い掛かり、成す統べの無いむさし乗員が死を覚悟した瞬間、突如現れた謎の物体がそれを一閃の元叩き落とした。

その物体はプロペラや大きな主翼がありすぐさま航空機である事がわかる。

 

ぶーーーん!

 

ましろ「あれは・・・」

 

しかしその見た目は現在の日本海軍の主力戦闘機・F3やF7(改F3)などとは到底似つかない物であり、明灰色に身を包むその機体はサイズも人間が乗れる物では無かったが、日本人を始め世界中で良くも悪くも馴染み深いであろう。

 

ましろ「零戦!、うそだろ!」

 

零戦が突如姿を現した。

そして零戦を操る者は一体何者なのか。

 

?「間に合いましたか、良かった。」ニコ

 




穂乃果「零戦だ!、最近全然私達の出番無かったからそろそろ来てくれると嬉しいな!」

海未「この零戦を飛ばしているのは一体・・・」

ことり「それは次回のお楽しみだよ!」
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