なおこの番外編に関しては艦娘の誕生~艦娘VS深海棲艦の初勝利までを描いたつもです。
そして今回がこの番外編におけるラストバトル!
今回もどうぞよろしくお願いします。
2036年5月27日午前5時、三笠を旗艦とする日本海軍連合艦隊全軍が呉を出撃した。
呉鎮守府.連合艦隊司令部
ましろ「(本日、天気晴朗ナレド浪高シ・・・)」
司令部には何とも言えない緊張感が漂っていた。
だが、この司令部は勿論、他所にいる日本海軍関係者の体の中では静かな闘志を沸々と燃やし始めた。
ましろ「(これまでの不幸はこの為に、これまでの作戦失敗は今日の為にあったのだろう。
真の勝利は必要な時まで取って置け、今日が正にその時だ!)」
午前8時、連合艦隊全軍が日本海に進出、宗谷の指示した通りの陣形を組み対馬海峡を目指し全速力で進軍する。
三笠「霧が濃いわね...」
敷島「きっと晴れるわ。」
三笠「ええ、各艦隊、単縦陣、3艦隊で並走を保って!」
連合艦隊一同「「「了解!」」」
今作戦では連合艦隊全軍は3つに分け、その各艦隊編成は宗谷ましろが指揮する第一艦隊(三笠、初瀬、朝日、敷島、巡洋艦2)、知名もえかが指揮する第二艦隊(日進、春日、富士、八島、巡洋艦2)、杉本珊瑚が指揮する第三艦隊(巡洋艦2、駆逐艦4)となる。
松島「こちら水雷戦隊!、たった今、日本海に進出しました!、こちらは夜戦の準備に取り掛かります!」
三笠「了解!」
また夜戦に備えた藤田優衣が指揮する第一水雷戦隊(巡洋艦1、駆逐艦5)、納沙幸子が指揮する第二水雷戦隊(巡洋艦1、駆逐艦6)が後方に待機している。
薫「期は熟した、と言ったところかしら?」
真霜「ええ、宗谷少将!」
ましろ「はっ!」
真霜「私はあなたの立てた作戦の通りに艦隊を動かす!、何か変更点があれば遠慮無く申し出て頂戴!」
ましろ「了解!」
鈴「!!、モニターに薄らとですが黒煙!、敵艦隊の物で間違いありません!、距離およそ18000!、速力およそ15ノット!」
もえか「霧が晴れて来た...」
珊瑚「たまにはこういう場面で良いとこ見せないとな。」
ましろ「来るぞ!、モニター員!、1000m刻みで距離を知らせよ!」
マチコ「了解!、距離16000m!」
真霜「総員全速前進!」
連合艦隊は本部からの命令を聞き、三笠を先頭に全速力で敵艦隊に突撃して行く。
鈴「速力18ノット!」
当然時間が経つ度に敵との距離は縮まって行く。
マチコ「距離14000m!」
三笠「霧が、晴れてきた・・・」
初瀬「前方に黒い影を発見!」
ましろ「距離はどのくらいだ!」
三笠「11000mです!」
ましろ「まだだ・・・」
マチコ「距離・・・、10000m!」
三笠「霧がうその様に晴れ視界良好です!」
真霜「天気晴朗ね・・・」
宗谷ましろの天気予測が当たったのはこの時が初めてだったと宗谷真霜は心の中で語る。
因みにそう思っていたのはこの司令部を始めかなりの人数だったと言う。
マチコ「距離・・・、9000m!」
もえか「進路、予測通り・・・」
ましろ「500m刻みで伝えよ!」
マチコ「了解!、距離8500m!」
三笠「長官!、まだですか!」
薫「・・・」
マチコ「距離・・・、もはや8000m!」
薫「宗谷少将、そろそろか?」
ましろ「・・・」コクッ
古庄の問いに宗谷は無言で頷く。
それを見た宗谷真霜はその場で立ち上がり、右手を挙げた。
真霜「作戦・・・、開始!」バッ
そしてその右手を自身の目の前で180度回転させる。
それを見た古庄が命令を出す。
薫「取り舵!、一杯!」
三笠「取り舵になさるのですか!」
三笠はこの命令に驚いた。
この位置での敵前回頭は自殺行為に等しい。
ましろ「何をしている!、取り舵一杯!、急げ!」
三笠「・・・、わかりました!、と~りか~じ!、一杯!」
ザザーン!、ザザーン!、ザザーン!、ザザーン!
しかし不思議とこの意味を理解できた三笠は、理由こそわからないがこの方が正しいと判断し、三笠を先頭にU字運動、正確にはα運動を開始した。
三笠に続き朝日、初瀬、敷島、富士、八島が順に回頭を開始、よく訓練されたダンサーの様に一糸乱れぬ動きで敵の進路に対し横一列に航行し敵の行く手を阻んだ。
ましろ「(必ず勝つ!)」
航空主兵主義となってから艦艇決戦の必要性が無くなり、世界の海軍戦術において忘れ去られた戦法となった丁字戦法の始まりである。
そしてそれを見た敵艦隊はある事に気が付く。
ル級FS「敵ハ何ヲ考エテイルノカシラ・・・」
ル級E1「奴ラ狂ッテマスネ。」
ル級E2「敵艦隊ガ回頭ヲ終エルノニ掛カル時間ハ速力16ノットトシテオヨソ10分、コチラカラハ敵ガ静止シテイル様ニモ見エマス!、コレハチャンスデス!」
ル級FS「ハハハ!、ヤハリ神ハ人間ニ代ワリ新タニコノ世界ヲ支配スル者トシテ我々ヲ生ミ出シタニ違イナイワ!、コレモキット神ノ加護ニ違イナイ!、全火力ヲ敵旗艦ニブツケナサイ!」
敵艦隊「「「撃てーーー!!」」」
どかどかどかーーーん!、どかどかどかーーーん!
慧「敵艦隊発砲!」
ひゅるるるるるルルルルル---!!、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!
三笠「ぐっ!」
初瀬「きゃあ!」
敷島「冷たっ!」
朝日「すごい数!」
艦隊が回頭している間、敵艦隊からすると回頭中の艦隊は止まっているように見えるため静止目標を撃つほどに容易い。
日進「あーもー!、あいつら調子に乗って!」
春日「今に見てなさい!」
しかし味方からすると回頭中の角度で発砲すると転覆する恐れがあり、事実上射撃は不可能に等しい。
それを好機と見た敵艦隊は2本の矢の束となって突撃を開始した。
慧「回頭完了まで後2分!」
艦隊が回頭を終えるまでの間、先頭を行く三笠は1つの太鼓やドラムと化したかの様に敵の砲弾に叩かれていた。
芽依「よしっ!、主砲!、6インチ副砲!、4インチ副砲!、全門装填開始!」
連合艦隊「「「了解!」」」
一方の連合艦隊は本部のレーダーを使い敵との位置関係を把握、いよいよ攻撃準備に取り掛かった。
マチコ「三笠より敵戦艦!、方位右100°!、距離6200m!」
ましろ「三笠!、6インチ副砲!、試し撃ち方!、徹甲榴弾装填!」
三笠「了解、6インチ副砲!、試し撃ち方!、弾種は徹甲榴弾!、方位右100°!、距離6200m!」
志摩「修正完了!」
ましろ「撃てーーー!!」
三笠「撃てーーー!!」
どかどかどかどかーーーん!、ひゅるるるるるルルルルルーーー!
慧「着弾!、今!」
ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!
ル級FS「グッ!、空中デ爆発シタ!」
三笠の放った4発の徹甲榴弾が空中で炸裂した。
慧「誤差修正!」
マチコ「方位右100°!、距離5800m!」
そしてその爆炎から敵の正確な位置をレーダーとモニター、艦娘達は観測員妖精を用いて割り出し、誤差を修正する。
芽依「この位置から主砲なんかぶっ放したら転覆するから副砲、それも徹甲榴弾の爆発で位置を特定するとはね~。」
志摩「総員修正完了!」
慧「第一艦隊の回頭完了!、第二艦隊は間もなく完了!」
薫「やるぞ!、撃ち方始め!」
主力戦艦を始め巡洋艦、装甲巡洋艦などの各艦娘達が射撃準備を終えた頃、司令長官・古庄が号令を放つ。
ましろ「第一艦隊!、撃ち方始め!」
もえか「第二艦隊!、撃ち方始め!」
そしてそれが現場の連合艦隊総員に伝えられ、三笠ら第一艦隊は敵艦隊の先頭を行く敵艦隊総旗艦に、日進ら第二艦隊は向かって右を航行する敵第二艦隊旗艦にそれぞれ照準を合わせた。
三笠「了解!、撃ち方始め!」
日進「撃ち方始め!」
第一、第二艦隊「「「「「「撃てーーー!!」」」」」」
どかどかどかどかーーーん!、どかどかどかどかーーーん!、どかどかどかどかーーーん!
そして敷島型が誇る30㎝主砲、4名合わせて連装砲8基16門が一斉に火を噴き、対艦用徹甲弾が敵艦隊に襲い掛かる。
ル級E1「マタ来マス!」
ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!、どっかーーーん!!
ル級FS「グアアアアーーー!!」
ル級E2「ル級様!」
マチコ「初弾!、敵艦隊総旗艦に命中!」
司令部「「「「うおっしゃあああーーー!!」」」」
その中で三笠の放った一発が見事に敵艦隊総旗艦に直撃、主砲1基を吹き飛ばした。
ル級FS「オノレーーー!!」
どかどかどかどかーーーん!、どかどかどかどかーーーん!
ひゅるるるるるルルルルルーーー!!、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!、バリバリバリーーーン!!
三笠「ぐうっ!、艦首に命中するも貫通!、次弾!、撃てーーー!!」
どかどかどかどかーーーん!、どかどかどかどかーーーん!
ひゅるるるるるルルルルルーーー!!、どかーーーん!!、どかーーーん!!
ル級FS「ギャアアアーーー!!」
ル級E2「キャアアアーーー!!」
ましろ「(本日、天気晴朗ナレドモ波高シ・・・)」
宗谷はこの戦いにおける思いをこの一言に込めた。
天気晴朗であれば視界が開けいるため照準を合わせやすく、また波高しと言う状況が波による揺れに強い連合艦隊を有利にし、更に全体的な射撃精度で優っている連合艦隊がなお一層有利である事を暗示している。
どかーーーん!!
ル級E1「グアアアアーーー!!、クッ!、コノママデハヤラレル!」
開幕戦で多数の主砲弾を受けたル級E1は速やかに戦列か離脱を図ろうとしていた。
慧「敵第2艦隊の旗艦が戦列を離れようとしています!」
真霜「戦艦では追いつけないわね・・・、知名さん!」
もえか「了解!、日進および春日はこれを追撃せよ!」
日進・春日「「了解!」」
しかしそれを見た宗谷は知名に追撃を指示、速力に優れた装甲巡洋艦2名がこれを追撃する。
日進「日進の力!、お見せしますわ!」
春日「この春日を舐めない事ね!」
日進・春日「「撃てーーー!!」」
どかどかどかどかーーーん!、どかどかどかどかーーーん!
ひゅるるるるるルルルルルーーー!!、どかーーーん!!、バリバリバリーーーン!!
ル級E1「グアアアアーーー!!」
速力で勝る上に三笠らよりも射程の長い主砲を搭載している日進、春日がすぐさま敵に追いつき致命打を与えた。
マチコ「敵第二艦隊の旗艦が大破炎上!、沈没しつつあります!」
司令部「「「「うおおおーーー!!」」」」
慧「誤差修正!」
マチコ「方位右85°!、距離4600m!」
ましろ「大分接近したな!、6インチ副砲!、急ぎ撃て!」
三笠「了解!、6インチ副砲!、急ぎ撃て!」
朝日・初瀬・敷島「「「撃てーーー!!」」」
どかどかどかどかーーーん!、どかどかどかどかーーーん!
バリバリバリーーーン!!、バリバリバリーーーン!!
ル級FS「グアッ!、装甲板ガ!、副砲モ半分ヤラレタ!」
どかどかどかどかーーーん!、ひゅるるるるるルルルルルーーー!!、バリバリバリーーーン!!
三笠「きゃあああっ!!」
三笠がル級FSに砲撃を命中させると同時にル級FSの主砲弾を受け副砲一門が吹き飛ばされたが全体的なダメージは小破にとどまっている。
敷島「三笠ちゃん!」
三笠「ぐっ!、大丈夫!、右舷2番副砲被弾!、付近の装甲板も吹き飛ばされました!、ですが戦闘続行に支障なし!」
ル級E2「ル級様!、攻撃ヲ食ライスギデス!、退避ヲ!」
ル級FS「何ヲ馬鹿ナ事ヲ!、コチラノ攻撃ダッテ当タッテイル!、問題ナイワ!」
この時、既にル級FSは砲弾10発以上、うち主砲弾4発以上を受けもはや大破に近い中破のダメージに達していた。
ル級E3「三笠ガ接近シテ来マス!」
ル級FS「コウナッタラ三笠ダケデモ何トシテデモ撃沈シナサイ!」
戦闘開始から早3時間、数で優位に立っていたバルチック艦隊であったが荒波に翻弄された上に4倍近い射撃精度を誇る連合艦隊の猛攻に圧倒され、自艦隊が不利に立たされている事に気が付いた。
もしここで味方の士気を取り戻せるとすれば、それは敵艦隊総旗艦たる三笠を撃沈する他ない。
ル級FS「撃テーーー!!」
どかどかどかどかーーーん!、ひゅるるるるるルルルルルーーー!!、ばっしゃーーーん!、ばっしゃーーーん!
三笠「戦艦3隻が私のみを!」
慧「敵艦隊の射撃が三笠に集中しています!」
ましろ「だろうな、長官!」
真霜「ええ、敷島に朝日、初瀬は旗艦以外の戦艦を狙え!」
敷島・朝日・初瀬「「「了解!」」」
どかどかどかどかーーーん!、どかどかどかどかーーーん!、ひゅるるるるるルルルルルーーー!!
バキバキどかーーーん!!
ル級E2「ギャアアアーーー!!、1番主砲大破!、更ニ機関部ニ命中!、速力低下!」
バルチック艦隊は自分たちが不利になればバルチック艦隊の戦艦すべてが三笠を狙い始める事を読んでいた宗谷はその瞬間を狙い、三笠以外の3名に旗艦以外の戦艦を狙う様に指示を出した。
焦りを生じている敵にとっては思わぬ不意打ちとなった。
ル級E3「味方ノ損害!、更ニ拡大!」
どかーーーん!!、どかーーーん!!
ル級1・2「「ギャアアアーーー!!」」
富士「よっしゃあーーー!!、命中!」
八島「どう?、思い知ったかしら?」
旗艦を失った敵第2艦隊は知名が指揮する艦隊から猛攻を受け、ついに戦艦2隻が海の藻屑と消えた。
慧「誤差修正!、方位右110°!、距離4200m!」
三笠「この距離で外したら後が怖いわね!」
三笠はル級FSに急接近した。
これほどの至近距離で攻撃を受ければ両者ともただでは済まない。
ル級FS「ナゼ・・・、ナゼコンナコトニ・・・」
だが現状を理解したくないのル級FSは半ば放心状態となっていた。
三笠「覚悟なさい!、主砲一斉射!、撃てーーー!!」
どかどかどかどかーーーん!、バキバキどかーーーん!!
ル級FS「アアーーー!!、コイツ!」
どかどかどかーーーん!、バキバキバキーン!
三笠「ぐううっーーー!!」ズキズキ
特に回避行動を取ろうとしなかったル級FSに三笠が強烈な一撃を浴びせル級FSはとうとう大破、ル級FSも反撃を試みるが大破した状態では全力を出せず、近距離でも三笠に中破程度のダメージしか与えられなくなっていた。
初瀬「貰いましてよ!」
どかどかどかどかーーーん!、どかーーーん!!
ル級E2「グアアアアーーー!!、ル級様!」
朝日「もう終わりにしたいわね!」
どかどかどかーーーん!、バキバキどかーーーん!!
ル級E3「ソンナ・・・、バカナ・・・」
更に後方では既に大破した2隻の戦艦が炎を噴き上げ爆沈した。
敷島「残るはあなただけね!」
どかどかどかどかーーーん!、どかーーーん!!、どかーーーん!!
ル級FS「グアアアアーーー!!、コレマデカ・・・、今ハ勝利ヲ譲ッテヤルガ我々ハ無数ニ存在スル!、最後ニ滅ブノハ人類ダト言ウ事ヲ忘レナイ事ネ・・・」
そして最後に強大なバルチック艦隊を率いたル級FSが海底へと沈んで行った。
真霜「主力艦隊の戦闘終了!、撃ち方止め!」
それを確認した宗谷は攻撃終了の号令を発し、主力艦隊同士の戦闘は連合艦隊の勝利で幕を閉じた。
だが、日が暮れてからは闇夜に紛れた駆逐艦による夜戦が始がる。
翌日午前4時、夜戦部隊から戦闘終了の知らせが入った。
幸子「敵艦隊の残党はもう駆逐艦と補給艦しか残っていなかった故に、大きな被害も無く終わりました。」
優衣「個々の損害は我が方の駆逐艦3名が小破、他は無傷です。」
珊瑚「終わったな。」
もえか「うん、終わった。」
ましろ「すごく長かった様に感じた。」
薫「作戦終了!、皆良くやった!、我々の完全勝利だ!」
全員「「「「「「うおおおーーー!!」」」」」」
真霜「(私の最後の戦が終わった・・・、後を任せるわ。)」
前日に始まり一昼夜に掛けて行われた二度目の日本海海戦は人類にとって初の完全勝利と言える。
航空主兵主義となった現代において、長らく忘れ去られていた丁字戦法を宗谷が艦娘様に改良し作成したこの作戦は日露戦争時の時と同じように敵の主力戦艦、装甲巡洋艦などを1隻たりとも逃さず撃沈した。
対して連合艦隊の被害は戦艦2、装甲巡洋艦1が中破、巡洋艦1、駆逐艦3が小破した程度で戦死者は勿論、重傷者も皆無であった。
次回で番外編は終了の予定です。
それが終わればいよいよ本編の続きを書きたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。