これの続きから本編の方を再開したいと思います。
以降よろしくお願いします。
時系列は決戦を控えた高坂等の時間から遡り、また1つの決戦を終えた宗谷等の時間から進んだ2039年10月の事、この頃には日本海の中枢を担っていた宗谷真霜を始めとする首脳陣が引退していた。
海軍省次官室、今この部屋には高坂以外に秘書艦の空母・飛龍がいる。
穂乃果「この前のMI作戦の報告書、とりあえず嘘は言って無いとはいえ、被害は控え目に公表されている・・・、戦果さえ出れば艦娘はどうなってもいいって言いたいのかな・・・」
高坂が作成した報告書を元に一般公開された戦果は大げさなほど華やかにされ、一方で味方の被害はかなり控え目に公表されていた。
それをみた高坂は大変ご立腹である。
穂乃果「あのバカ総理!」
現在総理大臣となったのは宗谷真霜の副官であり戦争強行派の筆頭でもあった海軍次官であった。
その結果MI作戦、前世ミッドウェー海戦(アニメ艦これ12、13話みたいな感じ)に当たるその戦いで高坂が指揮官として途中参戦していなければ前世同様に主力空母・赤城、加賀、飛龍、蒼龍の4空母を一挙に失っていた可能性があるものであった。
プルルルル、プルルルル
飛龍「はい、・・・、提督!」
それから少しして部屋の電話が鳴り、それにでは飛龍は驚いた顔で高坂に伝える。
穂乃果「どうしたの?」
飛龍「それが、その・・・、元海軍最高司令長官・宗谷真霜さんからです!」
穂乃果「直接!!」
高坂にとってこんな事は初めてであった。
穂乃果「・・・、了解しました。」
カシャン
飛龍「な、なんと?」
穂乃果「人目を避けて合いたい、と言って来た。」
この電話を受けたその日の夜、高坂は言いつけ通り宗谷の指定した場所へ向かった。
とある小さな料亭
女将「どうぞごゆっくり。」
穂乃果「・・・」
クッ、ススー
女将に案内され、高坂が部屋の前に着くと女将が障子の扉を開けた。
穂乃果「高坂穂乃果です。」
真霜「どうぞ。」
ススー、クッ
高坂が部屋に入ったのを確認すると女将は障子の扉を閉め去って行った。
真霜「御足労をかけたわ、まあどうぞ。」
穂乃果「・・・」
宗谷に言われるがまま、向の席に座る。
真霜「あなたは、高野五十六から記憶を受けっとたのかしら?」
穂乃果「!!、ではあなたも!」
真霜「ええ、私がこの世界に転生して来る時、大高弥三郎から記憶を頂いたわ。」
大高弥三郎、高坂に記憶を渡した高野五十六と連携し別世界の日本を前世の悲劇から救った史上最強の政治家である。
真霜「この世界に来て大体30年になるかしら。」
穂乃果「まさか他にも私たちの同士がいらっしゃるとは驚きました。」
真霜「私は高坂さんの日頃の言動でひょっとしたらお仲間ではないかと思っていたし、天照の会の事も耳にしているわ。」
穂乃果「それはそれは。」
真霜「実は私も、現役時代の同士と共に月詠会という物を丁度設立してね、表立った行動はできないけどあなた達に裏から協力しようと思ってるの。
敵情視察や暗殺なんかの裏方、汚れ仕事は私達に任せなさい。」
穂乃果「それは助かります!」
真霜「それはそうと、現役の艦娘達やあなたの同士達が時々口にする第二次世界大戦や太平洋戦争と言うのは何?」
宗谷の元いた世界では第二次世界大戦が起きていないため、高坂は細部に渡り説明した。
真霜「日本が世界を相手に戦争ね~、随分と無謀極まりない事を・・・」
穂乃果「今現在この世界で起きている戦争はまさにそれに類似します!、このまま戦争強行派の勢いがますと、私達の前世世界同様の結果を招きかねません!」
真霜「・・・」
穂乃果「既にハワイ、フィリピン、珊瑚海、ポートモレスビー、ミッドウェーなど前世の歴史通りの戦いが起こっています!」
真霜「このまま行けば敗北と言う結果しかない・・・」
穂乃果「でしょうね・・・」
真霜「では、どうすれば良いか、何か名案はあるのかしら?」
穂乃果「これから先、私達が元の世界から持参、転生の際に与えられた新技術の導入で前世よりマシな戦いができますが国土や燃料、資材、深海棲艦の勢いから言ってすぐに限界が来ましょう!」
真霜「ええ、でも、今のまま勝つわけにはいかないわ!、傲慢な指導者の下で勝利しても、国民をも巻き込み盛大な慢心陥ってしまったら世界のためになら無い。」
何もしなければ敗戦すると述べる高坂に対し、宗谷は今の状態で勝つ訳にはいかないと述べた。
真霜「我々月詠会の見解ではこの戦争、勝っても負けてもまずいという結果が出てしまった・・・、困ったものね・・・」
更に宗谷は人間の欲深さに暗い表情になりながら答える。
穂乃果「はい、問題は山済みです・・・、ですが私はこの世界の事を託され転生して来ました!、出来れば全てを救いたい!」
対して高坂はやや声を張り上げて答えた。
真霜「今の軍首脳を放っておけばこれからまず多くの艦娘、続いて一般軍人、果ては一般市民が犠牲になる・・・、それを許さないためには・・・、大丈夫よ、私はあなたを信用している。」ニヤリ
穂乃果「・・・、あなたは我々のクーデター計画までご存知で?」
真霜「本気の様ね。」
すると先ほどとは打って変わって不敵な笑みを浮かべ覗き込むように話しかけて来た宗谷に心の内を見透かされたような気がした高坂はクーデター計画の事を話た。
穂乃果「私はこの世界のために命を尽くそうと思います!、それがこの世界での私に与えられた使命だと、私自身そう思うので!」
真霜「そうね、私の従妹や姪にも艦娘、候補生がいるし、あの子達がいなければ今後どうしようもないでしょうから、私達も全面協力するわ。」
穂乃果「ありがとうございます!」
真霜「でもさっき言った通り、クーデターなんて汚れ仕事は我々で行うわね。
あなた達はどうやら艦娘達にかなり慕われているみたいだし、開戦し直したらどう?」
穂乃果「!!」
宗谷の言う開戦し直す、即ち、自分たちが政権を勝ち取る事で艦隊運営の主導権を握り戦局をリセットするという計画であると高坂は感づいた。
そして高坂は懐から短いナイフを取りだす。
穂乃果「折角ですし、その約束を書面にして、2人で署名血判をしませんか?」
真霜「そうね!」
署名血判、ここにそれぞれ別世界から転生して来た高坂穂乃果と宗谷真霜の表裏の緻密な連携が誕生した。
その後、1940年12月7日から8日にかけて高坂が表に立ち艦隊運営を行いハワイ攻撃を、裏では宗谷主導の元でクーデターが実行された。
なおこのクーデターには軍人、元軍人以外にも不満を募らせた一般市民、中には戦争で傷ついた艦娘の親族までもが参加した。