夕凪颯の暗殺教室   作:カゲロー@

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第9話 「劣等生の時間」

「さて、始めましょうか。」

 

・・・何を?

 

教室に入ってきた殺せんせーは、何か沢山分身し始めた。

 

「学校の中間テストが迫って来ました。」

 

「そうそう。」

 

「そんなわけでこの時間は、」

 

「高速強化テスト勉強を行います!」

 

「分身が一人ずつマンツーマンで、」

 

「それぞれの苦手科目を徹底して復習します!」

 

「ええい鬱陶しい!いっぺんに喋れ!」

 

そういえばもうそんな時期か。ずっとサボってたから知らんかった。

 

「下らね、教科別にハチマキとか・・・・何で俺だけNARUTOなんだよ!!」

 

「寺坂君は特別コースです。苦手科目が複数ありますからねぇ。」

 

 

「ははっ、寺坂ニキは頭悪いからしょうがない・・・俺もかよ!」

 

「君は国語と数学が壊滅的です。

あと、暗記だけなら得意なので、折角だから伸ばしましょう。」

 

 

 

「さて、次はここの年表を覚えてみましょう。」

 

「あれ?ここ範囲じゃないでしょ?」

 

「念には念を入れましょう。君なら余裕でしょう。」

 

「まあね。てか、能力のことも聞いたのかよ。」

 

「はい。」

 

「プライバシーとは何だったのか・・

・・・殺せんせー、前まで分身そんなに出来なかったでしょ。」

 

「君達と同じように、先生も成長するんですよ。」

 

「ふーん・・・覚え終わりました。」

 

「にゅやっ!?本当ですか!?」

 

「うん。」

 

「便利ですねぇ、羨ましいです。」

 

「別に、良いことばっかりじゃないですよ。特に、俺みたいな過去を持ってる奴とかは。」

 

「使い方次第ですよ。

それでは、確認テストをしましょう。問題を出すのでノートに書いてにゅやあっ!!?」

 

「うおっ!?」

 

いきなり殺せんせーの顔がバナナみたいに凹んだ。

 

「カルマ君!急に暗殺しないでください!避けると残像が乱れにゅやああっ!!?」

 

と言うわけで俺も刺してみた。カルマとは逆のところを刺したら、ひょうたんみたいな形になった。

 

「夕凪君まで!」

 

「こんな楽しいことやらない訳ねえだろ!」

 

俺とカルマで刺しまくる。殺せんせーの頭がどんどん凹んでいく。

 

「やめなさい!今はテスト勉強中ですよ!」

 

対殺せんせーナイフを白いハンカチで取られてしまった。

 

「「へーい。」」

 

全く、飽きないなここは。

 

だけどそれも今年一年。仮に暗殺が成功しても、このタコの授業は今年一年だけなんだよな。

 

「それでは、今から言う条約を、古い順に並べ替えて下さい。」

 

教師としては、こんなに心強い先生もいないだろうな。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

次の日、

 

「先生、さらに頑張って増えてみました。

さぁ、授業開始です。」

 

多すぎだから!!

 

「そんな増えて意味あるのかよ。」

 

「増えた分だけ分かりやすく説明できます!」

 

「さあ!」「夕凪君!」「昨日の続きから!」「始めましょう!」

 

「だからいっぺんに喋れ!ドヤ顔するなウザったい!」

 

何でまたこんなに張り切ってんだか。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ゼェ・・ゼェ・・ゼェ・・・」

 

「・・・相当疲れたみたいだな。」

 

「今なら殺れるかな?」

 

「何でここまで一生懸命先生すんのかねぇ。」

 

「ヌルフフフフ、すべては君達のテストの点数を上げるため。そうすれば・・・」

 

『せんせーのおかげで良い点が取れたよ!』

 

『もう殺すなんて出来ないよ!』

 

『殺せんせー!私達にも勉強教えて!』

 

「・・と言うような一石二鳥の展開が・・・」

 

「・・・今日も平常運転だな。」

 

まぁ、こんなこと言いながら、殺せんせーは俺達のことを本気で考えてくれている。

だから、あんなにも頑張っているのだろう。

 

「・・・いや、勉強のほうはそれなりで良いよな。」

 

「うん。暗殺成功すれば百億だし。」

 

「百億あれば、その後の人生薔薇色だしさ。」

 

「にゅやっ!そういう考えをしますか!」

 

「当たり前だ。絶対殺してニートになってやるからな。」

 

そう言って殺せんせーにナイフを向ける。

 

「・・・せんせー君の将来が心配です。」

 

冗談に決まってるだろ。仕事しないだけだ。あれれーおっかしーぞ?

 

 

「俺達E組だぜ?殺せんせー。」

 

「テスト何かより暗殺の方がよほど身近なチャンスなんだよ。」

 

 

・・・いや、それは違うだろ。

 

やっぱり、このクラスのほとんどがE組であることの劣等感を抱えている。

このままじゃ、暗殺はおろか、人生のどこかで絶対に挫折する。

 

俺は皆に救って貰ったんだ。

 

今度は俺が救う番だ!!!キリッ

 

「それは違「なるほど、よく分かりました。」・・・」

 

・・・・・・・・・

 

「?何が?」

 

「今の君達には、暗殺者の資格がありませんねぇ。」

 

・・・・・・・・・

 

「全員校庭へ出なさい。

烏間先生とイリーナ先生も呼んでください。」

 

・・・・・・・・・

 

「急にどうしたんだ殺せんせー。」

 

「さぁ?いきなり不機嫌になったよね。」

 

「とにかく行こう。」

 

そう言って皆出て行く。

 

トン

 

振り返るとカルマがいた。悪魔のような笑顔で。

 

「ドンマイ、夕凪君」

 

・・・・超恥ずい。死にたい。

 

俺は校庭に向かった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

校庭に出ると、殺せんせーがゴールを退かしていた。

 

「イリーナ先生。

あなたはいつも仕事をするとき、用意するプランは一つですか?」

 

「・・・いいえ。

本命のプランなんて思った通り行くことの方が少ないわ。不測の事態に備えて、予備のプランを綿密に作っておくのが暗殺の基本よ。」

 

「次に烏間先生。

ナイフ術において、重要なのは第一撃だけですか?」

 

「・・・第一撃は勿論最重要だが、次の動きも大切だ。

強敵相手では第一撃は高確率でかわされる。その後の攻撃をいかに高精度で繰り出すかが勝敗を分ける。」

 

「結局何が言いたい「先生方のおっしゃるように、」

 

殺せんせーが回転し始める。

 

「自信の持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺者になれる。

対して君達はどうでしょう。」

 

更に回転を速めていく。

 

「"俺らには暗殺があるからいいや。"

そう考えて勉強の目標を低くしている。それは、劣等感の原因から目を背けているだけです。

夕凪君、君は皆の間違いに気がついていましたよね。」

 

「っ!・・ああ。」

 

全く、何でもお見通しってか。

 

「もし先生がこの教室から逃げ去ったら?もし先に他の殺し屋が先生を殺したら?

君達には、E組の劣等感しか残らない。

そんな君達に先生から警告です。」

 

どんどん回転が速くなる。何をするつもりだ?

 

「第二の刃を持たざる者は、暗殺者を名乗る資格なし!!」

 

 

視界が晴れると、綺麗に手入れされたグラウンドがあった。

 

「もし君達が自信を持てる第二の刃を示せなければ、相手に値する暗殺者はこの教室にいないと見なし、校舎ごと平らにして先生は去ります。」

 

「第二の刃・・・いつまでに?」

 

「決まっています。明日です。

明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい。」

 

「「「「!!?」」」」

 

マジかよ・・・

 

「君達の第二の刃は、既に先生が育てています。

自信を持ってその刃を振るってきなさい。恥じることなく、笑顔で胸を張るのです。

自分達が暗殺者であり、E組であることに。」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

家に帰った俺は、直ぐに教科書を開いた。

 

「出て行かれて、たまるかよ。」

 

やっと手に入れた居場所だ。それは、あいつが居なくなったら崩れてしまう。

あいつらなら、E組の皆なら、今は話せなくても、きっといつか・・・

 

中間テストなんてやる気なかったけど、話が変わった。絶対50位以内に入る。

 

「まずは数学だ。公式全部覚えてひたすら反復練習だ。」

 

 

 

 

 

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