夕凪颯の暗殺教室   作:カゲロー@

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夕凪君がおかしな方向に向かっている気がする・・・


第12話 「転校生の時間」

 

修学旅行も終わり、いつもの学校生活が始まる。

あの夜聞いたことの整理はまだつかない。それに、聞いたことであのタコは誤魔化すだけだろう。

 

「・・暗殺してりゃ、そのうち分かるだろ・・・」

 

そう結論付け、俺は教室のドアを開ける。

 

「ふあぁっ、おはよー」

 

「お、おう、夕凪か。おはよう・・」

 

盛大なあくびをしながら教室に入ると、杉野の返事が何かおかしかった。

教室を見渡すと、皆何か戸惑っているようだ。

 

「どしたん?」

 

「今日、転校生来るって烏間先生からメールきたろ?」

 

「おう。またどうせ暗殺者だろ?」

 

「まぁそうなんだが・・・あれ見てみ?」

 

「ん・・・・何だあれ?」

 

デカくて黒い箱にモニターが付いた、前まで無かった物体が置いてあった。

近づくと、いきなりモニターがつく。

 

「今日から転校してきた、自律思考固定砲台と申します。よろしくお願いします」

 

「・・・そう来たか・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「紹介する、ノルウェーから来た、自律思考固定砲台さんだ・・・」

 

「よろしくお願いします」

 

「烏間先生も大変だね〜」

 

「ああ、俺だったらおかしくなりそうだな」

 

タコにビッチに、人工知能か・・・

 

「プークスクス」

 

ウゼェ・・

 

「お前が笑うな、同じイロモノだろうが。

言っておくが、彼女はれっきとした生徒として登録されている。だから、お前は彼女に反撃できない」

 

ほぉ、契約を逆手に取ったと。

 

「いいでしょう。自律思考固定砲台さん。あなたをE組に歓迎します」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「・・であるから、ここの文法は・・」

 

1時間目が始まる。さて、お手並み拝見だ。

 

ガシャガシャ!ガキン!

 

いきなり銃が展開された。そして打ちまくる訳だが・・・うるせぇ!!

これじゃ授業もクソもねぇよ!

 

「授業中の発砲は禁止ですよ」

 

「気をつけます。続いて攻撃に移ります」

 

何でだよ!今禁止って言ったろ!

砲台はまた銃を殺せんせーに向ける。

 

「凝りませんねぇ」

 

またさっきのように打ちまくる。それを殺せんせーが同じように避ける訳だが・・・

 

ブチャッ!!

 

「・・・んなっ!」

 

今明らかに殺せんせーは、玉をチョークで弾いた。にも関わらず玉が当たったのだ。

 

「右指先破壊、増設した副砲の効果を確認しました」

 

チョークで止めることを予測した隠し玉か!

 

「卒業までに殺せる確率、90%以上」

 

また、とんでもない転校生が来たもんだ。だが・・・授業ができん・・・

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

翌日

 

「朝8時半、システムを全面起動・・・!?」

 

固定砲台は、ガムテープでぐるぐる巻きにされていた。

 

「これでは銃の展開が出来ません。明らかに生徒への加害であり、契約で禁じられているはずですが?」

 

「ちげーよ俺だよ。

どー考えたって邪魔だろ。常識ぐらい身につけておけポンコツ」

 

まぁ、そりゃこうなるだろうな。

俺達は受験生な訳で、授業が出来ないのは困る。

ん?サボってた奴が何を言う?ハハハ、中学3年生で授業サボるやつがどこにいるってんだ。ハハハ・・・

 

・・・ともかく、迷惑な射撃がなくなるなら、それでいい。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

そのまた翌日

 

「・・・何だこれ・・」

 

またあの射撃があるのかと思い、ため息を吐きながら教室に入った訳だが、

 

「おはようございます!夕凪さん!」

 

何か固定砲台が、色々変わっていたのだった。

殺せんせーが改造したのだろう。協調性を学んだ固定砲台は、暗殺の大きな戦力になるだろう。

 

いや、今はそんなことどうでもいい。

今重要なのは・・・

 

「固定砲台が可愛い過ぎるっ!!」

 

「「「!!?」」」

 

俺は走りよってまじまじと見つめる。

だって2次元やぞ?2次元娘と話せるんだぞ?全オタクの夢を俺は叶えたんだヒャッハー!

 

飛び跳ねる俺をクラスメイトが白い目で見ているが知ったことか!

 

「あの・・・そんなに見つめられると・・・恥ずかしいです・・」

 

「めっさ可愛いやんけぇ!!」

 

俺は発狂した。

やべぇ、固定砲台超可愛い。やべぇ、俺超キモい。

 

「何騙されてんだよ。全部あのタコが作ったプログラムだろ。

愛想良くても機械は機械、また空気読まずに射撃すんだろポンコツ」

 

「・・・おっしゃる気持ち、分かります寺坂さん。確かに昨日までの私は、皆さんのことも考えずに迷惑な射撃を、ポンコツと言われても仕方ありません・・・」

 

「あーあ、泣かしちゃった」

 

「寺坂君が2次元の女の子泣かした」

 

「誤解される言い方やめろ!」

 

俺は下手人の肩を後ろから叩く。

 

「・・・死ぬか地獄に堕ちるか、どっちがいい?」

 

「何でだよ!?」

 

「固定砲台ちゃんを流せた罪、万死に値するナリ!」

 

「「「お前は朝からどうしたんだ!?」」」

 

一斉に突っ込まれた。

はっ!いかんいかん、キャラが変わってしまった。

 

「いいじゃないか、2次元。Dを一つ失うところから女は始まる」

 

「「「竹林!お前それが初セリフだぞ!?良いのか!!?」」」

 

ここにもオタクがいたようだ。

俺は、竹林の手を握る。

 

「・・同志よ!」

 

「・・!ああ、君もか!」

 

「「変な同盟出来ちゃったよ!」」

 

「共に目指そう!」「2次元の高みを!」

 

「「「・・・何だこれ?」」」

 

俺達の周りにはキラキラしたエフェクトが見えた。

だから見えないもん、クラスメイトが白い目で僕を見ているのなんて。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

新しくなった固定砲台は、休み時間の人気者となっていた。

 

「そうだ。この子に名前付けてあげない?いくら何でも自律思考固定砲台じゃあね・・・」

 

「んじゃ、一文字とって"律"で!」

 

「安直だな」

 

「お前はそれでいい?」

 

「嬉しいです!では、律とお呼び下さい!」

 

「なんか、馴染めて良かったじゃん」

 

「さぁ、どうだろうねぇ」

 

「ん?どういうことだカルマ?」

 

あれで万々歳じゃねぇのか?

 

「寺坂も言ったけど、機械自体に意思がある訳じゃない。あいつがこの先どうするかは、開発者が決めることだよ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

さらにそのまた翌日

 

「おはようございます、皆さん」

 

・・・何・・・・だと・・・?

 

「今後は改良行為も危害と見なすと言ってきた。

君らも、彼女を縛って壊れでもしたら賠償を請求するそうだ」

 

開発者からすれば、殺せんせーが入れたプログラムは邪魔でしかないのか。

ああ、俺の律ちゃん・・・

 

「開発者とは厄介な、出来れば生徒の意思を尊重したいんですがねぇ」

 

「攻撃準備を始めます。どうぞ授業に入って下さい殺せんせー」

 

はぁ、またあの射撃か。開発者だか知らんが、こっちのことも考えてほしいもんだ。

 

(((来るぞ!!)))

 

射撃が始まると思った次の瞬間、

銃ではなく、沢山の花束が出てきた。

 

「・・・え?」

 

「花を作る約束をしていました。

殺せんせーの改良のほとんどは、暗殺に不必要と判断され削除されてしまいました。

しかし、私自身は"協調能力"が暗殺に不可欠な要素だと判断し、消される前に関連ソフトを隠しました」

 

「素晴らしい!つまり律さん、あなたは・・・」

 

「はい、私の意思で開発者に逆らいました。

こういった行動を反抗期と言うのですよね?律は悪い子でしょうか?」

 

「とんでもない、中学生らしくて大いに結構です」

 

こうして、ちょっと変わった姿の転校生は、俺達のクラスメイトとなった。

 

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