夕凪颯の暗殺教室   作:カゲロー@

25 / 69
遂にアイツがやって来ました。
フルボッコにしてみたいのですが、ここでは別な感じでやっていきます。


第18話 「訓練の時間」

球技大会が終わった数日後、訓練は、始めてから丁度3ヶ月が立った。

 

烏間は、千葉と三村のナイフを捌きつつ叫ぶ。

 

「視線を切るな!! 常に相手の先の動きを読んで動けばその分、奴の逃げ道をふさぐ事になる!!」

 

そう檄を飛ばしつつ、現状のE組の総評する。

 

 

磯貝悠馬と前原陽人

運動神経が良く、仲の良い事もありコンビネーションが良い………二人での攻撃なら俺もナイフを喰らう時もある。

 

2人のナイフが掠ると、烏間は2人に技術点である二点を与える。

 

「よし、次だ」

 

赤羽カルマ

のらりくらりとしているが、その目には強い悪戯心がある………俺に赤っ恥をかかせたいだろうが………そう上手くいくかな?

 

足を出そうとしたところで、タン……と距離を取ると、カルマは目論見を外して舌打ちをする。

 

「ははっ、バレてやんの」

 

「うっさい。そんなに言うなら夕凪君がやって見せてよ」

 

夕凪颯

動体視力と機動力に長けている。また、訓練の日を重ねるごとに、俺の攻撃を読んでいる節がある。彼の能力は、今後暗殺に大きく貢献するだろう。

だが、彼もまだ甘いな。

 

颯はナイフを振るうとき、烏間の足を注視していた。そして……

 

(………ッ!今だッ!)

 

颯は踏み切り、そのまま烏間の足を狙うように、蹴りのモーションに入った。

烏間は予測をしていたので前足を後ろに引かせ、迎撃の構えをとる。

しかし………

 

「………んなッ!?」

 

蹴りのモーションに入っていた颯は、蹴りではなくナイフを突き出していたのだ。

 

(足に意識を集中させて、ナイフを直前まで気づかなくしたのか。考えたな………だが!)

 

そのナイフを、身体を捻らせて躱した。

 

「おわっ…………ぐえっ!」

 

そして腕を掴んで足を払い、転ばせて抑えたのだった。

 

「大丈夫か?……必殺の一撃をバレないように細工するのはいい手だった。しかし、俺相手ならばもっと罠を重ねないと通用しないぞ?」

 

そう言って、颯の身体を起こした。

 

「ハハハ、夕凪君も失敗してんじゃん」

 

「うっせ、お前より良い線いったわ」

 

……まぁ、あれも意欲向上には良いのかもな………

 

女子の中では、元体操部で意表をついた攻撃ができる岡野ひなたと、男子並のリーチと運動量を持つ片岡メグが、優秀なアタッカーになるだろう。

他の生徒も全体的に技術が向上している。

しかし、今のところこれといった生徒は………

 

ゾクリ

 

得体の知れない何かを感じ、それに向かって思いっきり腕を振ってしまった。

振り向くとそこにいたのは………

 

「いててて………」

 

潮田渚だった。

 

「すまない、強くやりすぎた。立てるか?」

 

「あ、へーきです……はは……」

 

 

「ばっかでー、ちゃんと見てないからだぞ」

 

杉野の笑いに、ちゃんと見ていたんだけどなと、渚は落ち込んでいた。

 

潮田渚

小柄故に多少はすばしこいが、それ以外に特筆した点はない温和な生徒。

気のせいか?今感じた得体の知れない気配は………

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「せんせー、放課後、皆でお茶しよーよ」

 

訓練が終わり、教室に戻ろうとしていた俺たちは、倉橋のその言葉に振り返った。

しかし、烏間先生は直ぐにそれを断った。

 

「ああ、誘いはうれしいが、この後は防衛省の連絡まちでな」

 

そう言って、校舎へと去っていった。

 

「……私生活でもスキがねーな……」

 

「……って言うより、私たちとの間で一定の距離を保っているような……」

 

「厳しいけど優しくて、私たちのこと大切にしてくれてるけど、それってやっぱり、任務だからに過ぎないのかな……」

 

三村に続いて、矢田と倉橋が少し寂しそうに言う。

すると、殺せんせーが言った。

 

「そんなことはありません。確かにあの人は先生の暗殺のために送りこまれた人ですが、彼にもちゃんと教師の血が流れてますよ。」

 

そのとき烏間先生と入れ違いに、何かデカい荷物を沢山持った男がやってきた。

髪型をツーブロックにしていて、腹は出ているが体格は大きい。

………なんか、寺坂に似てるな。

その男は俺たちに近づくと話し始めた。

 

「やっ!俺の名前は鷹岡明、今日から烏間の補佐としてここで働く!よろしくな、E組の皆!」

 

そう言って、荷物を置いた。中身はケーキや飲み物のようだ。

 

「これ……"ラ・ヘルメス"のエクレアじゃん!!」

 

「こっちは"モンチチ"のロールケーキ!!」

 

茅野と不破が声を上げる。

 

「そんなに美味いのか?」

 

「有名なケーキ屋さんのだよ!一度食べてみたかったんだぁ」

 

お、おう……失礼だが漫画脳だと思ってたぜ……甘いもの好きとは女の子らしいな。

しかし、袋の中のケーキやら何やらは見るからに美味しそうだ。思わず生唾を飲み込んでしまう。

 

「俺は早くお前らと仲良くなりたいんだ。それには……皆で囲んでメシ食うのが一番だろ!」

 

それを聞いて皆、ワイワイと食べ始めた。おいタコ、そのシュークリーム俺のだよ。目で取ってたんだよ。

 

「同僚なのに、烏間先生と随分違うすね」

 

「何か近所の父ちゃん見たいですよ」

 

「ははは、良いじゃないか父ちゃんで!」

 

木村と原の言葉に、鷹岡先生はそう返す。そして、俺と不破の間に座ると………

 

「同じ教室にいるからには……俺達、家族みたいなもんだろ?」

 

そう言いながら肩を組まれた瞬間……

 

「ッ!?」

 

悪寒が走り、思わず身を引いてしまった。

 

「………どうしたんだ?」

 

鷹岡先生が、怪訝な顔をしてそう問いかける。

 

「あ、えーと……そうだ!今日はあれの単行本がドラマCD付きの限定発売だったじゃねぇか!行くぞ不破!」

 

「え?ちょっ待っ……」

 

そのまま不破の手を引いてその場を立ち去った。

 

「はは、アイツは相変わらずだな」

 

杉野は笑うが、鷹岡は立ち去る颯を、意味ありげにじっと見つめるのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「はぁ、はぁ……ここら辺までくればいいか………」

 

あの後急いで支度をして、山を降りてきた。半分のところまできたが早足で来たため、二人とも少し息が上がっている。

 

「はぁ……どうしたの?今日限定発売の漫画があるなんて聞いてないよ?ケーキもまだ食べ終わってなかったのに……」

 

「ああ、悪かったな……鷹岡先生が近づいたとき、そして家族だと言ったとき、俺はとんでもなく違和感を感じたんだ」

 

「違和感?」

 

俺の言葉がよく分からなかったのか、不破は首をかしげる。

 

「……アイツには気をつけたほうがいい。自分を家族だと言ったが、アイツにあるのはそこにあるべき優しさとは真逆のものだ」

 

「……なんで、それがわかったの?」

 

不破は神妙な顔もちで聞いてくる。俺の真剣さが伝わったのだろう。

 

「俺は、両親を小さい頃に亡くしている」

 

「!?」

 

これには驚いたようだ。驚きと、少し悲しみが混じった表情を浮かべていた。そういえば、クラスの皆には何一つ言っていなかったな。

まぁ、これについて今詳しく話をするつもりはない。俺が言いたいのは……

 

「そんなに早くいなくなっていても………いや、早くに亡くして、当たり前じゃ無くなってるからこそかな。わかるんだ………俺を大切に想ってくれた両親は、あんなに冷酷じゃない」

 

「……うん、心に留めとく」

 

他の人が聞いたら中々無茶苦茶な理論だと思うのだが、不破はわかってくれたようだ。いや、信じてくれたのだろう。

まぁ、俺の思い過ごしなら丸く収まるんだがな………

 

「それじゃあ折角だし、本屋寄ってこうよ!新しい単行本出てるかもしれないし!」

 

「おう、そうだな」

 

それからは他愛もない会話をしながら歩いていった。

そういや、なんで不破を連れ出したんだ?渚とかいたのに………

漫画の言い訳をとっさに思いついたからか。

 

 

 




鷹岡はただのウ○コ野郎ですが、ここでは二人の仲の進展に利用させてもらいます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。