夕凪颯の暗殺教室   作:カゲロー@

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今まで書いてみて思ったのですが……主人公が俺ガイルの比企谷八幡に似てる気がする……
元々俺ガイルは読み込んでいて、とても面白いと思っていたので、それが反映されたのでしょうか?
まぁ、このキャラを書くのはとても楽しいので、これからもこんな感じで書いていきたいと思います。


第23話 「追憶の時間 二時間目」

 

 

「へぇ、そんな事があったのか」

 

小4の秋頃、俺はいつもの施設の大広間にいた。違うのは、隣にいる奴だけだ。

 

「だから、此衣さんや朋樹さんとつるんでるわけか」

 

不知火奏矢(しらぬいそうや)、無駄にカッコ良い名前の同級生だ。顔は普通だが。俺が小2の時に施設に入ってきたやつで、同級生では紫苑に続いてコイツが3番目だ。紫苑はあんな性格なので殆ど話さない。朋樹と此衣は一学年上なので、学校にいる間や下校時間がずれる時はコイツといるってわけだ。クラスも同じだしな。

 

「にしても、この施設も賑やかになったな。俺が来た時は4人だったのに」

 

「あんま良いことじゃないけどな」

 

俺の言葉に奏矢は続ける。

大広間を見渡しても、低学年の子供達が十何人もいる。外に遊びに行く奴や部屋にいる奴、赤ん坊も入れると結構な人数だ。この大広間にはボードゲームやら漫画やら色々な物があるので、ここにいる奴は結構多い。おい、俺のイチゴ煮オレ持ってったの誰だ出てこい。

 

「あんのクソガキ………」

 

「ハハハッ、小さい子のする事だ。許してやれよ」

 

「お前の奴も盗られ「誰だ半殺しで許してやる出てこいッッ!!」……」

 

一番ガキは誰だよ……

ここでは小遣い制だ。年齢に応じたお金を玄斗さんがくれる。どうしても欲しいものがあるときは、ボランティアなどの良い事をすると、貰えるというものだ。良く出来てる。

だから、基本小遣いな訳で、ジュースなども毎日買える訳じゃない。奏矢は金使い荒いしな。

まぁ、元気なことは良い事だ。ここにいる誰もが、何らかの理由で親をなくしている。事故だったり捨てられたりと様々だ。まぁ、殺し屋に殺されたなんていう奴は俺くらいだがな。

だから、ここの皆は来た理由を語らないし、聞かない。暗黙の了解だ。だから俺は、隣にいるバカの生い立ちも知らない。そのほうがお互いに幸せだ。

 

「ったく……それはともかくさぁ」

 

途端に、奏矢の顔がゲスな顔になる。

 

「お前、ぶっちゃけ此衣さんのことどう思ってんだ?」

 

「大親友」

 

「恥ずかしげもなく言いやがった……」

 

それ以外に何があると言うのだ。

 

「そーじゃなくてさ、ほら、こう……恋愛的な目でさ、どー思うの?」

 

「ありえん」

 

「はっきり言うなぁ………」

 

なんで子供ってのはこの手の話が好きなんだろうか。小学校でも、3人でいると三角関係だの修羅場だの何だのとうるさい。ただ3人でいるだけだろが。俺は男女間の友情は信じる派だ。

 

「けどさ、ぶっちゃけ可愛いじゃん?」

 

「……まぁ、見た目はな」

 

実際、容姿はかなり良い方だと思う。大きな目と整った顔立ち、髪は首元までのショートで、明るめの茶髪だ。

実際モテてる。学校でも、容姿と明るい性格で人気は高い。まぁ、俺や朋樹はアイツのアホな部分とか知ってるからな。なのに何故か勉強は出来る。解せぬ。

 

「お前も朋樹さんも顔良いからなぁ、良く噂されるんだよ」

 

「迷惑なだけだそんなの」

 

朋樹も顔立ちは整っている。大人しそうな、優しそうな顔立ちだ。髪は黒髪で、髪型は普通だな。目立つような性格じゃないが、しっかりしてるのでクラスの中心にいる事が多いらしい。そんな人気者だ。やはりモテる。見た目通り頭も良い。

かく言う俺はモテない。顔立ちはコイツの言うように整ってるはずなのに、目立たないせいか全くモテない。頭も俺だけ悪い。社会や理科だけは誰にも負けないのに、皆に気付かれない。解せぬ。

 

「そんな興味無さそうに言うけどよ、お前、朋樹さんと此衣さんがくっついたらどう思うんだよ」

 

どうって……考えた事も無かったな。

3人で1つ、かけがえのない大親友な俺たちで、朋樹と此衣だけがくっついたら、俺はどう思うだろう……決まってる。

俺は立ちながら言う。

 

「良いじゃねぇか。お似合いだと思うぞ」

 

別に3人が離れるわけじゃない。新しい繋がりができて、幸せになるだけだ。

言った俺は、部屋に戻った。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

俺は今、部屋で宿題の書き取りをしている。何故部屋でかというと、奏矢が邪魔だから。アイツ、一緒に宿題やろって誘ってくるくせにずっと話しかけてきたりテレビ漫画見ようとしたりして集中しねぇんだもん。それは此衣も同じだ。二人共、後回しにして夜や朝にとんでもないスピードで頑張ってる。そんなに出来るなら昼間に終わらせろよ。まぁ、そんな訳で俺が宿題を一緒にするのは朋樹だけだ。アイツは真面目だしな。

そんな事を考えながら宿題をやっていると、玄関の開いた音が聞こえた。誰か帰って来たのかと思っていると、ドタドタとした音が近づいてくるのがわかった。そして……

 

「たっだいまあぁぁぁぁぁあ!!」

 

「ぐへぇ!!」

 

此衣が部屋に突入すると、俺に抱きついてきた。聞こえは良いが、腕が首に食い込んできて苦しい。

全く、恋愛的な目は無くても、女は女だ。こう言う事をされると色々と困る。奏矢に此衣の事を相談しても、

 

『役得だな。あと禿げろ』

 

と言われてしまった。俺の毛根は関係ないだろが。

まぁとにかく困る訳で、俺は此衣を引き剥がした。

 

「ハァ、帰って来るなり何なんだよ」

 

「またまた〜、照れちゃってぇ〜」

 

そう言って俺の頬を突いてくる。ウザい。

俺は此衣の腕を掴んで降ろし、言った。

 

「そういえば、朋樹はどこ行ったんだ?」

 

「朋樹なら、学級委員が何とかって言ってたよ〜」

 

「あれ?じゃあ何でお前は遅かったんだ?」

 

大体二人セットで帰って来るのに、朋樹がこういうときは、此衣はもっと早く帰ってくる。

 

「いやぁ、ちょっといざこざがありまして〜」

 

「……また、やらかしたのか?」

 

「えへへ………」

 

朋樹と此衣の学年は少々やんちゃなようで、行事では盛り上がる反面、よく問題を起こす。窓ガラスを割ったという話もよくあるのだ。

そして、問題が起こった時に此衣がその中にいると、コイツは必ず自分が悪いように言うのだ。

此衣は元気で馬鹿なこともよくするが、責任感も人一倍強い。昔は両親を亡くして悲しむ紫苑を、必死に守ろうとしたらしい。自分だって辛かったろうに。

そんな此衣は、いらない所でも責任感を発揮する。前に一度、施設で遊んでたときに遅くまで遊び過ぎたときがある。そのときにも、此衣はこう言ったのだ。

 

『ハハハ、私が二人を無理矢理連れていったんだ、二人は悪くないよ」

 

はにかみながら言うが、冗談じゃない。確かに言いだしたのは此衣だが、俺達も喜んで賛同したのだ。三人とも反省すべきだ。

そのときは俺達が一緒だったし、玄斗さんも優しい性格だ。注意して、それからは言い出さなくなった。

しかし学校では違う。朋樹ともクラスは違うので、注意する人はいない。先生に怒られてクラス全員で黙っているときに、此衣は自分が悪者になろうとする。俺達と違い、クラスの奴らはそれに甘える。

 

すると、また玄関が開いた音が聞こえた。朋樹が帰って来たのだろう。

 

「まぁ、今に始まったことじゃないか………ほら、遊びに行こうぜ」

 

「うん!!」

 

 

今思うと、ここで言っておけばよかったんだ。

抱え込まないで、俺にも相談してくれって。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

その約1ヶ月後。

ひょんなことから京都へ旅行に行くことになった。いろんな名所を回ったりして皆はしゃいでいた。

そして最後に、映画村に来ていた。

 

「はぁ、楽しかった!」

 

「うん、そうだね」

 

「疲れた………」

 

言わずもがな、一番最後が俺だ。

俺達は今、お土産コーナーで色々と見ていた。この後はもう帰るだけだ。

 

「もう1日くらい遊びたいなぁ〜」

 

「ばっかお前、玄斗さんの財布も考えろよ」

 

俺達は今回、旅費や宿泊費とは別に特別なお小遣いを与えられた。それが結構な金額だった。玄斗さんの財布の中、マジでどうなってんだ?

 

「あ、これ可愛い〜」

 

そう言って此衣が指したのは、アルファベットを持った映画村のマスコットのキーホルダーだった。

 

「じゃあ、自分のイニシャルの奴を買わない?」

 

「良いな、京都旅行の良い土産だ」

 

朋樹の提案に、俺も賛同する。すると、此衣がこんな事を言い出した。

 

「どうせならさ、こうしない?」

 

そう言って此衣はキーホルダーを3つ取り、それぞれを手渡した。俺のイニシャルは"H"だが、渡されたのは"K"のキーホルダーだった。Hは朋樹に渡されていた。

 

「おい、渡すの間違えてるぞ?」

 

「えへへ、これで良いんだよ」

 

「どゆこと?」

 

はにかむ此衣の言う意味が、俺も朋樹も分からなかった。

 

「……私のは颯が、颯のは朋樹が、朋樹のは私が持つ。これは私達の繋がりの証だよ。これからも、ずっと続く繋がりの………」

 

そう言って、"T"のキーホルダーを胸に当てる。

そう言うことかと、俺達は此衣の言う意味を理解した。

 

「……じゃ、これ三人で買おうぜ!」

 

「うん!」

 

「そうだね!」

 

俺の言葉に二人が賛同する。

俺達の最後の旅行は、こうして終わったのだった。

 

 

 

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