僕のイメージでは不破さんって恋愛とかの経験値無さそうなんですが………単にエロ系が駄目なんでしょうか?
もしかしたら皆さんのイメージとズレがあるかもですが、温かい目で見守って下さい。m(_ _)m
あの騒動から少し経って……
E組での雰囲気は変わった。やはり、寺坂がクラスに馴染み始め、全員が揃ったことが大きいのだろう。
それに、寺坂と村松、吉田の3人が、この前の放課後にこう言ってきたのだった。
『夕凪の過去について、俺達にも教えてくれねぇか?』
その時は少し驚いた。しかし、3人の真剣な目をみて、話す事を決心した。
話す内容は皆とは変わらなかった。3人がいつになく真剣だったので少しやりにくかったが、しっかり最後まで同じように伝えることができた。
でも何故だと思い、話し終わった後寺坂に聞いたところ………
『お前は俺があんなことしちまった後でも、最後まで手を差し伸べてくれた。まぁ……何だ、ちょっとした恩返しっつーか……よく分かんねえけど、俺達もそれを一緒に背負ってやるってことだよ!』
面倒くさそうに、ぶっきらぼうに、そう言われた。寺坂も不器用なりに、俺のこと考えてくれたってことだろう。俺は素直に、寺坂に感謝した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「例えば、"Congratulation"や"Best wishes"などの言葉………」
週明けの学校、今はビッチ先生の英会話授業だ。
俺はそれを、半分寝ぼけながら聞いていた。
「これらの気持ちが強く込められた言葉には、最後に"s"がつくわ……」
玄斗さんに弟子入りしてから、土日のどちらかには必ず行くようにしている。昨日も行って、かなりしごかれてきたのだ。
「日本人は良くこの"s"を忘れがちね。あっちで使うと違和感があるから、気をつけた方が良いわ……」
前みたいな筋肉痛はもう無いが、やはり疲れは出てしまう。だから月曜日は睡魔との戦いなのだ。
「じゃあ実際に発音してもらおうかしら………夕凪!」
「はひゃいぃっ!?」
「何変な声出してんのよ。じゃあリピートして。"Congratulations!"」
「こ、コングラッチレーション……」
変な発音になってしまった……
「アンタ、話聞いてなかったわね……」
ふぁっ!?何でバレてんだ!?
慌てて黒板を見ると、語尾に"s"をつける、と書かれていた。やべぇ、思いっきり無視して言ってた……
「居眠りでもしてたのかしらぁ?良い度胸ね」
そう言って、青筋立てたビッチ先生が近づいてきた。ヤバい、アレが来る……
「お仕置きよ」
そう言って俺の顔を持ち、恒例のディープキスをしてきた。無理矢理舌が入ってきて、俺の口の中を駆け巡る。ヤバい、このままだとオトされる………
………負けてたまるか!
何故か俺の中で対抗意識が生まれた。俺はビッチ先生の頭を掴み、今度はこっちから舌を入れてやった。至近距離で睨み、ビッチ先生がやったように舌を絡ませる。合計10hit、このままこっちがオトしてやる!
そう思った瞬間、ビッチ先生が不敵に笑った。するとビッチ先生の手の力が強まり、舌がさっきよりも凄い勢いで駆け巡った。
「ふぐっふあっ………ふぎゅぅ……」
20秒で60hit、完全に骨抜きにされ、俺は崩れ落ちた。ハニートラップの達人パネェ……
「まだまだ甘いわよ、私に勝負を挑むなんてね」
「「「いや、何の勝負だよ!」」」
クラスの皆でツッコむ。端から見たらとんでもない光景だったのだろうな。
「やるねぇ、夕凪君。ビッチ先生にキス対決挑むなんて」
「うっせぇカルマ……」
隣のニヤニヤした赤髪がウザい。てかこんなん訴えられるレベルだろ……
そんなこんなで授業が終わる。次は理科で実験なので、皆移動の支度をしていた。
「おーい不破、次って科学の実験だよな?」
「………………」
……何故かジト目で見られた。何か悪い事しただろうか。
「……そうだよ。じゃ、先行くね」
「え?あ、おい…………何なんだ?」
少し不機嫌だったのだが、心当たりがないので訳が分からん。
まぁ、後で軽く謝っとくか。
(ほほぅ、これはこれは)
(また面白くなりそうだねぇ)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はぁ〜っ……」
昼休み、男子達がグラウンドで元気な声で遊んでる。そんな中、私はE組専用プールにいた。ここは水が溜まっている所為か、とても涼しく快適な場所だ。今日は人がいなく、とても好都合だった。
ビッチ先生の授業を思い出す。夕凪君がビッチ先生とキスをしているとき、何だかとてもモヤモヤしていた。それが晴れずに、夕凪君と話すときも邪険にしてしまった。
「ほんと、この頃の私おかしいな」
そう呟き、私は自傷気味に笑った。
「ふーわちゃん!!」
「ひゃいいっ!!?」
いきなり話しかけてきたのは中村さんだ。後ろにはカルマ君もいた。この二人が揃って来るとは、嫌な予感がする……
「ど、どうしたの?」
「不破さんこそ、こんなとこで一人で何やってんの?」
「わ、私はちょっと………教室暑くてさ、涼もうかなぁって、ハハ……」
「へぇ、てっきり私はコイツの事を考えてるんだと思ってたけどなぁ」
「コイツって………えぇええぇえ!」
そう言って見せて来た携帯の画面には、鷹岡騒動の時、私が夕凪君に受け止められて、丁度お姫様だっこみたいな形になっている写真があった。
「こっここっ、こんなのい、いつ撮ってたの!!?」
「殺せんせーがマッハで撮った一枚だよ。こういうの目がないからねぇ」
「わ、私は夕凪君の事なんて……」
「ことなんて?」
「何とも思ってないの?」
二人が揃って迫ってくる。やっぱり、気づかれてるんだ……
「………色々と思ってました///」
思わず白状してしまった。死ぬほど恥ずかしい。今の私は、多分殺せんせーが怒った時より赤くなってる。
「おー不破ちゃんは青春してるねぇ」
「からかわないでよ……」
「てか、もう告っちゃえば?」
「かかカルマ君!!?そんな告白なんて………」
「ええー、だって……ねぇ?」
「うん、多分夕凪も、不破ちゃんのこと気になってると思うよ」
「え、えぇええぇえええぇえ!?」
ゆ、夕凪君も私のこと……
「まぁ、多分自覚は無いだろうね〜」
「うん。夕凪ってそっち系に関しては、多分ウブっていうか……ヘタレだろうね〜」
「へ、ヘタレ………」
まぁ、夕凪君と話してても私だけなんか意識しちゃってるぽいし、多分好きとか思って無いんだろうな。
恋愛下手っぽいし……私もだけど。
「じゃあ、今日の放課後辺りでデートしよう!」
「えぇええぇえええ!!?」
今日は叫んでばっかだ。て言うか、いきなりデートなんて無理だってぇ……
「大丈夫だって。よく二人で帰ってたじゃん!その流れでどっか店寄るだけだから!」
「うう……///」
絶対楽しんでるよぉ……この二人……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「くっそぉ………」
「お前が言い出したことだろ」
「じゃあ、ハーゲンダッツ奢りね」
放課後の訓練、俺は射撃の訓練をしていた。スナイパーコンビと一緒に。
この頃は、射撃の訓練をする事が多い。この二人と一緒にやっているからか、成績も良くなってきている。この前も二人に次いで、男子2位、総合3位だった。
それで天狗になっていたのか、俺は二人に勝負を挑んだ。訓練の形式と同じで、スコアの高さで優劣を決めたのだが………惨敗した。
「夕凪、金持ちだから問題ないだろ?」
「ばっか、貯金はあっても収入がねぇんだから」
「ちなみに幾らくらいあるの?」
「ん〜……俺が大学まで学校行けて、その後も5年は仕事せずに暮らせるくらい……かな?」
「………………」
「ん?どうした?」
「「ハーゲンダッツ2個追加で「ふざけんな!」」」
人の金をなんだと思ってんだ。
そんな会話をしていると、校舎に着いた。下駄箱で靴を脱ぎ、更衣室に向かう。
「じゃあ着替えてくるから……千葉」
「分かってる。夕凪は見張っとく」
「逃げねぇやい」
俺達は着替えを済ませ、教室に行く。こういうのは男子がいつも早いのだ。
「おーい千葉君!」
「おーいチーバくん」
「うるさい夕凪。どうした矢田?」
「この方程式の解き方が分からなくて、教えてくれない?」
「これか。まず代入してから……」
千葉が矢田に数学教えてる間に、俺は支度を済ませてしまおう。
「……ゆ、夕凪君」
丁度帰りの支度を済ませると、不破に話しかけられた。
「今日一緒に帰らない?寄って行きたい店があるんだけど……」
「ん……悪い、今日はちょっと約束があるんだけど………」
そう言いながら千葉の方を見る。千葉は、問題が案外難しかったようだ。まだ解けずに集中している。速水もまだこない。
「……いや、大丈夫だ。すぐに行けるか?」
「え?うん、もう支度は済ませてあるけど………」
「じゃあすぐ行こう」
「え?ちょっ……」
俺は不破の手を引いた。バレないように、後ろのドアから出る。千葉はまだ問題に向き合っていて、バレてない。速水もまだこないし……脱出成功!!
「おーおー、やるねぇ夕凪」
「不破さん顔赤くしてたねぇ。じゃあ俺達も尾行しようか………渚君」
「え?何?」
すると、カルマと中村が渚の肩をガシッと掴む。
「君も共犯だよ〜」
「……………ゑ?」
「ん〜〜……」
「あの……千葉君?分からなかったらいいよ?殺せんせーまだ居るし……」
「ん?ああ、悪い、分からない」
「ゴメンね、時間とらせて」
「気にするな」
じゃあねー、と矢田は職員室の方に向かっていった。それと入れ違いに速水も戻ってきた。
「ゴメン、遅くなった」
「気にするな。俺も今用があったし」
「じゃあ、支度して行こう…………」
「ん?どうした?」
「………夕凪はどこ行ったのよ?」
教室には、奴の姿は見えなかった。
「………あのヤロウ……」