夕凪颯の暗殺教室   作:カゲロー@

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修正しました
名簿の時間を読み直してみたところ、不破さんは期末で総合59位でした。
根拠も無いのに50位以内とか書いてすみませんでした。


第32話 「期末の時間」

一学期も終わりが迫る今日の日。

俺達は今、期末テストに向けて勉強を頑張っている。もちろん、中間の雪辱を晴らすため、先生も生徒も熱心にやっていた。

今は天気が良いとのことで、外で殺せんせーの分身授業中だ。

 

「ヌルフフフ……皆さん一学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら期末の成績はジャンプアップが期待できます」

 

「殺せんせー、また今回も全員50位以内を目標にするの?」

 

「いえ、先生あの時は総合点ばかり気にしていました。生徒それぞれに合うような目標を立てるべきです。そこで今回は……この暗殺教室にピッタリな目標を設定します!」

 

渚の問いにそう答える殺せんせー。

 

「………大丈夫ですよ寺坂君!君にもチャンスがありますから!!」

 

NARUTOのハチマキを付けた殺せんせーがそう言うがかえって腹立つ。この先生って、フォローすんの苦手だよな……

ちなみに俺はNARUTOハチマキ脱却だ。国語がある程度出来るようになってきたため、最も苦手な数学に重点を置いている。

 

「色々と試してみた結果、触手1本が無くなる時に失う運動能力はざっと20%!そこでテストについて本題です」

 

皆の目線が殺せんせーに集中する。

 

「前回は総合点で評価しましたが、今回は皆さんの得意科目も評価に入れます。教科毎に学年1位を取った者には答案の返却時、触手を1本破壊する権利をあげましょう!!」

 

「「「!!?」」」

 

それは………凄いな……

 

「チャンスの大きさがわかりましたね。総合と5教科全てで誰かがトップを取れば………」

 

「合計6本の触手を破壊出来る……」

 

「そうです夕凪君。これが暗殺教室の期末テストです。賞金100億に近付けるかどうかは……皆さんの成績次第なのです」

 

これは大チャンスだ。触手をそれだけ減らせることができれば、そこからの暗殺がかなり進めやすい。周りでも、さっきよりもやる気に満ちた声が聞こえた。

 

「夕凪君なら、暗記系の科目は一位狙えるんじゃない?」

 

不破はそう言うが、俺は今回は決めていることがあるのだ。

 

 

「いや………俺は今回、総合トップを狙う」

 

「「「「えええぇ!?」」」」

 

俺がそう言うと、皆驚いていた。

 

「だってお前、数学や国語は苦手だって………」

 

確かに、俺の国語と数学は、前までは壊滅的だった。しかし、あれから俺だって勉強しているのだ。

 

「……元々、俺は恵まれてる。こんなチートじみた能力のおかげで、暗記系は一瞬見ただけで出来るからな」

 

でも……と一呼吸おいて、俺は真剣に話した。

 

「だからこそ、俺は努力で総合トップを取りたいんだ。苦手な数学や国語でも点取れたら、その努力は本物ってことだろ?」

 

そう言って、俺は数学の問題に取り掛かる。

 

「ヌルフフフ……彼は大丈夫そうですねぇ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

授業が終わり、各々帰り始めた。俺も渚達と帰ろうとしていたら、磯貝に話しかけられた。

 

「渚、図書館の予約が取れたんだけど、一緒に来るか?茅野も一緒に」

 

へぇ、図書館ねぇ。確かに勉強するには丁度良さそうだ。

 

「夕凪も行くか?」

 

「ああ。じゃあ俺も………」

 

すると、気だるげそうに俺達から離れるカルマに気づいた。

 

「……やっぱ遠慮しとく。ありがとな」

 

「そっか。じゃあまた」

 

おう、と返し、俺はカルマの方に走り寄った。そして背中を叩いてやる。(結構強め。前回の恨み込みで)

 

「痛っ!」

 

「随分余裕そうじゃねぇか」

 

「……なんだ夕凪君か。なんか用?」

 

「別に。たまには野郎二人で帰るのも良いかと思ったんだよ」

 

ふーん、と返して歩くカルマについて行く。

 

「カルマも今回1位狙うだろ?一緒に図書館行った方が良かったんじゃないか?」

 

「別に、家での勉強で十分だし。それより夕凪君も総合1位狙ってんでしょ?俺も倒すつもり?」

 

「ああ。お前を倒すのは骨が折れそうだがな」

 

「まぁ頑張ってよ。夕凪君が本気出せば2位にはなれるからさ」

 

当たり前のように自分を1位に入れてるとこが凄えなコイツは……

いつも能天気なカルマだが、これは少し油断しすぎではないだろうか。授業でも似たような感じだ。

 

「カルマ、余裕なのはいいが、1位って結構難しいぞ?ほら、5英傑って言ったっけ?あいつらかなり頭良いらしいじゃん」

 

今日、杉野の携帯にかけてきた進藤が言うには、

 

1学期中間総合2位  荒木 鉄平

 

1学期中間総合3位  榊原 連

 

1学期中間総合5位  小山 夏彦

 

1学期中間総合6位  瀬尾 智也

 

そして、1学期中間総合1位、全国模試1位で理事長の息子、浅野学秀

 

この5人で5英傑というらしい。ちなみに俺は全く知らなかった。何それ中二病かよ。

 

「そんな奴らがいるなら、もうちょっと身を入れてやった方が「夕凪君さぁ」」

 

俺の言葉を遮り、カルマはそう言って振り向いた。

 

「なんか勘違いしてないかなぁ?5英傑とかA組とか関係無いんだよ。俺なら1位取れるんだから、どれだけスマートにやるかが重要なんだよ」

 

「はぁ?何言って……」

 

「俺は大丈夫だからさ、夕凪君は自分の心配しなよ。堂々と総合トップ宣言しちゃったんだから」

 

分かれ道、じゃあねぇ、と言って俺とは別の方に行ってしまった。

カルマはどれだけ少ない努力で勝てるか、それが重要なのだと言う。A組の奴らや、5英傑や……俺は、敵ではないと。

……それは、違うだろ………

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ふぁ〜ぁ……」

 

 

「こらカルマ君、真面目にやりなさい!君なら総合トップを狙えるでしょう!」

 

「言われなくても取れるよ。あんたの教え方がいいからね。けど、最近トップを取れって言ってばっか。フツーの先生みたいでつまんないね」

 

カルマは昨日と同じ、あくびをしつつ、せんせーの言葉に対し気だるげに答えた。

 

「それよりどーすんの?その条件ってなんか裏でたくらんでる気がするよ?」

 

確かに気になる。あいつらのことだ、ロクな命令してこない気がする。

 

「心配ねーよカルマ。このE組がこれ以上失うもんありゃしないさ」

 

「勝ったら何でも1つかぁ~。学食の使用権とか欲しいなぁ~」

 

岡島と倉橋がそう言う。てか、失うものくらいあるだろ。俺の全漫画ラノベアニメDVDはA組の奴らにはやらんぞ?

 

「ヌルフフフ……それについては先生に考えがあります。さっきこの学校のパンフレットを見てましたが、これを寄越せと命令するのはどうでしょう?」

 

殺せんせーはパンフレットを開く。ほほぅ……これは中々のご褒美だな。

皆もそのページを見て驚いていた。すると、殺せんせーは口を開く。

 

「君達は1度、どん底を経験しました。だからこそ、次はバチバチのトップ争いも経験してほしいのです。先生の触手、そしてコレ、ご褒美は充分に揃いました。暗殺者なら狙ってトップを殺るのです!!」

 

その言葉に、皆もやる気になる。

俺は、自分で掲げた目標の為に、苦手な数学のテキストを開いた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ホゲェェェェエェエ!! タナカァァァァァア!!

 

 

「はぁ……」

 

やって来たテスト当日、俺は本校舎で教室に向かっていた。周りにはE組のメンツもいる。

 

「おはよー」

 

すると、不破が後ろから話しかけてきた。

 

「おう、おはよう」

 

「……緊張してる?」

 

「まぁ、それなりにな。不破は調子どうだ?」

 

「うん、結構いけそうだよ。原作では50位近いし」

 

「……何言ってんだお前?」

 

そんな会話をしていると教室に辿り着く。するとドアの所で、渚と中村が立ち止まっているのに気づいた。

 

「どしたん?」

 

そう言って教室を覗く。

 

「「……誰?」」

 

教室の中には、見知らぬ人がいた。髪型が律なのが気になるのだが……

 

「律役だ。流石に理事長から人工知能の参加は許されなくてな、替え玉を使うことで何とか決着した」

 

答えたのは後ろから来た烏間先生だった。確かにテストで人工知能は、俺の記憶能力よりチートだな。

 

「………交渉の時の理事長に“大変だなコイツも”……と鼻で笑われ哀れみの目を向けられた俺の気持ちが、君達にわかるか?」

 

「「「「いや本当に頭が下がります!」」」」

 

相当イラッときたのか、小刻みに震えていた。作り笑いもめちゃ怖い……

すると、烏間先生は一転して真面目な顔になり、言った。

 

「律と合わせて俺からも伝えておこう…………頑張れよ」

 

「「「「はい!」」」」

 

4人でそう返事すると、烏間先生は頷いてその場を離れた。

 

「頑張ってね。夕凪君」

 

「おう、不破も頑張れよ」

 

そう言葉を交わしてお互いに席に着く。皆も続々と教室にやって来た。

俺は、緊張しながらも、ある種の高揚感を感じていた。これまで、俺はテストで本気を出したことはない。今回が初めてなのだ。

自分がどこまでやれるか、それが少し楽しみだった。

チャイムが鳴り、同時にテストが開始される。中間よりも、ずっと強い門スター達が待ち構えていた。

 

「眼中にないなんて言わせないぜ、カルマ」

 

そう呟き、俺の初陣は始まった。

 

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