夕凪颯の暗殺教室   作:カゲロー@

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最近、pixivで暗殺教室のイラストを見ていると、千葉君と速水さんのカップリングが良いなぁと思うことがあります。
……この作品でも、2人をくっつけちゃいましょうか。


第40話 「女子の時間」

六階 テラス・ラウンジ

 

カルマに悪戯されていたおじさんぬも力尽き、俺達は再び進むことにした。おじさんぬ、ご愁傷様。

こうしてテラスに着いたわけだが、一難去ってまた一難。今度は七階に続く階段に、警備員が立っていた。七階から上はVIPフロア、その為に更に警備が厳重になっているのだろう。

強行突破……は、まず無理だな。絶対目立つし。

となると、一階でやったような陽動作戦だろうか。でも、どうやって……

 

「良い方法があります。女子の皆さんがクラブの中に入って警備員を誘導させて下さい。その間に残った私達は外から行き、裏口に待機しています」

 

すると殺せんせーがそう提案してきた。確かに、こういう所は女子の方が警戒されない。しかし……

 

「待て、女子達だけで行かせるのは危険だ」

 

烏間先生がそう言う。そう、そこが懸念するところだ。

すると、カルマが何かをプールの方から持ってきて言った。

 

「じゃあ、男子が女装して入れば良いじゃん」

 

そう言って見せてきたのは、脱ぎ捨てられていたのだろう女物の服だった。

 

「ほぅ、それなら安全に男手を増やせるな」

 

「でしょでしょ〜」

 

俺の言葉にカルマはそう返す。しかし、寺坂は言った。

 

 

「それって、誰がやるんだ?」

 

……………………………

 

チラッ

 

「……え?え?何で僕を見るの?」

 

皆の目線が一斉に渚に集まる。まぁ、当たり前だよな。

 

「いや、だってこの中では渚君が一番適任でしょ」

 

「何で!?嫌だよ女装なんて!大体僕非力だから、男手にならないと思うよ?」

 

カルマは渚の言葉に、それもそうか……と考えていた。しかし、何か思いついたように、俺の方を見てきた。

ヤバい、嫌な予感しかしない……

 

「そーいや、よく見たら夕凪君て女顔だよね〜、少し弄ればそれっぽくなるんじゃない?」

 

やっぱり………

 

「いや、やらねぇよ?だ、大体、俺女装しても似合わねぇし……」

 

「それはやってみないと分かんないよ?ほら、一回着てみなよ〜」

 

「い、嫌だ!もう二度女装なんてしねぇ!」

 

「「「「「……え?」」」」」

 

……あ、やべ、墓穴掘った……

皆が今度、俺に視線を向ける。そして、渚が俺に聞いてきた。

 

「二度とって、夕凪君女装した事あるの?」

 

「まさか……そんな趣味?」

 

「違ぇよ!!変な誤解するな!」

 

速水がとんでもないことを言い出したので訂正する。

あれは小3の頃だ。なんかの……確か早食い対決だ。それの罰ゲームで女装しようという話になった。てか、俺がそう言った。絶対負けないだろうと思ってたからそう言う罰ゲームを用意したのだが、その時に限って思いっきりむせてしまい、結果、俺が罰ゲームとなった。服は此衣に借り、髪を整えただけで出来たのだが……自分で言うのもアレだが似合っていた……

まぁ、こんな事言ったらやらされるに決まってる。ここだけの内緒だ」

 

「へぇ、似合ってたんだ」

 

「ふぁっ!?途中から声に出してた!?」

 

「自分で認めちゃう位似合ってるんだねぇ」

 

カルマが詰め寄ってくる。くそぅ、ぶん殴りてぇ……

 

「すまない夕凪君、女子達の安全を守る為だ。俺からも頼む」

 

「烏間先生まで!?……マジか……」

 

烏間先生というジョーカーも出てしまい、俺は逃げる事が出来なくなった。くっそ……またあの屈辱を味わうのか……

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「「ど、どう?」」

 

俺と渚は着替えて出て来た。渚は服装だけだが、俺は跳ねた髪を整え、一緒にあったヘアピンで髪を留めている。

てか、スカートなんだが……恥ずかしさで死ねる……

 

「「「「………誰?」」」」

 

皆の第一声がそれである。そんな違うのか?

 

「渚君は元々女の子だから違和感ないの当たり前だけど「ちょっと!?」夕凪君も結構似合うね……」

 

「そ、そうか?」

 

「あ、声は普通に男だ」

 

茅野に言われて気づく。潜入してる時はバレないよう気をつけないと……

 

 

 

中のクラブに入っていくと、そこには大音量の音楽が流れていた。どの客は酒やタバコを躊躇なくやり、なかには明らかな違法ドラックを使っている奴もいた。

 

「ったく………早く出よう。1秒でも居たくない」

 

ついでに女装してたくない。

 

「と言うかさ、僕まで来る必要無かったんじゃない?戦力にならないし、夕凪君居るし……」

 

「ばっかお前、道連れに決まってるだろが」

 

「酷いよ!」

 

「と言うか、2人共ほんとに女の子みたいだね」

 

「自然過ぎて新鮮味がない……」

 

「「そんな新鮮さいらない(よ)!」」

 

茅野と速水がそんなことを言い出すので反論しとく。

すると、渚の肩を誰かが叩いた。

振り向くと、俺達と同年代位のチャラい男1人が居た。ナンパだろうか?

 

「ね、どっから来たの君?そっちで俺と酒飲まねー?金あるから何でも奢ってやンよ」

 

……ほんと、こんな奴がいるんだな。

ドラックや酒を当たり前のようにやる、大物の子供だったら尚更ダメなはずだろうに。

と言うか、コイツは渚に興味があるようだった。なら話は早い。

 

「渚、相手しといて!」

 

「え、ええ!?」

 

(あれなら1人でも大丈夫でしょ。作戦の下見が終わったら呼ぶからさ)

 

片岡がそう説得し、渚はあの男の相手をすることになった。俺達は、項垂れる渚を残して先に進む。

 

「渚……お前の死は無駄にしないぜ……!」

 

「死んでないけどね……」

 

俺と茅野でそんなやり取りをしていると、またナンパ目当てのおとが2人やって来た。ったく、どんだけ女に飢えてるんだよ……

 

「ようお嬢達、女だけ?俺等とどーよ今夜」

 

片岡が苛立ちを覚え、怒鳴ろうとしたところを矢田が止めた。任せてと言わんばかりにウインクをして、言った。

 

「お兄さん達カッコいいから遊びたいけど、生憎今日はパパ同伴なの私達。うちのパパちょっと怖いからやめとこ?」

 

「ひゃひゃひゃ!パパが怖くてナンパが出来っかよ………」

 

すると、矢田は何かを取り出し、ナンパ男に見せた。

 

「じゃあ、パパに紹介する?」

 

何かのエンブレムだろうか?それを見た瞬間、ナンパ男は顔色を変えた。

 

「し、失礼しました」

 

2人はそう言って去っていった。

 

「意気地無し。借り物に決まってるのにね」

 

「矢田、それ……」

 

気になって聞くと、矢田はそれを俺に見せながら言った。

 

「ヤクザのエンブレムだよ。少数だけど凶悪で有名らしいんだ………実はこれ、ビッチ先生から借りたものなんだ。ヤクザ、弁護士、馬主……仕事の時使えるからってあらゆるバッジ揃ってるの」

 

「そういや矢田さんは一番熱心に聞いてるもんね。ビッチ先生の仕事の話」

 

茅野はそう言うと、矢田は照れながら答えた。

 

「うん。色仕掛けがしたい訳じゃないけど………殺せんせーも言ってたじゃない?"第2の刃"を持てってさ。接待術も交渉術も、社会に出た時最高の刃になりそうじゃない?」

 

「おおー、矢田さんはカッコいい大人になるね」

 

「う……む……巨乳なのに惚れざるを得ない……」

 

矢田の話に、不破と茅野は感じたように返していた。てか、茅野は巨乳だからって矢田のこと恨んでたのかよ……

すると、俺は前から歩いてくる男に当たってしまった。見た目から、俺らとタメの甘やかされたボンボンってとこだろうな。

 

「っと、ごめん。当たっちゃって」

 

こちらの不注意だったのだが、相手は律儀に謝ってきた。俺は少年に謝ろうと言った。

 

 

「こっちこそすまん。俺の不注意だ」

 

「「「「「…………………」」」」」

 

……あれ?俺、今なんて言った?

 

「……あれ?君女の子だよね?今、俺って、しかも、声が………」

 

(((((夕凪(君)の馬鹿野郎ォ!!)))))

 

ヤバい!ここでバレたら色々台無しだ!何とか誤魔化そう!

 

「あ、いやぁ〜私普段は男勝りな性格でさ、ついつい癖が出ちゃったなぁ!私恥ずかしいなぁ!ハハハ……」裏声

 

「「「「「………………」」」」」

 

ヤベェ、自分でも分かる。超キモい。

やっぱ裏声でもバレるな……いっそおネェっていう設定で……いやいや!それこそ俺の最大の黒歴史となる行動だ。できればやりたくない!だけど……んん〜……

……決めた。この少年には犠牲になってもらおう。

俺は少年に抱き付くようになり、右腕を首の後ろに回した。

俺の見た目は同い年の女の子だ。少年は慌てた様子で、しかし満更でも無いようだった。

 

「……え?い、いきなりそう言うのって、は、早いんじゃないか……」

 

キュッ。

 

俺は、両腕に力を入れて首を締め、喋ろうとする少年の意識を刈り取った。玄斗さんに教わった初歩的な技だ。

気絶してだらんと力を失った少年を、俺は近くの椅子に座らせてやる。近くの人間には、誰もバレていないようだった。

 

「………ミッションコンプリート「んなわけないでしょ!」グヘッ!?」

 

速水に思いっきりぶっ叩かれた。痛い……可愛らしい颯ちゃんに何てことを……

 

「全く、ヒヤヒヤしたわよ」

 

「気をつけてよね……」

 

「うっ……ほんと、すんません……」

 

片岡と岡野にそう言われて反省する。確かに俺が迂闊だった。犠牲となったあの少年に敬礼!

そんなやり取りをしているうちに、奥まで辿り着いた。

 

「取り敢えず茅野さん、渚を呼んできて」

 

そう言って片岡が指示をだす。さて、ここからだ。どうやってここの階段にいる警備員をどかすか……

それを考えていると、渚が戻ってきた。

 

「どうだった?人生初のナンパは?」

 

「女装して!?男相手に!?人生初が人生最悪だったよ!!」

 

涙目になりながら言う渚に、ハハハと俺は笑った。

そんなやり取りをしている時だった……

 

「まてって彼女達!! 大サービスだ! 俺の十八番のダンスを見せてやるよ」

 

振り返ると、さっきの渚が相手をしていた奴がいた。そいつはそう言ってダンスを始める。

 

(((((…………邪魔!!)))))

 

求めてないダンスをし始めたコイツに対する心は、俺達の中で一致した。

すると少年の手が歩いていた男の飲み物に当たってしまい、飲み物を持っていたチンピラの服がベチョベチョにになってしまった。あ、やべーコイツ殺される。

 

「こらガキ、いい度胸だ。ちっと来い」

 

「あ、いや……今のはわざとじゃなくて……」

 

「百万する上着だぞ!!弁償しろや!!」

 

案の定、チンピラは少年を恐喝し始めた。それを見た矢田は、何かを思いついたように岡野に耳打ちする。

 

「慰謝料込みで300万、それ払えば半殺しで許してやる!」

 

そう言うチンピラに岡野が近づく。そして、体を回すようにして上段蹴りを顎にかまし、チンピラの意識を刈り取った。片岡と速水でそいつを受け止め、矢田が階段前の警備員を呼ぶ。

 

「すみませーん店の人。あの人急に倒れたみたいで……運び出して看てあげてよ」

 

「あ、あと、向こうで椅子に座ってる男の子も見てあげて。気を失ってるみたいだから」

 

「は、はい。ったく、ドラッグのキメすぎか?」

 

呆れながらチンピラを運んでいく。あの少年の世話も含めると、しばらくは戻ってこないだろう。

今のうちにと、裏口のドアを開けて、男子達が階段へ駆け込んでいく。

渚がさっきのダンス少年と何か話していたが、よく聞こえなかった。まぁ、お人好しのあいつだ。なんかあったんだろうな。

俺と渚で最後、六階は全員が無事に通ることができたのだった。

 

……早く着替えたい。元のジーパンが恋しい……

 

 




はい、渚ちゃんと颯ちゃん回でした!
颯は女顔という設定でしたが、女装した時の颯は………まぁ、とあるの御坂美琴の、髪の色を少し暗くした感じ………なのかな?多分そんな感じです。(自分でもよく分からない……)
機会があったらまた出しますので、これからもよろしくお願いします!
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