夕凪颯の暗殺教室   作:カゲロー@

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えーと、まずは……本当に申し訳ございません!
色々とバタバタした結果、全くと言って良いほど書けませんでした……
間を縫って書くにも、モチベが上がらず……本当に申し訳ございません……
亀更新になりますが、これからも颯とその仲間達をよろしくお願いします!


第49話 「殺しの時間」

 

烏間先生が去った後、憂いを帯びた表情ているビッチ先生。すると、その肩をチョンチョンと叩く人がいた。

ビッチ先生が振り向くと、そこには愛すべきゲス共がいたのだった。

 

 

 

「意外だよなぁ。あんだけ男を自由自在に操れるのに」

 

「自分の恋愛にはてんで奥手なのね」

 

「仕方ないじゃないのよ!あいつの堅物っぷりったら世界クラスよ!」

 

木村と茅野の言葉に、声を上げて反論するビッチ先生。

 

「私にだってプライドはあるわ!男をオトす技術だって1000を超える……ムキになって本気にさせようとしているうちに………そのうち……こっちが……」

 

「「「うっ……」」」

 

あのビッチ先生が見せた乙女の表情に、男子一同の顔が赤くなる。くっそ、俺も可愛いと思っちまった……

 

「……なんか屈辱」

 

「なんでよ!」

 

烏間先生ほどの鈍感には、きっと直球勝負が一番良いのだろう。けどそれをしないのは、ハニートラップの達人としてのプライドとか、経験とかが邪魔してるんだろうな。

 

「俺らに任せろって!2人のためにセッティングしてやんぜ!」

 

前原が意気込んで言い、ワイワイと計画について話し始める。その光景を、ビッチ先生は嬉しそうに見つめるのだった。

 

 

 

 

「では、恋愛コンサルタント3年E組の会議を始めます」

 

「まずはビッチ先生、服を改めてみなよ」

 

「そーそー、露出しとけば良いみたいなとこあるよね」

 

「もっと清楚な感じで攻めないと」

 

岡野、中村、矢田が口々に言い、ビッチ先生がうーむと悩んだ。確かに、堅物な烏間先生は露出は好みでないのだろう。

 

「清楚っつったらやっぱ神崎ちゃんでしょ。昨日着てた服、乾いてたら貸してくれない?」

 

中村の言葉に神崎さんは返事を返し、服を取りに行く。確かに神崎さんが着てた時はTHE・清楚って感じだったが、一つ疑問があった。

 

「サイズ、合うのか?」

 

 

 

戻って来た神崎さんの服を受け取り、ビッチ先生は着替えたのだが……

 

「ほら言わんこっちゃない……」

 

小さ過ぎて逆に露出が多くなってしまい、清楚とはかけ離れたものになっていた。

 

「やっぱ全てのサイズが合ってねぇんだわ………」

 

「神崎さんがあんなエロい服着てたと思うと「せいっ!」フベホッ!!?」

 

岡島がそっち方面に走りそうだったので一発ぶん殴った。どうしてエロしか頭にないのだろうか……

 

「神崎さんは清楚だから良いんだよ。分かったかこの馬鹿」

 

「痛ってぇな!大体、夕凪は昨日の事しっかり覚えてるんだろ!?だったらそういう妄想してんじゃねぇのか!?」

 

「それは…………してない」

 

「「「その間はなんだ!?」」」

 

べ、別にクラスの女子をそんな目で見てなんか無いんだからねっ!勘違いしないでねっ!

俺がそんな口に出したら凄い勢いで引かれそうな思考を振り払っていると、岡野が口を開く。

 

「もーいーや、エロいのは仕方ない!大切なのは乳よりも人間同士の相性よ!」

 

岡野の言葉に茅野がコクコクと勢いよく振っていた。そんなに乳が気に食わんか……

 

「で、烏間先生の好み知ってる人いるの?」

 

「あ、そういえば!」

 

俺がそう聞くと、矢田が叫んでテレビを指差した。

 

「CMで出てくるあの女の人の事、ベタ褒めしてた!"俺の理想のタイプだ"って!」

 

皆で一斉にテレビの方に向くと……

 

【1、2、3、4、アル○ック!ホームセキュリティ〜は〜アル○ック!】

 

霊長類最強の女子レスリング選手が出ているお馴染みのCMだった。

うん……あれだね……

 

「「「理想の戦力じゃねぇか!!」」」

 

まぁ強い女が良いって事かもしれないが……ビッチ先生には無理だろうな。てか、他の誰も目からビーム出したり壁に張り付いたりなんて出来ないだろう。

 

「じゃ、じゃあ手料理なんてどうですか?ホテルのディナーも豪華だけど、そこをあえて2人だけ烏間先生の好物で!」

 

奥田さんがそう提案する。確かに良い意見だと思う。思うのだが……

 

「あの人の好物って何だ?」

 

「「「「………………」」」」

 

……え?ええ?何この空気?地雷踏んだ?

 

「いやだって、あの人カップ麺とハンバーガーしか食ってんの見た事無いぞ……」

 

「ああ、俺らだってそうだよ。だからお前の記憶能力で何食ってたか聞こうとしたのに……」

 

「夕凪が無いって言うなら無いよね……」

 

「「「「はぁ……」」」」

 

えぇぇ……何この俺が悪いみたいな空気。俺悪く無いよね?

 

「服もダメ、女の好みもダメ、料理もダメ、あの人鉄壁過ぎんだろ……」

 

服はあの人のせいじゃ無いな。

 

「なんか……烏間先生の方に問題があるように思えてきた……」

 

「でしょでしょ!?」

 

「先生のおふざけも何度流された事か………」

 

何故か烏間先生の方が責められ始めてるんだが……

 

「と、とにかく!ディナーまでに出来る事を整えましょう。女子は堅物の日本人が好むスタイリングの手伝いを、男子はムードの良い2人の席をセッティングです!!」

 

「よっしゃ、動くか!!」

 

「「「おー!!」」」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

夜9時、ウエイトレスさん達がディナーの準備をする中、烏間先生がやって来た。

 

「烏間先生」

 

俺と渚で、入ってきた烏間先生にすかさず話しかけた。

 

「君達か、どうかしたのか?」

 

「えーとですね……今回、先生方には色々とお世話になったので、全員で何かお礼をしようって考えたんです」

 

「外の景色がよく見える所に特別席を設けたので、ビッチ先生とご一緒にどうぞ」

 

「そうか……わざわざそこまでしてくれてありがとう」

 

「いえいえ」

 

烏間先生がドアから出て行き、すかさず皆が窓の外から覗く。

 

「カルマ、聞こえるか?」

 

「バッチリ、2人の声はしっかり聞こえるよ」

 

「2人とも、何やってるの?」

 

「ああ、俺のスマホをテーブルの裏に付けて、カルマのと通話状態にしてあるんだ。これで会話もよく聞こえるぜ」

 

すると、カルマのスマホから2人の声が聞こえ始める。

 

『お世話になったお礼だそうだ』

 

『……らしいわね。折角だから楽しみましょ』

 

『ああ』

 

その後はしばらく、食器の音だけが響いた。しかし、遠目からみてもビッチ先生の表情は、少し緊張しながらも穏やかなものだった。

すると、烏間先生の声が聞こえる。

 

『……色々あったな、この旅行は。だが、収穫もあった。思わぬ形だが基礎が身についてるのが分かったんだ……

……この二学期中に必ず殺す。イリーナ、お前の力も頼りにしてるぞ』

 

その時、他の皆は気づかなかったようだが、ビッチ先生の表情が強張った。

烏間先生が仕事の話をしたからだろうか……いや、そうじゃない。

 

『……昔話をして良い?私が初めて人を殺した話。12の時よ』

 

悲しそうな声音で語るビッチ先生。皆は2人を見るのに夢中で、スマホから流れる声は俺とカルマしか聞いていなかった。

 

『うちの国は民族紛争が激化しててね。ある日私の家にも敵の民兵か略奪に来た。敵は両親を殺し、私の部屋に入って来た。殺さなければ殺される、父親の拳銃を至近距離から迷わず撃ったわ。

そして、その死体と一緒に蔵に隠れて、敵が去るまで一晩待った……段々とぬるくなってく死体の温もり、今でもはっきり覚えてる。

………ねぇ、カラスマーー』

 

 

 

 

 

殺すってどういう事か、本当に分かってる?

 

 

 

 

 

その言葉に、俺は心臓を掴まれた感じがした。きっとそれは、俺が無意識に感じていた事だったから。

きっとビッチ先生は、烏間先生の"殺す"という言葉に反応したのだろう。

 

『……湿っぽい話をしちゃったわね。それと、ナプキンを適当につけすぎよ』

 

そう言って立ち上がるビッチ先生は、烏間先生のナプキンを直し、端にキスをしてその部分を烏間先生の口に当てた。

 

『好きよカラスマ。おやすみなさい』

 

そう言って、ビッチ先生はこちらに戻って来たのだった。

頭を抱えるビッチ先生に野次を飛ばすクラスメイト達、やいのやいの言い合う中に、俺は入れなかった。

 

「……なぁカルマ、さっきの話……」

 

「さぁ、俺は深くは考えないよ。でも……」

 

そう言って立ち上がるカルマは、最後に言い残す。

 

「いつか、俺達も向き合わないといけないかもね」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

色んな事があった普久間島、その姿が段々遠くなっていくのを、俺は船のデッキから眺めていた。

本当に濃い2泊3日だった。一生残る程の、沢山の教訓や経験も得られた。けど、残ったモヤモヤは取れない。

 

「ビッチ先生」

 

「ん?何よ、夕凪」

 

俺は、テラスにおいてあふサマーベッドでくつろぐビッチ先生に話しかけた。

 

「ディナーの時の、話なんだけどさ」

 

「……何よ、聞いてたの?悪趣味ね」

 

「別に趣味じゃねぇよ………俺もさ、似たような事は分かるんだ。前にも話したけど、俺の幼馴染みは目の前で交通事故で死んだ」

 

俺は一呼吸置いて、その先を紡いだ。

 

「あいつらが死ぬ瞬間、血が吹き出す所も動かなくなる所も絶命する所も、鮮明に覚えてる。死ぬこと、それは人一倍分かってるつもりなんだ。けど……」

 

「自分で手をかける事については、まだ分からない?」

 

「……ああ」

 

俺はそう返すと、ビッチ先生は一つ溜め息を吐いて言った。

 

「それは、あんたが見つけていきなさい。自分なりの答えを見つけて、絶対に後悔しないようにするの」

 

「ビッチ先生は、後悔したのか?」

 

「ええ。初めて殺した時も、殺しの道を選んだ時も、何度も後悔したわ。だから、あんた達はそんな事無いように、しっかり悩みなさい」

 

「……ああ、そうだな。ありがとうな、ビッチ先生」

 

「別に、大した事は言ってないわよ」

 

「そうだとしても……なんか楽になったよ」

 

「……そう、なら良かったわ」

 

俺の言葉に、ビッチ先生は素っ気なく返す。相変わらずの態度だが、彼女の言葉には全て重みがあったし、真剣に考えてくれてるのだろう。

まだ、時間は長いんだ。ゆっくり考えて、自分なりの考えを出していこう。絶対に、後悔しないために。

 

……さて、俺がビッチ先生に話しかけたのには、もう一つ理由がある。色々学べた旅行だったが、娯楽としては散々なものだった。

そこで、俺はある事を考え、昨日の夜にスマホで色々調べていた。

 

「ビッチ先生、もう一つ良いか?」

 

「何よ?」

 

「烏間先生にも聞いたんだが……夏休みで空いてる日ってある?」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ハヤテがグループ名を 特別夏期講習 リベンジ! に変更しました。

 

 

 




この回でビッチ先生が言った事は、本当に暗殺教室の物語全体で考えさせられる事だったと思います。この物語でも、そこを掘り下げていけたらも思います。
さて、いよいよ新章に突入します!お楽しみに!
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