夕凪颯の暗殺教室   作:カゲロー@

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新章です!基本的にはシリアス無しの羽休め回です!
ドタバタやっていくので楽しんでいって下さい!


第50話 「旅行の時間」

 

8月18日 午前7時 椚ヶ丘駅前

 

「で、こうやって集まってきたわけだけど………」

 

前原がそう呟きながら、スマホの画面を見ると、もうその時間だった。

 

「「「何で誘ったアイツ(夕凪)が居ないんだよ!!」」」

 

クラスメイトや先生方も集まっているにも関わらず、夕凪颯だけが居ないのだった。

 

「にゅぅ…遅刻とは関心しませんねぇ…」

 

「そもそも、アイツから詳細の殆ど聞いてねぇぞ……」

 

「2泊3日空いてるかと金あるかとしか聞いてきてないしね……」

 

「指示も着替えとか持ってここに7時集合……適当すぎんだろ!!」

 

皆が口々に言っていると、遂に奴がやって来た。

 

 

 

 

「おいテメェら!!貴様らの夏はそれで良いのか!?」

 

俺はベンチの背もたれのとこに立ち皆を見下ろす。噴水をバックに、皆み向かって叫んだ。

 

「やっと来たよ、主催者が遅れてどうすんだ………」

 

「てか……何してんの?」

 

「折角勝ち取ったリゾートを鷹岡のクソ馬鹿チ○カス野郎に滅茶苦茶にされた!」

 

「言葉が汚ねぇなオイ……」

 

「質問全部無視だし…」

 

「あとは訓練、たまに近場で遊ぶ位だろう!!それで!夏をやり切ったと言えるのかぁ!?あぁ!?」

 

「何で朝からこんなテンション高ぇんだよコイツは……」

 

「そこで!俺はこれを企画した!椚ヶ丘特別夏期講習リベンジ!!本来あるはずだった遊び放題の夏期講習を!今度こそやろうではないかぁ!!」

 

「「「お……おおぉ〜〜…?」」」

 

あれ?反応薄いな。

 

「いやもっと来いよ!皆揃っての旅行だぞ!?奇跡的に予定合ったんだぞ!?もっと沸けよぉ!」

 

「いや、日曜の静かな朝だし……」

 

「てか、事前に知らせてよ……迷惑な」

 

「いやいや、サプライズって奴だよ!この方が盛り上がると思っtあちょっとペットボトル投げないで後ろ噴水だからあっああっ!!」

 

反論しようとしたら速水にペットボトル投げられた。やはり遅れて来たのを怒っているらしい。

てか落ちるから!これから旅行行くのにびしょ濡れとかシャレになんないでしょ!?

 

「もう行こーぜ」

 

「チケット売り場にいるから夕凪早く来いよー」

 

「あちょっお前ら置いてくな!コイツをなんとかって何でお前二本目持ってんの!?」

 

俺が第2撃に戦慄している中、薄情な奴らは気だるげに歩いて行くのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ふぅ、乗れた乗れた」

 

ひと段落ついた俺は、リラックスしながら椅子に座る。電車に揺られる中、殺せんせー以外はリラックスしている感じだ。

 

「ありがとな殺せんせー。電車とか色々決めてくれて」

 

「構いません……マッハを使えばこんなの朝飯前……皆さんの楽しい旅行……役に立てたなら嬉しヴォエ!!」

 

「「「吐くなぁ!」」」

 

相変わらず弱いんだな……

 

「で、そろそろどこへ行くか教えてくれるか?」

 

「あぁ、スマンスマン。大阪だ」

 

「「「大阪?」」」

 

「修学旅行で京都には行った。夏期講習で海も行ったし、残ってる遊び場で最高の娯楽と行ったら何だ?」

 

「……遊園地か?」

 

杉野の答えに俺は指を鳴らして答える。

 

「そう!正解!遊園地ならこの企画に相応しいだろ!でも、東京の某耳まで脳が詰まってるネズミがいる遊園地は、近場で何か物足りない」

 

「言い回しが独特過ぎる……」

 

「そこで!ユニ○ーサルってわけだ!直属のホテルも取ってあるし、昼から夜まで遊びまくりだぜ!!」

 

「もう夏期講習のカケラも無いね……」

 

「良いさ良いさ。どうせ元の奴だって名ばかりの、遊ぶ為のご褒美なんだから。こんな時くらい勉強の事なんか一切忘れて、思いっきり楽しもうぜ!!」

 

苦笑いで言う茅野にキッパリ言い切る。

 

「なんか……楽しそうだな」

 

「うん!いい思い出作れそう!」

 

今まであまり乗り気じゃなかった皆も、段々とテンションが上がっていく。しかしその中、烏間先生が俺に話しかける。

 

「しかし……俺も行って良いのか?」

 

「?何でですか烏間先生?」

 

「行った事も無いし、実際どうやって楽しんだら良いかも分からん……邪魔になるのではないか?」

 

「そんな事気にしなくていいんですよ!普段忙しいんだから、こういう時くらいゆっくり楽しんで下さい!ね?ビッチ先生?」

 

「え?あ…ええ!そうね、楽しみましょう?カラスマ!」

 

「お前と一緒は余計疲れる気がするんだが……」

 

「そんな事言わないで、ね?結構楽しいアトラクションとかあるわよ?例えば……」

 

まくしたてるビッチ先生。すると、渚が耳打ちしてくる。

 

(ねぇ、ビッチ先生何であんなに乗り気なの?普段だったら"ガキ共と一緒の旅行なんて退屈だわ"くらい言いそうなのに……)

 

(ああ、それは俺がビッチ先生誘った時に……)

 

『烏間先生も来るそうだから、この機会に仲を深めてみたら?』

 

『んなっ!?』

 

(そう言ったら、事前に調べてデートプランまで作ってきた)

 

(そう言う事ね……)

 

一生懸命烏間先生に話しかけるビッチ先生を、苦笑いしながら俺らは見つめていた。

 

「まぁ、そんなわけで2泊3日、大変だった南の島での事の分、思いっきり楽しもうぜ!!」

 

「「「いえぇぇい!!」」」

 

「あ、他の人もいるから静かに」

 

「「「お、おう……」」」

 

(さっきまでお前が一番うるさかった癖に……)

 

一通りはしゃいだ俺は、皆とのこれからの旅行に想いを馳せるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか、夕凪に振り回されてばっかだな」

 

騒ぐ夕凪君達を遠目に、千葉君はそう呟く。多分、それはきっと……

 

「夕凪君は楽しいんだと思うよ、今が。小さい頃に色々あってずっと1人だったから、その分今を人一倍楽しんでる。だから多分、良い事なんだよ」

 

「……フッ、まるで子供よね」

 

優しい表情で言う速水さん千葉君も、暖かい眼差しで見ている。2人とも、友達として本当に大切に思ってるんだろうな……

 

「で、不破ちゃん!どういうプランなの?」

 

「な、中村さん?プランて何……」

 

すると隣に座る中村さんは、肩に手を回して私にヒソヒソと耳打ちする。悪どい笑みを浮かべながら……

 

「何とぼけてるのさ、夕凪との距離縮める良い機会でしょ?何ならgetしちゃいなよ!」

 

「げ、ゲット……ってしないよ!それにそんなプラン最初から考えて無い!」

 

「機を伺ってオトすつもりなんでしょ?ビッチ先生秘伝のハニートラップで」

 

「ふえっ!?な、何言ってるの中村さん!そんな事しないって!」

 

必死で弁解しようとするも、さらに悪いことに……

 

「えー何々?面白そうな話?」

 

もう1人来た……

 

「おおカルマ、良いとこに」

 

「カルマ君!?面白い話なんかじゃーー」

 

「うん分かるよ。中村が不破さんに詰め寄ってたら一つしか無いでしょ?」

 

バレてるし……

 

「で」「どうやって」

 

「「アイツをオトすつもりなのかなぁ?」」

 

だ、誰か助けて……

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ほぉ〜〜!良い部屋だねぇ!」

 

「夕凪君〜窓からも景色も凄いよ〜」

 

「おおマジか!」

 

「ちょっと待て」

 

中々の部屋にはしゃぐ俺とカルマ。しかし、乗り気じゃない奴が1人のようだ。

 

「どうしたの、千葉?」

 

「ほらほら、お前も楽しめって!」

 

「いや……部屋が良いのも景色が良いのも分かった。だけど……」

 

千葉は一呼吸置き、言った。

 

「何で俺がこの2人となんだよ!!」

 

「えぇ?俺ら仲良いだろぉ?そんな事言うなよぉ〜〜」

 

「悪どい笑みを浮かべて言うな!お前ら2人が揃ったらロクな事にならない事くらい分かってんだよ!!」

 

悲痛な声を上げる千葉の肩に、2人で手を置く。

 

「でももう決まっちゃったしぃ?」

 

「腹くくれよ。千葉」

 

「……はぁぁっ……」

 

ガックリと項垂れる千葉。そんなに嫌なのかよ……

 

(道理で常識人がどんどんと部屋組んでくと思ったよ。クソッ杉野め、磯貝と渚との部屋とかどんだけ天国なんだよ……)

 

「さて、お前らはこれからの予定とか決まってんのか?」

 

「俺は取り敢えず、渚君達と合流してから適当に回るつもり」

 

「千葉は?」

 

「特に決まって無いな」

 

「俺も決まってないし……取り敢えず一緒に回るか」

 

「……そうだな」

 

さっきの会話のせいか、一瞬躊躇ったなコイツ……

 

「じゃあ、下までは一緒に行こうよ。多分そこで渚君達待ってるよ」

 

「そうだな。行くか」

 

カルマの提案に軽く返事を返し答える。

 

その時俺は忘れていた。俺が弄る側ではなく、弄られる側だと。この赤い悪魔とあの金髪の悪魔に支配されていた屈辱を。

気づくべきだった。コイツが後ろにスマホを隠し持っていたのと、中村、不破、速水の2班女子が同じ部屋である事を……

 

 

 

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