Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

102 / 168
第65話「鬼の新たな金棒、龍の制裁」

上城一家の歓迎会から翌日 0600 厨房にて

 

勇人「ふわぁ~………ん?おはよう間宮に伊良湖、鳳翔」

 

千川「う~……飲み過ぎた……おはよう」

 

伊良湖 鳳翔「おはようございます提督に大将」

 

美奈「おはようございます……大将、昨日はスミマセンでした……」

 

勇人は眠たそうに欠伸をし、千川は二日酔いになりながら厨房に入ると、伊良湖と鳳翔は挨拶をし、美奈は昨日の失態で勇人に迷惑をかけたせいで少し気不味そうに言うと、勇人は微笑みながら答えた

 

勇人「そんなの気にしていねぇ、むしろ母さんが無理に『飲ませたせい』でなったんだ」

 

千川「そうだよ、間宮が気にする事では無いよ」

 

美奈「でも……二人「上官命令だ、昨日の事は『気にするな』……分かったか、間宮?」」

 

二人は命令(権力)を使って美奈に言うと、美奈は「スミマセン……」と平謝りをし、調理を始めた

 

勇人「さて、俺も始めるか……千川、大釜を持ってきてくれ」

 

千川「はいよ」

 

勇人は千川が持ってきた大釜に米と水を入れ、豪快に研ぎ始めると、美奈は勇人の手際の良さに驚きながら言った

 

美奈「……慣れていますね」

 

勇人「そうか?アッチでは間宮、鳳翔、龍飛さん、そして伊良湖と一緒に飯を作っているんだが……」

 

美奈「大将自身も厨房に立つのですか!?」

 

勇人「それくらい普通じゃね?柏木も厨房に立って調理する位だしな……スイーツ限定だけどな」

 

美奈「柏木大将もですか!?本当に二人共……『弱点』があるのですか?」

 

勇人「……当たり前だ」

 

千川「……お前や柏木大将に『弱点』がある事自体、初耳なんだが……」

 

勇人「お前らなぁ……」

 

勇人は美奈と千川の言葉にツッコミを入れる様に呟くと、伊良湖は龍飛について考え始めた

 

伊良湖「ってか大将、『龍飛』って誰ですか?」

 

鳳翔「私がまだ『特務艦』だった時の『名前』ですよ」

 

勇人「……俺に料理を叩き込んだ艦娘だ」

 

伊良湖「という事は……佐世保に鳳翔さんが『二人』居るって事ですか!?ズル過ぎます!!」

 

伊良湖は佐世保の人員を聞き、羨ましそうに言うと、勇人は米を研ぎかながら、嘆く様に言った

 

勇人「仕方ねぇだろ……元々、佐世保は『ブラック鎮守府』だったから、調理以外に建物の復旧や艦娘達の治療等で人手が『足りなさ過ぎる』んだよ……只でさえ、今は『霧の艦隊の一部』を受け入れているのに……」

 

千川「……マジかよ」

 

美奈「……霧の皆さんも『よく食べる』のですか?」

 

美奈はコンゴウ達の食事について質問すると、勇人は溜め息を付き、少し疲れきった口調で答えた

 

勇人「アイツら『赤城並』に食べるぞ……特に『元旗艦』であるコンゴウは大和、武蔵とフードファイトをする始末だ……調理が追い付けねぇ……」

 

美奈「あはは……大将……同情します」

 

勇人「同情するなら佐世保に来てくれ……」

 

千川「オイコラ、勝手に口説くな」

 

千川は勇人のスカウトにヤンデレモードで叱ると、勇人は呆れながら説明した

 

勇人「一応言っておくが『調理要員』としてだ、下心はねぇよ……お前も佐世保(俺の所)の台所事情を聞いただろ?」

 

千川「うっ!?そりゃ、そうだが……」

 

千川は勇人の言葉に反論出来ないのか、しどろもどろになり、勇人の言葉に渋々、理解すると美奈は勇人にスカウトについて聞いた

 

美奈「それって上官命令で……ですか?」

 

勇人「いや、俺個人の『御願い』だ……無理強いはしねぇよ」

 

美奈「なら、御断りさせて頂きます……私が居なくなると舞鶴の台所事情と金剛さん達のストッパーが……」

 

千川「ホッ……」

 

勇人「……そうだったな、悪かった」

 

美奈「いえいえ、もし佐世保に遊びに来たら手伝いますよ」

 

千川「……僕も『その時』になったら手伝うよ」

 

勇人「マジで助かる」

 

勇人は厨房の人員確保的な意味で美奈をスカウトしたが、美奈は微笑みながら断ると、勇人は謝罪しつつ調理を始めると勇人側の夕張と明石が『怪しい気箱』を持ってきたまま、厨房に入ってきた

 

夕張 明石「おはようございます少佐に間宮s……提督!?」

 

勇人「おはよう……ん?二人共、それは?」

 

夕張「あ……えーっと……」

 

明石「それは……」

 

勇人は二人が持ってきた『2つの怪しい気箱』に関して聞くと、二人は顔を真っ青になり、しどろもどろに言葉を濁らそうとしたら、美奈と千川が気箱の大きさを予測し、二人に聞いた

 

美奈「『箱の大きさ』から察するに、それって……『新しい包丁』に……」

 

千川「何かの武器らしいが……」

 

夕張「はい!此方です」

 

夕張は二人の言葉に意気揚々と箱を開封すると、箱の中身の一つはナノマテリアル特有の空色の刃物、もう一つは対戦車用のライフル銃を近未来風にカスタムされた武器が入っていた

 

美奈「うわぁ……綺麗……」

 

千川「ちょ……これ……まさか『マルス133』のレプリカじゃねぇか!?完成度高ぇなオイ!?」

 

明石「そりゃ『ナノマテリアル』を『たんまり』使った『極上の刃物』いえ『M87光剣』と『完全に再現した』マルス133ですから!」

 

二人は箱の中身を見て、驚愕すると、明石は自信に満ちた表情で答えると千川は驚き、美奈は明石の言葉に違和感を感じ、明石と夕張に聞いた

 

千川「何だと!?」

 

美奈「だけど……『見た目』が剣というより『包丁』ですが……」

 

そう、M87光剣の外見が包丁になっていたのだ

美奈の質問に夕張は某テレビショッピングの司会者みたいに力強い口調で説明した

 

夕張「今は『クッキングモード』……言わば『待機状態』にしていますが、いざとなれば『本物の剣』になります!しかもナノマテリアルを使っていますので、刃こぼれはしないので、研ぐ必要が『ありません』!そしてマルス133は艦娘の弾薬も使えるだけではなく、レールガンとしても『使えます』ので、人間でも鬼クラスの深海棲艦を倒す事が出来ます!!」

 

美奈「え!?本当に!?」

 

千川「本当に良いのか?貰っても?」

 

明石 夕張「はい!差し上げます!」

 

美奈「ありがとう!!」

 

千川「いょっしゃーー!!」

 

二人は夕張から新しい武器を貰って嬉しそうに顔を綻ぶと、勇人はドスの聞いた口調で夕張達に聞いた

 

勇人「ほう……『ナノマテリアル(アレ)』をたんまりと使ったとな……」

 

明石 夕張「あ!?」

 

二人は笑顔になっている勇人の言葉に失念していたのか、顔が引き釣り、動きの悪い機械の様に勇人を見ると、勇人は笑顔のまま二人に聞いた

 

勇人「ちなみに『何番』のナノマテリアルを使ったんだ?」

 

明石「……『マテリアルナンバー87』と『133』です」

 

勇人「量は?」

 

夕張「……『M87光剣』は400、『マルス133』は900……です」

 

ブチッ!

 

美奈 千川「あ……このパターンは……」

 

二人は何かが千切れた様な幻聴が聞こえると、顔が引き吊り、この後の状況を察したのか、耳を塞ぐと、勇人の顔が笑顔から般若の様な顔になり、そして……

 

勇人「こんのぉダラブチ!!何で俺と優花、柏木の艤装の資材を大量に使うんや!!大型建造をする気か!アレを量産するのに、どれだけ苦労すると思っておるんや!!しかも『無許可』で使いやがって!!まだ『タカオの軍艦』が直っていねぇのによ!!

 

夕張 明石「ご……ごめんなさぁぁぁぁい!!」

 

千川「ってか、ナノマテリアルを大量量産する事自体、凄いんだが……」

 

勇人は石川弁で怒鳴り散らすと、二人は島風並の早さで勇人に土下座をすると美奈は昨日のカレーの件で勇人の殺気に慣れたのか、冷静になり、勇人を宥めた

 

美奈「大将、落ち着いて下さい」

 

千川「二人は僕達の為に作ってくれたんだ……だから許してやってくれ」

 

勇人「……ったく、仕方ねぇ……ここは二人に免じて許すが……無許可でやったら御話しな……はぁ~……何度も何度も……」

 

夕張 明石「ッ!?ありがとうございます!」

 

千川「ん?何度も?初犯(初めて)じゃないのか?」

 

勇人は溜め息を付き、二人を許すと、千川が勇人の『何度も』と言う言葉に引っ掛かり、質問すると、勇人は少し顰めっ面になりながらも答えた

 

勇人「……ああ、あの二人、隠れながら『能力等を完全に再現した特撮アイテム』を量産すんだよ」

 

美奈「はぁ!?」

 

千川「……マジかよ」

 

勇人「しかも、俺には報告無しで開発しまくるからな……泣けるぜ」

 

美奈「……本当に同情します」

 

千川「……変態鎮守府じゃねぇか」

 

勇人「……ウルセェ、ほら!さっさとメシ作るぞ!」

 

二人は勇人に同情しつつ、朝食の準備に掛かったのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

朝食後 1000 千川の執務室にて

 

勇人「ほう……内装はシンプルに纏めてあるんだな……」

 

赤城「そうですね」

 

勇人と赤城は千川の仕事場である執務室を見て回ると電と未来が百科事典並みの分厚い『書類』を持ってきて、勇人に渡した

 

電「上城大将、これが『艦娘達及び司令官』の健康状態を記した『カルマ』です」

 

未来「それを言うなら『カルテ』だよ……はい」

 

勇人「凄く分厚いな……ありがとう電に未来」

 

電「いえ……所で何故『カルテ』を?」

 

電は勇人の指示で舞鶴に所属している艦娘達や千川達の健康状態を記した書類『カルテ』を持って来て、持って来させた理由を勇人に聞くと勇人の代わりに赤城が答えた

 

赤城「提督は『軍医』と兼業しているので、医者として把握しておけば『健康状態』だけではなく『艦娘の個性』を知り、個性を利用した艦隊運用が出来るのです」

 

電「軍医!?『お医者さんごっこ』が好きではなくて……」

 

未来「……アイツの同期だから『あり得る』かも……」

 

勇人「……本物の医者だ」

 

電 未来「……信じられない」

 

赤城「お二人さんの『気持ち』……分かりますよ」

 

勇人「お前まで……泣けるぜ」

 

勇人は三人の発言にショックを覚え、執務室の椅子に座ると……

 

コトッ……

 

勇人「ん?何か落ちたぞ?」

 

勇人は椅子に座った弾みで『何かが机の下に落ちた事』に気が付き、机の下を見てみると……

それは……

 

勇人「SDカード?どれどれ……ッ!?」

 

電「大将、どうかしたの……あ!?」

 

未来「あの野郎……あれをコピーしていたのか……」

 

赤城「提督!?昼間っから何見ているのですか!?溜まっているのですか!?」

 

勇人「お前こそ昼間からナニ言っているんだ!ってか……」

 

勇人は軽い気持ちでSDカードに記録していたデータをスマホに入れ、確認すると勇人は黙り混み、眉間の皺が増えていき、ドスの効いた口調で電と未来に聞いた

何故なら、あのSDカードには……

 

勇人「あの野郎……間宮の入浴を盗撮しやがって……」

 

未来「勇人さん、勿論コレは……」

 

勇人「『破棄処分』に決まっているだろ!」

 

電 赤城「デスヨネー……」

 

そう、SDカードには間宮、電そして未来が旅行していた時、旅館の温泉に入浴していた動画が撮されていたのだ

そして……

 

千川「さて、書類業務を……オイ、上城……俺の『宝物』に何をしているんだ?」

 

千川は書類業務しに執務室に戻ると、自身が盗撮した映像を勇人達が見ている所を目撃し、少し怒りながら言うと、勇人もまた、ドスの効いた声を出し、キレながら言った

 

勇人「アァ?お前の宝物を『破棄する』んだよ!」

 

電「では、大将……処分の方を『お願いします』」

 

千川「ッ!?テメェ!『最後のSDカード』を……返せぇぇぇ!」

 

千川は刀を抜き、勇人が持っているSDカードを奪い捕ろうとしたが……

 

勇人「無駄ァ!」

 

ドカッ!

 

千川「グハッ!!」

 

美咲 未来「ッ!?」

 

勇人に鳩尾(みぞおち)を殴られ、踞っていた

 

電「武道経験者で剣道有段者である司令官を……」

 

未来「ワンパンで沈めさせた……」

 

赤城「……一応、提督は学生時代『殺傷有りの違法の地下格闘技大会のチャンピオンの常連』だったから『実戦慣れ』しているのです……しかも当時『無殺傷』言わば『手加減』しつつ、勝ち続けていたので……」

 

電 未来「はぁ!?格闘技大会のチャンピオン!?しかも『舐めプ』で!?勇人さん(大将)に勝てる人がいるの!?」

 

赤城「一人だけ『居ますよ』……相手は日本最強の憲兵部隊『柏木隊』の隊長そして提督の『親友』の『柏木疾風』大将です」

 

電 未来「最強の憲兵部隊の隊長の人と親友!?司令官(アイツ)以上に人脈が凄いですね……」

 

二人は赤城から勇人の経歴を聞き、驚愕すると悶絶していた千川を勇人は左手で千川の頭を掴み、千川に『忠告』する様にドスの効いたヤクザ口調で言った

 

勇人「オイコラ!同期のよしみで『無かった事』にしてやるが……今度『変な真似』をしたら……」

 

千川「ウグッ……したら?」

 

勇人は右手に持っているSDカードを千川に見せ、そして……

 

 

グシャ!

 

バキバキバキ………

 

 

 

千川「ッ!?」

 

勇人はSDカードを握り潰し、千川を脅した

 

勇人「『コレ』みたいに男として、人間として『再起不能』にしてやるからな……分かったか?」

 

千川「……はい、分かりました」

 

電(うわぁ……)

 

未来(お母さんとは『違うベクトル』で『おっかない人』だ……流石『戦場の狂龍』だ……恐ろしい人だ……)

 

二人は勇人のキレた様子を見てドン引きすると扉をノック音が聞こえ、ノックした本人である間宮が入って来た

 

間宮「二人共、ちょっと手伝っt……大将!何をしているのですか!?提督にアイアンクローをかまして!?」

 

間宮は勇人が千川にアイアンクローをしているのを見て驚愕し、強い口調で聞くと、勇人は笑いながら答えた

 

勇人「ん?なぁに、ちょっと『訓練』をしてただけさ」

 

赤城「……大した事ではないので心配しないで下さい」

 

千川「そうだ……上城に訓練を付き合って貰ったんだ……イタタタタ!」

 

間宮「……大将、あまり過激な訓練は止めて下さいね……二人共、大将の方の明石さんと夕張さんの所に行って『M87光剣(これ)』の取説を貰って来てね、私は朱里さんと買い出しに行ってくるから御願いね♪」

 

未来 電「はーい♪」

 

間宮は二人を連れ、執務室を後にした

 

勇人「さて!今からリンt……『訓練』をするかな」

 

千川「今『リンチ』って言わなかったか!?オイ!」

 

赤城「提督……ほどほどに御願いします」

 

勇人「おう!」

 

千川「や……止めろォォォォ!!死にたく無いィィィ!!」

 

勇人「安心しろ!艤装(アレ)無しで殺るから!」

 

千川「だから止めろォォォォ!!二人共!助けてくれぇぇぇ!!」

 

未来「……いっぺん死んでこい」

 

電「なのです」

 

千川「薄情者ォォォォ!!」

 

満面な笑みをした勇人は千川を連れ、訓練場に向かった

 

 

此処からは『音声』のみ御聞き下さい

 

「ちょ!?待てって上城!!話せば分かる!!お前にも分かる筈だ!人を愛する気持ちを……」

 

「それは分かるが、テメェの場合は『度が過ぎる』んだよ……少し『頭冷やそうか』?」

 

「ま……まさか!オラオラですかァァ!?」

 

「残念だが『それ』じゃあない!スゥ……無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄……」

 

ドガガガガガガガガ!!

 

その後、勇人は千川を滅茶苦茶『訓練(御話し)』をした

 

そして2時間後 1230 執務室にて

 

千川「………」←満身創痍+気絶

 

赤城「提督……『加減』という言葉を知っているのですか?」

 

勇人「こんな奴に加減するつもりも無いな」

 

赤城「……デスヨネー」

 

電 未来「大将(勇人さん)、グッジョブです♪」

 

ボロ雑巾の様にボコボコにされ『満身創痍』な千川を見て赤城は呆れ、電と未来は勇人を誉めるかの様に笑顔で答えたのは言うまでも無かった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。