Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第70話「未来の正体 Last part」

勇人が未来達を診察している頃 0030 C国付近の深海棲艦の基地にて

 

戦艦水鬼「……すまない、任務()()した」

 

戦艦水鬼は道中に頭を下げ、報告すると道中は戦艦水鬼の報告を聞き、発狂したかの様に声を荒げながら言った

 

道中「はぁ!?何で失敗するの!!戦力も数も此方の方が()なのに!?」

 

道中は発狂しながら失敗の原因を戦艦水鬼に聞くと、戦艦水鬼は俯きながら答えた

 

戦艦水鬼「……佐世保の龍が率いる『霧』……いや『霧龍(うりゅう)の艦隊』にやられたのだ……」

 

道中「ッ!?アイツ……霧の艦隊を使って……」

 

戦艦水鬼「……ああ」

 

道中「クソッタレ!!!」

 

道中は失敗の原因はコンゴウ率いる霧の艦隊によって潰された事を知ると、怒り狂い、その怒りを椅子や机等の備品にぶつける様に蹴り飛ばした

 

戦艦水鬼「……んで、どうする?今、舞鶴は龍や魔女、更には霧の旗艦であるコンゴウがいるぞ……此処に攻めて来たら私達『壊滅』待った無しだ……」

 

戦艦水鬼は道中に指示を仰ぐと道中は怒りが少し収まったものの、苛ついた表情で答えた

 

道中「……チッ!少し考える時間を頂戴」

 

戦艦水鬼「分かった」

 

道中は作戦を練り直す為、自室に籠った

 

戦艦水鬼「……やはりコイツは使えないな……そろそろ()()()()しないとな」

 

戦艦水鬼もまた、道中を()()()()()()()を押し、部屋を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府 入渠室にて

 

港湾棲姫「……」

 

勇人「……異常無いな、気分は?」

 

港湾棲姫「……姿は女になっているとはいえ、男に見られて……恥ずかしい……」

 

港湾棲姫は勇人に裸を見られ少し赤面していると、勇人は港湾棲姫の心境を察し、ラフな口調で答えた

 

勇人「これでも()()()()()()はしているぞ……はい終わり、次は未来だ」

 

勇人は全裸になった深海棲艦達を診察していたのだ

 

勇人は未来を呼ぶと、未来もまた恥ずかしそうに勇人の前に座った

 

未来「……御願いします」

 

勇人「ああ」

 

勇人は未来の腹や骨折した場所である太股、脇そして肩を触りながら行う診察『触診』を行い、異常の有無を確かめた

 

勇人「……痛い所は?」

 

未来「ううん、少し擽ったいけど……」

 

勇人「なら問題無いな……それじゃ、肩を回して」

 

未来「うん……回したよ」

 

勇人「回してみて痛い所は?」

 

未来「無いよ、むしろ軽くなった気がするよ」

 

勇人「上々、それじゃ……」

 

勇人は触診を終え、未来に骨折した場所である肩、脇そして太股を動かす様、指示を出すと未来は勇人の指示に従って動かし、骨や筋肉の異常の有無を勇人に報告した

 

そして数分後……

 

未来「……一通り動かしてみたんだけど、問題無かったよ」

 

勇人「……そう()()()な、それじゃ未来達はコンゴウの船の中で、ゆっくり休んでいてくれ」

 

港湾棲姫「……私達を捕虜に?」

 

港湾棲姫は勇人の指示(気遣い)に深読みをしたのか、少し殺気を込めた口調で言うと、勇人は港湾棲姫の質問を否定し、答えた

 

勇人「んな訳ねぇだろ、オメェらは今、俺の()()だろうが……未来だけなら兎も角、オメェらが鎮守府内にいたら、色々と問題になるだろうが……後、医者()の言う事は必ず守れよ」

 

港湾棲姫「……分かった、後……みんなを代表して……治してくれて、ありがとう」

 

未来「ありがとう……勇人さん」

 

勇人「おう、おやすみ未来」

 

未来「おやすみ……お母さん……お父さん……」

 

勇人は未来達に伝えると未来は微笑み、勇人の事を『お父さん』と呟き、勇人に一礼をし、コンゴウの船に向かったのを見計らって美奈に聞いた

 

勇人「……さて、美奈……お前に聞きてぇ事が()()()()()()……答えて貰うぞ」

 

美奈「……」

 

勇人は先程のラフな雰囲気から一転、神妙な表情になり美奈に言うと、美奈は黙って頷いた

 

勇人「まず1つ、お前達『二人の前世』の事だ……簡潔で良いから経緯を説明しろ」

 

美奈「……それって何時もの()()()ですか?」

 

勇人「……御願い?何を言っているんだ……これは()()()()だ……今回の襲撃の事で何か()があるかも知れないからな」

 

美奈「ッ!?……分かりました」

 

美奈は、勇人の殺気染みた雰囲気(仕事モード)に怯え、少し震えながら承諾し、答え始めた

 

美奈「……私……いえ私達『親子』は前世の記憶を持った状態で、この世に生まれた事はご存知ですよね?」

 

勇人「……ああ」

 

美奈「未来は……前世の私が初めて産んだ娘でしたが……」

 

美奈は俯いた表情で説明すると、勇人は美奈の様子を察し、答えた

 

勇人「流産……か」

 

美奈「……はい」

 

勇人は前世の未来の死因を聞くと、美奈は肯定し、説明を再開した

 

美奈「そして……私は当時の夫と別れ、また新しい家庭を作り、そして……」

 

勇人「……何かしらの事故や病気で死亡、転生してしまった訳だな……1つ質問、何故、当時の夫と離婚したんだ?当時の夫の不倫か?」

 

勇人は美奈の説明に疑問が生じ、説明を止め、質問すると美奈は意味深な言葉で返した

 

美奈「……当時の私達は()()()()のですから……」

 

勇人「若すぎた?……ッ!?テメェ、まさか……()()()()()の為に避妊もせず、『不特定の男(愛していない野郎)』とヤって、未来を……」

 

勇人は美奈の『若すぎた』という言葉を深読みをし、美奈に睨み付ける様に殺気を飛ばすと、美奈は勇人の誤解を解く為に殺気に震えながら説明した

 

美奈「ち……違います!私は前世()も今も、愛した男性しか行いません!!人をアバズレ(ヤリ〇ン)呼ばわりをするのは、止めて下さい!!当時、避妊せずに行った事は認めますが……

 

美奈は勇人の誤解を解く為に震えながらも強い口調で否定すると、勇人は美奈に気不味そうに言った

 

勇人「……悪い、()()()()()()()みたいだな……つまり当時、交際していた男……未来の()()()()()との『若気の至り』で身籠り、未来を流産をしてしまった訳だな?」

 

美奈「……はい」

 

勇人(……まぁ、()()()()での『若気の至り(子供の時の失敗談)』に関しては俺も()()()()が言えないからな……少し言い過ぎた)

 

勇人は言葉を濁らせながら結論を纏め、美奈に聞くと、美奈は肯定し、勇人は美奈に対して『侮辱』した事に反省しているのか、殺気を飛ばすのを止め、2つ目の質問を美奈に聞いた

 

勇人「……そうか、1つ目の質問は終わりだ……2つ目は()の未来についてだ」

 

美奈「あの子に何かあったのですか?」

 

美奈は勇人の質問を聞き、食い付く様に聞き直すと、勇人は美奈に未来の体内にあった『秋月の接続部(例の物)』を見せた

 

勇人「これ……分かるか?」

 

美奈「これは一体?」

 

美奈は首を傾げ、勇人に聞くと、勇人は美奈の質問に答えた

 

勇人「秋月の艤装の接続部だ」

 

美奈「秋月さんの……ですか……それと未来の関係性は一体?」

 

美奈は勇人の本意を察しれていないのか、はたまた医療の心得が無いのか、勇人に聞くと、勇人は少し俯き、答えた

 

勇人「……未来の()()()()()()()だ」

 

美奈「ッ!?そうでしたか……」

 

勇人「……()()()()()様だな、何故言わなかった?」

 

美奈は勇人の説明に驚きはしたものの、直ぐに落ち着きを取り戻し、答えると、勇人は美奈の様子を察し、聞くと、美奈は勇人の質問に気不味そうに答えた

 

美奈「すみません……未来(あの子)は『秋月型の誰か』としか言っていなかったので……」

 

美奈は勇人に謝罪しながら説明すると、勇人は溜め息を付き、説明を続けた

 

勇人「……秋月型の誰か……ねぇ……多分、未来は秋月として()()された時に一部の記憶が失ったんだな……」

 

美奈「轟沈!?ちょ……大将!?未来は……一度()()()()のですか!?」

 

美奈は勇人の『轟沈』という言葉を聞いて、驚き、声を荒げながら聞くと、勇人は静かに美奈の質問に答えた

 

勇人「……ああ、しかも蘭の『前任』である『道中潤』という女に……」

 

美奈「そんな……大将!どうして、どえらい事(大事な事)を黙っていたんや!!」

 

美奈は勇人の説明に混乱しているのか、前世の時に使っていた関西弁の方言の1つ『播州弁(はんしゅうべん)』で勇人に問い詰めると、勇人は美奈を落ち着かせる為に、ドスの効いた声で言った

 

勇人「オイ、落ち着け!俺も、さっき知ったんだ!」

 

美奈「ワレ(お前)の言い訳なんか聞きとうないわ!!」

 

勇人「だから落ち着けって!!」

 

勇人は混乱し、激怒している美奈を窘めようと冷静に説得すると、美奈は無意識ではあるが勇人に対して『絶対に言ってはいけない事』を言ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「それに、ワレ(お前)みたいな『ぱっぱらぱーな(頭の悪い)クソガキ』が『()()()()()』で苦労もせずに大将まで上がり積めた事自体、()()()()()し不愉快や!何か言ったらどうなんや!!やっばアホな部下達の頭であるワレ(お前)には分からん事なんか?」

 

勇人「ッ!」

 

そう、美奈は今まで勇人が積み重ねてきた経験や苦労、更には『提督として』だけではなく『医者として』そして『勇人の家族や艦娘達』に対して侮辱したのだ

流石に美奈を説得していた勇人も堪忍袋が斬れたのか、勇人は自身の左手で勇人の胸ぐらを掴んでいる美奈の右手を腕ごど捻りさせ、そのまま左手だけで美奈を掴み上げた

 

美奈「い……痛い……た……大将……離して……」

 

美奈は勇人に腕を掴まれた痛みに少し正気に戻り、痛そうにもがき始め、勇人は本気で殺す気になっているのか、美奈の右腕の骨を折ろうと強く握り、言った

 

勇人「アァ?自分(テメェ)、死ぬ覚悟は出来t……朱里「うるさい!!自分ら(お前達)、今何時だと思ってるんやぁぁ!」」

 

 

 

 

ゴン!

 

 

 

 

 

 

美奈「痛っ!!あ……朱里さん!?」

 

勇人「ンガッ!母さん!?」

 

朱里「取り敢えず二人とも、正座!!」

 

勇人 美奈「しかし……」

 

朱里「はよ!」

 

勇人 美奈「……はい」

 

偶々、通りかかった朱里が入渠室に入り、ヒートアップした二人に怒鳴り付け、拳骨をかまし、艤装を展開させ、正座させた

 

朱里「事の発端は何なの?」

 

勇人「実は……」

 

勇人は一連の経緯を説明した

 

勇人「……という訳だ」

 

朱里「……成る程ね、これは勇人がキレるのは当たり前ね」

 

朱里は勇人の説明に腹立っているのか、少し怒りの入った口調で納得すると、勇人は立ち上がり、朱里に言った

 

勇人「という訳で、俺は寝るわ、おやすみ」

 

勇人は機嫌悪そうに荒々しく扉を開け、入渠室を後にした

 

朱里「あっ!?ちょ……ったく……後、美奈さん」

 

美奈「はい……」

 

朱里は勇人の行動に呆れると、美奈を睨み、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「ッ!?何をするのですか!?」

 

朱里は美奈にビンタをし、怒りながら美奈の質問に答えた

 

朱里「アンタ、勇人が『どんな思い』で過ごしてきたか分かるんか!あの子は今の地位まで上がるのに『私達の力』を使わず、全て『自分の力』で伸し上がって来たのよ!しかも想像を絶する位の苦汁や後悔、苦難()()を受け止めながら……なのにアンタは……」

 

美奈「……」

 

朱里「チッ!今日は遅いから、はよ戻りぃ!このままだと……殺しかねないからね」

 

美奈「……はい」

 

朱里は美奈の無責任な発言に怒りながら言うと、美奈は立ち上がり、俯いたまま入渠室を後にした

 

美奈(……大将がそこまで怒るなんて……少し言い過ぎました)

 

そして内心、勇人の激怒に驚きつつ、部屋に戻る美奈であった

後に美奈は勇人の軍人になってから今までの経緯を聞き、酷く後悔するとは知るよしも無かった

 




播州弁……難しいです……( ;´・ω・`)
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