Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第77話「幻想の世界からの助っ人」

1800 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

未来 敷島 上城一家「……」

 

ガツガツガツガツ………

 

優花「……勇人君と未来ちゃんは兎も角、あの勇次君や蘭花さん、蘭ちゃん、沙耶ちゃん、敷島さん、更には元帥や教官まで一心不乱に鶏のすっぱ煮を……しかも『飛びっきりの笑顔』で……」

 

瑞鶴「あのユージンまで……」

 

美奈「仕方無いですよ、今晩のメニューである『鶏のすっぱ煮』は大将達にとって()()()であり、上城家『代々伝わる()()()()』ですからね」

 

優花「嘘!?勇人君の好物!?美奈さん!!後でレシピを教えて!」

 

瑞鶴「私も!!」

 

美奈「クスッ……良いですよ……しかし……」

 

優花「……ええ」

 

瑞鶴「うん……まぁ……」

 

美奈は一心不乱に鶏のすっぱ煮を美味しそうに食べている上城一家と敷島そして未来を見て、作り甲斐があったのか、微笑みながら言うと、優花と瑞鶴は勇人達の大好物を聞いて、血相を変えながら美奈に御願いすると、美奈は喜んで承諾し、三人は静かに別の席を見て呆れ始めた

 

何故なら……

 

コンゴウ 大和「………」

 

ガツガツガツガツ!

 

もっもっもっもっ!

 

ゴクン!

 

コンゴウ 大和「お代わり!!」

 

二人はフードファイトをしているかの様に急いで食べていると、美奈と瑞鶴そして優花は二人に呆れつつ叱った

 

美奈「……貴女達は少し自粛してください」

 

瑞鶴「またフードファイトして……提督さんに怒られるよ」

 

優花「コンゴウさんに大和ちゃん!!あれほど勇人君に『フードファイトをするな』と言われたやろ?勇人君に『がられても(怒られても)』知らんばい!」

 

美奈「がられて?優花さん『がられて』って?それに……『ばい』?」

 

美奈は優花の言葉について聞くと、優花は恥ずかしそうに答えた

 

優花「ッ!?……実は私、産まれも育ちも『佐世保(九州)』だから、気を抜けると、つい方言が……恥ずかしい……」

 

美奈「九州弁ですか……とても可愛いらしい方言ですね♪」

 

加賀「同感です」

 

瑞鶴「そうそう、提督さんと加賀さんの『ドキツイ方言(石川弁)』と比べればね♪」

 

優花「ちょ!?ワガラ(三人とも)!?これ以上、ウチをせせがらんといてぇぇぇ(私を弄らないでぇぇ)!」

 

加賀「頭に来ました、瑞鶴……後で提督と()()()ですね」

 

瑞鶴「……ごめんなさい、言い過ぎました」

 

美奈と瑞鶴は微笑みながら言うと、優花は恥ずかしさのあまり、赤面し、方言全開で二人に言い、加賀は瑞鶴に静かに一喝すると、離れた場所で千川が鎮守府の雰囲気を楽しんでいるのか、微笑みながら赤城に聞いた

 

千川「これほど楽しい食事になるなんて……佐世保の食堂も『こんな感じ』なのか?」

 

赤城「はい、佐世保では『日常茶飯事』の風景ですよ♪……ん~♡美味しい~♡」

 

赤城は鶏のすっぱ煮を頬張りながら言うと、千川は赤城を見て、感傷深くなり、呟いた

 

千川「フフッ……かつて、上城と同じく『第一研修部隊(艦奴派の同期達)』を……いや()()()()()()()()()()()()()君が上城以外の人間と食事を取るなんて……」

 

赤城「ッ!?しょ……少佐!?あの時の事は言わないで下さい!それと水を……」

 

赤城は千川の呟きに赤面し、喉を詰まらせたのか、苦しそうに言うと、千川は烏龍茶が入った自身のコップを赤城に渡した

 

千川「大丈夫かい!?はい、お茶……」

 

赤城「あ……ありがとうございます……」

 

赤城は千川から烏龍茶を貰うと、そのまま豪快に一気飲みをし、喉の詰まりが解消し、安心するかの様に溜め息を出し、答えた

 

赤城「ふぅ~……死ぬかと思った……助かりました」

 

千川「どういたしまして」

 

赤城は千川に礼を言い、再び鶏のすっぱ煮を堪能し始めると赤城の目の前に『空間が裂けた様な隙間』が表れ、隙間から『とある女性』が顔を出し、赤城の鶏のすっぱ煮に手を出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「あら?鶏のすっぱ煮?少し貰うわね♪」

 

赤城 千川「ッ!?」

 

千川と赤城は隙間から表れた女性に驚きつつ、赤城は艤装を展開させ、その怪しい女性に警戒し、怒鳴る様に質問をした

 

赤城「誰ですか!?貴女は!?私の御飯を奪って……」

 

千川「早く答えろ!!」

 

赤城と千川は女性に怒鳴ると、勇人達も赤城の怒鳴り声に反応し、赤城を見ると、女性は勇人と目が合い、女性は懐かしそうに言った

 

女性「久しぶりね……博麗の巫女の『(かげ)』の血縁者『上城勇人』さん」

 

勇人「なっ!?お前は……」

 

勇人は驚愕すると、女性を警戒し、艤装を展開している優花が勇人に聞いた

 

優花「勇人君!何故、優香里が此処に!?」

 

勇人「……『ゆかり』は合っているのだか『お袋』じゃねぇよ」

 

女性「失礼ね!私は優香里さんみたいに『オバサン』じゃないわよ!まだピチピチの17歳よ!」

 

優花「()()()じゃないよ!ってか17には見えないわ!!」

 

女性「酷いわ!勇人も何か言って!!」

 

勇人「悪い……俺も優花と同意見だ……ぶっちゃけ、170……女性「もう止めて!ゆかりんのライフはゼロよ!!」」

 

優花(……敵意は無いようだね)

 

勇人は優花の質問に呆れながら答え、女性は遠回しに『年増扱い』された事に腹を立て、強い口調で答えると、朱里と一馬は微笑みながら女性に言った

 

朱里「久しぶりね『紫』……後、ウチの息子と部下が失礼な発言をして御免なさいね……」

 

一馬「相変わらず奇抜な登場だな……もう少し普通に現れないのか?」

 

女性改め『紫』「ゴホン……ええ、貴女も相変わらずね『ミッチャン』♪『カズ』は少し老けたわね……」

 

一馬「当たり前だ、俺はアンタと違って普通の人間だからな」

 

美奈「ッ!?朱里さんに元帥!この人……紫ちゃんでしたっけ?その人と知り合いなんですか!?」

 

美奈は三人の和気あいあいな雰囲気に戸惑いながら聞くと、朱里は紫を紹介し始めた

 

朱里「ええ、五年前の『連続失踪事件』の主犯でもあり、異世界『幻想郷』の長の……」

 

紫「『八雲(やくも) (ゆかり)』よ、宜しくね」

 

コンゴウ 艦娘達「ッ!?」

 

紫は軽く頭を下げるとコンゴウは頬張った白米が喉に詰まらせ、水を一気飲みをし、驚愕しながら質問した

 

コンゴウ「げ……()()()だと!?まさか!?異世界移転装置を手掛けたのも……」

 

紫「私よ……ってか、何故『未来の住人』である貴女が幻想郷を?」

 

紫は未来の住人であるコンゴウが幻想郷を知っている事に疑問視するとコンゴウは紫の質問に答えた

 

コンゴウ「……TVゲームで知ったんだ」

 

紫「……成程ね、元失踪者が現世に戻り、幻想郷をモデルに……なら私の『能力』と『身体』は御存じでしょ?」

 

紫はコンゴウ達に質問すると、コンゴウは険しい表情のまま、紫の質問に答えた

 

コンゴウ「……能力は『境界を操る程度の能力』で……『妖怪』だから、艦娘やメンタルモデルみたいに()()()()()()……で合っているのか?」

 

コンゴウは紫のスペックについて簡潔に答えると、紫は微笑みながら言った

 

紫「大正解♪流石、勇人の部下だわ」

 

コンゴウ「……部下じゃなくて妻(仮)だ」

 

優花 瑞鶴以外の佐世保の艦娘達「コンゴウさん!!冗談は止めて!!私が妻(仮)よ!」

 

美奈「モテモテですね♪大将♪」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

勇次「同情するぜ」

 

瑞鶴 舞鶴の艦娘及び深海棲艦達「同じく」

 

美奈は勇人に微笑みながら言うと、勇人は頭を抱えながら、何時もの口癖でぼやくと、紫は何かを思い出したのか、微笑みの表情から一転し、神妙な表情で勇人に言った

 

紫「あ!?思い出した……勇人、今の問題事である道中の件だけど、彼女の作戦が分かったわ」

 

上城一家「ッ!?何だと!?」

 

美奈「ッ!?紫ちゃん!!教えてくれませんか!?道中の……あの女の作戦を!!」

 

上城一家と美奈は紫の言葉に食い付くかの様に質問すると紫は一呼吸を置き、微笑みながら答えた

だが、それは勇人にとって()()()()()()だったのだ

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

紫「道中は勇人達が、あの女の基地(アジト)に出撃したのを見計らって、物の抜け殻となった(主力艦隊が不在となった)舞鶴鎮守府を攻め落とすつもりよ……しかも同時進行で未来を捕獲しに攻めてくる勇人の同期達『共々』ね」

 

全員「ッ!?」

 

勇人達が想像している以上に()()()()()()()()()内容だった事に……

 


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