Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
2300 軍艦『金剛』内部の特設手術室にて
美奈「う………うん……」
勇人「……目が覚めた様だな」
美奈「ッ!?大将……あ……あの……その……スミマセン……」
勇人は目が覚めた美奈を見て、一声掛けると美奈は先程の検査で
勇人「気にしてねぇよ、
美奈「前例?」
美奈は勇人の言葉に首を傾げ、質問すると、勇人は遠い目になり、少し悟ったかの様な口調で答えた
勇人「……メンタルモデルのタカオやコンゴウを検査している時にな……ったく、
美奈「あはは……同情します」
美奈(あの
美奈は勇人に同情しつつも内心、勇人にツッコミを入れ、理性を保ちつつも呆れた様に苦笑していると、手術室に手術用の医師服を着たコンゴウが入ってきた
コンゴウ「艦長、お待たせしました……此方が美奈の戦闘服の案を纏めた資料です」
コンゴウはデータを目視出来る用にモニターを展開し、勇人に見せると、勇人は美奈の戦闘服について、まだ迷っているのか、手に顎を添えながら言った
勇人「……これだけ案があると迷うな……」
コンゴウ「そうですね……私としては装甲を重点的に上げたハルナの服装をモチーフにした戦闘服の方をオススメします」
勇人「……あれは機動力が損なわれるから却下だ」
コンゴウ「なら大和や武蔵の戦闘服をモチーフにしたコレは?」
勇人「……あれはアカン、露出が高過ぎて千川が暴走する……俺としては扶桑型をベースにした戦闘服が……」
コンゴウ「……コレは不吉なので止めて下さい」
勇人「……デスヨネー」
勇人とコンゴウはモニターを操作しながら美奈の戦闘服に関して討論をしていると、美奈はコンゴウが展開させたモニターを見て、驚愕した
美奈「え!?何このターミネー〇ーに出てくる様なモニターは!?」
コンゴウ「ん?これは
美奈「へ?これがタブレット端末ですか!?」
勇人「まぁな、今じゃ、メンタルモデル専用のパソコンになっているからな……俺も最初は驚いたが」
美奈「……さいですか」
美奈(半世紀後の未来って……こんなに進んでいるんや……大体、勇人君も、よく佐世保鎮守府に
未来は勇人達……いや佐世保組のハイスペックな設備に考えるのを止めたのか、呆れる様に呟くと、タブレット端末内に展示された『ある戦闘服』を見て、勇人に質問した
美奈「大将……この『没』と書かれていた戦闘服とは?」
美奈は資料の中に『没』と書かれた戦闘服について聞くと、勇人は俯き、少し気不味そうに答えた
勇人「あぁ……これは機動力や装甲等のスペックや改造した『美奈の艤装』のシンクロ率が
コンゴウ「………これはボツにして正解ですね……縁起が悪過ぎます」
勇人「そうだろ……後、お前の
美奈「……」
勇人は俯きながら、ボツにした理由を美奈に伝えると美奈は何を思ったのか、神妙な表情で勇人とコンゴウに言った
美奈「……大将、それにコンゴウさん……私の戦闘服を『
コンゴウ「ッ!?このボツになった服を!?」
勇人「はぁ!?何故、それを選ぶんや!?もっとマシな物があるだろ!」
勇人とコンゴウは美奈が『ボツになった縁起の悪い戦闘服』を選んだ事に驚愕し、美奈に聞くと、美奈は『その戦闘服』を選んだ理由を勇人達に答えた
美奈「……私の覚悟は大将達が思っている程、生半可な物ではありませんし、この戦闘服は『私の覚悟』いえ『決意』を表している様な服装だからです……それに……」
勇人 コンゴウ「それに?」
勇人達は美奈の言葉に納得しつつも、美奈に聞くと、美奈は一呼吸を置き、この戦闘服を選んだ『もう1つの理由』を勇人達に伝えた
美奈「大将……いえ、勇人君がウチの身体が壊れない様に
美奈は勇人が俯き、気不味そうになった理由を察したのか、真の入った強い口調で言うと、勇人は溜め息を付き、答えた
勇人「……分かっていたのか……俺が『
そう、勇人自身が『没にした戦闘服』は、勇人が思考を重ねに重ね、デザイン性を無視したものの、
勇人は少し俯きながら言うと、美奈は微笑みながら言った
美奈「フフフ……勿論や!ウチは『補給艦 間宮』でもあり『
美奈は強さが入った優しい口調で答えると、勇人は「参った」と言わんばかりに両手を上げ、呆れた様子で美奈に言った
勇人「……わーったよ、俺の敗けだ……戦闘服については、これで決定だな……製作する前に聞きたい事があるんだが、『謙一』って……誰?」
勇人は美奈が言った台詞に『謙一』について聞くと、美奈は意を決し、勇人の質問に答えた
美奈「勇人君、よく聞いてや……謙一はウチの前世の夫……
コンゴウ「な!?艦長の……
勇人「へぇ~………はぁ!?お……俺の!?それって、誰からの情報だ?」
二人は美奈の告白に驚愕し、勇人は動揺しつつ美奈に聞くと、美奈は勇人が更に混乱しない様に優しく、簡潔に答えた
美奈「……紫ちゃんです」
コンゴウ「……泣けるな」
勇人「同感だ……あのババア……余計な真似を……コンゴウ、今から美奈が選んだ戦闘服を
コンゴウ「りょ……了解しました」
コンゴウ(……覚えてろよ……紫……)
美奈の告白に二人は動揺を隠せないものの、紫に悪態を付き、勇人は『美奈が決めた戦闘服』を
そして1時間後……
勇人「出来た……」
コンゴウ「……お疲れ様です」
勇人は美奈の新しい戦闘服が完成したのか、少し疲労困憊になりながら呟くとコンゴウは勇人に熱めの緑茶が入った湯飲みを渡すと、勇人は緑茶を飲みながら言った
勇人「ありがとう……熱っ!?コンゴウ、お茶を淹れてくれるのは有難いが……もう少し冷やしてから渡してくれ……熱くて飲めねぇ」
コンゴウ「あ!?すみません、艦長が猫舌だった事を忘れてました」
コンゴウは勇人が猫舌だった事を忘れていたのか、謝罪すると勇人は微笑みながら御礼を言った
勇人「忘れてたのなら仕方ないな……だけど、お陰で目が覚めた……ありがとう」
コンゴウ「いえ、私は艦長の正t……ゲフンゲフン!
コンゴウは少し赤面しながらも、優しく言うと勇人は嬉しさ反面、少し苦笑いをしながら答えた
勇人「そう言って貰えるのは有難いが……」
美奈「フフフ……何や自分ら……『新婚ホヤホヤの夫婦』みたいに初々しいな……」
美奈は勇人とコンゴウを微笑みながら茶化すと勇人は呆れながら言った
勇人「新婚って……結婚以前に彼女すら居ないんだが……」
美奈「あら?そうなん?ならコンゴウさんが勇人君の彼女になればええやん♪彼女、見た目とは違って『尽くし系』やから、忙しい勇人君にピッタリや♪」
勇人「何故そうなるんだ……まぁ忙しいのは合っているが……」
勇人は呆れながら言うと、コンゴウは自分の気持ちを全面的に出したのか、暴走した状態で勇人に言った
コンゴウ「私は一向に構わんッ!!寧ろウェルカムだ!さぁ艦長!私とヤらないか?」
勇人「何でコンゴウを含めて、
勇人はコンゴウにツッコミを入れるとコンゴウは勘違いをしたのか俯きながら言った
コンゴウ「なっ!?私に魅力が無いのか……」
勇人「
美奈 コンゴウ「ッ!?そうでした……スミマセン
勇人「……取り敢えず、手術は終わったから食堂に戻るぞ」
美奈とコンゴウは申し訳無さそうに謝罪すると、勇人は溜め息を尽き、呆れながら、二人を連れて食堂に戻った
また新たな