Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
勇人が龍崎の願いを承諾している頃 1900 舞鶴鎮守府 食堂改め『緊急会議室』にて
美奈「……という作戦です、早苗ちゃん達も分かりましたか?」
早苗「……すみません、軍隊用語が、かなり入っていたので……もう少し分かりやすい説明をお願いします」
魔理沙「……私もだ」
美奈「……そう言われても、私も大将の言葉を『そのまま』伝えたから……」
美奈は勇人の作戦を事細かに伝えると、霊夢は勇人の作戦を簡潔に纏め、早苗達に伝えた
霊夢「……つまり敵陣に入ったら、
早苗 魔理沙「あっ!納得しました(しだぜ)!!」
美奈「……簡潔過ぎませんか?」
美奈は霊夢の簡潔過ぎる説明に少し呆れると、霊夢は自身の性能を把握した上で、美奈に簡潔過ぎた説明について答えた
霊夢「そう?私達は『空を飛べる』のよ……陣形も糞も無いわ」
美奈「……そう言えば、そうでしたね……しかし霊夢ちゃん、巫女なのに口が悪いわね」
朱里「ごめんなさいね、彼女も勇人に似て素行が……」
美奈「……大将の影響力は凄まじいのですね……」
美奈は勇人の影響力の凄まじさに頭を抱えると席を外していた勇人と紫が入ってきて、少し苛つきながら呟いた
勇人「ったく!何で次から次へと……」
紫「……泣けるわ」
美奈「大将に紫ちゃん!!一体何処に行ってたの!?」
勇人「……美奈、お前……いや、俺にも関係のある話を聞いてきたんだ」
美奈「私と大将に……ですか?」
勇人「ああ……入ってこい……
勇人は美奈に関する話を聞いてきた事……龍崎の事を美奈に伝えると、美奈は首を傾げ、勇人に聞くと、勇人は食堂……否『緊急会議室』の前に待機している龍崎を呼ぶと龍崎は俯きながら入ってきて来た
龍崎「し……失礼します……」
美奈「龍崎……大将、この憲兵さんは?」
勇人「……龍崎、テメェの口から伝えろよ」
龍崎「……分かった」
美奈は龍崎の名字を聞いて、勇人に聞くと、二人は神妙な表情になり、龍崎は自身の事を告白した
龍崎「久しぶりやな……美奈」
美奈「ッ!?まさか……謙一!?」
朱里「え!?ちょ!?どういう事!?前世の美奈さんの夫って……勇人じゃなかったの!?」
朱里は勇人の前世である龍崎が此処にいる事に驚き、勇人に聞くと、勇人は呆れながら答えた
勇人「……こいつが俺という魂を作ったんや」
紫「……というより、龍崎さん自身の魂の一部を切り捨てた
美奈「……どうして……そないな事を……」
千川「へ?『
美奈と千川は龍崎が自身の悪魂である勇人を作り上げた事に驚愕し、千川は魂を切り捨てた理由を龍崎に聞くと、龍崎は俯き、そして申し訳なさそうに答えた
龍崎「……ワシがそのまま転生すると、ワシだけじゃなく美奈達が不幸な目に遇うからや……だから……その
勇人「……
美奈「……」
龍崎は俯きながら説明をすると、美奈は何かの感情を貯めるかの様に黙り混み、そして……
バチン!!
勇人 龍崎「ッ!?」
美奈「……このダボ!!ウチらに不幸な目に遇わせたく無いから、そないな事をやったんか!!しかも今の自分が受けるべき不幸を勇人君に丸投げして!恥ずかしく無いんかい!!」
龍崎「……」
勇人「うわ……未来と同じ反応しているな……流石、親子……」
紫「……貴方の前世の元妻だけに、血の気が多いわね……」
赤城「同じく……」
美奈は『何かの感情』の正体である『怒り』を爆発するかの様に涙を流し、龍崎の顔を叩き、怒鳴り散らすと龍崎は黙ると朱里と一馬は美奈を窘める様に優しく説得した
朱里「落ち着いて美奈さん……貴女が怒りたい理由も分かる……だけど、それ以上に龍崎さんに
一馬「……確かに龍崎は男として……夫として『最低な事』をやったが、勇人の親として『感謝』しないといけないからな」
美奈「ッ!?感謝……ですか?このダボな元亭主に……ですか?」
美奈は上城夫妻の『感謝』について聞くと、夫妻は龍崎の前に移動し、龍崎の前で微笑みながら答えた
朱里「ええ……龍崎さん……」
一馬「……龍崎」
龍崎「は……はい、三笠教官に元帥……」
朱里「今から私達が言う事は貴方の上官としては無く『あの子の親』として言うわ……」
夫妻は微笑みつつ、一呼吸を置き、龍崎に……
朱里「息子を……
一馬「……本当に『ありがとう』」
……頭を下げ、勇人の親として『感謝の気持ち』を龍崎に伝えたのだ
龍崎と美奈は夫妻の感謝の言葉に萎縮しつつ、慌てながら夫妻に言った
龍崎「ちょ!?教官に元帥!?顔を上げてくれませんか!?ワシは……自分勝手な理由で大将を……」
美奈「そうですよ!!謙一は私達『家族』の為に大将を……『貴方達の息子』である勇人君を不幸にさせてしまったのですよ!!普通なら『謙一の家族』として朱里さん達に殴られても文句が言えない事をしたのに……それを……」
二人は夫妻に顔を上げる様、慌てながら言うと夫妻は二人に優しく、そして『親』としての信念を二人にぶつける様に重い口調で答えた
一馬「……それでも俺は……いや、
朱里「……あの子の母親として、此れだけは言わせて……」
美奈「元帥……朱里さん……」
美奈は二人の言葉に先程の怒りが沈み、申し訳無さと感謝の気持ちが混み上がっているのか、俯いていると、勇人は神妙な表情で美奈に言った
勇人「それに俺は『今まで味わってきた不幸』で
美奈「ッ!!はい!!」
龍崎「本当にありがとうございます!」
勇人「はぁ……泣けるぜ」
二人は勇人に『申し訳無く』思っているのか、湿気た表情になっていると勇人は、そんな二人の表情や考え、そして感情を一掃するかの様に活を入れると美奈は勇人の活に驚き、龍崎は勇人の言葉で救われたのか、嬉し泣きをしながら頭を下げると勇人は何時もの二人に戻って安堵したのか、はたまた一馬と朱里に『自慢の息子』と言われ恥ずかしいのか、或いは『その両方』なのか、悪態を吐くかの様に何時もの口癖を呟くと……
クパァ……
大和似の女性「ふぅ……久々に能力を使ったら疲れた……あら?何、この湿気た空気は……それに久しぶりね『紫ババア』」
紫「ババアって……アンタに言われたく無いわ!!」
上城一家「ッ!?」
霊夢「ゲ!?せ……
突然、紫と同じ隙間が現れ、隙間から白髪が混じり、少し老けた大和に似た女性が現れると、霊夢と上城一家全員が女性の事を知っているのか、面を喰らったかの様に驚くと千川は紫の仲間だと思いながら質問をした
千川「あの……どちら様ですか?見た感じ『紫さんの知人』っぽいのですが……」
紫「……腐れ縁よ……全く、よりによって
美奈「歴代最強?朱里さん、この人は一体……」
美奈は大和似の女性について朱里に聞くと、朱里は先程のラフな雰囲気から一転し、緊張しているのか、少し強張った表情で答えた
朱里「……美奈さん、この人は……私の『
大和似の女性改め『真琴』「『
上城一家と霊夢以外全員「ッ!?」
大和似の女性……いや勇人の祖母である真琴は久々の孫の再会に喜んでいるのか、微笑みながら勇人に言うと勇人は「おう……」と恥ずかしそうに答えると美奈は真琴と勇人の関係そして真琴の素性に驚きを隠せないまま真琴に質問をした
美奈「大将の御祖母様に……インターポール!?インターポールって、あの銭〇刑事や春〇が所属している……あの……」
真琴「そう、あの『国際警察』よ……息子夫婦が世話になっているわね……間宮ちゃん」
美奈「いえいえ!私達こそ元帥達……いえ一馬さん達にお世話になっています!後、出来れば『美奈』で呼んで頂けると有難いです」
美奈は慌てて頭を下げつつ、本名である『美奈』と呼んで貰える様、お願いをすると真琴は微笑みながら「分かったわ」と了承すると勇人は真琴に『ある事』について聞いた
勇人「バーチャン、
真琴「……案の定、道中兄妹だけではなく、ハヤちゃんにも
勇人「やっぱりか……勿論……」
真琴「ハヤちゃんのだけは取り消したわよ……全く、美奈ちゃん達を守る為に無茶苦茶な事をして……誰に似たのよ……」
紫「アンタに似たのよ……しかもアンタと
真琴「……泣けるわ」
勇人 朱里「
真琴は勇人の滅茶苦茶な
優花「ちょ!?待って下さい!!勇人君に処刑状!?何故ですか!?」
美奈「優花ちゃんの言う通りです!大将は処刑される様な『悪事』はしていないのですよ!!何故、処刑を……」
千川「……成程……アイツらも汚い事を……」
美奈「提督、大将が処刑される理由が分かったのですか!?」
優花「教えて頂けませんか?」
二人は勇人が処刑される理由を真琴と千川に強く問い質すと処刑される理由を察した千川が二人に自身の予想を言った
千川「これは、あくまで『
真琴「……正解よ、だから
美奈「ホッ……そうだったのですか……」
朱里「勇人は、この事を
勇人「ああ……まぁ、
紫「それもそうね……ん?『だけ』?ねぇ真琴、その処刑状は勇人以外に発行された人……いえ『処刑される人』が居るの?」
美奈と勇人そして朱里は真琴の権力で処刑状が揉み消された事に安堵すると、紫は真琴の言葉に引っ掛かった部分があったのか、真琴にそれを聞くと、真琴は「相変わらず鋭い感ね」と呟く様に紫を少し誉め、微笑みながら答えた
真琴「ええ、あの令状には道中兄妹も
勇人「ちなみに
真琴「知る訳が無いじゃない……
真琴は悪意のある微笑みをし、勇人に言うと、群像は二人の悪どい会話に呆れつつ、処刑状について触れた
群像「流石、お祖父ちゃんのお祖母さんですね……ですが、処刑状を揉み消した事になると柏木さんが率いる憲兵部隊『柏木隊』に……」
そう、真琴の
真琴「分かっているわ、柏木隊の行動を
勇人「
勇人は真琴のやり方を察したのか、真琴に聞くと、真琴は勇人の答えが当たっているのか、頭を頷き、答えた
真琴「そ!柏木隊に任せる事にしたのよ」
そう真琴は道中兄妹を処刑させる為に、わざと柏木隊にハッキングしやすい様に柏木隊特有のホットラインを使って令状を発行したのだ
勇人「……恐ろしい事をするな……」
真琴「フフフ、ハヤちゃんも人の事が言えないでしょ?」
勇人「まぁ良い、お陰で此方が勝てる材料……いや、美奈達が暴れる口実が出来た事だし……みんな!今から出撃の準備をしてくれ……
艦娘達及び蒼き鋼「はい!!」
コンゴウ 伊400「了解した」
勇人の掛け声により、その場に居る全員が気合いの入った声で答え、出撃準備を始めた
そして 呉鎮守府 柏木隊本部では……
永木「上城め……態々、ウチのホットラインを使って……フッ、仕方無いな、あの
柏木「……頼んだ、俺達も舞鶴の間宮達には世話になったからな……間宮と千川にあったら宜しく言っといてくれ……」
今、外国に滞在している柏木は電話越しではあるが、永木の報告を聞き、勇人の祖母である『真琴の作戦』を察し、指示を出し、柏木隊を舞鶴に向かわせた
勇人が