Admiral of Roughneck~From black to white~ 作:八意 颯人
0830
勇人「遅いな……」
勇人は医療用のベットの上に全身包帯が巻かれている女性を冷たい視線を送りながら、
コンゴウ「艦長……ついに
勇人「……そうか、分かった……コンゴウ、
勇人は電話を切り、侵入者を待ち構えていると……
ドン!
恭一「やっぱり此処に居たか……上城、久しぶりだな」
恭一は医務室の扉を蹴り飛ばし、意気揚々と勇人に言うと勇人は後ろを振り向きながら恭一に言ったが……
勇人「久しぶりだ………な!?本当に……道中教官か?」
恭一「フッ……ああ……」
勇人は恭一の
何故なら……
勇人「あの……メタボ体型な教官が……
恭一「流石『医龍』の名を持つ軍医だな……感で答えるとは……正解だ、お前のDNAは唯一、
そう、あの時、恭一は2つの薬……否、D-cellと勇人のDNAを投与した事により、勇人と同じ
勇人は恭一が薬の力で痩せた原因を自身の長年の感で言い当てると恭一は嘲笑いながら勇人に言うと、勇人は恭一に悪態を吐いた
勇人「チッ!この化け物が……」
恭一「それに関しては、お前に言われたくないな……
ドカッ!!
勇人「グハッ!!」
恭一は勇人の悪態に反論すると、予備動作も無しで一気に勇人の目の前に移動し、勇人は対処仕切れなかったのか、恭一の拳が勇人の鳩尾に食らい、勇人は腹部を抑えながら立ち上がろうとしたが……
恭一「オラオラオラ!!」
ドカッ!!
バキッ!!
ドゴッ!!
勇人「グハッ!ガバッ!ゴホッ!」
恭一「フハハハハ!どうした?
恭一は不安定な体勢になっている勇人に追い討ちを掛け、そのまま
ガシッ!!
恭一「なっ!?」
勇人「……こ、コンゴウ……」
コンゴウ「……大丈夫ですか艦長」
勇人「……何故お前が来たんだ?」
コンゴウ「……コイツに話があってな」
勇人「話?」
恭一の拳はコンゴウによって制止され、コンゴウは恭一に『ある取引』を始めた
コンゴウ「なぁ道中、此処は取引をしようじゃないか?」
恭一「取引?」
恭一はコンゴウの取引について聞くと、コンゴウはベットに寝ている女を指差し、恭一に言った
その取引の内容は
それは……
コンゴウ「ああ、その取引は艦長を殺す前に、ベットの上に寝ている女……『
勇人「なっ!?」
恭一「ほう……例の防空棲姫をね……」
そう、勇人の延命との条件に未来……防空棲姫を明け渡す事だったのだ
勇人はコンゴウの発言に激怒し、コンゴウの胸倉を掴み、恭一の攻撃により全身傷だらけになった身体を鞭を打つかの様に血を吐き、コンゴウに怒鳴った
勇人「テメェ!!今、自分が言った事を
勇人はコンゴウに怒鳴り散らすとコンゴウは涼しい顔をし、勇人に言った
コンゴウ「……私はメンタルモデル『コンゴウ』だ、人間ではない……私の第一使命は……艦長、貴方の命を守る事だ、
コンゴウは恭一に防空棲姫を連行する様、促すと恭一は微笑み、満身創痍な勇人に嘲笑うかの様に高々に笑いながら言った
恭一「フハハハハ!良かろう!先に防空棲姫の処刑を始めよう!上城!お前の娘分が殺され、絶望しきった顔で娘分を追わせてやるからな!フハハハハ!」
勇人「ふざけんな!コンゴウ!退け!!」
コンゴウ「……フン!」
ドカッ!
勇人「ッ!?放せ!!コンゴウ!!」
コンゴウ「……」
恭一「フッ、無様だな!部下であるメンタルモデルでさえ倒されるとはな!では上城、
恭一は高々と笑いながら防空棲姫を連行し、勇人は恭一を止める様にコンゴウを押し返そうとしたが、コンゴウに羽交い締めにされても尚、暴れ続け、恭一は勇人を見下す様に医務室を後にした
たが勇人は防空棲姫を連行した恭一に……
勇人「フフフ……アハハハハハ!何が『娘分が死ぬのを楽しみに見とけ』だと!笑わせるぜ!!」
激怒する所が恭一を嘲笑うかの様に高々と笑っていたのだ
コンゴウは取り押さえている勇人を離し、心配しながら勇人に言った
コンゴウ「こうアッサリと
勇人「大丈夫な訳ねぇだろ……肋骨や肩甲骨にビビが入ったぞ……それに、あの野郎……李と同じ事をしやがって……だが、それのお蔭で『コレ』を奪い取る事が出来たから、まぁ善しとするか……」
勇人はコンゴウに支えられながら懐から『ある書類』を取り出し、コンゴウに見せた
コンゴウ「これは……例の『艦長の処刑状』……ですか?いつの間に盗んだのですか?」
そう、勇人が奪い取ったのは恭一が持っていた書類『勇人の処刑状』だったのだ
コンゴウは恭一から盗んだ経緯について聞くと、勇人は微笑みながら簡潔に答えた
勇人「殴られている時に、こっそりと隙間を使ってな……」
コンゴウ「……本当に無茶しますね」
勇人「うるせぇ」
?「なぁ大将、出てきてもええんか?」
?「パパ、もう終わったの?」
コンゴウは勇人の捨て身の行為に呆れていると艦内の無線から『播州弁で通話してきた男』と『勇人をパパと呼んでいる少女』が心配した口調で勇人に聞くと、勇人は血を吐き捨て、一呼吸を置き、無線の相手に連絡をした
勇人「ああ……後は奴が
勇人は別室に隠れてた龍崎と少し肌白くなった秋月……否『未来』を呼ぶと、未来は勇人の身体の傷を見て慌てながら勇人の安否を確認した
未来「そう、これで上手k……ッ!?パパ!大丈夫!?凄い怪我しているよ!!お父さん!救急箱を!!」
龍崎「ッ!?分かった!!」
勇人「いや、大丈夫だ……これ位の傷……クッ!」
勇人は気丈に振る舞いながら立ち上がろうとしたが、想像してた以上に酷い怪我を負っていたのか、激痛が身体中に響き渡り、膝を着くと二人は勇人に慌てて寄り添い、心配した表情で勇人に言った
未来「パパ!無理はしないでって、あれほど言ったじゃない!!パパが死んだら……私……」
龍崎「未来の言う通りや!!アンタはワシらの為に充分やってくれたんや!!もう休めや!!後の事は柏木隊に任せればええんや!!」
二人は重傷の勇人に休ませる様に強い口調で説得をすると、勇人は自前の根性で立ち上がり、二人を諭す様に言った
勇人「……それでも俺は『この
未来「嫌よ!!これ以上……私達の為にパパを傷付ける所を見たくないよ!!」
龍崎「ワシもや!!アンタが回復するまでは一歩も動かん!!」
勇人「お前ら……そこを……」
コンゴウ「なら艦長、これを使って下さい……」
二人は頑なに動こうとはせず、未来は勇人の介抱を、龍崎は勇人が出て行かない様に出入り口の前に立っていると、コンゴウは勇人に『ある容器』を渡した
勇人「ッ!?流石やコンゴウ!よく分かったな!俺の考えを……」
コンゴウ「……私を誰だと思っているのだ?艦長の考え位は分かっている……佐世保に貯蓄していた『それ』を全部持っていたから数には困らない筈だ」
勇人「……パーフェクトだ、コンゴウ……ゴクッ……ゴクッ……」
勇人はコンゴウから『ある容器』を貰い、笑顔で答えながら、その容器を外し、容器の中から水筒を取り出し、勇人は水筒の中身の青白い液体を飲んでいると未来は勇人が『受け取った水筒』を見て、首を傾げた
未来「コンゴウさん、これは?」
未来は勇人に渡した水筒について聞くと、コンゴウは微笑みながら答えた
コンゴウ「これは艦長が丹精込めて制作した新しい
そう、コンゴウが渡したのは勇人がコストの高い装備『応急修復要員』……通称『ダメコン』の代わりに低コストで制作した新たな
未来は勇人の考えを察したのか強い口調で龍崎に指示を出した
未来「ッ!?お父さん!直ぐにパパの
龍崎「おう!!」
二人は勇人が再び戦場に赴く事を阻止する為に勇人の
カラン……
未来 龍崎「ッ!?遅かったか……」
勇人「……プファ、相変わらず飲みにくい味だぜ……隙間解放!行ってくる!」
コンゴウ「御武運を……艦長」
勇人「おう!」
勇人は
未来「コンゴウさん!!何故パパを回復させたの!パパがまた『あの男』に殺されるかも知れないのに!!」
龍崎「そうや!コンゴウはん!!アンタも大将……アイツが死ぬのを見たくないんやろ!!」
二人は勇人を回復させたコンゴウを責める様に強い口調で問い質すと、コンゴウは勇人の事を絶大に信頼しているのか、余裕のある笑みを浮かびながら答えた
コンゴウ「艦長が殺される?馬鹿を言うな……艦長は『不死身』だ、お前たちも見ただろ?
未来「しかし……」
龍崎「チッ!アンタとは話にならん!!ワシが、あの馬鹿を止めに行ってくる!!未来は此処で待ってろ!!」
未来「ちょ!?お父さん!?」
龍崎はコンゴウの話に耳を傾けず、急いで勇人がいるであろう正門まで走って行った
コンゴウ「はぁ……あの馬鹿、アイツが艦長を止めれる訳無いだろ……」
未来「パパ……お父さん……」
コンゴウは龍崎の行動に呆れ、未来は
だが、未来の悪い予感が的中するとは……