Admiral of Roughneck~From black to white~   作:八意 颯人

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第25話「葛藤」

1030 執務室にて

 

勇人「……」

 

勇人(………本当は『軍人』として処罰(ケジメ)した方がベストだが……何だろ……今更になって、あの女に同情しているとは……『あんな仕打ち』されても『母親』だと言う気持ちも残っているとはな……クソッタレ……)

 

勇人は机の上に足を置き、椅子にのし掛かり、誰も居なくなった執務室の中で煙草を吸いながら優香里のケジメの付け方についての葛藤そして処罰等を考えてた

 

勇人(……教えてくれ……母さんに親父……俺は……あの女……いや『お袋』に、どう処罰(ケジメ)を付けさせた方がベストなのか……)

 

勇人は大本営に移動している一馬達に願いをする様に悩むと……

 

コンコン……

 

長門「提督……私だ、入室許可を……」

 

勇人「普通に入れば良いのに……許可する」

 

ガチャ……

 

勇人は長門の入室許可を出すと長門は思い詰めた表情で勇人に言った

 

長門「提督、御忙しい中、少し時間を頂けないか?」

 

勇人「……堤下の件か?」

 

長門「……そうだ……艦娘達で話し合った結論は……」

 

勇人「……俺に丸投げ……ってか?」

 

長門「……すまない、提督も『あの女』の件で悩んでいるのは分かっている……だが、私達の一存で『一人の命を失う』となると荷が重いから……」

 

勇人「いつも戦場で深海凄艦の命を消しているのにか?」

 

勇人は長門をリラックスさせる様に、わざと冗談を言ったが……

 

長門「提督!あまり冗談は……」

 

勇人「悪い悪い……んで堤下の件に関しては、現役時代の悪事の事も含め、確実に『銃殺刑』になるから、あまり重く受け止めない方が良いぞ……」

 

長門「な!?そうなのか!?」

 

勇人「ああ……柏木が……」

 

 

 

 

 

実は30分前……

 

 

勇人「……どうするかな……」

 

勇人は優香里のケジメについて悩んでいると……

 

行け~風の如く~♪さだめの戦士~よ♪

 

勇人「ん?柏木か……」

 

Pi♪

 

勇人「どうした柏木?」

 

勇人は電話に出ると柏木は嬉しそうな口調で言った

 

柏木『おい!堤下達を捕まえたんだって!?』

 

勇人「ああ♪それがどうした?」

 

勇人は答えると柏木嬉しそうな口調が一転し、警戒した様な口調で喋った

 

柏木『一応言っておきたい事があってな……堤下の処刑は確実だ!それに任務内容に生死問わずと書かれていても、処罰(ケジメ)として勇人の所(佐世保鎮守府)で処刑したらマスコミや一般人(読者達)のパッシング待ったなしだぞ!絶対殺すなよ!分かったか!後、捕まえてくれてありがとうな♪じゃ!』

 

プープープー……

 

勇人「おい!……ったく」

 

Pi♪

 

勇人は柏木のいきなりの電話に呆れつつ、ふたたび優香里の処罰(ケジメ)について考え始めた

 

 

 

 

そして現在

 

 

勇人「……だとな……」

 

長門(提督の着信音ってJ〇Mの『GAR〇』だったんだ……以外だ……)

 

勇人は長門に今後の堤下の処遇を伝えると長門は荷が降りたのか少し安堵した表情で答えた

 

長門「……そうか、なら先程の悩み事は無しにしてくれないか?」

 

勇人「……どうやら解決したらしいな♪」

 

長門「ああ!ありがとうございます!」

 

勇人「……おう」

 

勇人は長門の悩み事を解決したのにも関わらず、浮かない表情で答えると長門は勇人の様子を察したのか優しく聞いた

 

長門「……提督も優香里の件で……」

 

勇人「ああ……」

 

長門「……提督……いえ勇人さん、貴方は優香里の事を『どう思っている』のですか?」

 

長門は勇人を『佐世保鎮守府総司令』としてはなく『上城勇人(一人の男性)』として聞いてくると勇人は長門の質問に答え始めた

 

勇人「……本来なら軍人(提督)として執らせた方がベストだが……俺の心の中に何処か、あの女を『母親』と思ってしまう所があるんだ……」

 

長門「母親……ですか」

 

勇人「あんな形とは言え『血の繋がった親』だからな……」

 

長門「……貴方って……優しいのね……」

 

勇人「何か言ったか?」

 

長門は勇人に聞こえないように呟き、優しく答えた

 

長門「いえ……『蒼白龍』と怖れている勇人さんも、人の子だな……って……」

 

勇人「まぁ半年前に人間辞めちまったけどな……長門、『艦娘』では無く『一人の女性』として聞きたい……もし身内が優香里……お袋みたいに処罰(ケジメ)を付ける時、お前なら……どう付ける?」

 

勇人は真剣な表情で質問すると長門は少し考え、答えた

 

長門「ふむ……私の血の繋がった身内は『陸奥』しか居ないからな……もし身内ではなく『仲間の一人』が道を外し、優香里の様な事件を起こさせたら……私は……その仲間に、こう処罰(ケジメ)を付けさせるな……『生きて罪を償え、自決(自殺)なんかせず、仲間達に謝罪しろ』とな……」

 

勇人「謝罪……か……ビックセブンのお前が、子供染みた処罰(ケジメ)の付け方を考えるなんてな……」

 

長門「……悪いか?」

 

長門は少しムッとした表情で答えると勇人は微笑みながら言った

 

勇人「……いや、それもありだな……どうやら俺は裏社会で穢れすきたかもしれないな……」

 

長門「勇人さん……」

 

勇人「……結論は出たぞ……お前の悩み事を解決するつもりが俺の悩み事を解決させてもらうとはな……俺も、まだまだ『ひょっ子』だな……長門ありがとうな」

 

勇人は自分を情けなく思っていたのか少し俯き、微笑みながら感謝すると長門も微笑みながら言った

 

長門「ふっ……提督、あの時もそうだが、色々と抱え込み過ぎなのだ、雷では無いが、もう少し私達を頼っては良いのでは?」

 

勇人「フッ……そうだな……これからも、頼る事もあるから……その時は宜しくな」

 

長門「……ああ!では私はこれで……」

 

長門は微笑みながら部屋を出ようとした途端……

 

勇人「待った……長門、もう一つ『聞きたい事』がある」

 

長門「ん?何だ?」

 

長門は勇人に呼び止められ返事をすると、勇人は真剣な表情で言った

 

勇人「………今の生活、楽しいか?」

 

勇人は意味深な質問を長門に聞くと、長門は微笑みながら言った

 

長門「ああ!提督が着任してから充実した日々を過ごしているぞ……提督、貴方の『やり方』は間違ってはいません!だから……」

 

長門は勇人の心情を察し、勇人に近付き、そして……

 

 

 

 

 

 

ギュッ……

 

 

 

 

 

 

勇人「な……長門?」

 

長門は勇人を優しく包み込む様に抱擁した

 

長門「少しは自信を持って……貴方は私達の『司令官(ボス)』なんだから……もし貴方が『間違っていた事』をしていたら私達が修正するから……だから……その……」

 

長門は普段通りの武人の様な口調や雰囲気ではなく、素の性格である優しく穏やかな口調や表情で言うと、勇人は気が楽になったのか微笑みながら言った

 

 

勇人「フッ……何恥ずかしがっているんだ?お前は俺を励まそうとしてハグしたんだろ?なら恥ずかしがる必要はねぇよ……」

 

長門「……久々に慣れない事をするんじゃないな」

 

勇人「だが……気が楽になった、ありがとうな」

 

長門「私も陸奥以外の人に本当の自分を出して恥ずかしいな……提督、この事は……」

 

勇人「分かっている、俺も他の連中には見せられない情けない姿をさらけ出したからな……」

 

長門「……提督、過去に何かあったか知らないが、私達は提督の味方だ……だから……」

 

勇人「分かっている……俺も極力、独りで抱え込まない様にする……」

 

勇人と長門は少し赤面しているが微笑みながら雑談していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 執務室の扉の前では……

 

陸奥「フフッ……お互い不器用なんだから……」

 

優花「……そうですね」

 

鹿島「ですが、長門さんは兎も角、提督さんも『こんな一面』があるなんて意外ですね」

 

金剛「所謂『ギャップ萌え』デスネ……まぁ本音言うと……長門羨ましいデース!」

 

吹雪「まぁまぁ金剛さん……司令官も階級は中将ですが、まだ着任したばかりなんですから……そりゃ『不安』や悩み事位はありますよ」

 

陸奥「そう言えばそうだったわね……では私達は帰るとします……?「ほう……覗き見とは頂けないな……」……げ!?」

 

吹雪「陸奥さん?どうかしま……っ!?」

 

鹿島「あ……貴方達は……帰ったはずでは……」

 

優花「……やば……」

 

五人は微笑みながら長門達を見届ける様に後にすると、五人の前に腕を組み、抜刀している女性と革製のグローブを着けて準備万端な女性がいた

 

そう……

 

金剛「stopデース!!上城少尉に沙耶サーン!?」

 

沙耶 蘭「少し……頭冷やそうか?」

 

吹雪 金剛 陸奥 鹿島 優花「ゴメンナサーイ!!!」

 

沙耶と蘭は覗き見してた五人を滅茶苦茶説教したのは言うまでもなかった

もちろん、途中から勇人と長門も混じりながら……

 

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