新社会「イクシーズ」―最弱最低(マイナスニトウリュウ)な俺― 作:キングオブコージ
降りしきる雨の中たどり着いたイオリ達が、その場を見据える。
どういう事だ、この状況……!?
イクシーズの精鋭達――見知った化け物たちが制止する中で、また、知らぬ数人……敵?達も止まった中。動いている数人。その中にはドウタヌキとワタヌキもいるが、対する向こう側。動いている二人。
違う。
ぬるり……、感じ取る。心臓が鼓動を誤魔化せていない。誰だこいつらは。何者なんだこいつらは。ただの奴らとは違う。なんとも言えぬ違和感、とでもいうのだろうか?言語化できない何かを感じた。
身構える一瞬、その前に、歌川鶻弌弐弎代が翼を広げてその場を駆け抜けた。
「さぁっっ!!」
「──!!」
一瞬、隙を縫うようにドウタヌキとワタヌキへ飛ぶヒフミ。手を伸ばして二人を奪還しようとする。
「だめ」
ヒフミがワタヌキの手を強く握り、締めたと同時にドウタヌキへと伸ばした手が宙を舞う。空振り。ドウタヌキはいつの間にか空に投げ出されていた。なぜ──
水の、糸──!?
穂浪が手を広げていた。目を凝らせば、指の先から延びる細い線……しなるそれは自在に動き、糸のような細さをまるで感じないでいた。それが、すれ違いざまにドウタヌキをさらっていく。上に。
一瞬で張り巡らされた水のスパイダーウェブ。それが空を飛ぶヒフミとワタヌキを捉え、自由に空を飛んでいた筈の彼をイオリ達が立つ地面の側へと落とさせる。
「ぐぁっっっ!?」
「づっ!!」
「ヒフミ!!ワタヌキ!!」
イオリが駆け寄る。かなりの速度だった、あれがアスファルトに打ち付けられてまともな筈がない。苦痛に呻くヒフミがワタヌキを庇っていた腕をなんとか広げ、それでもイオリに笑みを送る。
「通りませんでした……、でも、ワタヌキさんは連れてきましたよ……」
「言ってる場合か馬鹿!!チッ、下がってろ!後はなんとか──」
ドクン。心臓が跳ねる。何か大きなものを感じた。これは、
その方向に目をやれば、あれが……名無きの妖怪?と呼ばれていた男と、そして、攫われたドウタヌキ。見合う二人から、とてつもない何かを感じる。イオリは、それをどう形容していいかわからない。
たまらず、それをこれまで見ているだけしか出来なかったアルトが宙をかけた。
「好き通りには──!」
張り巡らされた水の糸を刀・
「だーかーら、だめだって邪魔なんかさせないから。行くよ、「
さっきの火花は、ぶつかり合った刃の跡。立ちはだかる少女に、ありったけの悪意を邪神が向ける。
「300年の悪夢、鴉魔アルトだ。
「穂波。稲穂の神だ。ベソかいて帰りな