衛宮さんがセイバーじゃなくて抜剣者を召喚しました。   作:さわZ

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リアルの忙しさとスランプで更新が遅れてすみません。

ふと思うんですけどシロウ君は英霊と言われるほど伝説の人物や王様と出会ったのなら多少なりに礼儀を尽くすべきなんじゃないでしょうか?という考えで書いた第三話です。
重ねて更新が遅れて申し訳ございません。め、目指せ完結(吐血)!



第三話 英雄と『王』の謁見

 キレイからの忠告を受けてなお戦う事を選んだシロウはアティに一緒に戦ってくれるように頼みこんだが彼女の答えはNOだった。

 戦うのは自分だけでいい。正直に言うとシロウ君は足手まといだからとピッチャー返しどころかデッドボールを受けた感じがした正義の味方志望者。

 なおも食い下がろうとしたが結局はアティに論破され続けた感情的になりやすいシロウに対して一つずつ事細か良い点と悪い点を出すから困る。肯定し続ければ聖杯戦争参加を認めなければならない。一方的にシロウの要求を拒めば彼は尚更頑固になり参加をするだろう。

 だが、アティはそれが分かっていたのかその間を取ってシロウの参戦を拒んだ。その意志は一番大事だと優しく肯定されれば文句が出にくい。今まで自分の夢を馬鹿にされることが多かったシロウに対して理解者のような者が現れたのは嬉しい。その為、彼女の言葉を受け入れるしかないのだが、自分にもやれることがあるはずだと悩んでいた。

 

 「衛宮君、一応言っておくけど令呪を使ってセイバーを無理矢理従わせることも可能だとか考えないでよ」

 

 「・・・そんな事は考えていないよ」

 

 「どうかな。その顔には躊躇いみたいなものが見え隠れしているぞ」

 

 「駄目ですよ、シロウ君っ。子どもが戦争参加なんて大人の面目丸つぶれです。というか戦争なんてしている時点で駄目なのかもしれないですけど」

 

 アティは知っている。戦争には大きく分けて二種類ある。

 一つは生存戦争。いわば『やりたくないけどやらなければならない戦争』。国や村といった群れの存在が別の存在を犠牲にしないといけない。生き残りをかけた戦闘。

 もう一つは概念戦争。これは『やりたいからやる戦争』という宗教概念や思想といった快楽的戦闘。

 アティが当時の仲間達と共に繰り広げてきた戦争は自分達が生き残る為に、そして自分達の友人達を救う為に繰り広げた戦闘や戦争だ。

 『忘れられた島』から始まり、『狂界戦争』、『傀儡戦争』でもアティは戦う力を持たない人達を『やりたいからやる戦争』から守る為に魔剣を振るい続けた。その戦争以外にも様々な争いが起きたが彼女はその時にも陰ながらサポートや時には共に戦うなどをして『魔剣の英雄』となった。

 そんな英雄が『やりたいからやる戦争』に『止めさせてやりたいから戦争』に参加しようとするのを何としてもやめて欲しかった。だが、もう深夜の時間帯だ。これ以上ここに留まってらちがあきそうじゃないから一度落ち着いて考えてもらうためにも一晩落ち着いてもらおうと考えた。そんな時、協会の主であるキレイの後ろ。教会の最奥の階段から一人の男性が下りてきた。

 

 「面白い女だな。醜くも基本的な事を正しく理解し、茨の道をも笑顔で渡りきろうという気概。気にいったぞ」

 

 「…お、恐れ入りますっ。し、シロウ君、ダメですよ頭を下げてください」

 

 「ちょ、セイバー、何を」

 

 白地のシャツの上に黒のジャージを着た金色の髪をした男が階段の陰から出てきた。その姿を数瞬アティは自分の左胸に右手を当てて、即座に膝をつき礼をした。その後すぐに男の出現に呆然としていたシロウの膝の裏を叩いて慌てて頭を下げさせた。その時彼女がかぶっていた帽子がふわりと地面に落ちたがそれを回収することなく礼をし続ける。

 アティは階段から出てきた男の持つ雰囲気から彼が今まで自分が見てきた英雄や王族に近しい存在だと感じ取った上でほぼ条件反射で例の姿勢を取る。これは彼女が今までそのような存在と何度も接してきた経験に基づくものだ。アティはリンやアーチャーにもそれをするように言おうとしたが、金髪の男がそれを制した。

 

 「構わん。今は正式な場ではない。むしろこの我を見て即座に礼を取れる貴様が見事と言わざるをえん」

 

 「寛大なお心遣いに感謝いたします」

 

 「ちょ、セイバー。おうっ?!」

 

 「ちょっと、あんた誰よ。って、アーチャー?」

 

 「・・・リン、下がっていろ。あいつはただものじゃないぞ」

 

 シロウが抑えられた頭をあげようとしたがその容姿からは考えられないほどの膂力で押さえつけられた。王族と対面した時は礼を尽くす。そうでなければそれは禍根となり、国と国との交流に亀裂を生む些細なきっかけになる。理不尽な輩にそこまで礼を尽くすことはないが目の前にいる王族はそこまでの輩ではないとアティは判断した。同時に彼のバック。はたまた彼自身は強大な力を持っていると感じ取った彼女はまずは礼をすることにより相手への敵対心を可能な限り減らしたかった。アーチャーもまたアティと同じように目の前の男の力を感じ取ったのかリンの前に出て男の視線から隠すように立つ。

 キレイはというとなんで今出てきたのかと眉間にしわ寄せながらも男の方を無言で見ていた。

 

 「許す。面をあげよ」

 

 目の前の男性から顔を上げる許可を貰ったアティはシロウの頭から手を放しながら顔をあげた。

 

 「ほうっ、見た目では蝶よ花よと育てられた生娘のようだが、清濁を併せ持つ器量を醸し出す気概。そして何より礼を取りながらもこの我がいつ『襲い掛かってきても迎撃できる』ようにしている必要最低限の魔力運用。非礼ながらも礼を尽くす腹芸も多少出来る」

 

 「…見事なご慧眼。そして我が非礼をお許しください。今は戦時故に私自身も気を張らねばなりません。貴方に礼を尽くせるだけの非才をどうかお許しください」

 

 自分が行っていた非礼な対応をも見抜きそれを許す彼の力を戦争の素人であるリンやシロウも思わず息をのむ。すぐ近くにいるアティの姿勢は仕方ないとしても魔術使う者としてアティが自身の強化に使っていた魔術の気配に気づくことが無かった。そしてシロウも自身がようやく行う事が出来る強化の魔術を文字通り肌に触れているにも関わらず感じ取ることが出来なかった。

 

 「ふん、許す。貴様はこの聖杯戦争ではバーサーカーから最も離れた存在。セイバーに近い礼儀を知り、キャスターの様に頭もまわる、かと思えば今もアサシンの様に不意を突く。突かれても対応できるような姿勢。全てのサーヴァントの資格を有しているやもしれんな」

 

 「身に余るほどのお言葉。恐縮であります」

 

 アティはシロウに召喚される際に押し付けられるように知らされた聖杯戦争の事情からある程度知っていた。

 

 自身の能力を知性と引き換えに強化した狂戦士、バーサーカー。

 膂力を上げ軽快に戦場飛び回る事の出来る槍兵のランサーや騎士のセイバー。

 ロングレンジの攻撃に対応したアーチャーに、魔力的な資質を底上げするキャスター。

 気配遮断と言った暗殺向きの暗殺者アサシン。

 戦車といった戦場を駆け巡る物を扱う事で能力を上げることが出来るライダー。

 

 実はサーヴァントとしての資質や可能性をアティはすべてを有しているが敢えてそこは語らない。それは彼女の持つ剣。『果てなき蒼』。ウィスタリアスが四つの世界の力とそこから集った技術や人材たちとの触れ合いを持った彼女だからこそとも言える。実は自分は一時知性を無くし戦闘に特化した存在。狂戦士、バーサーカーになった事があるのだ。

 とはいえ、彼女はそのウィスタリアスが無ければ先の戦闘で戦ったランサーに傍にいるアーチャー。まだ見ぬサーヴァントと肩を並べることは出来ない。それを肌で感じ取ったアティは最悪を回避するためにも相手の敵対心を煽らないようにしなければならなかった。

 目の前にいる王族もまたまだ見ぬサーヴァントなのではないのかと、警戒せずにはいられなかった。

 

 「この我が目の前にいるからといって気を張らなくても良い。何も自害しろとは言わん。戦場には戦場の華の愛で方というものもある。貴様はその華やもしれんな。精々足掻くがいい」

 

 言うだけ言って再び教会の句へと引っ込んでいった男の後ろ姿が完全に見えなくなるまで見送ったアティは大きく息を吐きながら立ち上がった、これまでにも自分が関わったことがある王族の中で彼はとびきりに危ない存在だった。その気になればこちらを圧殺できる何かを感じさせたからだ。

 

 (・・・王族といってもスバル君とは大違いね。)

 

 アティは鬼の王族である教え子の事をふと思い出した。子どもの頃からヤンチャな彼は王族というよりもガキ大将。大きくなってからは少しは落ち着いたがそれでもあそこまで威圧的かつ強力な雰囲気は持ち合わせていなかった。他にも『王族』や『王』。果ては『神』という存在をも知っているがそのどれもが先程の男性から感じられ、それ以上の何かを感じ取ったアティが思わず大きくため息をつくのは仕方のない事だった。

 リンがキレイにあの男のことを聞いてきたが彼は自分と同じようにこの聖杯戦争で一般人被害及ばないように動く『抑止力』なのだと。そこからは詳しく追従しようとしたリンだが既に深夜。あと五時間もしないうちに朝日が昇る時間帯だ。一度落ち着いて状況を把握するためにも一同はそれぞれの家路につくことにした。

 道中でリンとアーチャーが襲い掛かってきたらどうするんだと問いかけてきたがアティとシロウの答えはリンがそんな事をするはずがないという曖昧な、だけど二人にはそうとも確信していた。リンは自分が舐められているのかと憤慨したが正々堂々と自分達に宣戦布告してきた相手が不意打ちなどするものか。と、

 自分の事を全て知られているように感じたのか今度は違う意味で顔を赤らめたが今度顔を合わせた時は完膚なきまでに叩きのめしてやるんだからと言い放つ直前に重く響く金属音と共に少女の声がシロウ達の耳に届いた。

 

 

 

 ―やっと召還したんだね。オニイチャン―

 

 

 

 同時刻。

 とある寺にいたキャスターは盛大に愚痴をこぼしていた。

 寺の陰でその姿は完全に見ることは出来なかったがキャスターは全身を覆うローブからも見て取れるように体全体で息をしていた。

 そんなキャスターに近寄る影。その陰は東洋でいう着物という物と刀と思われる長い棒状の何かを持っていた。

 

 「なんなのあいつはっ!本当にバーサーカーなの!?あれはまるで」

 

 「はっはっはっ。どうしたマスターよ?そんなに息を切らせて」

 

 「アサシンッ!貴方はアサシンよね!小次郎!」

 

 「どうしたのだマスターよ、もしや私の事を忘れられたのか?そもそも私を呼び出したのはそなたではないか。その通り私がアサシンだ。よもや偵察に行っている間に何かあったのか?」

 

 アティのウィスタリアスが放った一撃を調べに出たキャスターは道すがら銀の少女とその少女の後ろに立つ巨大な黒い影から攻撃を受けた。

 

 「そうよ!アサシンじみた攻撃を受けてのよ!それなのにあの荒々しい魔力はバーサーカー!同時に二つのクラスを持つサーヴァントなんて聞いたことが無いわ!」

 

 「サーヴァントを呼び出すサーヴァントも珍しいがな」

 

 そう、本来なら言葉を交わすこと自体が珍しい。躱すとしても互いに殺しあう戦場であるはずのアサシンがキャスターに向かってマスターなどというのには彼女。キャスターがアサシンを召喚したからに過ぎない。本来なら殺しあうはずの敵を手ごまにした偉業を成し遂げたキャスターがこんなにも慌てて逃げ帰ってくるなど珍しいとアサシンは思わず声をかけたのだ。とある事情からアサシンは寺から離れることが出来ない。その為キャスターは使い魔的存在である彼を偵察に向かわせることが出来ないので自身で調査に赴くしかなかったのだ。

 

 「黙りなさいっ!ああ、もうあれは何の英霊!いえ、あれはどちらかといえば『宝具』その物よ!」

 

 宝具。

 その英霊が持つ武器や能力であったりする者で、その英霊の代名詞とも言われる存在。

 アティならウィスタリアス。ランサーならゲイ・ボルグと言った彼女達の武器がまるで一人でに戦っているように感じたからだ。

 そんな時に出会った。銀の少女と黒い人型サーヴァント。されどサーヴァントからは人の柔らかさというか質感を感じさせない重厚な鎧を纏っても滲み出る人という気配を全く感じ取れなかったキャスターは困惑の末、撤退せざるを得なかった。

 

 「『宝具』自体が。ふむ、面妖な。まるで妖怪や物の気といった存在か」

 

 「・・・妖怪。そう、ね。その考えはあるかもしれないわね」

 

 日本という国にはそう言った伝承がある長く使われ続けてきたものには魂が宿る。それは時として担い手もいないのにその役目を果たす為動き出すという。まさに自分を襲ってきた『妖怪』ではないだろうか。

 

 「アサシン。貴方が知り得る限り言いなさい。その妖怪という物。特に、『動く鎧』について詳しく、ね」

 

 サーヴァント達の夜はまだ終わらない。

 




 プリズム・イリヤで、もしルビーがイリヤよりもアティ先生と出会っていたら?

 ルビー「成人女性であるにもかかわらず魔法少女力が880だ、と?」

 アティ「な、何ですか、この杖?サプレス、いえ、シルターンの妖怪でしょうか」

 ルビー「僕と契約して魔法少女になってよ。なぁにちょっと全裸になって恥ずかしい格好をするだけのお仕事さ!」

 アティ「い、いやですよう、そんな恥ずかしい事なんて…」

 ルビー「魔法少女力1、1380…。恥じらう事で萌え度を上昇させているのか。もしやあなたが伝説のスーパー魔法少女。脱衣していく毎に戦闘力が増していくあの魔法少女!」

 アティ「どの魔法少女ですか?!」

 みたいな? 
 馬鹿な事を考えるのは全然苦にならないんですけどねぇぃ・・・。
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