艦娘達の長い一日   作:よろず屋

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第8話

基地 近海

 

敵の大艦隊が押し寄せ、艦娘達が迎撃に当たっていた。

飛龍「次から次へと、しつこいよ!」

放つ矢は艦載機に姿を変え、戦場に飛び立つ

上空を飛び交う戦闘機の群れを散らし交戦状態に入った。

戦闘は熾烈を極め、敵味方ともに多大な損害を出していた。

 

瑞鶴「えっ?叢雲?どうしたの!叢雲!」

暁、白露と同じく瑞鶴や他の艦娘達も叢雲の通信を受信していた。

神通「マズイ事になりましたね、こちらは敵の数が多くて応援が出せません」

戦っている神通は、

素早く敵の攻撃をかわしながら、カウンターで魚雷を撃つ。

敵駆逐艦「グワー!」

並んでいた敵駆逐艦が立て続けに爆発し、沈む

脇からも敵が群れをなして襲ってくる。

神通「何度こようとも!」

振り向きながら連続で砲撃、ボンボンと敵が爆発する。

神通「数が多いわ」

周囲に他の敵が居ないか見ながら、神通は滑走する。

しかし、進行方向に敵潜水艦が潜んでいた事には気がつかなかった。

神通の足元が炸裂し、水面を派手に転ぶ

神通「キャー!」

パシャパシャと飛び石の様に転ぶと、

足を押さえてうづくまる。

瑞鳳「神通さん!よくもっ!」

瑞鳳の放つ矢は、空中で偵察機となる。

偵察機は早々に潜水艦の位置を調べると、

通信を入れた。

如月「わかったわ、そこね!」

通信を聞いた如月は、指示された場所に爆雷を投げ入れる。

しばらくして、底からくぐもった爆音と、大きな泡が吹き出した。

如月「やったわ!神通さん、今助けますから」

如月は足早に神通に近づき肩を貸した。

如月「一旦、基地に戻りましょう」

神通「、、ありがとう」

如月「ここは危険です。急ぎます!」

その様子を見ていた他の敵が、敵が後を追おうとする。

 

「ギギギ、ニガスナ」

2人への道を大井が遮る。

大井「ここから先は私を倒してから行きなさい!

まー、無理だと思うけど?」

大量の魚雷が敵艦隊に向けて放たれる。

「グガガ、ギャー!」

黒煙を上げて、群れは爆発する。

大井「いっちょあがりね」

ポンポンと手を払い、次の敵に向かう

上空で繰り広げられているドッグファイトをくぐり抜け、

偵察機が敵艦隊の様子を偵察する。

千歳「現在交戦中の敵艦隊は、何層にも展開!まだまだ来るわ!」

通信を受けた千歳は、全軍に通達

金剛「シット!今日は敵さん大盛況ネー!」

榛名「ここを抜けられたら、基地に被害が出ます!

皆さん、何としても進行を阻止して下さい!」

 

夕立「ぽい〜、、」

ついため息が漏れる。

夕立「折角、敵襲で授業休みになったのに、

これじゃ、授業してた方がいいっぽい〜」

ブツブツ愚痴る夕立に魚雷が迫って来た。

那智がそれを射撃した。

爆発と共に、水飛沫を浴びる夕立

夕立「ぽ、ぽい!?」

那智「こら!よそ見するな、戦闘に集中しろ!これも実戦授業だそ?」

夕立「ぽい〜」

指をさし熱弁する那智にやりづらい気持ちが込み上げる。

足柄「そんなに授業が受けたかったんなら

戦闘後、私達が特別に補習してあげるわよ〜?あんた成績悪いしね」

意地悪そうな顔で話す足柄

那智「それは名案だなさっさと敵を片付けて、補習だ!

腕がなるぞ〜」

那智はいつも以上に張り切って、敵を攻撃し始めた。

夕立「口は災いの元って、本当っぽい〜」

しょげ返る夕立を睦月達は励ました

睦月「夕立ちゃん、私達も一緒に受けてあげるから元気出して!」

吹雪「うん、そうだよ、解らないところがあったら教えてあげるね」

夕立「ありがとうっぽい!」

夕立は元気を取り戻した。

 

前線では、金剛を旗艦とした艦隊を展開していた、

山なりに砲弾が雨あられの如く降り注ぐ。

金剛「シット!」

金剛は数発被弾するも、いまだ健在。

金剛「1、2発もらったところで、沈みはしないネー!」

榛名「お姉さま、こちらも反撃を!」

榛名、金剛は砲門を構える。

金剛「倍返しは基本ネ!

バーニングラーブ!!」

主砲が景気良く鳴る。

「グワー!!」

戦艦撃破!

榛名「お見事です、お姉さま!」

金剛「イエース!」

100万ドルのスマイルでピースする。

千歳「第二波、来ます!」

通信を受け、一同は身構える、先程よりは少ない砲弾が降り注ぐ。

金剛「この程度なら、避け切れるネー!」

全員、回避行動をとる。

榛名「当たりませんよ!」

榛名は海面に手をつき、側転して避けた。

山城「ぐえっ!」

運悪く榛名が避けた流れ弾が、山城の脇腹に命中した。

山城「ひゅーひゅー、ふ、不幸だわ、、」

喉から風が吹き抜け、山城は倒れる。

千歳は慌てて駆け寄る。

千歳「損傷は軽微ですが、気を失ってます!」

金剛「今すぐ撤退してクダサーイ!」

榛名「ここは私達で死守します!」

次々と迫る砲弾を殴り飛ばし、攻撃をいなす金剛姉妹

千歳は山城を引きづり、撤退した。

 

芳しくない戦況を憂でいる瑞鶴

瑞鶴「不味いわね、この数じゃ、叢雲の援軍に行けない、、」

瑞鶴はつい不安な声を漏らしてしまった。

飛龍「瑞鶴、、行ってあげなよ」

戦闘機を収容しながら、飛龍は続ける。

飛龍「敵の数は多いけど、練度は大したことない。

基地の艦娘を総動員させれば、何とかなる相手だよ。

やっぱり、これは陽動で川の上流に向かったのが本命」

飛龍は弓を放ち、弾薬を補充した戦闘機を飛ばした。

飛龍「ここは私達に任せて、瑞鶴は援軍に行って」

瑞鶴は考えたが、思い留まる。

瑞鶴「飛龍さん、私、そんな事出来ないよ、、

だって、どう見ても敵の数が多すぎるよ

このままじゃ、基地が落ちるのも時間の問題。

それなら私も一緒に戦って、少しでも基地の防衛に、、」

その時、瑞鶴の頭上目掛け、爆弾が投下された。

飛龍「危ない!」

瑞鶴「えっ?」

爆弾は瑞鶴の頭に着弾し、爆炎と共に破片を撒き散らす。

飛龍「ああっ!」

しかし、瑞鶴は無傷で頭を抱え、しゃがみこんでいた。

コンゴウ「世話の焼ける、、」

漆黒のドレスが風になびく。

薄光るクラインフィールドが消失し、瑞鶴の後ろにいたコンゴウが前に出てきた。

瑞鶴「コンゴウさん、、」

コンゴウは腕を組み、瑞鶴を見下ろす。

表情は非常に冷たく威圧的だった。

コンゴウ「お前は聞いていなかったのか?ムラクモの通信を。

あれは、敵に敗北し、今まさに殺されようとしている」

瑞鶴「あ、、」

あまりの戦闘の激しさに、叢雲の状況を考えられないでいた、自分に気づく。

コンゴウ「それに敵の作戦が成功すれば、

この基地はおろか、街まで壊滅的な被害を被る事になる。

それは我々の敗北と同義だ」

瑞鶴はコンゴウの言葉に押され、下を向く。

飛龍は少し不安そうな様子で見ている。

飛龍の仕草を見て、コンゴウは少し考えた。

コンゴウはしゃがみ、瑞鶴の顔と同じ高さに合わせる。

瑞鶴はゆっくりとコンゴウの顔を見た。

 

コンゴウ「私からも頼む

ムラクモを救ってやってくれ

今、動けるのはお前だけだ」

その顔には先程の冷たさや威圧的な感じは無かった。

温かみのある柔らかい表情、

それでいて瑞鶴を信頼している気持ちが、伝わってきた。

瑞鶴はコクリと頷き、立ち上がった。

瑞鶴「わかった、私、叢雲を助けに行くわ」

弓を手に取る。

コンゴウも立ち上がり、ほんの少しだけ、微笑んだ。

コンゴウ「さて、我々も役目を果たすぞ」

コンゴウの周りにナノマテリアルが集まり、艦娘の艤装に変化した。

踵を返し戦闘に戻ろうとする。

飛龍はコンゴウの背中に話しかけた。

飛龍「もっと柔らかい言い方でも良かったんじゃない?コンゴウ」

コンゴウ「勉強中だ」

振り向きもせずに、戦闘に戻っていった。

飛龍「やれやれ、不器用だなぁ」

苦笑いをし、コンゴウの後に続いた。

 

高速で戦闘海域を離脱

瑞鶴「普通に進軍するのじゃ、間に合わない

アウトレンジで救出に向かうわ!」

矢を連続で放つ、瑞鶴の所持する全艦載機が上空に旅立った。

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