忘れ去られし大罪 ~The Nine Deadly Sins~   作:キリュウ

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えぇ~その~何ですかね~

七つの大罪のSS無いな~と思ったらなぜか書いてしまっていました。

あ~他作品も執筆しているのに私は何をしちゃってるんでしょうOrz

でも、何か書いちゃってたんです!

その~しょうもない作品になるかもですが、よろしくです。


第1章 : 大罪集結編
第1話 : 錆びの騎士


 

 

 

 

暗いくらい夜の森の中を錆びた鎧をがしゃんがしゃんと鳴らしながら歩いている騎士がいた。しかしその足取りはふらふらで、横にゆらゆら揺れながら歩き、今にも倒れそうだ。そして案の定、錆びた騎士は自分の右足に左足をぶつけて転んでしまった。まぁ転んだなら起き上がればいいだけの話、しかし錆びた騎士は中々起き上がらない。

どうやら空腹と疲労で起き上がることも困難なようだ。もしここが街中やどこかの村につながる道だったりすれば近くを通りかかった者に助けてもらえるかもしれないが、残念ながら錆びた騎士が倒れた場所は辺鄙な森の中で助けてくれそうな人が通りかかる気配がない。

それは錆びの騎士もわかっているのか、腕に力を入れ、膝をたて起き上がった。しかし頑張って起き上がったものの疲労と空腹が解消されたわけではない。錆びの騎士がまた倒れるであろうことは確かだった。そしてまた今度は左膝の力が抜けてしまい、そのまま斜め左方向に倒れかけた。

しかし、今度は地面に倒れ伏しはしなかった。

 

「おやおや、あぶないあぶない。騎士さん、大丈夫かい?」

 

錆びの騎士が倒れそうになったのを支えたのは一人の老婆だった。といっても腕で支えているわけではなく、錆びの騎士の身体が倒れることなく浮いていた。なぜこんな森の奥にしかもこんな時間帯に一人で老婆が座っていたのか不思議だが、しかしそのおかげで錆びの騎士が地面に打ち付けられるのは回避された。こんな森の奥にいるにも関わらず老婆の身なりはどれも綺麗なものばかりだった。老婆が手に持っている杖を横に軽く振ると浮いている錆びの騎士が仰向けになり、ゆっくりと地面に降りた。

 

「それで、お前さん、どこに向かってるんだい?」

 

老婆が錆びの騎士に尋ねた。

 

「あ、・・・ぅ・・・」

 

兜越しに話ているのも相まって錆びの騎士の声は何を言っているのかわからないぐらい小さなものだった。それを老婆は何かわかったのか「ふむふむ、そうかい」と頷く。老婆が一体なにに頷いたのかはわからない。

 

「そりゃぁ大変だね~。よし、私があんたの願いを叶える手助けをしてやろう。な~にお金はいらないよ。お金には困っちゃいないからね」

 

老婆は錆びの騎士に一つ願いを叶えてやると言う。といってもこの老婆の言葉に錆びの騎士は、うんともすんとも答えていないのだが老婆は勝手に続きを話す。

 

「よしよし、次の内からどれか一つを選びな」

 

老婆は訊いた。

 

一つ、怒りから大国を滅ぼした憤怒(ドラゴン)

 

一つ、最強と最弱に苛まれる傲慢(ライオン)

 

一つ、目的の為ならばと虚栄を張る欺瞞(シーミウス)

 

一つ、己が思いを貫き、濡れ衣を着せられた嫉妬(サーペント)

 

一つ、聖女に永遠の命を与えられた強欲(フォックス)

 

一つ、一のために全を殺す恐怖(ウルラ)

 

一つ、知識をむさぼり続ける暴食(ボア)

 

一つ、感情というものが欠落してしまった色欲(ゴート)

 

一つ、絶対的な守護者でありながら、大事な者達を守れなかった怠惰(グリズリー)

 

「さてさて、どれがいいか?」

 

老婆はだまって錆びの騎士の返事を待っているが、錆びの騎士はずっと黙っている。それは決してどれを選ぶか悩んでいるとかそういうわけではなく、

 

「おやおや、この娘、気絶しちまってるのかい?」

 

老婆は鼻の上に小さく乗っている丸眼鏡をくいくいと動かし錆びの騎士を見る。

 

「ほれほれ、仕方がないね~まったく。じゃあ私が勝手に選ぼうかね。どれどれ、うん、こういう時にはやっぱり団長(トップ)に任せるのが筋ってもんかね」

 

そう言って老婆は錆びの騎士の鎧に杖を向けた。

 

「ふっふっふ、ほれ頑張りなよ”自立行動(オートマシーン)”」

 

老婆の杖から光が出るとそれに呼応するように錆びの騎士の鎧が光始めた。すると先ほどまで横になっていた錆びの騎士がむくりと起き上がる。

 

「あとはあの人に任せな。何とかしてくれるだろうよ」

 

錆びの騎士から返事はない。しかし錆びの騎士は一歩、また一歩と歩きだす。老婆の魔法によって勝手に目的地に向かって歩き出したのだ。錆びの騎士がうわごとの様に「ななつ・・・の・・たい・・・ざい」と呟いているのが老婆にも聞こえた。

 

「そうかいそうかい、世間じゃ今は七つ(・・)なのかい。まぁどうでもいいがねぇ」

 

老婆は去っていく錆びの騎士が見えなくなるまでその場から動かず眺めていた。そして錆びの騎士が来るまで座っていた場所に戻り腰を下ろした。

 

「こうして夜空をたまたま見に来たらまさかお嬢ちゃんに会うとは・・・」

 

老婆はどこから取り出したのかわからない、水らしき液体が入った木製のジョッキを片手に持っていた。周りは驚くほど静かで、老婆の飲むごくごくという音しか聞こえない。なのに老婆はジョッキの中身をすべて飲み終えてからこう言った。

 

「これも何かの定めだと思うかい?ねぇ、みんな(・・・)

 

老婆はよっこらせと言いながら腰を上げ、おそらく老婆の家があるのであろう方角に杖をつきながらゆっくりと歩いて行った。このとき、老婆の手にあるのは杖だけで、先ほどまで持っていたジョッキはどこかに消え去っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次話が原作の第1話になります。

お楽しみにしておいてください
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