2人のNewヒーロー   作:しれぷ

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 <>内の文は(※)のついた用語の注釈ですので、原作をプレイしている方は飛ばしてもらって構いません。


出会い

 新幹線に揺られること数時間。俺は持ってきたおやつをつまみつつ、窓の外を眺めていた。

 

「めちゃくちゃ遠いな、ハイカラシティ。さすがは都会だよなぁ」

 

 いや、実際俺が住んでいたところが辺境な田舎なだけなのだが。だって電車じゃなくて列車だぜ!?しかものぼりの列車は3時間に一本しかないなんて……。家を出るときは慌ただしくしていたが、間に合わなければ今頃はまだハイカラシティ行きの新幹線への乗り換えも済んでいないところだっただろう。

 しばらくすると、車内アナウンスが流れてくる。

 

『まもなく~、ハイカラシティ~。お降りの際は忘れ物にご注意ください~』

 

 聞き飽きた車内アナウンスだったが、いよいよハイカラシティに着くようだ。着いたらまず何をしようか。そんなことを考えつつ、降りる準備を始めた。

 

 

「おー!すげー!これが生のイカスツリーか!」

 

 駅のホームから出た俺は、まず目についた一番大きなタワーに感動する。俺の故郷じゃこんな建物まず無いしな。見慣れないものだらけの広場をキョロキョロしていると、イカスツリー右のビルのモニターが動き出す。

 

「ごきげんイカがですか?ハイカラニュースの時間だよ!」

「こんちゃ~、シオカラーズで~す」

 

 うおお、シオカラーズだ!本物だ!アオリちゃんかわいい!ホタルちゃんもかわいい!

 

「現在のレギュラーマッチのステージはコチラ!」

「じゃらじゃらじゃらじゃら…ばん!」

 

 といったところでステージの紹介が始まった。こんな感じで、ハイカラシティ一のイカすアイドルユニット、「シオカラーズ」が定時になるとナワバリバトル(※1)のステージ変更をお知らせしてくれるのだ。毎日シオカラーズを見れるなんて、やはりハイカラシティは素敵なところだった。

 

<※1ナワバリバトル…3分間4人対4人でインクを塗り合い、塗った面積の多いチームが勝利する。ここまで注釈していなかったが軽く流してほしい。>

 

「じゃ、今日も元気にいってみよー!」

「イカ、よろしくーーー!」「イカ、よろしく~~~」

 

 やばいやばい、さっきから興奮しすぎてニュースの内容がぜんぜん頭に入ってこないまま終わってしまった。クールになれ、ユウ!

 気を取り直して広場をうろつく。新幹線の中で決めたことだが、まずはナワバリバトルをしないと始まらない。受付かなんかが無いか探してみよう。

 しばらくうろうろしていると、近くにいたボーイが話しかけてきた。

 

「君もしかしてハイカラシティは初めてかな?」

「え? ああ、よくわかったな」

 

 なんだこいつ、超能力者か?

 

「そんな田舎者丸出しの動きしてたら誰だってわかるよ」

 

 フフッと鼻で笑われた。しょうがないだろう、新しい土地に来たら目新しいものがいっぱいあるんだから。

 

「ごめんごめん、悪気は無かったんだ。そんなしかめっ顔しないでおくれよ。お詫びに広場の案内くらいはするからさ」

 

 少し失礼な奴だが、悪い奴ではないようだ。とりあえず自己紹介しておくか。

 

「ありがとう。俺はユウ、お前は?」

「僕はリッキーっていうんだ、よろしく、ユウ」

「ああ、よろしく。さっそく聞きたいんだけど、俺はナワバリバトルをしに来たんだ。どこに行けばできるんだ?」

「いきなりかい?ブキは持ってるの?」

 

 おいおい、ブキも持たずにバトルに行くなんて言うわけがないだろう。このときのために、小遣いでわかばシューターを買ったんだぞ。

 

「まあ、ブキも持たないでバトルがやりたいなんて普通のイカが言うわけないよね」

 

 いちいち失礼なやつだな。思ったことをズバズバ言うタイプなんだろうな。

 

「ナワバリバトルならイカスツリーの中で受付してるよ」

「え?マジで?あれってただのタワーじゃなかったのか?」

「うん、僕も最初は驚いたよ。とりあえず詳しいことは中で聞いてみると良いよ」

「わかった、ありがとなリッキー」

「うん、じゃあまた会えたら」

「またな」

 

 そう言ってリッキーと別れると、イカスタワーへと向かった。

 

 

「イカスツリーへようこそ!バトルの登録ですね?」

「は、はいお願いします」

 

 受付のガールに挨拶しただけなのになぜわかるんだ。だんだん怖くなってきたぞ。

 

「ではこの登録書に……」

 

 受付に言われた通り、登録を済ませて行く。

 

「では最後に、このタブレットをお持ちください!」

「これは?」

「こちらバトル中の戦況確認や、タブレット同士の通信など、バトルを行うイカたちの必需品になります!」

「あ、ありがとうございます」

「では、一刻も早くイカすイカになれるよう、健闘を祈りますね!」

 

 最後の発言は要らなかったんじゃないか。まあ一応祈られてるわけだし、頑張らねば。

 これで晴れてナワバリバトルができる。俺は早速ナワバリバトル用の転送装置に向かった。

 

 

「……全然勝てない。」

 

 あれから10戦くらいやってみたが、一回も勝てなかった。あんなにイメージ練習してきたのにこんなにも勝てないものなのか。インクが敵に当たらない。インク管理が難しい。味方の足を引っ張ってばっかりだった。おかげでもう相手のインクを被ることが怖くなくなってきたぞ。もう何も怖くない。

 冗談を言っている場合ではないな。なんだかもう疲れた。あと一戦だけやったら今日はもうやめよう。

 

 

 スタート地点に転送される。今度のステージはシオノメ油田(※2)みたいだ。さっきまで負けてばかりだったが、さすがの俺でも攻略法はわかってきたぞ。北を取ればいいんだよな。

 

<※2シオノメ油田…周囲が海で囲まれているマップで、北のコンテナ広場と南の入り組んだ地形に分かれている。北エリアの面積は南エリアと比べるととても大きいため、大抵コンテナ広場とそこまでの道を守ることができれば、勝ちは濃厚だろう。ただし、北だけに執着しているといつの間にか負けてたりする。注意しよう。>

 

 始まりの合図が有り、味方が一斉に動き出す。俺もみんなに続いて塗って行く。目指すは北エリアだ。

 

 

 開始から2分ほどが経ち、自チームは北エリアを取れている。良いぞ、俺もなんだか調子が良い気がするな。なんたってまだ3デスしかしてないからな!そんな俺は北エリアの塗り残しを塗っていた。味方が中央で敵の侵入を防いでいるから、俺は俺の仕事をするまでだ。このままなら勝てるぞ。

 あらかた塗り終わったので、タブレットを確認して塗り残しが無いか確認する。

 

「……! まずい!!」

 

 中央を守っていた味方がやられていることに気づいた。このままだと北に侵入されてしまう。これは俺の出番か。

 中央まで行くと案の定敵が2人来ていた。俺には2人も相手にできる気がしない。だが今はスペシャルウェポン「バリア(※3)」がある。バリア発動中に2人とも倒してしまえばいい。

 

<※3バリア…しばらくの間、攻撃を防ぐバリアを張る。近くにいる仲間にも残り時間分の効果をおすそわけできる。>

 

「さあ、勝負だ!」

 

 バリアを展開して意気込んだものの、俺は敵の巧みなフットワークに翻弄され、なかなかインクを当てることができないでいた。俺が下手だと言えばそれまでなのだが。

 

「うわぁっ!」

 

 よし、1人倒せたぞ!このままもう一人……

 

「あ」

 

 バリアが切れた。これはもしかして……

 

「もらった!」

 

 ですよねー。もうちょっとで倒せそうだったんだけどなあ。負けを覚悟した、そのとき

 

「ちょっと君、何ボサっとしてんの!」

 

 ガールの声とともに、南の方から大量のクイックボム(※4)が飛んできた。

 

<※4クイックボム…ぶつかるとすぐに爆発するボム。威力は低めだが、インク消費量が少ないので沢山投げられる。>

 

「え、ちょ!うわぁっ!」

 

 敵のボーイは不意を突かれたみたいで、あっという間にやられてしまった。俺も突然の出来事でびっくりしている。すると、さっきボムを投げてきたであろうガールが近づいてきた。

 

「ふう、なんとか倒せたようね」

「あ、ありがとう助かったよ」

 

 といったところで笛の音が聞こえる。バトル終了の合図だ。ジャッジ君(※5)の判定が始まった。47%vs40%で自チームが勝ったらしい。

 

<※5ジャッジ君…なぜかナワバリバトルの勝敗を瞬時に見極めることができる猫。この世界唯一の哺乳類らしい。>

 

「あぶなっ!君がやられたら負けてたじゃないの」 

 

 と苦笑いされた。実際その通りだ。俺がやられていたら、北エリアを塗り返されていただろう。

 

「君が来てくれたから勝てたよ」

「そうね、感謝しなさいな」

 

 なかなか気の強いガールのようだ。控え目な胸を堂々と張っているところが微笑ましい。

 

「ちょっと、何笑ってるのよ」

「いや、なんでもないよ」

 

 顔に出てたようだ。しかし初勝利がこんな形になってしまうとは。常勝プレイヤーになるにはまだまだ道のりは長そうだ。

 

「さあ、戻りましょうか」

「そうだな、疲れたよ」

 

 俺たちは今のバトルの話をしながらスタート地点の転送装置へと向かった。

 

 

 ハイカラシティに戻ってきた俺は、イカスツリー一階のロビーで考え事に耽っていた。

 

「……ナワバリバトルは思ってた以上に難しいなあ。慣れていくしかないか。それよりもフク屋とかに行ってギアを変えた方が良いのかなあ。それとも……」

「ねえ、さっきの君」

「いやそれともブキが悪いんだろうか。わかばシューターっていうのは初心者にも扱い……イタッ!?」

「ねえってば!聞いてる!?」

 

 いきなり頭を小突かれた。振り返って見ると、さっきのガールだった。俺のことを呼んでいたのか。

 

「痛いな。びっくりするじゃないか」

「だって呼んでるのに返事してくれないから」

「だからって殴ることないだろ」

「はいはい、それよりもさ」

 

 適当に流された。それにしてもこの子は俺に何の用があるというのだろうか。

 

「君、今日ハイカラシティに来たでしょ? 多分田舎から」

 

 ……なんでわかるんだ。

 




 ユウ君初めての都会とナワバリバトル。作者の僕もスプラトゥーン始めたてはこんなもんでした。体験談みたいなものだと思ってください。リッキー君はチョイ役のつもりなので彼のことは忘れてくれて構いません。ちなみにイカスツリーの中は僕の想像です。

 次の話はガールとの絡みですかね。一応現時点で僕がイメージしていた彼女の装備はこんな感じ。

ブキ:スプラシューター
アタマ:ヘッドバンド ホワイト
フク:アイロニックレイヤード
クツ:アケビコンフォート

 彼女は攻撃力アップが好きな設定の予定なのでこんな感じ。あくまでイメージですので、読者の方々の好きな装備でイメージしてやってくれると僕が喜びます。

 バトルの描写ですが、長々と書いても絶対飽きさせてしまう(それ以前に読んでられない酷さになりそう)ので、極力省略・簡略化していこうとは思います。ご都合主義のような展開になってしまうでしょうが、明らかにありえない展開はしないつもりです。

 それと、<>の注釈ですが、文中に置いたら邪魔ではないでしょうか。それとも文末に置くのが良いのでしょうか。意見とかもあったら参考にします。
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