スマホだと大変ですなー
せめてブルートゥースのキーボードがあればなー
「もー、おいてくなんて酷い!」
あの後ナツとハッピーは飢えた動物のように残りの食事を平らげて、宣言通り評議院の青年を追いかけていった。そのせいでルーシィは置いてきぼりになってしまう。知り合ってまだ間もない仲ではあるが面白そうな人達だったのでもう少し会話をしたかったのだろう、地団駄を踏む。
「それにこんな大金もらえないわよ…。どうしよう私…」
青年が置いていった袋を見る。会計を済ましたので渡された直後よりは軽くなっているがそれでもかなりの重量がある。お給金はそれなりに良いと言っていたがポケットマネーでこれだけ持ち歩けるのだからそれなりどころではないだろう。流石あれこれ王国の民から多量の税を徴収しているだけあって王国直下の魔法評議院はさぞかし裕福な暮らしをしている。
ちょっと待て…、袋の感覚から中身がほとんど硬貨だということに気づく。何故紙幣がないのだろう、硬貨ばかりだとかさばって持ち運びに不便ではないだろうか…。シンの理合性の欠けた金銭管理方法に思わず首を傾げてしまう。
ついつい中身をみたい衝動に駆られるが他人の所有物を私欲のためにどうこうしようだなんて人としてやってはいけないことだと思い金袋の紐をひっぱる寸でのところで手を止める。だが、こちらは預かっている身なのだから少し位いいだろうという思いもあり紐を摘まんでは離し、摘まんでは離す。ルーシィの頭の中では恐らく天使と悪魔が激戦を繰り広げていることだろう。
周囲の人々は歩きながらなにやら怪しい行動をしながら薄く笑っている少女を不審者をみるような怪訝な視線を送っている。不審者のようなというよりは今の金髪の美少女は間違いなく不審者だ。
____どどど、どうするのルーシィッ!私は今ひょっとしたら一般人が知り得ない機密事項の片鱗に触れている…。絶対これは小説のネタになるわ。でも…人の財布の中を覗くなんてだめだよね…。ああーどーしたらいいの神様ああああー!
頭の血の流れが急速になり目がグルグル回る。仕舞いには「キエェェェッ!?」と女子らしかぬ奇声を挙げて両手で頭を抱える。
「あ、ちょっ。財布、キャッ!!」
手に握っていた袋を勢い剰って落としてしまい反射的に気付いた前傾姿勢になって空中でキャッチしようとするが空を切る。
そのまま地面に倒れ込みそうだったが何者かが抱え込むようにルーシィを支えると同時に金袋も掴む。
「大丈夫かい?子猫ちゃん?」
「すいませんありがとうございます…って、、」
まるでラブコメでありそうな展開にルーシィは僅かに心をトキメキかけたが顔を見た瞬間一気に目が冷めていく。
「あんた。さっきの
男を押し退けて距離を取ると先程の変態を軽蔑の視線で睨み付ける。男はその視線答えるようにやれやれと肩を竦めた。
「変態男とは随分ご挨拶だなぁ~。これは返しておくよ」
そういうとルーシィに向けて金袋を投げる。彼女は危なげなく両手でそれを受け止めた。
「どうだい?僕の魅力に震えたかい?」
「はいはい。そういうのはいいから、さっさと
「最低?僕のこの天性の魅力は決してそんな道具に頼る必要はないよ☆そうだろうマイハニー達?」
そう言うと男の取り巻き達が『イエス、マイダディー♪』と異口同音に発する。まるでどこぞのキャバ嬢と化している。きっと彼好みに指導もとい調教をされたのだろう。ここまで毒されては最早どうしようもない。
「全く。あんたみたいなのがフェアリーテイルの一員なんて末ね。」
「君フェアリーテイルに興味があるのかい?」
「そうよ。それがなにか」
「そうか…。うん。もしよかったら、君がフェアリーテイルに入れるようにマスターに促しておこうか?」
ビクンッと背筋が伸びる。「フェアリーテイル」という言葉に激しく反応してしまう。
「本当に言ってる?」
「ああ。フェアリーテイルの
「あります!」
先程読んでいた『週刊ソーサラー』にもそう言えば彼の名があった。ルーシィの中では合点がいく。
「そうか。なら、今夜ここの港で彼女達と船上パーティーを開催する予定なんだ。君さいよければそこで詳しく話を聞こう」
「……うーん…」
まさに棚からぼた餅、実に魅力的な提案だ。しかしこの男は信頼に足る人物とはとても思えない。まだ生け簀かないウザい性格は百歩譲って許容範囲だ。だが、違反魔法道具を使用しているという点がルーシィの決定を妨げている。
「なにパーティー中は君が疑っているこの指輪を外そう。約束する。これでどうかな?」
「
少々腑に落ちないが、危険性は少ないと判断し申し出を受けようと口を開こうとするが……__。
「その船上パーティーって誰でも参加出来るんですか!?」
ルーシィの知る変人が先生に「バナナはおやつに入りますか」的なノリで割り込んできた。
……残念ながらバナナはおやつに入ります。あと上限300円までなのもお忘れなく。
「シン!?」
「よっ!ルーシン!」
「惜しいっ!じゃなくてルーシィよ!」
端から見れば、今日昨日の仲とは思えないほどの息の合いようだ。ルーシィは名前を間違えられて風船張りに頬っぺたを膨らませるが内心ではシンと合流出来たことに小さく安堵する。
「別に構わないよ。本来なら部外者は立ち入り禁止なんだが、彼女の友達枠として許可しよう」
「ありがたき幸せ。詳しい場所と日程を教えてもらってもいいですか」
「ああ、少し待っていてくれ」
男はサイン色紙に日程と場所その他詳細をスラスラと書いていく。大部分のところが余分なものが描かれているのは無視しておこう。
「僕のサイン付きだ。友達に自慢するといい」
「うっす。それじゃまた会場で!俺ら色々準備してくるのでそろそろ行きます」
「ああ。楽しいパーティーになるといいね。それじゃまた今夜」
投げキッスとウインクの置き土産をして指パッチンをする。すると紫紺の魔方陣が現れそれを重心に魔方陣と同じ色の炎が発生した。男がそれに軽く飛び乗ると炎が噴射し宙に上がる。
「それでは、諸君今夜のパーティーでまた会おう」
「サラマンダー様~!」
「おいルーシィ、目がハートになってるぞ取り巻きと同化してる」
ハッと我に返るルーシィ。知らぬ間に擬似
「しっかりせい。まあ、気付いてるとは思うがあいつはフェアリーテイルのサラマンダー様なんじゃないからな」
「その割には結構乗り気だったわよね?」
「あーまあ、あれだ。敵を欺くには味方からっていうじゃんそれだ。」
「そういうことにしとく……。」
やれやれと肩を竦める。やはりあのなんちゃって色男はそんな全うな魔道士ではなかった。だが、それならアイツは一体何奴なんだろうか。そう思いルーシィはシンにその旨を尋ねる。
「あいつは、元
その後もシンの解説を聞いていく。ボラのようなお尋ね者は、過去に行った罪の重さや魔法世界の危険度などに応じてアルファベットのF~A、最高手配度Sの順に分類されている。S級までになると聖十大魔道士や闇ギルド(評議院の承認を受けていないギルドの中で犯罪目的の事象の任務を受けているもの)の三大勢力バラム同盟のギルドマスターレベルなんだとか。そう考えるとボラなど可愛らしくて思えるが何十人もの女性の心を弄んでいるのだ見逃すわけにはならない。
「ということだ。なんか利用しちゃったみたでごめんね」
そう言うとしたっぱ評議院は深々と頭を下げる。ルーシィは「気にしないで!」とあわあわ青年を慰める。変なところは真面目なのだろう。
「その分しっかり護衛はさせてもらうから」
「ありがとう。それじゃ護衛次いでにパーティーの準備の買い物に付き合ってね」
シンの腕を取り、何か言われる前にズンズン引っ張っていく。
「わかったからそんな袖引っ張らないで!」
「それじゃ行ってみよ~!」
高らかに手を掲げ元気な声を出す。シンはこれから時間一杯までルーシィのショッピングに付き合わされたのだ。
今日の格言。女の子の買い物は想像以上に長かった…。
語彙増やさんとなー。他の人と比べて描写が短くて稚拙に感じる今日この頃です。なんかいい勉強法とかありますかね?
あと皆さんの遠足はバナナはおやつに入りましたかね?w
感想待ってまっせ