桜セイバー in Fate/EXTRA   作:日向辰巳

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なんかペースが早いですかね?でも自分はccc編の方なら覚えているのですが...extraは失くしてしまったので本当にうろ覚えです...


十一話

よし、昨日はたっぷりと寝たし毒も完璧に抜けたようだ、セイバーからも特に異常は伝わってこない。

 

「おはようセイバー」

 

「おはようございます、マスター 今日はいい天気ですね」

 

「そうだね。あ、そうだ。 今日は食堂に行かない?」

 

結構お金も貯まってきたし、気分転換にセイバーにも何か料理をおごってあげたい。

セイバーは何か食べたいものとかあるだろうか?

 

「食べたいもの…あ! ありますあります! 前マスターが食べていた赤いやつ! あれ私も食べてみたいです!」

 

そうか、確かにあれは美味しかった。

そういえばあの時はシンジに邪魔をされたせいでセイバーは食べることができなかったのか。

 

「じゃあ、行こうか」

 

〜〜〜〜

 

「おや、岸波白野。 生きていたのかね」

 

この独特な声に雰囲気はあの時遠坂とシンジを止めに入った神父だ、何故か強烈な存在を放っていて早々忘れることはできないだろう。

というか、いきなり失礼なやつである。

 

(マスター、気にせず食事にしましょう)

 

そうだね、と言ってあの激辛麻婆豆腐を二つ注文する

 

「君も食べるのか、だがこれは生半可な覚悟じゃ食べきれないぞ?」

 

「大丈夫です、前に食べた時は結構美味しかったので」

 

「ほう…なかなか分かっているな」

 

そして相変わらず赤い。赤すぎるくらいだ。

 

「久しぶりに見ましたが…これやっぱりすごいですね…少し不安になってきました」

 

そしてその麻婆豆腐を食べる、うん、やっぱり美味しいな。

 

「では私も…」

 

そしてセイバーも麻婆豆腐を食べる、俺は早くも完食してしまった。

うん、いい気分転換になったかな。

 

「ひいいいぃぃぃ!からいぃぃぃぃ!」

 

ど、どうしたのだろうか。

セイバーはすごい勢いで椅子から転げ落ちてぐるぐると回転する、そんなに辛いかな…

 

「からひですよ! わらし今舌がピリピリしてものすごく痛いです…はあ……マスターは味覚がおかしいです…」

 

そういって残すことだけはしないのがセイバーのいい所だ。 食べ物を粗末にしないように苦手でも頑張って頬張っている。

 

「はっはっは、いい食べっぷりだなセイバー」

 

どこがそう見えるのか、自分には母親に苦手なものを頑張って食べさせられている子供にしか見えないのだが。

するといきなり神父は立ち上がり、激辛麻婆豆腐をもう一つ注文してセイバーに寄越した。

 

「私なりの1回戦勝利のプレゼントだ、なあに、礼はいらない。 ありがたく受け取ってくれよ、セイバー」

 

「はぁーはっはっは!」

 

神父は高らかに笑いながら去っていった、そしてセイバーは絶望した顔をしながら二杯目の麻婆豆腐に手をつけるのであった。

 

〜〜〜〜

 

「私があんなに憎んだ相手は二人目です…うっぷ」

 

「だ…大丈夫?セイバー、そこまできつかったなら俺が食べても良かったんだけど」

 

正直な所セイバーの泣き顔が可愛くて神父を止めなかったというのは事実だ。

 

「でもマスター、ニコニコしながら食べられないなら俺が食べさせてあげようか?っていって食べさせたじゃないですか…うぷ」

 

セイバーはお腹をさすって口元を覆い今にも吐きそうになっている、ここは図書室なのでそれはいけないだろう、というか女の子が戻すというのもそれはそれでダメだろう。

少しでもセイバーが楽になるように背中をさすってあげる、すると近くで本がこぼれ落ちる音が聞こえる。

 

「き、岸波くん…なんでセイバーはお腹をさすっているの? そして吐きそうになっているの? そして何故岸波くんはセイバーの背中をさすっているの?」

 

……?

何故遠坂はこんなに驚いているのだろうか、そして周りのひそひそ声に耳をすませていると…

 

(やだ、あの男、あんな可憐な女の子に何をしたのかしら)

(そういえばさっき何かいってたわよ…二人目とか俺が食べるとか)

(まさかあの男…嫌がる女の子を無理矢理?)

(最低のクズね!)

 

なんてことだ!このままじゃあらぬ誤解を生んでしまう、せめて遠坂だけでも誤解を解いておかなければ…

 

「あらクズ波くん?久しぶりね、最近会わないと思ったらそういうことだったのね」

 

全く信用されていなかった。遠坂の目から光が消える。

まずい、このままじゃ俺は二回戦を迎える前に確実にバッドエンドだ。

 

「弁明があれば聞くわよ?」

 

「ち、違うんです遠坂さん私がいけないんです」

 

俺にはわかる。 ここで弁明をしてはいけない、したとしても悪い方向にしかいかない。 何故ならものすごく嫌な予感がするからだ。

 

「私がマスターの凶行(あーん)を止められなかったのが悪いんです!」

 

「ちょっとセイバーさん?その言い方は誤解を招くんじゃ…」

 

「私は無理だっていったのにマスターが無理矢理…」

 

合ってるけど!確かに食べさせたけども!そんなに涙目で言わないで!もうなんか取り返しのつかない事になってるよ!

 

「…そう、お楽しみだったのねクズ波くん。なら私は邪魔だろうし帰るとするわ。 これからは私に近寄らないでね、私ってそういえばクズアレルギーだった気がするし」

 

そう言った遠坂の目は養豚場の豚を見る目をしていた。ってダメだ!何とかして遠坂の誤解を解かなければ。

 

「そんなにあからさまな嘘つかないで! 話だけでも聞いてくれ遠坂!」

 

「…いいわ、最後の弁明くらいは聞いてあげようじゃない」

 

〜〜〜〜

 

「なんだ、そういうことだったのね」

 

よかった、遠坂はわかってくれたようだ。

 

「当たり前だろ、一体なんだと思ってたんだよ」

 

「まあ最初からそんなことだろうと思ったけど。 岸波くんがサーヴァントを組み伏せられるとは思ってないし」

 

あれを分かっててやったというのか、遠坂さんマジドS。

 

「ごめんごめん、で、此処へは何しに来たの?」

 

そうだった、当初の計画を見失う所だった。アーチャーの情報を探りに来たのだった。

ラニのお陰でアーチャーの過去がわかった。

シャーウッドの森の英霊は一人だけ、彼の真名は...”ロビンフッド”

これで間違いないだろう。

そしてロビンフッドについての本を読む、これで相手の情報はわかった。

相手が何を思い、何を残し、何を成したのかあとは彼についての対策を練るだけだ。

 

「ふうん…ちょっとはマシになってきたわね。ま、私には大したことはできないけど…」

 

「頑張りなさい、岸波くん」

 

「ありがとう、頑張るよ、遠坂」

 

〜〜〜〜

 

よし、改竄も済ませたし、あとは明日に備えて寝るとするか。

明日は決戦だ、少しでも体力を温存して勝率を上げることにしよう。

 

 




ちなみに今のセイバーの敏捷はBです

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