桜セイバー in Fate/EXTRA   作:日向辰巳

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もうすぐイスカンダルですね、みなさんは石を貯めていたでしょうか?私はジャンヌに全力を出したせいで10連は出来ませんね...
単発でイスカンダル来るかなあ...来てくれないかなあ...


二十八話

「沖田…総司…?」

 

「…はい、今まで黙っていて申し訳ありません、この戦いを無事終えたら詳しくお話ししましょう」

 

そうだ、たしかに真名のことは気になるが今は他のことを考えている場合じゃない、今はユリウスを倒す…それだけに集中しなくては。

 

「警戒しろアサシン、敵の宝具にどのような効果があるかわからん」

 

「行け!セイバー!」

 

セイバーが縮地で敵の懐へと突っ込む、その姿は普段より遥かに速くあのアサシンすらも反応が遅れていた。

 

「ほぅ…スピードは儂をはるかに上回るか…だがスピードが上がっただけでは…ぬ!?」

 

アサシンは先程のように拳で剣を弾こうとするが拳と剣がぶつかった時、傷を負ったのはアサシンの方だった。

 

「ふっ!今の私の刀をそう易々と止められると思わないことですね!…行きます!」

 

「動きが先程とは見違える程になった… なるほど貴様の宝具は自身のステータスの向上か…その様子では全てのステータスがワンランク上がっておるな?」

 

「はい、そして貴方がどのようなつもりかは知りませんがまだ本気を出さないようならこのまま何も見せずに死んで貰います」

 

「…くく、クハハハハッ!まったく世界は広いものだ、死してなお強者と渡り合うことができるとは…これほど喜ばしいことはない。

…のうユリウスよ」

 

「……集中しろアサシン、俺の死地はここではない」

 

「余裕はなし、か…よかろう!楽しむのはここまでとしようか、儂も本気を出してみるとしよう!」

 

アサシンの動きが急変する、まだセイバーの動きにはついてこれていないが先程よりセイバーの攻撃に対応してきている、それに少しずつだがセイバーに疲れが見える、やはり長期戦は俺たちには不利だ。

 

「ハァッ!」

 

そしてアサシンが拳を振り上げた場所に窪みのような穴が出現する、まさかアサシンは空気を弾として打ち出すことができるのか…!!!

 

「gain_agi(64)!gain_str(64)!」

 

正直このレベルの戦いでは相手の妨害など出来る気がしない、あのレベルのアサシンに弾丸のコードキャストが届くとも思えないし俺はセイバーの支援をして火力を少しでも底上げすることくらいしかできない。

…だがいくら敏捷や腕力を上げたところで一撃受ければ危ないという状況に変わりはない。

…それにもう俺の魔力も残り少ない。

 

「…はは、正真正銘の化け物ですね…圏境を剥ぎ取り私の宝具を解放してやっと互角の勝負とは…」

 

「セイバー…いや沖田、俺たちに残された魔力は少ない。 おそらく次の一撃が最後の勝負だ。 俺は…沖田を信じる」

 

「はい、私もマスターを信じています」

 

「来るか…いいぞ、その勝負受けて立つ! 我が拳はただ壊すのみ…貴様の技も!攻撃も!全て叩き壊してみせよう!」

 

両者どちらとも大技の構えをとる、次で決まる…この戦いの勝者が。

 

 

「…一歩音超え……二歩無間……三歩絶刀!」

「我が八極に二の打ち要らず!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「”無明……三段突き”!」

「七孔噴血……撒き死ねぃ!」

 

 

 

二人の技が激突する、そして激突した際の技の衝撃で二人とも吹き飛びセイバーの方は地面に仰向けに倒れ込んでいた。

 

「そんな…セイバー!」

 

そして決着がつき何度も見た死の壁が出現する、敗者はこの中でゆっくりと死を待つのみだ。

ゆっくりとユリウスがこちらに近づいてくる。

俺が死ぬのを見届けるつもりか…ユリウス。

 

「キ…シナミ…ぐっ!」

 

なっ!?何故ユリウスが消えかけているんだ!?負けたのは俺たちのはずじゃ…

いや、微かにだがセイバーは生きていた。 という事はあの刹那の攻防で紙一重で致命傷を避けたという事だろう。

 

「李書文。貴方の心の臓は私の秘剣にて文字通り消滅しました。 どんなに強いサーヴァントでも霊核を砕かれれば死ぬ。 今宵の戦いは私たちの勝利です」

 

「……その絶技、いや見事。これ程の使い手はそうはいない。 まったく世界は広いものだ…」

 

そう言っているアサシンの腹に傷が付いていた、十中八九セイバーの技の直撃を受けたのだろう、腹には消滅したかのように穴が空いている、セイバーの方はもう返事をするのもキツイのか俺の腕に体を預けている。

 

「敗北か…懐かしいとでも言うべきか。これを味わったのは記憶の端にわずかに残るほどの昔のことだ。

…詫びは言わんぞユリウス、しかし礼は言おう、久々の娑婆お主のお陰で存分に闘えた。 さあ 最期だ、顔を上げろ。

……どうしたユリウス」

 

「………オレは!オレはまだ死ねない!グ…が…あああああああ!?

これでは……まだ死ねない……オレは……オレは……ぐあぁぁぁぁぁ!」

 

...恐ろしい執念だ、あの状態からコードを紡ぐだけでも相当の激痛を伴うはずなのに…

そして何を思ったかユリウスは両手を握りしめ何らかのコードを紡ぎ始めた、そして敗北者は消えるはずの令呪が点滅し消えかかっていた令呪が元に戻る。

だが痛みは残るのかその表情はいつものユリウスではなく余裕が全く感じられなかった。

 

「ハァッ…ハァッ…キシナミィ…俺に…俺にオマエを殺させてくレェ!」

 

そしてユリウスは令呪を使いアサシンに死の壁を壊させようとする

だが流石のアサシンももう限界なのかそれとも死の壁がそれほどに硬いのか、攻撃をしてもビクともしない。

 

「クソォォォォ!キシナミィ!俺は…俺は貴様にだけは殺されるわけにはいかない!」

 

そしてユリウスの残り2画残っている令呪が輝きだす…何という深い怨念、だが勝敗は決しているはず、あの状況で一体何ができるというのか。

 

「…令呪をもって命じる!アサシン!敵の息の根を止めるまで生き続けろ!そして我が存在をその魂に刻み付けろ!」

 

「ユリウス、貴様何を…ヌゥ!?がっ!?ぬああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

な、ユリウスは一体何をしているんだ!?存在を魂に刻みつける……?

まさかアサシンの魂に寄生して生き永らえようとしているのか!?

いや、まさかそんなことができるわけが…

 

「ウ…ゥ…ウオオオオオオオオオオ!!!!!!!」

 

どんどんアサシンの顔がユリウスの顔に変わっていく、サーヴァントは霊体だ、その魂に寄生するということはサーヴァント自身を乗っ取るということに直結する。

普通はこんなことはできないはず。

最早ユリウスは次の戦いや自身の脳が焼き切れることなど考えてはいない、ただ俺を殺す、それだけの目的で動いている。

そしてユリウスの痙攣が収まり、完全にアサシンと同化した、そしてあろうことか俺とユリウスを分け隔てていた死の壁はユリウスによって破られてしまっていた。

 

 

「ふ、ふふふ…岸波…やったぞ。俺は死の壁を乗り越えることに成功した!…貴様が勝つなどありえない、あってはならない!」

 

「もうやめろユリウス!何でそこまでして俺を殺したがる!一体何がお前をそこまで突き動かすんだ!」

 

このままじゃ俺は確実にユリウスに殺されるだろう、沖田はもう疲労困憊でとても動ける状態じゃない、回復しようにもユリウスが目の前にいては回復することもできない

…どうすればいい?考えろ…考えろ…

 

「黙れ! 貴様はここで死ぬ…俺がこの手で殺す! キシナミハクノォォォォォォォォォ!!!!!!!!」

 

 


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