明日なんて来なければいいのにと本当にそう思います
一進一退の攻防。
いや僅かに遠坂のサーヴァントが押し負けている気がする。 いや押し負けている…と言うのには少し違うか。 遠坂のサーヴァントは先程から攻撃という攻撃をまるでしていない。 遠坂の指示かは分からないが防戦に徹しているだけだ。
「いけ!ライダー」
遠坂がサーヴァントのサポートをしないのは何故だろう?遠坂は何もせずにひたすらアーチャーの戦いを眺めている、何か策でもあるのだろうか?
「あんたさっきから攻撃してこないねぇ?何でか知らないけど勝つ気が無いのかい?」
「いやなに、私はさほど攻撃が得意ではないというだけだ、だが君が隙を見せれば攻撃を叩き込む気はあるが、どうする」
「隙なんて見せるわけないだろう?アンタにはこのまま何もさせずに沈んでもらうよ」
ライダーが銃を放つ、アーチャーが双剣でそれを弾く、そんな攻防が続いた。 凄まじい攻防の前に俺は目に魔力を集中させ何とか二人の戦いを見続けられている。一体いつまで同じ事を繰り返すつもりだろうか…そう思っていた矢先、最初に痺れを切らしたのはシンジだった。
「ライダー!もうあれを使っちまえ!」
「了解だ!マスター!アーチャー、アンタはたしかに防戦が上手い。 だがいくらあんたでもこれを防ぎきれるかねぇ…」
ライダーの背後に砲弾が出現する。
まさかあれがライダーの奥の手なのか?
「砲撃用意!」
「ちっ、まずい!」
その瞬間、奥の砲弾が赤い外套のアーチャーに向けて発射される。
…何という衝撃だ、大分離れたところにいる自分にもその衝撃は伝わってきた。
ここにいるだけで自分達が塵になってしまいそうな勢いだ。
「やるねぇ…」
「こちらこそ驚きだ。まさかこんな序盤も序盤で使ってくるとはな…」
二人共どちらも傷が付いていた。
でもそれはおかしい…そんなことは普通はありえない。
何故なら攻撃したのはライダーの方でアーチャーは防御したはずなのだから。
…見えなかった、今アーチャーがどうやってライダーの攻撃を防いだのか、何故ライダーに傷が付いているのか。
…これが英霊同士の戦い、こんな戦いに自分は参加してしまったのか。
「二人とも、そこまでだ。私は言峰、この聖杯戦争の監督役として機能しているNPCだ」
そういうと2人の間に割って入り戦いを強引に終わらせた、するとシンジが怒りその神父のような人物に向かって魔術…コードキャストを放っていた、だが…
「ふっ…何をしている?」
シンジがコードキャストで神父を乗っ取ろうとするが、流石に直属のNPCは乗っ取れないようだ。
「これは聖杯戦争だ、相手のマスターとは決戦の日に存分に殺し合いたまえ」
「命拾いしたな遠坂…覚えてろよ」
「それはこっちのセリフよ、今の戦いで確信したわ。あなたは絶対生き残れない、帰るわよアーチャー」
「ちっ…かわいくないやつ」
「大丈夫かシンジ?」
「ふっ…それにしても一回戦で戦う者同士で友達ごっことは些か滑稽だな…間桐シンジに岸波白野」
「「え?」」
まさか…俺の相手はシンジなのか?でも、俺は…
「ははははは!これはラッキーだね!一回戦は勝ったも同然さ!こんなに弱そうな奴が相手なんて楽勝すぎだよ」
「帰るぞライダー、じゃあな岸波!まあ精々無駄な努力でもするんだね」
確かにシンジのサーヴァントは強力だ…でもそれ以上に理由も目的も思い出せないまま友人だった人と戦うなんて…
「ああ…それと岸波白野、君に何者からかメッセージが届いている…本来ならメッセージなど届くはずもないのだが…”光あれ”と」
〜〜〜〜
「あの人…シンジさんは自分のサーヴァントのクラス名を言っていましたね」
「ああ、それと”無敵艦隊”とも、そして武器は2丁拳銃だったね…」
「はい、あれだけ自分のサーヴァントの特徴を言ってしまえばどのように対策を練られてしまうかなんてわかりそうなものですが…」
「セイバー」
「はい?」
「真名は…本当に言えないのか?」
「はい、ですが安心して下さい。マスターが成長したその暁には私も安心して真名を告げようと思います」
「そうか、わかったよ」
その言葉だけでも十分だった。
この言葉だけで俺はセイバーを信頼できる、あとは明日に備えて休息をとるとしよう…
「セイバー、俺は自分が死にたくないから戦うよ、これって変かな?」
「変じゃないです、逆に死にたいから戦う人なんていません、だいたいみんなそんな理由ですよ、戦う理由なんて」
そう言ってくれるとありがたい、というか俺はセイバーにそういって欲しかったんだろう。
戦う理由を誰にでもいいから肯定して欲しかった。 友人と戦うなんてしたくない、だが戦わなければこちらが殺されてしまう。 だから自分勝手に理由をつけた。相手を殺しても仕方がない、相手がその気なんだから仕方がない。
…そうやって、殺しの正当化を図った。…最低だ、俺は。
「マスター、私はマスターに真名以外に言わなければいけないことがあります」
先程までの暗い気持ちを切り替え、セイバーの告白に耳を傾ける。いろんなことは言い合ったと思うけど、他に何かあるのだろうか?
「私のステータスをご存知でしょうか?」
セイバーのステータス?そもそもどうやってみるんだろう…
あ、電子手帳か!
「わ、笑わないでくださいよ?」
そうしてみてみたセイバーのステータスは…
敏捷以外が全てEだった。
エエエエエエエエエエエエエエ!?
笑うどころではない、絶望するところだった。
いったい何が起きたの?これってかなりやばいんじゃないだろうか。
そして敏捷もDというイマイチな感じである。
「すみませんマスター…黙っていて…」
でもこれは絶望しそうになったというだけでまだ大丈夫なんじゃないだろうか?
アリーナという所で敵を倒し続ければ魂の改竄…ステータスのアップができると聞いたし…
「それだけじゃないんです…」
え、まさかこれ以上のものがあるのか!でもほぼ全てのステータスが最低ランクという驚きのおかげで簡単には驚かないはず…
「私の宝具…使えないんです…」
エエエエエエエエエエエエエエ!?
たしか宝具というものは英霊ならみんながもっている自分が生前築き上げた伝説の象徴…つまりは切り札とも呼べるものだったはずだ。
それが…使えない?
「な、なんで!?」
これには流石に驚いた。不覚にも一瞬、魂が抜けたかと思ってしまった。
「すみません…召喚された時に何処かに落としてしまったみたいで…」
思った以上にことは深刻のようだ。
自分の未熟さで宝具が使えないならばまだ方法はあった。
無くしてしまったとなるとこの戦いでは取り戻すのは不可能だろう。
「じゃあ…宝具はなしってことか…」
「本当すみません…」
「そんなに謝らないで、宝具が使えないなら他のことで補うしかない、俺も努力するからさ、二人で頑張ろうよ」
武者震いで足が震えてきたがここまできたらやるしかない。
シンジのサーヴァントにはこちらはほとんど負けているだろう、ならば気持ちで負けるわけにはいかない。
諦めずに最後まであがき続けるのが岸波白野の唯一の取り柄だ!
「はい!頑張りましょう!マスター!そうと決まればアリーナです!
どんどん強くなって私の活躍をみせてあげますよ!」
「ああ!絶対に勝とう!」
明日からなんて生温い!思い立ったが吉日だ!
今からでもアリーナへ向かおう!
「アリーナが開くのは明日からだが、どうかしたのかね?ww」
恥ずかしさで顔がパンクしそうになった。
戦闘描写って難しいですね...アーチャーとライダーの戦いは皆さんの脳内でかっこよく再現して下さい...
セイバーのステータス
筋力:E 魔力:E
耐力:E 幸運:E
敏捷:D
保有スキル
対魔力:E 病弱:A
騎乗:E 縮地:B
心眼(偽):A
あ、あと令呪はちゃんとありますよー