桜セイバー in Fate/EXTRA   作:日向辰巳

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聖杯転臨、皆さん誰にしました?
自分はもちろん沖田です!
QPがえらいことになってしまいましたが…
フレンドのレベル100のジャンヌオルタの攻撃力を見て驚愕していました、友人はヘラクレスをレベル100にしてました。ヘラクレスも凄いことになってますね。
聖杯転臨というのは面白いんですが何故強化成功率3倍の時じゃなかったんでしょうか…


第4幕『覚悟』

……そこは何処かの部屋だった。

何もない部屋、飛び散る紅蓮の血、鎖に繋がれた少年。

…それにもっとも恐ろしいのはそこには少年一人しかいないというところだ。

部屋には何もない。

だというのにそこら中に血が飛び散っているのは…

そして何故俺はこんなところに…

いいようのない浮遊感に襲われている。

たしか俺は…

 

〜〜〜〜

 

「おはようございます先輩。体の調子はどうですか?」

 

「……桜」

 

目が覚める、切らした息を整えながらさっき見ていたものが夢であったことに安堵する。

 

「大丈夫ですかマスター、様子が変だったので桜さんを呼んだのですが…」

 

どうやら総司にも心配をかけてしまったらしい。

 

「心配してくれてありがとな、総司。…それに桜にも心配かけた。俺は大丈夫だよ」

 

「ならよかったです、また体調が悪くなったら教えてくださいね。

体調管理もAIの仕事なので」

 

そしてマイルームを後にする。

さて、今日も探索にでかけよう。

…ふと、今朝の夢が気になった。

白髪の少年、ボロボロに傷ついた体

顔は俯いていてよく見えなかった。だが…

…何処か見覚えが…

 

「…ヒヒッ」

 

「…どうかしましたか、マスター?」

 

………………?

なんだろう、最近ぼーっとする事が増えた。総司も心配している、自分でもわからないしここは適当に誤魔化しておくか。

 

「いや、大丈夫だ。それより生徒会室へ急ごう、レオが待ってるはずだ」

 

「……?はい、マスター」

 

〜〜〜〜

 

「おはようございます岸波さん、昨日は大変でしたね」

 

レオに挨拶し椅子に腰をかける。

…それでこれからはどうするのだろうか。

あの扉が開かない以上探索に踏み込む意味はない気がするが…

 

「調べて分かったことを言います。

…残念ですがあの扉を開ける方法は見つかりませんでした」

 

……え?わからなかった…?

ならばここから出ることは…

 

「…ですが白野さん、あの場所にはもう一つ別の道がありました。

お気づきになりませんでしたか?」

 

全然気づかなかった。

言われてみれば横道に何か道があったような…無かったような。

 

「なので今日はそこを探索してもらいます。

…まあ最重要なのはあの扉なので収穫はないかもしれませんが」

 

「わかった。任せてくれ」

 

例え収穫がないとしても諦めてはいけない。

あの扉を開けるためにレオ達も色々考えているんだろうし、俺は俺にできることをするだけだ。

 

〜〜〜〜

 

またここに来たが今日は遠坂はいない。

何故かはわからないがこれはチャンスだ。

怖い女王様がいない今のうちに探索を終わらせるとしよう。

 

「えーっと、何処かに道があるはず…」

 

辺りを見渡してみるがやっぱり道は見当たらない。

落ちそうになるギリギリまで辺りを探索してみたが特に道などはないな。

 

「この下は普通に落ちますしね…道なんてないんじゃないんですか…こふっ!?」

 

総司がいつものように吐血する。

いつものように…って結構危ない事のはずなのに慣れてしまった自分が恐ろしい。

そして総司の背中をさすっているとおかしな事に気がついた。

 

「血が…空中で止まってる」

 

総司が吐血した血が空中で止まっていた。

恐る恐る近づいてみるとそこには道が出来上がっていた。

 

「なるほど…こうやって道を隠してたんですね」

 

「お手柄だね総司、君のおかげだ」

 

「つらいわー有能すぎてまじつらいわー。そこに痺れる憧れちゃいます?」

 

「うんうん、痺れる憧れるー」

 

「うっわ、超棒読みですねマスター…微妙に傷つくんですけど…こふっ!?」

 

ダウンした総司をおんぶしながら出来上がった道を進んでいくと小屋のような大きさの建物があった。

そこにはロックがかけておりそれを解かないと入れないようになってるらしい。

少し叩くと中々の厚さの壁になっていることがわかった。

流石にこの硬さでは俺の秘技でも破れないだろう。

 

「ロックですか…その奥に魔力反応があるので出来れば調査してほしいのですが…」

 

そうは言われてもわからないものはどうしようもない、何処かに書かれたりしていないだろうか。

 

「マスター、ここに小さく何か書かれてますよ」

 

そうして総司が指差した所を見てみると確かに小さく文字が書かれていた。

 

”ロックが解けないそこの貴方!そんな貴方に朗報です!

今なら五億!今ならたった五億支払うだけでロックが解けちゃいます!

お振込はお隣の遠坂マネーイズパワーシステムに!”

 

そしていきなり隣にATMのような機械が出現する。

…………五億?oh〜GO☆O☆KU?

………………………………………………………………………………………………………………………こふっ

 

「何言ってんだよ!五億何て払えるわけないだろ!五億なんて某麦わら帽子の人の懸賞金と同じじゃないか!」

 

少し考えれば誰にでもわかる。

こんなの払えるわけないってことぐらい…!!!

 

「おや、五億ですか?五億程度なら僕が支払ってもいいですよ」

 

後ろから聞こえてくるのは悪魔の囁き。 五億を程度と言い張るあたり一瞬頭でも打ったのかと思ったがそういえばレオは西欧財閥の坊ちゃんだったのを思い出した。 ならばここでレオにはどばーんと投資してもらおう。

さっそくレオから送られたお金を遠坂MPSに振り込む、するとロックが解けた音がした。

 

「よかった…これでロックが解けた。ありが…」

 

「なお僕達はどのような手段を使ってもお金は回収します。絶対にこの事は忘れません。絶対に返してもらいます…どのような手を使っても…」

 

そんな事だろうと思ったよチクショウ!

ふふふふふ、と言う声が三回程頭で繰り返される。

レオに声をかけても返事は返ってこない。

怖い。怖すぎる。

何てこった…俺は知らない内にヤバイ所からお金を借りてしまったのかもしれない…

…というか理不尽すぎる…!!!

 

「大丈夫ですよマスター」

 

総司が微笑みながら俺の肩をポンと叩く。

一体何が大丈夫なのだろうか、五億という大金は俺はどうやって返せばいいのだろう。

 

「こうなった理由を考えてみてください」

 

こうなった理由…だって…?

 

 

 

1.遠坂のせいだ。

 

2.遠坂のせいだ。

 

3.遠坂のせいだ。

 

 

 

「そうかわかったぞ!」

 

なるほど、遠坂を倒して借金を押し付ける…これが俺にできる最大限のことだな!

 

「その通りですマスター!敵は本能寺にあり! ついでに私も貧乳軍服を倒せますしこれで全て万事解決です!」

 

解決策が見つかりホッとする、そういえばまだ中を探索していない。

何か重要なものがあるらしいし、遠坂に見つかる前に探索を終わらせよう。

 

〜〜〜〜

 

薄暗い部屋、そこに拘束されていたのはある女の子だった。

肌は褐色、眼鏡が似合っている女の子。

…何故こんなところに閉じ込められていたんだろう。

 

「おーい、大丈夫か」

 

女の子の拘束を解くと彼女は急に倒れてしまった。

彼女の様子は尋常じゃない、魔力が足りなくなり衰弱している。

気づけば自分の魔力もどんどん吸い取られてしまっている。

…どうやらここにいると魔力を吸い取られてしまうらしい。

早くここから脱出しよう、だがこの少女を抱えるには総司を降ろすしかない。

それは困る。総司の太ももがこれ以上堪能できないのは嫌だ、どうにかして女の子を運ばなければ。

…よし、いい考えを思いついた。

 

〜〜〜〜

 

「こないのかな…いや、脱出するためにはここを調査するしかないわけだしこないわけないわよね」

 

今日はちゃんとアーチャーも連れてきたしあいつのムカつくセイバーごとボコボコにする算段もつけてきた、あいつがいつもの調子で現れたら速攻ボコボコにしてもうここに来ようなんて考えられなくしてやるんだから。

 

「…ところで凛」

 

「…なによ」

 

「新しいゲームが欲しいなぁ…なんて」

 

「また?ゲームならこの前買ったばかりでしょ?」

 

「あれはもう飽きたのじゃ」

 

「ハア…」

 

このアーチャー…織田信長は現代の技術がとても気に入っていてゲームなどがとても大好きだ。

…上手いかどうかはおいといて。

やりたい事は生前やり尽くしたらしくあとはゆっくりしようかな…と思った時に本能寺の変にあってしまったらしい。

これがあの有名な織田信長なんて肩透かしにも程がある。

 

「アンタね、いくら何でも早すぎるでしょ。 最近新しい魔術に失敗して金が無くなったしゲームなんかに使ってられないのよ」

 

「はぁ…寂しいのぅ…。 そんなんじゃから胸も懐も寂しいんじゃろうな」

 

調子に乗っているバカにアイアンクローをかましているとこちらへ向かってきている足音が聞こえた。

ここに来るのはあのバカしかいない。

足音が聞こえた方を見て開いた口がふさがらなかった。

…一体誰が予測できようか。

サーヴァントを肩車し、少女をお姫様だっこしながら恍惚とした表情をしている男がいるなんて…

 

〜〜〜〜

 

俺はなんて天才なんだ。

まさかこんな作戦を思いつくとはな。

総司の太ももを堪能する為に肩車し、少女はお姫様だっこ、こうすればみんな得をするという完璧な作戦だ。

ああ最高だ。太もも最高だ。柔らかい。いい匂い。柔らかい。いい匂い。

俺は総司の太ももに出会う為に生まれてきたのかもしれない…母さん、産んでくれてありがとうございます。

俺…見つけたよ。楽園(エデン)を。

 

「…何、やってんの、アンタ」

 

すると遠坂がこちらを見て固まっていた。

 

「みてわからないのか、肩車だ「そんなことはわかってるわよ!なんで!ここで!そんなことしてるのかって聞いてるのよ!」

 

「アンタ、絶対私の事ナメてるでしょ?

ああもうムカつく。もう知らないわ、もう絶対殺すから」

 

遠坂はこちらに殺意を向けている、そう来るのなら仕方ない。

俺は戦闘経験が無いがもうやるしかない。

総司を降ろし、少女を床に眠らせ戦闘態勢に入る。

相手は遠坂、気を抜けば一瞬で殺される。

集中しろ。 相手の隙を見つけろ。 相手の動きを見極めろ。 一瞬たりとも見逃すな。

見逃す時は己の負けだと思え。

 

「いきます、マスター…ご指示を」

 

そして総司は宝具を解放する。

 

『誓いの羽織』

それは幕末で名を轟かせた新選組がもつ浅羽色の羽織。

装備することによって総司のパラメーターが上昇する。

そしてこの時の総司の刀は沖田総司の愛刀とされた”菊一文字則宗”へと変化する。

いつもなら素性を隠す為に羽織は着ていない。

だが遠坂に正体はバレている。そんなことは気にしなくていい。

それに相手は遠坂。今の俺たちの全力を出さなければ勝負にすらならないだろう。

 

「いいわ、私も全力でアンタ達を殺してあげる。手加減なんて期待しないでね!」

 

月の裏側に来てからの初めての戦い。

一瞬のミスが命取り。

この戦い…負けられない!

 

 


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