インフィニット・ストラトス ~迷い込んだイレギュラー~   作:S-MIST

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作中時間で4月だったので、クロエと蘭の新入社員イベントです。
そして姉との関係が改善している簪ちゃんは、部門長として立派に働いております。昔(原作)の気弱な感じではなくなったようです。


第197話 クロエと蘭の入社(IS学園卒業2年目の4月)

  

 薙原晶がIS学園を卒業して2年目の4月。

 クロエ・クロニクルと五反田蘭がカラードに入社して、異常気象対応部門に配属となった。

 この部門の主な業務内容は気象コントロール用ISを用いて、世界中で起きる異常気象災害を軽減する、というものだ。

 因みに勘違いされがちだが、異常気象を消失させる事が仕事ではない。例えば巨大な台風を消してしまった場合、本来運ばれるべき温かい空気や冷たい空気が運ばれず更なる異常気象の原因となってしまうため、ライフラインや農作物に影響が出ないように暴風や大雨を軽減させる、といった具合だ。

 これだけを聞くと非常に平和的な部門に思えるが、気象コントロール用ISは扱い方次第で純然たる戦略兵器になるため、常に強奪の危険性がつき纏う。従って運用の際は必ず護衛用のISと幾らかの通常戦力が随行する他、移動も専用の輸送機が準備されるなど、万全のバックアップ体制が敷かれていた。

 また場合によっては他文明からの依頼を受けて、他惑星の緊急的な気象コントロールを行う場合もあるため、気象や環境のプロフェッショナルである事が要求される部門であった。

 そんな部門のオフィスに向かって、真新しいカラードの制服(マブラヴの国連軍C型軍装)に身を包んだクロエ・クロニクルと五反田蘭が歩いている。

 3年前は2人ともやや幼い容姿に比較的スレンダーな体形だったが、今は違う。

 クロエは流れるような銀髪と端麗な顔立ち、人並な身長と双丘、キュッとしたくびれ、脚へと続く魅惑的な曲線という、同性異性を問わず誰もが振り返る美しさだ。また唯一の泣き所であった漆黒の眼球という他人とは異なる特徴も、束博士から専用IS“黒鍵”を与えられた際に治療され、今は他人と同じ白い眼球に金色の瞳となっていた。

 蘭の方も人並な身長となりクロエと見劣りしないレベルとなれば、世間的には間違いなく美少女、或いは美女の部類だろう。だがトレードマークの大きな赤いヘアバンドと元気でコロコロ変わる表情が、活発という印象を周囲に与えていた。

 

「ふふふふふ~。楽しみだねぇ。クロエ。異常気象対応部門、どんな先輩達がいるんだろうね?」

 

 広く真新しく、一面ガラス張りで陽光の降り注ぐ廊下を歩きながら、蘭は隣を歩くクロエに声を掛けた。

 

「学生時代に何度か一緒にお仕事しているけど、とても良い人達よ。ただ、そうね。お義兄様()の考案した訓練を潜り抜けているという時点で、腕は卓越していると思って良いと思うわ」

「学生時代から何回言ったか分からないけど、アレをクリアできるの絶対おかしいって」

 

 晶は自身の考案した幾つものシミュレーションデータをIS学園に置き土産として残していったが、その絶望的な難易度に、教師陣達ですら攻略は努力義務という程度に留めていた。もし成績判定に使った場合、殆どの生徒が単位未修得扱いになってしまうからだ。

 

「お義兄様、よくこう言っていたわ。自身が外道になる必要はない。でも相手が専用機持ちを本当に攻略しようと思ったら、どんな外道な手段でも使ってくるって」

「その考えの元に作られたのがアレでしょ。分かるけど、外道過ぎ」

 

 増援・トラップ・機体トラブル・超々遠距離からの狙撃なんでもだ。付け加えれば増援が1回で終わるとは限らないし、機体トラブルが1ヶ所とも限らない。護衛対象がいる中で発生する場合もある。それでいてミッション自体の難易度も高いとか、本当に鬼畜外道の所業だろう。

 

「お義兄様の前で言える?」

「無理無理」

 

 蘭がケラケラと笑いながら答えると、突然後ろから声をかけられた。

 

「そんなに喜んでくれて嬉しいな。残していった甲斐があったってもんだ」

「え!?」

 

 油の切れたブリキ人形のようにギギギッと後ろを向くと、社長がいた。クロエがお義兄様と呼ぶ薙原晶だ。因みにクロエは気付いていたのだろう。クスクスと小さく笑っている。後で絶対仕返ししてやるんだから!!

 

「え、えーと。しゃ、社長が何故こんなところに?」

「社長室で偉そうにしているのは性に合わなくてね。各部門には定期的に顔を出しているんだ。今は異常気象対応部門に行くところ」

「そ、そうでしたか」

 

 蘭にしてみれば、薙原晶という人間は雲の上の人物だ。クロエのお義兄様という事で他人よりは多少知っているかもしれないが、知ってるというだけで直接話すような間柄ではない。それがいきなり話しかけられたのだから、固まってしまうのも仕方がないだろう。

 が、晶は構わず話し始めた。

 

「ま、立ち話もアレだし、歩きながら話そうか」

 

 そうして3人が歩き始めると、途中で幾人かの社員とすれ違ったのだが、蘭は気が気ではなかった。入社初日から社長直々に案内されるなど、悪い意味で注目を集めてしまう。例えクロエがいたからだとしても、他人にしてみればそんな事は関係無い。女性社会の妬みや嫉みというのは恐ろしいのだ。

 すると若干挙動不審な事から色々と察したのか、晶が口を開いた。

 

「別に心配する事は無いと思うぞ。俺が会社の中の至る所に出現するのは、みんな知ってるから」

「そうなのですか?」

「ああ。むしろ俺が、偶に怒った秘書さんに連れ戻されたりする」

 

 笑い話のようで本当の話であった。

 晶は毎朝各部門に顔を出し、部門の現状とか困っている事が無いかとか、あとちょっとした雑談をして社長室に帰る――――――がルーティンなのだが、結構な頻度で他の社員とも話し始めて、中々社長室に帰ってこない事があるのだ。酷い時は格納庫でメカニックと、「オイルにまみれた量産機の素晴らしさ」や「現地改修機の素晴らしさ」について語り合っていたりもする。秘書さんブチ切れである。

 

「ええっと………」

 

 蘭が何と返すべきか迷っていると、クロエが口を開いた。

 

「社長。蘭が困っています。それくらいにしてあげて下さい」

「お前に社長って呼ばれると違和感が酷いな」

「私だっていつも通り呼びたいですが、会社にいる間は必要でしょう」

「まぁ。そうか」

 

 晶は相槌を打った後、再び蘭に話しかけた。

 

「ああ。どうせすぐに分かるから先に言っておくが、部門配属になった後、君には専用機が与えられる。ただし、機種はまだ決定していない」

 

 この言葉に蘭は首を傾げた。通常、専用機というのは組み上がった機体を与えられるものだ。だが今の言葉だと、与えられる機体はまだ存在していないという事になる。どういう事だろうか?

 すぐに補足説明がされた。

 

「在学中の成績は貰っているからパイロットとして概ねの傾向は把握しているが、試験的に幾つかの機体データでシミュレーションをして、本人に合わせた機体を用意しよう。幾つかある量産機からベースとなる機体を選んでカスタムする形になる。自分の特性ともう一度向き合ってみると良い」

 

 他では絶対に有り得ない高待遇を嬉しいと思ったのも束の間、更に続けられた言葉に耳を疑う。

 

「ま、護衛機には相応のレベルを求めるから、君が外道と言ったあのシミュレーションは基礎訓練程度に考えておいてくれ。慣れてきたら、更に上がある」

「が、頑張ります」

 

 若干表情が引き攣っているが、まぁ大丈夫だろう。クラスメイト達も苦労していたが、最終的には全員クリア出来たのだ。諦めなければ何とかなる。というか護衛機枠で採用している以上、並大抵の腕では困るのだ。因みに本人に伝える気は無いが、蘭に専用機を与えるのは部門内の誰と組んでも連携を取れるようにする為だった。何故なら簪や本音の専用機を筆頭に、いずれも高レベルのカスタムが施されている上に、最近は束が開発したサブジェネレーターとエネルギーカートリッジシステムが搭載されているため、ノーマルな機体では色々と厳しいのだ。

 勿論、いきなり高性能な機体を与える弊害はあるかもしれないが、そこは厳しく、入念に、時間をかけて育てていけば良いだろう。如何に高性能な機体だろうと、全ては使う者次第なのだ。

 次いでクロエにも声が掛けられた。

 

「お前も、ただ護られているだけは困るぞ。万一の場合はしっかりとやれるようになってくれ」

 

 返答は実に彼女らしいものだった。

 

「勿論です。ようやくスタートラインに立てたのですから、研鑽を怠る気はありません」

「なら良い」

 

 こうして話している間に、3人は異常気象対応部門のオフィスへと到着した。

 晶がセキュリティロックを解除して中に入ると、デスクワークをしていた皆の視線が集中する。

 そんな中で晶は口を開いた。

 

「みんなちゅうもーーーく。今日配属の新人を連れてきた」

「あら、社長自らですか」

 

 近づいてきたのは部門長である更識簪。やや小柄で眼鏡をかけた姿は、優し気な容姿と相まって気弱そうに見える者もいるだろう。実際、昔は気弱だった。しかしコンプレックスだった姉との関係が改善したせいか、或いは姉と2人で更識家の当主()を支えようと決意したせいか、今では精神的にすっかり逞しくなっていた。

 

「途中で偶々会ったからな。ついでに色々話しながら来た。専用機の事までは話してある」

「分かりました。――――――クロエさんはお久しぶり。蘭さんは初めましてですね。私はカラード異常気象対応部門の部門長、更識簪と言います」

 

 すると2人は背筋を伸ばして返答した。

 

「今日から正式配属となりましたクロエ・クロニクルです。これから宜しくお願い致します」

「お、同じく今日から配属となりました五反田蘭です。これから、宜しくお願い致します」

「はい。宜しくお願いします。じゃあ早速ですが、この部門のメンバーを紹介していきますね」

 

 そうして2人に、総勢9名のメンバーが紹介されていく。

 クロエと蘭を含めても11名しかいない小さい部門だが、改めて説明された仕事内容を鑑みれば、どれほどの影響力を持つ部門かは言わずと知れたものだった。

 何せ世界中で頻発する異常気象への対応だ。この部門が動くか否かで被害総額の桁が文字通り変わってくる。流石に地震はどうしようも無いが、暴風・豪雨・豪雪・日照りなど、古来より天災と言われ人の身では決して抗えなかった殆どの事に対応可能となれば、この部門に所属する人間の言葉がどれほど重く受け取られるか分かるだろう。

 

「――――――だから2人とも、外での発言には十二分に、本当に注意して下さい。依頼を受ける順番はもとより、もしも外での発言が原因でカラードが何処かの国を優先している等と言う憶測が流れでもしたら、国際問題になり兼ねません」

 

 簪は一度言葉を区切って2人の様子を見た。クロエの方は恐らく大丈夫だろう。彼女は在学中からこの部門に出入りしていて、その際に情報管理の大切さを教え込んである。また社長の役に立つ為にISパイロットになったという経歴を考えれば、下手な事を言ったりはしないだろう。だが蘭の方は元々一般人。ISパイロットとしての教育は学園で受けてきているが、自身の発言が世界に影響を与えるというのは想像し辛いかもしれない。

 よって簪は、もう少し突っ込んだ話をする事にした。空間ウインドウを展開して、現在決まっている予定を表示させる。

 

「ここに、今後1週間の我々の行動予定があります。2人とも、もしこれが外部に漏れたらどうなるか分かりますか?」

 

 クロエと蘭は互いの顔を見た後、まずはクロエが答えた。

 

「パイロット視点で言えば罠を張られ易くなります」

「それもあります。気象コントロール用ISの強奪を目論む者にとって、我々の行動予定が分かるという事は、そこに好きなように罠を仕込めるという事です。特にクロエさん。貴女が使う“黒鍵”は束博士自らが作り、調整した生体融合型IS。どんな危険を犯してでも手に入れたい輩は多いでしょう。パイロットと分離できないなら、或いはその方法を探る為に、貴女が昔された以上の事をされる可能性すらある。もし不埒者の手に落ちたら、高確率で」

 

 簪は一度言葉を区切り、一呼吸置いてから言葉を続けた。

 

「今言った事も、これから言う事も、恐らく貴女は良く分かっているでしょう。ですが敢えて、ここで言葉にしておきます。学園を卒業した今、貴女の不始末は貴女だけの問題ではありません。私達にも、貴女が慕う社長にもかかる問題になるという事を、肝に銘じておいて下さい」

「はい!!」

 

 ハッキリとした良い返事に、簪はニコリと笑った。

 

「宜しい。では、他には何がありますか?」

 

 次いで蘭が答えた。

 

「………誰かを助けたという事は、誰かを見捨てたという事ですよね。怨恨から自分達を護るという意味でもでしょうか」

「それもあります。もし同時期に複数個所で異常気象災害が起きた場合、我々は何処かを見捨てる事になります。もし事前に何処を助けて、何処を見捨てるかが漏れたら、見捨てられた方はどう思うでしょうね? 無論、無理をすれば助けられる事もあるでしょう。ですがそれを普通の事と思われてしまえば、我々は様々な勢力から便利屋として使い潰される事になります。それを肝に銘じておいて下さい。2人とも、良いですね」

「「はい!!」」

 

 力強い揃った返事に簪はもう一度ニコリと笑って肯いた後、今度は蘭に向けて言った。

 

「蘭さん。入社初日ですが、最後に意思確認をしておきます。これから専用機持ちになる貴女はまだ少し実感が湧かないかもしれませんが、専用機というのはそれ自体が強奪対象になり得る上に、我が社でカスタムされたISはあらゆる意味で他のISとは違います。どんな危険があるか分からない外宇宙ミッションに投入される可能性もあるため、基礎スペックそのものが違います。更に言えば、この部門の人間である事に価値を見出して接近してくる者もいるでしょう。私生活も確実に激変します。多大なストレスを受けるかもしれません。なので初日にこんな事を聞くのは申し訳ないのですが、選んで下さい。このまま此処に配属となって働くか、辞退するか。仮に辞退したとしても、可能な限り安全な職場の手配はさせてもらいます」

 

 始まってすらいないのに突きつけられた選択はとても重いもので、蘭は色々考えてしまった。脳裏に尤もらしい言葉が幾つも浮かんでは消えていく。所謂面接用と言われるお上品な解答だが、どれもこの場の解答には相応しくない気がする。というか志望動機に目を通したであろう人間がいる場所で、お上品な解答をしても無意味だろう。志望動機の一番最後に書いた一文が心の声なのだから*1

 だから蘭は模範解答を全てぶん投げて、思いっきりぶっちゃける事にした。

 

「私がカラードを希望した理由は3つです。1つ目はIS関連でダントツで、掛け値無しに一番のところだから。2つ目は一夏さんを追いかけて。恋人がいるのは知ってますけど、知った事じゃありません。告白すらしてないのに諦めるなんて嫌です。3つ目はクロエがお馬鹿だから」

「「え?」」

 

 簪とクロエが同じ言葉を発して声が重なる。他の先輩達も予想だにしていなかった言葉に何事かと見ていた。晶だけが「あ~、言っちゃうんだ」とドキドキしながら見ていた。

 

「1つ目と2つ目は飛ばして、3つ目の事だけ色々言います。この子ってお勉強的な意味では常に座学首位をキープして、パイロットとしても常にトップ5圏内の成績で凄かった。人間関係もそつが無くて、傍目から見たら完璧超人。でもルームメイトだった私は知ってるの。この子真面目過ぎて、息の抜き方が分からないお馬鹿さん。適度に馬鹿をやってリラックスさせてあげる人がいないと、何処かで潰れる。他の義姉妹さん達と直接会った事は無いけど、話を聞くかぎりお姉ちゃんって頼られてたら、この子絶対良いお姉ちゃんでいようと頑張っちゃうもの。まぁ、カラードに入れて思い人の近くには来れたから不幸って訳じゃないだろうけど、人生それだけじゃないでしょ。だから、ちょっと支えてあげようと思って。勿論、下心はあるわよ。クロエを支えながら実績を積めば、一夏さんに近づき易くなるじゃない」

 

 清々しいくらいのぶっちゃけだった。最後は下心なんてちょい悪な感じを出していたが、顔どころか耳まで真っ赤になっているドヤ顔を見れば、本心が何処にあるかなんて丸分かりだろう。

 晶は思わず拍手をしながら口を開いていた。

 

「いいね。そこまで言えるなら大したものだ。そして改めて言おう。採用だ。こっちとしては身辺に注意して情報管理をちゃんとやってくれれば言う事は無い。あと、頑張れ。一夏を口説き落とすの楽しみにしてるぞ」

「良いんですか」

「あいつなら奥さん3人いても大丈夫だろ。あ、でもドロドロの昼ドラみたいな事だけは止めてくれ。やるなら今みたいに正々堂々な」

「はい!! あとついでに、一夏さんとの協働ミッションとか仕込んでくれると助かります」

「面白そうだけど、お前の働きを見てからな」

「頑張ります!!」

 

 ビシッと敬礼する蘭。

 部門長()が新人に責任の重さを自覚させようと敢えて作っていた真面目な雰囲気が全部吹っ飛んでしまった。

 

「はぁ、ちょっと予想外の展開ですが、意思確認が出来たので良しとします。ではこれから仕事内容や使っている装備、当部門ではIS以外にも色々使っているので説明していきますね。――――――そして、社長はこれまでです。早く他の部門も回って、新人さん達に同じように声をかけてあげて下さい。此処だけでしたら、それこそ不平不満が出ますよ」

「それもそうか。じゃあクロエ、頑張るんだぞ。あと蘭さん。こいつ多分言った通りだから、適度に引っ掻き回してやってくれ」

「分かりました!!」

「お義兄様!! 蘭もそんなに意気込まないで!!」

 

 そうして社長()が片手をヒラヒラと振りながら去っていくと、部門の本格的な説明が始まったのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 時間は進み、お昼。

 2人はカラードの社員食堂に来ていた。広く開放的で清潔感溢れる空間に、ガラス張りの壁面と天上から太陽の光が燦々と降り注いでいる。だが面積に反して席が少ないのは、此処がISパイロット専用の食堂であるためだった。

 

「………ねぇクロエ。ふと思ったんだけどさ、今更だけどカラードってISパイロット用の社員食堂を用意する必要があるくらい、ISを保有しているってことだよね」

「言われてみれば、そうよね」

 

 トレイを手にした2人が席に座りながら話していると、見知った顔が近づいてきた。

 IS学園で同じクラスだったリア・フェルトだ。少し長めのポニーテールと活発そうな容姿が印象的で、正義感の強い子だ。

 

「2人とも、卒業式以来だね。そっちはどうだった?」

「凄いの一言だったわ」

「うん。要求される技能。使っている装備。何もかもが桁違い。そっちは機動特捜課だっけ?」

 

 蘭の言葉にリアは肯く。かつて束と晶に救われた彼女は、カラードへ入る道を選んでいた。だが就職経緯は他人と少々異なっていた。というのも3年生になった頃から、ISパイロットに成りたいという夢は叶えられそうだったが、大好きな姉を手伝いたい・困っている人を助けられるようになりたいという思いも捨てきれず悩んでいたのだ。そして姉の仕事が、只の探偵なら大して悩まなかっただろう。だが姉の仕事は探偵を隠れ蓑にして束博士から直接仕事を請負、ISを使って活動するエージェントのようなものだ。ISパイロットとしての勉強をすればするほど、卒業してすぐに姉の元に行っても、足手纏いにしかならないような気がしてならなかった。

 そんな思いを抱えながら長期休暇で実家に帰っていた時の事だった。姉のISコアネットワーク経由で、篠ノ之束と薙原晶という雲の上の人間から、直接、指名で連絡が入った。手紙でも電話でも呼び出しでもなく、秘匿性が完璧に確保されたISコアネットワークでだ。あの時の驚きは生涯忘れないだろう。

 そして提案されたのが機動特捜課で経験を積んだ後、将来カラードが何らかの要因で動けない案件が出来た時の為に、外部の人間になって欲しいというものだった。

 このため将来的には、単純な退職扱いか、経歴の抹消か、協力会社という形になるかは分からないが、いずれカラードを出る事になる。しかし出会いがあれば別れもあるのが社会だ。それに面白そうと思ってしまった。あのカラードを外から助けて、日頃は昔の自分を助けるような仕事が出来る立ち位置など、そうは無い。むしろこの提案でしか有り得ない。だからリアは今を悔いなく走り抜けようと決めていた。

 

「うん。まだ小さい課なんだけどね、上2人が物凄い熱いというか、熱心な人でね。多分仲良くやっていけそうかな」

 

 彼女の上司は赤坂由香里と宮白加奈だった。今は星間犯罪についての情報収集と対策の研究が主な仕事だが、将来的には現場での対応が仕事内容に含まれているため、恐らく星々の海を飛び回る事になるだろう。聞いた話によれば、課で使う専用の艦も準備されるらしい。

 こうして3人は楽しい楽しいお喋りタイムに突入し、あっと言う間に午後の業務開始時間となったのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 午後の時間も瞬く間に過ぎて行き、自宅に帰ったクロエは玄関のドアを開けて、「ただいま」と言いながら入っていた。奥の方から「おかえりー」と返事が返ってきて、足音が近づいてくる。

 出迎えてくれたのは義妹の1人の冬祭(ふゆまつり)真理(まり)*2。長く艶やかな黒髪をお団子ツインテールにしていて、幼い表情とは裏腹にとても発育が良い子だ。そしてチャイナドレスを着た時の曲線美と言ったら同性ですら羨む程だが、今はピンクのエプロンに黒ジャージというとても地味な自宅仕様だった。

 

「お義姉ちゃん。初日はどうだった?」

「今のところはなんとも。でも流石お義兄様の会社ね。学生の頃から何度か出入りはしてたけど、実際に中に入ってみるとやってる事が桁違いだわ」

 

 靴を脱いで上がると、良い匂いがしてくる。

 

「みんなは?」

「もうちょっとで帰ってくると思う」

「分かったわ。なら御飯の用意手伝うけど、何残ってるの?」

「あと盛り付けだけ」

「じゃあやるわね」

 

 クロエは制服の上着をハンガーに掛けると、真理と同じピンクのエプロンを着けてシステムキッチンにある御飯やおかずの盛り付けを始めた。

 その最中、クロエが手を動かしながら尋ねた。

 

「そういえば、どうして貴女だけ家にいたの?」

「講義の先生が体調崩したみたいで、休講になったから先に帰ってきたの。お義姉ちゃん出社初日で疲れてるだろうし、御飯の準備は済ませておこうと思って。手伝って貰っちゃってるけど」

「盛り付けだけじゃない。はい」

 

 真理が受け取ったお皿をテーブルに運びながら話題を変えた。

 

「ねぇお義姉ちゃん」

「どうしたの?」

「お義兄様に引っ越して欲しいって言われて、引っ越してきた時は綺麗な家だなって無邪気に喜んでたけど、冷静に考えたら此処って幾らかかったんだろうね? だってタワーマンションの最上階でハイクラス仕様っていうだけでも高いのに、お義兄様ならセキュリティ関連で絶対色々仕込んでるでしょ」

 

 晶はクロエのIS学園卒業に合わせて、義妹達全員が一緒に住める新しい住まいを用意していた。クロエをカラードの寮に入れる事も可能だった―――というか専用機持ちに対するセキュリティのみを考慮するなら入れるべきだった―――が、すぐ近くに住んでいるとは言え、義妹達と住まいを引き離すのが忍びなかったからだ。

 なので晶は「金と権力とはこういう時に使う」とばかりに近くのマンションを丸ごと買い上げ、徹底的なクリーニングの後に土台や建造材を含めて内装を全面リフォームしていた。はっきり言ってリフォームではなく建て直しで、マンションの皮を被った要塞である。そして義親バカならぬ義兄バカを発揮して周囲も念入りにクリーニング。ついでにカラード周辺地域のセキュリティシステムを丸ごと更新して、怪しい動きがあればすぐに察知できるようにしていた。因みに一軒家にしなかった理由は、1階や2階程度の高さだと、商魂逞しいパパラッチなどは平然と覗いてくるからだ。更に付け加えるならマンションの最上階はヘリポートになっているため、普通の人間が人の出入りを把握するのは大変難しくなっていた。ヘリが使われれば人が来た事くらいは分かるかもしれないが、使わない者もいるからだ。

 

 ―――閑話休題。

 

「とても沢山でしょうね。でもお値段は聞かないであげましょう。多分、気にしないで欲しいと思ってるでしょうから。真理も嫌でしょう。渡したプレゼントの値段を気にされるの」

「そうかもしれないけど、こんなに良い家をくれたんだもん。感謝の気持ちとして何かをしてあげたいって思うの。でもどんな事なら喜んでくれるかな?」

 

 クロエは思った。確かにその通りだろう。今の私達に出来る事は少ないかもしれないが、やらないよりはずっと良い。

 

「それもそうね。う~ん。私もすぐに良い案は出てこないから、みんなが帰ってきたら相談してみましょうか」

「うん」

 

 こうして2人は後から帰宅した他の義妹達と、新しい家を貰ったお礼について相談し始めたのだった。

 因みに既に幾度となくパックンされているので、内容的には極めて健全な方向性であったという。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 時は少しだけ流れ、数日後のカラード。

 クロエと蘭の2人は異常気象への対応という独特な仕事現場に慣れるため、簪と本音コンビのミッションに同行していた。

 厳密に言えばクロエは学生時代からミッションに参加していたのである程度は知っているのだが、学生にミッションの全てが任される訳もない。しかし正式配属となったこれからは、ミッション中の事だけでなく、その前後に行われる全ての事を理解していなければいけないのだ。

 因みに蘭の専用機はまだ決定していないので、今回は取り合えずノーマル仕様の打鉄が与えられていた。

 

「―――さて、ミッション概要には目を通していると思いますが、一応説明しておきます」

 

 南極に向かうグローブマスターⅢ(C-17)改修機*3の中で、2人の前に立ったISスーツ姿の簪が今回のミッション内容を話し始めた。

 特に難しいミッションではない。温暖化で溶けつつある南極の氷を、海を凍らせる事で復元するだけだ。そして南極だけではバランスが悪いため、後日北極でも同様のミッションが予定されていた。しかし復元のし過ぎには注意しなければならない。余りに急激に戻し過ぎると、環境変化の反動で他の地域で強い異常気象が出てしまう可能性があるからだ。従って全ての異常気象対応ミッションは、スーパーコンピューターを使った厳密な予測演算が行われていた。

 また少々余談となるが気象コントロールが可能と分かると、地球全体の気象を自動的に完全コントロール出来るようにして、理想的な環境を造るべきではないかという者が一定数いたが、束と晶にその考えは無かった。何故なら地球には元々生物が生存していけるだけの気候が備わっているからだ。そこを無理矢理全面的にコントロールして、万一コントロール装置が故障した場合、第二回外宇宙ミッションで赴いた星のようになり兼ねない。そうなった場合、惑星環境の再生に多大な労力を支払う事になるからだ。このため異常気象対応部門の方針は、あくまで対処療法と傷ついた部分を少しずつ癒していく、というものになっていた。近道など無いのである。

 

「―――ミッションについては以上です。何か質問はありませんか?」

「いいえ。大丈夫です」

 

 クロエが答える。が、蘭は違っていた。

 

「ミッションそのものについては分かりました。でも出発前に色々物資を積み込んでいましたけど、あれは何に使うんでしょうか?」

 

 この輸送機の格納庫には、大量のコンテナが積み込まれていた。ミッション内容の説明で触れられなかったので、何に使うのかという事だ。

 

「あれは南極観測隊への物資です。仕事で行くのですから、ついでに運んであげようという訳です。無論タダではありませんが、観測データの提供と引き換えに大分お安くはしていますね」

「なるほど。ありがとうございます。あと、もう1つ良いでしょうか」

「何ですか?」

「このミッションに限らないんですけど、こちらの言う事を聞いてくれない見学者については、どう対応すれば良いのでしょうか?」

 

 部門の活動の一環として、無論取材活動も受け付けている。クロエも学生時代にインタビューを受けて、何度か雑誌に載ったりいていた。しかし世の中には、非常に非常識な者もいるのだ。

 

「気象コントロールは基本的に上空で行うので殆どの場合は何ともありません。ですが放送局や熱烈な………ファン、という事にしておきましょうか。そういう人達がヘリをチャーターして空にまで追ってくる事があります。その場合は数回の警告の後、護衛機の出番です。強制排除して下さい」

「強制!? あの、良いんでしょうか?」

 

 蘭が戸惑う。しかし簪はハッキリと言い切った。甘い対応をして良い事など何一つ無いからだ。

 

「ケースバイケースで悪質な場合に限りますが、台風や豪雪などの自然災害に対するミッションだった場合、開始の遅れは該当地域の市民生活を直撃します。それが分からない非常識な者に温情をかける必要はありません。そしてこれは依頼主ではなく、ミッションを行う国に対して必ず呑ませている契約内容でもあります。怖いですか?」

「正直に言えば。はい」

「悪い事ではありませんし、その感性は大事にして下さい。ただ同時に、開始の遅れは該当地域の市民生活を直撃する、という事も十分に理解しておいて下さい。もっとハッキリ言いましょう。開始の遅れは該当地域の人達が、家族を失い家を失い稼ぐ術を失い、生活基盤が壊れていく様を傍観する行為に等しい。対処に迷ったら、これを思い出して下さい。ミッションは結果が全てで、結果のみが私達の在り方を肯定します。決して、忘れないように」

 

 ここまで言った簪は、帰ったら自然災害の被害についても学習させようと思った。数字上のデータだけでなく、実際に被害にあった人達の生の声や映像だ。少々刺激が強いかもしれないが、異常気象や災害に関わるなら知っておかなければならない。

 

「は、はい!!」

 

 戸惑ってはいるがハッキリとした返事に、簪は続けた。

 

「ではそろそろ作戦領域なので、準備しましょうか。――――――本音。時間よ」

 

 すると近くの椅子で、アイマスクを着けて眠りこけていた本音が目を覚ました。

 

「んぁ? あれ? もう着いたの?」

「あと3分ね」

「分かった。じゃあ、サクッと終わらせて早く帰ろうね」

 

 本音が両腕を上に上げて伸びをすると、ISスーツ姿のお陰で豊かな胸が強調される。学生時代(しかも1年生の時!!)から91と大きかったが、簪は知っていた。今はもうちょっと大きい。羨ましくないと言えば嘘になるが、昔ほどではなかった。今はしっかりと起伏も谷間もあって形も良いのだ。

 少しばかり横道に逸れた思考を戻しながら格納庫に行くと、3人が続く。

 

「じゃあ、行きますよ」

 

 簪が専用機、打鉄弐式を展開する。そして彼女の専用機は、本来の歴史(原作)とは異なる仕様になっていた。本来の歴史(原作)では高機動高火力型だったが、この打鉄弐式は違う。極端な二面性を有する機体になっていた*4

 1つはフルアーマーを纏った重装甲・重火力形態。

 この形態は有澤製特殊複合装甲(フルアーマー)の防御力を信用し、回避は必要最小限というコンセプトで組み上げられていた。重量により低下した旋回性能はターンブースターによる超高速旋回で補い、真正面からの撃ち合いに持ち込む。小難しい事は一切しない。2門の連射型荷電粒子砲“春雷(しゅんらい)”と最大48発の独立稼動型誘導ミサイル“山嵐(やまあらし)”、場合によって持ち変えられる両手の重火器で敵機を粉砕するのだ。なお近接対策としてフルアーマーには爆圧スパイクとクレイモア近接防御システムが組み込まれており、迂闊に近づこうものなら、串刺しかボールベアリング弾の餌食だった。(ちなみに学生時代に対戦した一夏は初対戦の時、イグニッション・ブースト(瞬時加速)で突っ込んだところをクレイモアで狙い撃たれていた。以降、彼は「相手を探る」という行動を覚えたようである)

 もう1つはフルアーマーや重火器を排除(パージ)した高速格闘形態。

 超振動薙刀“夢現(ゆめうつつ)”を主武装とし、エネルギー配分をブーストに偏らせる事で、第3世代機でも上位の機動力や運動性能を実現している。高速でのヒット&アウェイを捉えられる者は、そう多くないだろう。加えて最近行われた改修でサブジェネレーターとエネルギーカートリッジシステムが追加されているため、基礎スペックがかなり底上げされていた。

 ただし一度高速格闘形態になってしまうと、フルアーマーの再装着には、他人の手を借りなければならないという欠点はそのままであった。何故ならこのフルアーマー、拡張領域(パススロット)に格納すると容量を食い過ぎて、予備弾薬の携行量を圧迫してしまうのだ。

 そしてこの機体には、非常に有名な追加兵装があった。その名を“ガトリンググレネード”。名前の通りグレネードをガトリング砲の連射速度で放つという狂気じみた武装で、絶対天敵(イマージュ・オリジス)の第二次来襲時、北京降下部隊が同武装を装備した日本のIS部隊によって、木端微塵に粉砕されている。無論多くの支援があっての事だが、その破壊力は軍関係者の度肝を抜いていた。

 

 ―――閑話休題。

 

 4人がグローブマスターⅢ(C-17)改修機から飛び降る。高度3000メートル付近で滞空すると、クロエと蘭は見学の為に距離を取った。同時に、簪が本音の右斜め後方45度にポジショニング。

 すると本音は全く気負った様子もなく、いつも通りの雰囲気で開始を宣言した。

 

「じゃあ、いっくよ~」

 

 専用機“九尾ノ魂”を展開している本音が両手を広げると、眼前に直径10メートル程度の蒼いエネルギースフィアが形成された。次いでそれが変形し、蒼い柱となって天地を貫く。直後、柱の突き刺さった海が凄まじい勢いで凍り始めた。昨年南極から溶けだした氷河は約1500億t。今回のミッションでは同等量+α程度を再氷結させて、環境変動を緩やかに治療していく事を目的としている。

 そしてこの光景に、クロエは度肝を抜かれていた。同じ気象コントロールを行えるはずの専用機“黒鍵”だが、コントロールの精度が桁違いなのだ。例えるなら自身の気象コントロールが力任せだとするなら、彼女の気象コントロールは精緻の極み。見ただけでエネルギー効率が桁違いだと分かる。

 

(これが先輩。なんて遠い背中)

 

 湧き上がってきた感情は嬉しさだった。何故ならクロエは、IS学園でトップを独走していた。座学は常に首位。パイロット訓練だって常にトップ5圏内だ。しかも背中が見えないほど圧倒的な差があった訳でもない。目標があったから手を抜くような事は無かったが、ライバルと言えるような強者はいなかった。しかし布仏本音のこれは違う。同じタイプのISを使う者として、目標とするに足る圧倒的な実力差だ。

 クロエがそんな事を思っている最中、簪と本音も喋っていた。

 

「随分上手くやれるようになったわね」

「うん。なんて言うのかな。別の星に行ってお仕事してから、なんかビビッと来たって言うか、見えるって言うか………ん~、なんか上手く言葉にできないけど、分かるようになったっていう感じかなぁ」

 

 布仏本音は天才肌だ。そして彼女は第二回外宇宙ミッションにおいて、空間潜行艦アリコーンからエネルギー供給を受けながら、地球のミッションでは危険過ぎて決して行えないレベルの気象コントロールをやってのけた。彼女は機体の限界領域で気象コントロールを行った事で、余人には分からない何かを掴んでいたのだ。また“九尾ノ魂”もパイロットの何かに応えるべく、次の形態を模索し始めていた。

 

「頼もしいわね」

「ふふ~ん。褒めて褒めて」

 

 軽口を叩いている間にも、海は凍り続けていく。そうしてたった30分程度で、約2000億t分の海が凍った。昨年溶けだした氷河の量+αだ。

 

「本音。お疲れ様。今結果を確認するから、少し待っててね」

「うん」

 

 すると簪はISのセンサー系を使って、今回作り出された氷塊が予定通りの範囲に及んでいる事を確認した。またISのセンサーで得た生のデータは外部に提供し辛いため*5、カラードが保有している観測衛星で広域な範囲と作戦領域の両方をスキャン。外部提供用データも準備しておく。宇宙関連に強いカラードだからこそ可能な対応だ。

 

「では、ミッションを終了します。戻りましょうか」

 

 こうして何事もなくミッションは終了したのだが、クロエと蘭が受けた衝撃は大きかった。帰った2人は先輩の実力、責任の重さ、様々な事を思い出し、実感していく。だが怯みはしなかった。むしろまずは先輩に追いつこうと、前向きに気持ちを新たにするのであった。

 

 

 

 第198話に続く

 

 

 

*1
第192話にて。

*2
元ネタは冬月 茉莉(とうげつ まつり)。画像検索の際はくれぐれもご注意を。

*3
ハウンドで運用していた魔改造機の正式配備版である。

*4
完成は第96話にて。

*5
フィルターをかけてもセンサー性能の推測材料になってしまうため。




“九尾ノ魂”がセカンドシフトの準備に入りました。やはり外宇宙ミッションの経験値は大きかったようです。
そして義妹ちゃん達のお住まい変更。クロエを寮に入れる事も考えましたが、このような形となりました。
メッチャ良いところに住んでおります。
あと結構覚えてくれている人が多かったオリキャラのリアちゃんは、カラードで経験を積んでからいずれ退職予定となりました。
もっともまだ予定なので変更の余地はあったりします。

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